ストライク・ザ・ブラッド 全てを統べる闇の吸血鬼   作:SOLUNA

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ストライク・ザ・ブラッド5期制作決定を記念して、仮面ライダーキバ×ストライク・ザ・ブラッドの小説の執筆に踏み切りました。ストブラのファンにはどう映るかわかりませんが、楽しんで頂ければ幸いです!
では、どうぞ。


プロローグ

ここは町の外れにあるとある古い屋敷。その屋敷から綺麗で幻想的な音色が聞こえてきた。その音色は聴けば聴くほど魅入られていくものがあった。その音色が聞こえてくるのは、その屋敷のビオラ製作室の中からだった。その一室の中で、一つのビオラを演奏している青年がいた。

彼の名前は「登雷牙」といった。父は巨大投資企業「D&P」の若社長を務めている登太牙、母は世界を股にかけて活躍する音楽評論家である「園田優里」を母に持っていた。だが、父である登太牙は実際は人間ではなく、13の魔族の頂点に立つと自負する種族で、謂わば吸血鬼伝説の元となったとされる種族で、圧倒的な力で他の魔族を淘汰してきたファンガイアでそのファンガイアの王「キング」でもあった。ファンガイアは以前人間を食料同然の存在として認知し、太牙もその一人だった。しかし今現在は父による人間との融和政策が進んでおり、人間のライフエナジー吸引に変わるエネルギー源の研究が進み、二人は仕事上海外に飛んだりと忙しいため、屋敷は雷牙の一人暮らしだった。いや正式には一人暮らしと言うよりは、ペットと言うよりは相棒と二人暮らしである。その雷牙はビオラを弾き終えた後、ビオラを置いて呟いた。

 

「ふう。一体どうやって渡叔父さんはあんないいバイオリンを作れたんだろう?」

 

「当たり前だろう。お前が尊敬している紅渡はあの有名な「ブラッディローズ」を作ったバイオリニストの紅音也を父に持っている。音楽の感性がずば抜けているのは当たり前だ。」

 

そういうのは、雷牙の周りを飛び回る黒い蝙蝠。だが実際は、キバットバット家の二代目を名乗るコウモリのモンスターである「キバットバット2世」だった。元は父である太牙とその母親である真夜に仕えていたが、今はまだ未熟な雷牙の傍にいて欲しいという太牙の依頼を受けて、現在は雷牙に仕えている。今では、幼少期から仕えていることもあり二人は相棒という関係になっている。

 

「そうだよな。俺なんかと比べれば凄まじいなまでの天地の差だしな。渡叔父さんは早い時期からバイオリン制作に携わっているからキャリアも段違いだし。俺はまだ駆け出し同然だもんな。いろんなことを学んで頑張らなきゃな。」

 

雷牙がそんなことを言っていると、突然

 

〈♪〜〉〈♪〜〉 〈♪〜〉

 

と音がなった。その発信源はビオラ制作室にあるガラスケースの中にある一本のビオラからだった。そのビオラの名前は「クリムゾン・スカイ」。紅渡が10歳の誕生日祝いに贈ってくれた渡の最高傑作の一つだった。その「クリムゾン・スカイ」は()()()()が起こると音を当てて二人に教えてくれるのだ。

 

「現れたようだな。」

 

「ああ。行こう。」

 

そういうと二人は制作室から飛び出し、玄関前に置いてあるバイク「マシンキバー」に飛び乗って屋敷から出ていった。

 

 


 

 

「ああ・・・。」

 

「随分と逃げ回ってくれたな。もう逃しはしないぞ。」

 

ここは町の都市部から外れた公園。その公園で一人の女の子が鳥類に似た異形の化け物を目の前にして腰抜かしていた。額には汗が浮かび一定時間追い回されていたようで汗が浮かんでいる。その化け物の正体はピーコックファンガイアだった。ファンガイアは先ほど述べた様に人間との共存がなっているが、いまだに人類を敵視し襲撃しているものも少なからず存在していた。このピーコックファンガイアもその一人だった。

 

「3代目キングの宥和政策でファンガイアは人間との共存を選んだ。だが、我々にとって食料同然の存在だった人間との共存はファンガイアの崇高な誇りを捨てるも同然だ。そんなことなど断じて認められない。だからこそ我々は人間と敵対し続ける!」

 

そう言ってピーコックファンガイアは女の子のライフエナジーを吸い取ろうと襲いかかろうとしたその時だった。公園内の入り口からけたたましいエンジン音が聞こえて来た。何事かとピーコックファンガイアが振り向くと、そのピーコックファンガイアに目掛けて一台のバイクがウィリー走行で体当たりして来たのだった。ピーコックファンガイアはいきなりのバイクの襲撃に吹き飛ばされた。そのバイクから降りて来たのはヘルメットを被った雷牙だった。

 

「あっ、あなたは・・・?」

 

「そこの君。ごめんね、しばらくの間おやすみ。」

 

