離れて近づいて ~infinite world~   作:月島柊

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第11話 裏切り

 それから1ヶ月が経った。

少し遅れたが、攻略組の討伐の準備が行われた。俺はガンショップに行き、先の銃と弾を買った。数がすごいことになっているが。

 

「弾が5600、銃がS16型を3つね。聞いたわ、攻略組の討伐だって?」

「そんなとこだ」

「そう。それにしては弾がありすぎる気もするけど」

「万能のやつを買ったからな。咲希以外にも使わせる」

 

ガンショップの店員は結構優しい。仲もいいし。

 

「そうだ、ちょっと見せてくれない?魔法」

「いいよ」

 

俺は浮遊魔法で浮いて見せた。

 

「それを使うの?」

「そうだな。相手は塔を上ってるわけだし」

 

1番効率がいいことだろう。

 

「じゃあ、ちょっと1発かましてあげて」

 

そう言って、店員は物騒な物を俺に渡した。

 

「あのなぁ、いくら破壊しないからって、グレネードを手渡しするなよ……」

「落とさないでね。衝撃で爆発するから」

 

ホントに物騒だな。

 

「はいよ。じゃ、勝ってくるわ」

 

俺はガンショップをあとにした。あれ、よく考えたら俺、今物騒な物しか持ってない?銃にその弾、さらにグレネード。怖すぎだろ。

 

 俺が追放組織の拠点に着くと、俺はグレネード以外をストレージから出し、咲希に全て渡した。

 

「弾、すごいあるね」

「5600発だからな」

「そんなにいるの?」

「分からん」

 

俺は咲希にそう言うと、上を見上げた。ここは攻略組がいる塔の近くにある森。その中に大きなテントをたてている。

 

「蒼くん?」

「あぁ、そんなにいないといいなって」

 

俺はもう、そんなことを願うだけだった。

 

 

 

 

 夜中。もう外は暗くなり、静かになった。しかし、そんな中で、草を踏む音が聞こえた。虫じゃない、何か大きい生き物。動物、人間……

 

ジーッ

 

テントの扉が開いた。俺はすぐに銃を準備した。

 

「誰だ」

 

返事がない。なんだ、人間なはずなのに。

 

バンッ

 

テントの壁を貫通した。やはり、人間だ。

 

バンッ

 

もう1発。俺はすかさず銃を撃った。

 

「……馬鹿だな……」

 

そんな声が聞こえた。

 

「どういうことだ」

「組織を信じすぎだ」

 

組織?俺が疑問に思っていると、周りから多くの物音が聞こえてきた。

 

「仲間なわけないだろ」

「ここまで多くの人を集めた。多く殺せるじゃないか」

「っ!」

「このダガーを使えば、現実世界にも傷がつく。さぁ、遊ぼうぜ」

 

俺は追放する弾が入った銃を持った。しかし、すぐに取り上げられ、俺は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 痛い。痛い。痛い痛い痛い痛い痛い痛い。

呼吸がつらい。したくない。だけど、しないと死ぬ。

動けない。体が動かない。

内側からの鍵が部屋にかかってるのに、動けないって……

 

「終わった……っ」

 

まだ痛かった。

もう、無理なんじゃないか。助けなんて

 

「蒼くんの手当しないと。咲希、包帯持ってきて。あと塗り薬も一応」

「うん。お姉ちゃんは何するの」

「一応絆創膏とか持ってくる。切り傷が小さいのもあると思うし」

「分かった」

 

外で慌ただしく動いているのが聞こえた。外からドアは開けられない。窓だって割れにくい構造だし、鍵も閉まっている。入る手段がない。

俺はドアの近くまでどうにかして行こうとした。

 

「あがっ……」

 

ベットから落下した。力が入らなかった。

 

「なんか音した!」

 

気付いたか。開けないと入れない……俺は開けようと必死だった。

体を床に引きずっていったが、10cmくらいで流血していたことに気付き、結局断念。床に血がついていた。

 

「蒼くん!」

 

ドアをたたく音が聞こえる。俺はまた体を引きずって進んだ。少しずつ、少しずつ。

2分ほどかけてドアまで辿り着いた。俺はすぐに鍵を開けた。しかし、俺はもう立てず、その場に倒れた。その音に気付いたのか、ドアが開き、明かりが差した。

 

「蒼くん!大丈夫!」

「お兄ちゃん、一回ベット行こ」

 

俺は咲希と有希の肩を借りてベットに戻った。

 


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