戦犯者たちの生き甲斐   作:サービス

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27話

 

 「ジョエル・ミラーを見つけた」

 

 「「どこ!!?」」

 

その言葉を聴いた瞬間エリーとアビーが商人に詰め寄ってきた、鍛え抜かれた女傑二人に締め上げられ喋りたくても喋れない…

 

 「アビー!長を離して!このままじゃ死んじゃう!!」

 

レブの声を聴いた二人が商人の状態を認識してゆっくりと手を離す…

 

 「大丈夫?長…?」

 

 「長じゃないって言ってるだろう…」

 

ゲホゲホ、と咳き込みながらも訂正をする…服を整えながら再び彼らの前を向いて話を続ける

 

 「三日前にボールドウィンの屋敷って所にな、ジョエル・ミラーが入って行くのを見たらしい…今日も建物の中で誰かが生活してる様子が窓から見えたと言ってたから居ると思うぞ。」

 

それを聞いてエリーは直様近くにある武器を手に取り外へ走り出す。

 

その姿を見てファイヤフライ組も急いで後を追うが…

 

 「ちょっと待ってくれ…」

 

トミーがオーウェンを呼び止める

 

 「もう復讐するなとは言わない…だが頼むどれだけ痛めつけても良いから殺しはしないでくれ…」

 

この通りだとトミーは一番話が通じそうな彼に対して頭を下げる…

 

 「…約束は出来ない…」

 

自分だって大切な人達を殺されている…だが誰かを憎む事に疲れうんざりしている彼はそう答えた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「くっそ!なんだよ!?この感染者共の群れは!!」

 

 「幾ら何でも多すぎる!!」

 

吹雪の中でアビー達は群れに追いかけられながら走り続けていた…

 

商人に教えられた近道を使い、時折近づいてきた個体の頭を撃ち抜きつつ商人に渡された地図を頼りに屋敷を目指す…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 (ジョエル!ジョエル!)

 

 「エリー!ちょっと待って!」

 

 「おいエリー!どうしたんだ!?」

 

先に街を出たエリーは巡回から帰ってきたジェシーの馬を奪い屋敷に向かっていた…

 

ジェシーとディーナが慌てて他の馬で追いかけて来たがそれに構っている暇などなかった…今は一刻も速く屋敷に行かなければジョエルは死ぬ

 

 

 

 

二つの陣営が吹雪の中を駆け巡る中商人は無線を使い仲間たちに連絡をとる

 

 「そろそろだ全員用意しとけ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボールドウィンの屋敷…

 

ジャクソンを囲む山々の中に佇むこの屋敷には感染者達の群れが張り付いていた…

 

 「…行くよ…みんな…!!」

 

先に到着したのはアビー達だった、殺気だった仲間達を見ながら屋敷に入って行く…

 

中は意外にも静かだった…誰かが生活している様子はなく荒らされた形跡もない

 

小銃を構えて備え付けられているライトで辺りを照らし進んでいく、すると…

 

“ガシャン!““ガシャン!“

 

 「何?この音…?」

 

 「足音…?」

 

 「それにしちゃ音が変じゃねぇか?金属の塊みたいな音つーか…」

 

妙な音に反応したメルとノラにジョーダンが答える…

 

警戒しながら音がする方へと移動する…

 

そこは広間だった椅子や机などの家具が置かれ人がいる様子はない…

 

 「誰もいない?」

 

 「いや、アレだ…」

 

アビーの疑問にマニーがある物に向けて銃を向ける

 

甲冑があった…中世の騎士が身につけていそうな物だ

 

全員が構えるそしてゆっくりとマニーが近づいて兜を素早く取り外す…

 

中身は空だった…

 

 「……ふぅ〜〜」

 

緊張が解け息をつく…

 

ひとまずこの広間に敵はいない…そう思い別の部屋を探索する為に動き出した時だった

 

“ガシャン“

 

背後から音がした…

 

 「…!?」

 

慌てて振り向いて銃を向ける、其処には人はいない

 

 「なによ…」

 

アビーが震える声で呟く…

 

他のメンバーも眼を見開き震える…

 

“ガシャン““ガシャン“

 

甲冑が動いていた…先程確認した中身のない筈の甲冑が…

 

膝を曲げて兜を拾い胴体部の上に乗せる

 

“ガシャン!!“

 

スラリと腰にある鞘から剣を引き抜き床を足で踏み付け音を鳴らす

 

周りにあった家具を押し倒しその後ろから新たな甲冑達が現れる、そして…

 

“ガシャンガシャンガシャンガシャンガシャン“

 

一斉にこちらに向かって前進した

 

 

 

 

 

 

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