離れて近づいて ~infinite world~ 作:月島柊
オフ会が終わり、俺、咲希、美波は同じ電車で家に帰っていた。美波は東神奈川で降り、京急東神奈川まで歩き、上大岡に帰るらしい。
東神奈川で俺たちが電車から降り、俺は別れの挨拶を言おうとした。
「じゃあな。また明日」
「……ね、泊まっちゃダメ?なんか、別れたくないの」
泊まるかぁ。俺はいいけど、咲希はどうなんだろう。
「咲希はいいか」
「いいよ。ダメな理由がないし」
「じゃあ、いいよ。あと、俺たち、東海道線の終電だけど、忘れ物ないか」
東海道線最終平塚行きで帰る。このあと、大船より先に行く電車はない。大船だったら根岸線各駅停車大船行き、横須賀線普通大船行きがあるが、藤沢以遠はもう電車がない。藤沢だったら成瀬から小田急経由で行けばもっと遅い電車はあるが、JR経由だとこれが最終。
「無いと思う」
「そっか。じゃあいいけど」
美波は俺についてきて、京浜東北線各駅停車磯子行きに乗った。次の横浜まで乗車する。
「蒼くん、遠距離は何で選んだの?」
「ん?スナイパーのことか?」
「うん。意地でも近距離のイメージだったから」
確かにそういう感じだな。
「一応拳銃くらいは使いたいからね」
「じゃあ普段は近距離?」
「そう。ダガーは任せるよ」
「分かった!」
美波が投げナイフをやってくれたらなぁ……そんな欲張るもんじゃないか。
「お兄ちゃん、駅着くよ?」
「あ、分かった」
横浜駅は3番線に到着。次は東海道線の6番線普通平塚行き。
「蒼くん、あのね、私頑張る!蒼くんに勝てるように」
「今言うか」
俺は美波を撫でて言った。
「俺も、負けないからな」
俺は美波を家の中に入れ、風呂に入らせて、寝かせて。まるで子どもの世話のようなことをした。
「おやすみ、美波」
俺は自分の部屋に入り、infinite worldに入った。
〔お久しぶりです。Souさん〕
久しぶり、エム。最近入ってなかったな
〔ホントですよ。あ、入ってない間にアップデートがありましたよ〕
本当か?どういう内容なんだ
〔えっとですね、大きく言うと、レベル上限の引き上げ、剣のスキル追加、片手直剣の攻撃力調整ですかね〕
片手直剣の攻撃力調整?少し詳しく教えてくれ
〔はい。今まで、同じ剣を強化させると、明らか合っていない攻撃力になってたりしていたんですが、今回から前回の攻撃力に65%プラスした攻撃力になるんです〕
俺の剣の攻撃力は何か変わるか
〔いえ、変化はありません。あと、体力に関して何ですが、3日間ログインしていなかったので10低下しました〕
体力の低下!?上げる方法はないのか
〔一応低下を防ぐ効果を持つ防具はあるんですが、今持ってませんね。上げる方法はレベルアップだけです〕
そうか……あれ、さっき、レベル上限の引き上げって言ってたよな。何まで引き上げられたんだ
〔今まで、レベル75が上限でした。しかし、今回から100までになりました〕
そうか。じゃあ俺にはまだ関係ないな
〔ですが、経験値ボーナスがSouさんは1日に100入るので、300上がってます。なので、あと50でレベル8ですよ〕
分かった。ありがとう。少しレベリングしてくる
〔いってらっしゃい、Souさん〕
俺はいつも通り宿屋からフィールドに出た。夜でそんなに人は居ない。
「じゃあ、ちょっと実験台になってくれよっ」
俺はアプデ後初めて敵を斬った。少し剣が重くなったか?あと、なんか「スキル」ってやつが追加されたらしいが、これかな。
俺はスキルを頭の中でイメージして、剣を振った。
すると、勝手に流れで剣が動き、俺は4回剣を振っていた。水色の四角い残像が見え、割れるように消えた。
「すごいな、これ」
俺はあったスキルを見ようとした。
「あっと、もう1時か」
俺はすぐに現実世界に帰った。