同級生に脅迫されてます   作:ドゥアイ

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すみません、遅れました


二話

「すみませーん」

 

 少々肌寒くなってきた今日この頃、皆様は夏休みをどうお過ごしだろうか。

 夏休みの課題に追われたもの、のんびりと自分の時間を過ごしたもの、仕事に追われたもの色々いらっしゃるでしょうが、僕は変わらずに作詞作曲に追われている。

 なので僕はここ暫くは、あいつら3人の曲の為にファミレスにドリンクバーと軽食等でほぼ一日過ごしていた。

 

「もしもーし」

 

 前に中須の曲が出来たとあのくそ悪魔に連絡をすれば丁度今学校にいるから持ってこいという命令が下ったので暑い中、学校まで届けた。

 その時にマネージャーらしき二つのツインテールで毛先を緑色に染めた特殊な人に哀れみの目を向けられていた気がする。

 

「あのー」

 

 フライドポテトを摘もうと手を伸ばすと、何故か目の前にちょうどポテトが差し出された。

 不思議に思いながらそのポテトを食べた。

 

「ふふっ、これで私がこの指を咥えたら間接キス、ですね」

 

 なんだろう、とても寒気を感じた。

 

「疲れてんのかな……」

「多分、大変お疲れだと思いますよ、なので私の家でゆっくり休憩しませんか?」

 

 隣から幽霊の声が聞こえた気がする。

 僕は一人で作業をしていたはずなのに。

 ゆっくりと顔を向けると、もう一人のくそ悪魔、桜坂しずくが恍惚とした表情でこちらを見ていた。

 

「そんな……見つめられると困っちゃいますよ……」

「顔を赤らめるな、身体をくねらせるな」

 

 彼女は一通り満足したのか、席を座った。

 ……僕の隣の席に

 

「前が空いてるだろ、前に座れよせめて」

「貴方の膝の上ですか?」

「違うわアホンダラ、脳内まで苗字の様にピンクなのか」

 

「私の頭の中は貴方の事でいっぱいですよ……?」

 

 そんな恍惚とした笑みを僕に向けられても困るのだが。

 

「こんな所じゃ無くても、家に来ればいいではないですか! 自慢の様に聞こえますが私の家は一般家庭よりは広いですし、あなたの為に一つ部屋を貸し出して音楽専用の部屋を作ることくらい簡単に出来ますよ?」

「確かにいい空間ってのは魅力的だけど、あとが怖いから辞めとく。入ったら最後ホラー映画の様に玄関の扉開かなくなりそうだし」

「お金は要らないですよ、心配なく、その代わりに貴方の人生を頂きますが」

「うーん、お金より重いな」

 

掛かってしまっていますね、早く落ち着けると良いのですが。という最近よく聞くナレーションが聞こえてきたような気がした。

 

 そんな学生のうちから人生の墓場に足を突っ込みたくない。

 すると僕の作業しているパソコンを覗くようにこちらに身体を傾けてくる。

 ので僕は必死に手で押さえつけながら、作業をしていた。

 練習終わりなのか、彼女から制汗剤に混じった女の子特有の甘い匂いがしたが、悟られないようにイヤホンから流れる音により一層耳を澄ませた。

 

「これは誰の曲でしょう?」

 

 彼女がこう聞くので、僕は一旦珈琲を一口飲んでから「天王寺の」と答えた。

 

 すると、ストンと高い所から物が落ちるように目から光が消えた。

 その昏い目で僕を見つめた。

 

「私以外の名前を呼ぶなんて悪い子ですね、貴方の為に犯罪者になりますよ、誰から消しましょうか、ドラ猫? ドヤ猫? どこの猫?」

「ネガティブに逆ギレして、殺人教唆に巻き込ませようとしないで。自分の仲間を殺そうとすんなよ」

 

 そのままじっと暫く僕を見つめていたが、ハイライトさんが元に戻り彼女は僕のコーヒーを飲み干した。

 

「大丈夫ですよ、私と赤い糸で繋がってますから」

「その赤って僕の血で無理やり染めてないよね?」

 

 さっきの言動でこいつがやりかねない気がした。

 くそ悪魔の怖さを味わった、そんな日だった。

 

「あれ? もうお帰りになるんですか?」

「これだと進まないからね」

 

 主に貴方のせいで

 

「そうですね、やはり草食系男子という人が増えた以上私がウダウダしてたら関係性は進まないですからね、早くお義母様、お義父様に挨拶をしなければならないですよね」

「もしかして着いてこようとしてる?」

 

そんなの許すわけないだろ

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