ペルソナ3 ムーン•オブ•スーパースター‼︎ 作:事故フェウス
ストーリー等で不自然な点があるかもしれませんが、楽しんでいただければ幸いです。
今回は短めな内容ですが、アニメに沿って物語を作っていければと思いますのでどうかよろしくお願いします。
?/??
——聞こえる、声が。
全ての人の魂の声、全ての人の命の輝き、その光が見える。
「やぁ、目覚めたかい?」
——君は誰?
「ひどいなぁ、僕だよ。ね、覚えてるだろう?」
——思い出せない……。
「もしかしたら、僕達が目覚めたショックで忘れているのかもね。でも大丈夫だよ、今度は5つの命が君を導いてくれるから」
——どういう意味だ?
「いずれ分かるよ。さぁ、目を開けて、君は自分の名前がわかるかい?」
——俺は……。
空へと落ちていく。
あんなに寒かった空間が、今はただあたたかい……。
「俺の名前は、
4月5日 東京
そこは東京の表参道、目の前で無数の車が走る交差点で『結城理』は立ち尽くしていた。
何故自分がここで立ち尽くしているのか?その理由すらわからず、理は耳に付けたイヤホンから流れるラジオの音に気がついた。
——自分の名前は"結城理"。
それ以外の事が一切わからないまま、理は首をかしげる。
街中をしばらく歩き続けて、理は空気の流れに合わせて息をつく。
見覚えがあるけれど、知っているとも言えない街。
最低でも日本の首都、東京の表参道であるという認識はできる。
「俺は……」
自分は忘れてはいけない何かを忘れてしまっている。
その感覚はあるのに肝心なそれが思い出せないのだ。
必死に頭を捻ってもそれは最初からなかったことのように思い出せない。
ただひとつ言えるのは——。
「とても大切な、約束のようなものだった気がする……」
その約束のような記憶は今はまだ思い出せない……。
「……ん?」
地面を見下ろして考え込んでいた理の視界に1枚の紙のような物が映り込んだ。
その紙を拾い上げ、理は無意識にその内容を読み上げる。
「スクール……アイドル?」
拾い上げた紙にはパンダらしき絵とカラフルな可愛らしい文字で大きく『スクールアイドル』と書かれている。
「あーーーー!!」
突然大声がして、理はその方向を振り向く。
そこに立っていたのは、グレーのボブカットに青色の瞳を持った少女だった。
「それ、クゥクゥのデス!」
「君の……?」
慌てて駆け寄ってきた少女に紙を渡して、理はその言葉の意味を尋ねる。
「もしかしてキョウミ、あるんですか!?」
「……いや、別に」
「ソウデスカー……」
理の言葉に少女は目に見えて肩を落とした。
「君の名前は?」
「私、
「タン……クゥクゥ……海外出身?」
「はい!そうです!私、上海出身なのデス!」
そして、場所は変わってとある公園。
理と可可はベンチに座り、彼女が行なっている活動を理は聞いていた。
「メンバー集め、か……」
「はい……私はニホンで流行ってるスクールアイドルに感動して、私もスクールアイドルを始めようと思っているのデスガ……」
「……あまりうまくいかないんだ?」
「……はい」
そう尋ねた理に対して可可は落ち込んだ様子で頷いた。
可可は「スクールアイドル」と描かれた紙の他にも「Let'sスクールアイドル」と描かれた手作り看板らしき物を持っていた。
「でも、まだ募集は始めたばかりなので、クゥクゥは諦めません!」
熱意を込めた眼差しで可可は立ち上がり、紙と看板を持って声を高らかに意気込んだ。
「マコトさんも見ていてください!必ずスクールアイドルを始めて見せますので、それでは!」
「あ……」
理が呼び止める隙もなく可可は走り去っていき、公園のベンチに理だけが残された。
改めて考え直すと自分は他人に構っている場合ではないことを思い出す。
何故なら自分は今、名前以外知っている事はないのだから。
「……どうでもいい」
少女の話を一蹴するように呟いた後、理は行く宛もなく歩き始めた。
「どうでもいいって言われただろ?」
「好きなことを頑張ることにおしまいなんてあるんデスカ!?」
「無理だよ……」
「……やってみないと、わからない」
「スクールアイドルがしたい!」
次回、「Feelings without a name」