戦犯者たちの生き甲斐 作:サービス
ジャクソンのとある巡回道に在る廃ホテル、その中から叫び声が響き渡る。
「ギィィィィ!!!」
「ァァァーァァァァ!!!」
それはとても人の声とは思えなかった、いや、実際最早人ではない。菌に侵され理性を失い怪物となってしまった感染者達だ。彼らは獲物を求めてその場を徘徊する、いつの日か完全なる菌になってしまうその時まで。
「フー!フー!...エッッ!?」
その中の一体が何かに反応する。すると建物入り口から何かが入って来た。
ガチャン! ガチャン!
「「「「「シャァァァァ!!」」」」」
音に反応した感染者達が一斉にそちらに向かう。それと同時に音を立てた本人も外に向かって走り出す。
「ガァァァァ!」
「エッ!エッ!アァァァ!!」
叫び声とも威嚇音とも取れる音をたて、外に飛び出した感染者達、そして。
プシューーー!!
そこで彼らの意識は途絶えた。
「なんか、必死になって対策考えたのが馬鹿みたいに思えてきたアタシ。」
「そんな事言わないで、上手くいったんだからよかったじゃない。」
思いっきり肩を落として項垂れるエリーをディーナが慰める。
「でもまさかこれが本当に効くとは思わなかったわね。」
「うん、まぁそうだね。」
彼女達は自身の手に持つそれに視線を落とす。商人から売買したそれは何てことない代物だった。
「除草剤噴射機って、まあ確かにあいつら菌だけどさぁ!!」
理屈としてはまあわかる、ただ何というか納得がいかない、今までの苦労は一体何だったのだろうか?数少ない弾薬でやり繰りし、弾が尽きたら近接武器で戦う、そんなことをしてやってきたと言うのにこうもアッサリいってしまうとなんか釈然としない。
「おい、其れより何で俺はまたこの格好にさせられたんだ?囮をやるにしてももっと動きやすい服装でも良いだろう?」
「それは商人のリクエスト。」
余談だがジェシーは再びサムライの格好にされていた。噛みつかれても此れを着てれば大丈夫だ、だから着てくれと押し切られた。しかもマスクも鎧に合わせたデザインにするという無駄なこだわり。
「よし!!大分片付いたぞ!!生き残ってる奴らもほぼ虫の息だ!」
大人達が除草剤を浴びせながら報告する
「だが肝心のブローターが居ないな...」
報告を聴いたジョエルが呟く、そう倒れているのはランナーやクリッカーのみで最も脅威となり得るブローターの姿がない。
「やはり、ホテルの奥に入り込んじまってるか。」
「ああ、いつまでも窓の近くに座り込んでちゃくれないみたいだな。」
商人の話では窓に巨大な感染者の影を見たと言っていた。しかし当然ながらブローターは同じ場所に留まりはしない、生き物である以上常に移動するのだ。
「やはり中に入るしかないか。」
「だな。」
ジョエルとトミーはマスクを着用して中に入る準備をする。
「おいお前ら、もう全員片付けだだろう?それを貸してくれ。今から俺とジョエルで中に入る。」
トミーは近くにいる者から噴射機を2つ受け取りそのうちの1つをジョエルに手渡す。
「これでよし、銃も弾薬も充分ある、それじゃあこれから俺たちは中に入るもし何かあれば商人からレンタルしたトランシーバーで報告するから宜しく頼む。それじゃあトミー行くぞ。」
「了解」
そう言って2人はホテルの中へ入っていった。