戦犯者たちの生き甲斐   作:サービス

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感想があった、何て返信したら良いかわからないので取り敢えず、嬉しいありがとうございます。


8話

 

 

ワクチンを開発したといった後の2人の反応は凄かった、商人が圧倒される程。

 

 作ったて何だ!?、自分以外にも免疫を持つものがいたのか!?、まさか生きたまま解剖したのか!?、など質問攻めにされ、取り敢えず2人を一旦店の中に入れた。

 

 「ほら飲め茶だ、これ飲んで落ち着け。」

 

 店の中にあるソファに座っている2人にお茶をだす、そして自分も対面に座り説明する。

 

 「先ず始めに言って置くが俺たちは人を生きたまま解剖なんぞしていない、前提としてそれだけは言っておく。」

 

 その言葉に2人は頷く

 

 「解剖したのはあくまで感染者だけだ、ランナーやらクリッカーやらな、普通の人間に関しては死体だけしか調べてない」

 

 「ならどうやってワクチンを開発したんだ?」

 

 ジョエルが商人に対して質問する、自分はファイヤフライを潰してエリーを助け出した。しかしエリーを犠牲にすることがワクチンを作る唯一の方法だったのは理解している。その情報が嘘であったとは思えない…

 

 「誰もそんなこと頼んでないけどね…」

 

 ジョエルの言葉にエリーが呟く、言葉に覇気がないのはワクチンが開発されたのを知って怒りの矛先を失ったからか…

そんな様子のエリーに何か声をかけようとするも言葉に詰まる、今の自分が何を言ったところで彼女には届かないだろう。その無力感を誤魔化すためにカップを手に取り茶を流し込む。

 

 「話を続けるぞ、その資料に書いてあることは間違いではない、だがそれが全てと言うわけでもないと言うのがウチの医療チームの意見だ。」

 

 「どういうことだ?」

 

 「その資料にはそこの嬢ちゃんに感染した菌は変異していると書かれてたな、そして脳に同化してると?成る程俺は詳しく読んでなかったからわからなかったがそこからワクチンを作るとなると確かに嬢ちゃんは死ぬ必要がある。なら話は簡単だ、そんな菌使わなければ良い。」

 

 エリーがその言葉に反応して商人をみる。

 

 「何言ってんの?そんなことできるわけないじゃん、ワクチンを作るには私の中の変異した菌が絶対に必要、その前提だけは変えられないって書いてあるじゃん」

 

 商人にエリーが反論すると彼はテーブルに置かれている物を指さす。

 

 「その茶、一体何の茶だと思う?」

 

 「「?」」

 

 2人は商人のことばに首を傾げる

 

 「この茶がなんだって言うんだ?」 「そうだよ、勿体ぶらないで早く答えてよ。」

 

 「キノコ茶って言うんだそれは。」

 

 言葉の意図を理解出来ずに黙っていたが、段々と顔が険しくなっていくまさか此れは…

 

 「奴らのキノコ茶だ。」

 

 次の瞬間エリーは立ち上がり商人を殴り飛ばす。

 

 「なんて事してんのアンタ!!そんなことしてッッ!!しかもジョエルはさっき!?」

 

 あまりの怒りに言葉が上手く纏まらず、商人の胸ぐらを掴み続ける。しかしジョエルが先程出されたお茶を飲んでしまったのを思い出し慌て出す。

 

 「落ち着けストレンジャーガール、言っただろうワクチンがあると…」

 

 「だからなんなの!!それと此れと一体何の関係が「それだ。」え?」

 

 「それがワクチンだ。ストレンジャーガール。」

 

 「経口摂取することで体内に入った菌を無毒化し無害なものにするそれがその茶の効果だ、まああくまで咬まれたり菌を吸い込んだ時に飲んで無毒化するだけで永遠に感染しなくなるわけじゃないから試作品なんだが。」

 

 その言葉にエリーは掴んでいた手を離す

 

 「アイツらのキノコを食べると、菌を無毒化できる?」

 

 「正確には、ある程度毒抜きをして茶にするとだな。勿論その他にも苗床を専用のものにして育てたり、育てる時に別の菌類と一緒にしたりと他にも色々やるが、とにかくそれで治療薬の効果を発揮する。」

 

 その言葉に今まで黙っていたジョエルが口を開く

 

 「商人、治療薬が完成してたなら何故それを隠すんだ?それが有れば助かる命もあっただろう?」

 

 少し責めるような口調でジョエルは話す、自分がこんなことを言う資格はないだろう、自分は世界よりもエリーを取ったのだから…だがそれでも言わなくてはならなかった、この男の真意を知るためにも…

 

 「ん?いやだいぶ前から販売してるが?」

 

 「はい?」

 

 その言葉に2人同時に気の抜けた声が出る。

 

 「もしかしてお前達カタログを見てないのか?初めてあった時にちゃんと配るだろう、その中の薬品一覧に書いてあった筈だぞ?」

 

 その言葉聞いてジョエルは思い出す、そうだ、確かに初めてコイツらのところで買い物した時になんか渡された…アレはカタログだったのか。

 

 「アタシそれ貰ってない」

 

 「ああ、嬢ちゃんには渡して無いな、今度他の奴に見せてもらうと良い。」

 

 呆然としているジョエルを他所に、エリーが商人に言う。エリーに関してはジョエルがいた為配る必要はないと判断し、渡さなかったのだ。商人は悪いと思い今度からは常連と一緒でも初めての客には渡そうと決めた。

 

 

 そんな商人を見てジョエルは思う、この男は悪意があるわけではないただ根っからの商人なのだと。

 

 「わかった今度確認しておくよ…今日はすまなかったな。」

 

 「いや、いいって事よ常連との交流は大事だからな。それに良いアドバイスを貰った、ワクチンに関しては最初に説明するとしよう。」

 

 「ああそうしてくれ。」

 

 ジョエルは立ち上がりエリーと向き合う

 

 「エリー…」

 

 「っ…」

 

 まだ少し気まずいのか顔を俯かせるエリー

 

 「俺の為に怒ってくれてありがとうな。」

 

 「別に…結局勘違いだった訳だし、」

 

 そう言うとエリーは商人に頭を下げる

 

 「ごめんなさい、勘違いしてアタシ思いっきり殴って本当にごめんなさい。」

 

 「俺からも謝るすまなかった。」

 

 頭を下げる2人に商人は何て事はないと笑う

 

「ヒッヒッヒッ、気にするな。昔はもっと理不尽な目にあった事がある、こんなのは如何とも思わん、どうしてもと言うなら次に客としてきた時は奮発してくれ。」

 

 「ああわかった、エリー。」

 

 「うん…」

 

 「帰ろう。」

 

 「うん。」

 

 そう言って2人は店を出る、あの様子なら多少のしこりは残っているだろうが、まあ大丈夫だろう。

 

 取り敢えず、エリーがめちゃくちゃにしたテーブルを片そうとした時だった。

 

 店の奥にある無線から声が聞こえた。

 

 『こちらシアトル支店長、ジャクソン支店長応答せよ』

 

 

 

 

 

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