戦犯者たちの生き甲斐 作:サービス
暗い胞子が飛び交う建物の中を照らす明かりがあった。
「しっかし外は真っ昼間だってのに随分と暗いな。」
1つはトミー、緊張をほぐすためか話題を振る。
「まあ、天井が崩れて瓦礫で光が届かなくなった箇所ができたんだろう。そうでなくてもホテルなんて窓がある部屋なんか、客室やレストランくらいだろう。」
もう一つはジョエルだ、ふられた話題に対して特に考えず答える。
「それにしてもだ、」
そしてもう一つは…
「何でお前までついてきたんだ?」
「ヒッヒッヒッ、気にするなストレンジャー。」
商人である、
「お前まで来る事なかっただろう、武器も連絡手段も用意してくれたんだ、着いてきてくれるのは頼もしいが、これ以上何かされても返せる物がないぞ?」
「ジョエルの言う通りだ、今からでも遅くない、外に出た方が安全だぞ。」
2人は商人に対して外に出るよう促すが当の本人は全く歩を緩めない
「心配するな、自分の身は自分で守る足は引っ張らない、俺のことは気にせずやるべきことをやってくれ。」
そう言うと商人さらに歩く速度を速める、何なら2人よりも先に前を歩く勢いだ。
「一体どうしたんだろうな?商人の奴…っておい?ジョエル?」
「ん?…あぁ、何でもない、そうだな。」
様子のおかしい商人に、ジョエルの意見を聞こうとするトミー。しかしジョエルも何か考える素振りをしていた。
「どうした?何か心当たりがあるのか?」
商人の行動に思い当たる節があるのか聞いてみる。するとジョエルが話し出す。
「昔、まだサラが生きていた頃の事なんだが…」
サラとは亡くなったジョエルの娘である、彼が言うにはまだ世界がこのような事になってしまう前、ショッピングモールで買い物をしてた時に言ったらしい"サラに欲しいものがないか?あるなら買ってあげるぞ?と…
「そう言った時のサラが丁度今の商人と同じような状態だったんだ。」
それを聞いたトミーは、物凄くビミョーな顔をした。
「つまりアイツは今何か欲しい物があって、それが手に入りそうだからあんな風になってるのか?」
「わからない、あくまで俺の想像でしかないが…」
そんなこんなしている間にも商人は更に奥へと進もうとする。
「おいおい、何をしてるんだストレンジャーズ?早いとこ済ませようじゃないか、なんだったら仕事終わりに一杯奢るぜ、ヒッヒッヒッ、」
やはり明らかに上機嫌だ。
「なぁ、商人お前何かおかしくないか?さっきから妙に浮き足たってるが?」
すると商人の動きが止まる。
「…………」
「おっ、おい?どうした?」
「し、商人?」
急に黙り込んだ商人に少しビビりながら話しかける2人。すると
「ヒッヒッヒッヒッヒッヒッヒッヒッヒッヒーーー!!」
堰が切れたかのように笑いだした。
「どうしたどうした!?」
「おい!?静かにしろ!急にどうしたんだ!?」
2人が若干、イヤかなり引きながら商人に黙るよう促す、しかしマスクを着用しているため口を塞げない、とりあえず落ち着かせる為に話を聞く。
「やっとだ…」
「「は?」」
「やっと理想の場所を見つけた。」
訳がわからんと言った2人に商人は語る。
「今まで洞窟だの廃墟だの下水道だの、そんな所ばかり拠点にしてきた。それが悪い訳じゃない、だが客商売をする以上衛生面は大事だ。だからここは良い!今はまだボロボロだがこれぐらいなら修繕可能だ!!洞窟は倉庫としてここを店舗にすれば誰に魅せても恥ずかしくない店になる!!」
そう彼は、いや彼らは求めていた、此方の世界における正式な自分達の拠点を、そしてとうとう見つけたのだ、理想の場所を…
「さあ!!急ぐぞストレンジャーズ!!時は金なりだ!!これからやるべきことが沢山ある!とっとと終わらせて改修清掃に取り掛かるんだ!!」
そう言って商人は火炎放射器を片手に奥へと進んでいった。
「…行くか…トミー…」
「…ああ…」
なんか一気に疲れた。そう思う2人だった。