バイクから降りて女の子に一声をかけると腹に一発当て身をして静かに寝てもらった。

 

「貴様何者だ?!なぜオレの邪魔する?」

 

「お前、宥和政策反対派のピーコックファンガイアだな?」

 

「な、何故俺のことを知っている?!まあいい、何者かは知らんが所詮獲物が増えただけだ。貴様を殺した後、あの女を食うとしよう。」

 

「ピーコックファンガイア。残念だがその望みは叶わない。」

 

「なんだと?」

 

「何故なら・・・、貴様の命は今終わるからだ。」

 

そう言って雷牙は右手の手袋を外し、ピーコックファンガイアに見せた。その右手に刻まれた紋章を見てピーコックファンガイアは驚愕した。

 

「そ、それは我がファンガイアのキングの紋章・・・!?ま、まさか貴様は・・・、4代目キング?!」

 

「そういうことだ。キバット2世!」

 

雷牙がそう呼ぶと、キバットバット2世が雷牙の傍に飛んで現れた。

 

「フッ。ありがたく思え、絶滅タイムだ!」

 

そして雷牙は手を上に掲げてキバット2世を掴み左手に噛ませた。するとキバット2世から魔皇力が注入され腰にダークキバットベルトが出現した。

 

「変身!!」

 

そう言って、前方にキバット2世を掲げた後、キバット2世をダークキバットベルトに止まらせた。すると徐々に雷牙の姿が変わり、雷牙は闇のキバの鎧を纏った仮面ライダーダークキバに変身したのだった。その姿を見たピーコックファンガイアは震え上がった。

 

「や、闇のキバ・・・!」

 

「相手がどういう存在かようやく気づいたようだな。だが、もう遅い。」

 

そう言って雷牙はあっという間にピーコックファンガイアの間合いに入りパンチで襲いかかった。

瞬く間に間合いに入られたピーコックファンガイアは腕を交差して防御しようとしたが、ダークキバのパワーの前には意味を成さず、ダークキバのパンチにあっという間に姿勢を崩された。

雷牙は間髪入れず吹き飛ばしたピーコックファンガイアを引き寄せ、今度は右脚で上半身に連続蹴りをお見舞いした。ダークキバのキック力は35tの威力を誇り、そのキックを連続で受けたピーコックファンガイアはたまったものではなかった。

 

「ぐぅぅぅぅぅぅ!」

 

ピーコックファンガイアは体の上半身にダークキバの連続蹴りをくらいボロボロの状態だった。このまま戦っていては確実に殺される。無駄死にはごめんだと判断したピーコックファンガイアは口から火を吐きダークキバの目眩しとして炎の壁を作った。

 

「無駄死にはごめんだ!ここで私はお暇とさせていただこう!!さらばだ、4代目キング!!」

 

そう言ってピーコックファンガイアはこの場から急いで離れようと翼を伸ばして飛び去ろうとした。だが、それを見逃すほど雷牙とキバット2世は甘くなかった。

 

 

 

 

「「言ったはずだ。お前の命は今ここで終わると。」」

 

 

 

 

そういうと、雷牙は足元から緑色のキバの紋章を出現させ、ピーコックファンガイアに向かわせた。その紋章の接近に気づいたピーコックファンガイアだったが、だが既に時遅しだった。

 

「こ、これは・・・?がっ、があああァァ!!!」

 

ピーコックファンガイアは紋章に捕まりその紋章が与えるダメージに完全に自分の動きを封じられた。すると、ダークキバが紋章に向かって手をこまねいたような仕草をした。すると、拘束されていたピーコックファンガイアがダークキバに引き寄せられた。そして目の前まで引き寄せると、ダークキバはそれを蹴り飛ばして紋章へ突き飛ばし、また引き寄せるとまた蹴り飛ばすと言ったような攻撃を繰り返した。そして、8回くらいそれを繰り返すと紋章に拘束したピーコックファンガイアに向かって近づき、

 

「さて、そろそろ審判の時だ。」

 

雷牙はダークキバットベルトのフエッスルホルダーからウェイクアップフエッスルを出し、キバット2世に吹かせた。

 

「ウェイクアップ2!!」

 

すると、公園が闇夜に包まれダークキバの右脚に赤い強力な魔皇力のエネルギーが充填されていく。そして充填され切った瞬間、紋章で動けなくなっているピーコックファンガイアに右脚の上段蹴りのライダーキックを放った。

 

「ぐわあああああああああああ!!!」

 

それをまともに食らったピーコックファンガイアは断末魔の叫びをあげながら魔皇力の破壊エネルギーで体を破壊されステンドガラス状に砕け散ったのだった。

 

「ふん。」

 

それを見届けた雷牙は変身を解除した。そして、そのままバイクに乗ってその場を去ろうとした雷牙にキバット2世が呼び止めた。

 

「雷牙。あの女の子はどうするんだ?」

 

「あ、すっかり忘れてた。」

 

そう言って雷牙は女の子の方へ向かっていったのだった。




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