離れて近づいて ~infinite world~ 作:月島柊
しかし、追放するにも条件があった。まず、俺たちが証拠を残さなければならない。それが1番大変だ。
結局、しばらく先になった。決行日は1週間後、全員で参加になる。
それまでは自由な時間を過ごせた。しかし、話し合いが終わった後で、俺は健二の元に向かった。
「健二、きてやったぞ」
「おう、よく来てくれた」
健二は工房から1つの弓を持ってきた。
「この弓なんだが、攻撃力が不思議でな、それに、付与スキルも不思議なんだ」
「どれ……」
俺はその弓のスキルを見た。
攻撃力が100+レベルに応じて変化
付与スキルが、装備者の隠れた能力によって変化
俺が見ても、どういうことなのか分からなかった。弓を使うんだったら有希が使うが、有希が持ってる能力ってなんだ?
「一応試しに使ってみたいんだけど、いいか」
「構わない。買う人なんていないからな」
俺はその弓をストレージに入れ、有希に持っていった。
有希はなぜか森林に1人でいた。ブツブツと何かを言っていたが、内容は分からなかった。
「有希」
「あ、蒼くん」
「この弓、能力なんてなってる?」
有希は俺が渡した弓を見る。
「えっと、攻撃力450、スキルは射撃速度増加、だけど」
それが有希にあった隠れた能力、ってことか?
「あ、あと、インビジブルっていうのがある」
なんだそれ。
「透明みたいな感じか?」
「多分」
有希はじーっとステータスを見ていた。俺が少し歩くと、有希は俺の腕にしがみつく。2つに集中してるの?
「蒼くんっ」
「なんでしょう」
「はなれないのっ」
有希は笑顔で言った。ステータスを閉じると、有希は弓を敵に一発撃った。
途中で矢が消え、敵の前になって再び現れた。インビジブルってこういうことか。
「すごいっ!これ使いたい!」
「健二に聞いてくるか。一緒に来るか?」
有希は俺の背中に乗った。多分行きたいんだろう。俺は有希を乗せたまま健二の店に向かった。
俺たちが着くと、健二は工房から出てきた。
「おう、どうした」
「あぁ、この弓買おうかと」
「分かった。10col……と言いたいところだが」
健二は苦しそうな表情をした。
「なんだ、高いか。流石に」
「いや、無料でやる。この弓を複製して販売するより利益が見込めるからな。これも蒼たちが依頼をこなしてくれるおかげだな」
そう言って、健二は俺が出した弓を返した。そして、それと一緒に紙を渡す。
「悪い、今鉄が不足してるんだ。銅のダガーを報酬に行ってきてくれないか」
「早速依頼か。あぁ、別にいいよ」
鉄塊を250個。数だけ見ると多く見えるが、実際は敵1体当たり30個前後入手できるからそんなに多くはない。およそ9体同じ敵を倒せば250個はいける。
「銅のダガーって、強いの?」
「物によるが、な」
銅を使った防具は聞いたことがある。ただ、武器は聞いたことがなかった。
「耐久はあるし、攻撃力も平均以上。ただ、ダガーの中では軽いな」
美波にはもってこいだろう。
「じゃあ、パッパと行ってくる。15分くらいでまた戻る」
「あのな、これでも10体近く倒さなきゃいけないんだ。誰だって2人で行っても30分はかかるぜ」
「なに、1人5体倒せばいいだけだろ?」
俺は有希と一緒に敵を倒しに行った。
早速弓を使ってみている有希だが、初めてなのにかなり上手い。
「有希、結構使いこなしてるな!」
「慣れちゃった!」
有希は俺の上にある木から攻撃していた。俺は最近入手した剣を使って倒していた。
約束通り15分後、俺は健二の店に戻った。
「健二、鉄塊310個」
「依頼より多いが、まあいいか。サンキュー。約束通り銅のダガーな」
健二は銅のダガーを俺に渡した。
「美波にあげな。じゃ、またな」
「あぁ。また後で」
俺は美波に銅のダガーを渡しに行った。