直死な花の錬金術師は聖杯を望まない   作:カレンデュラ

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混ざりたくない でも世界は無常

 今日も学校に出て、帰りにうっかりに襲われて、あの手この手で逃げ回ってる俺です。うっかりがうざいんだよォォォ!

 あのアーチャー確実に俺の魔法のこと知ってるし(うっかりは知らないみたいだけど)いちいちいちいち追ってくるのもうざい!

 もう帰ってェ・・・

 

「マスター・・・魔神さんのせいか?」

 

 今は魔神さんとともに屋上で昼飯を食べているんだけど、魔神さんが申し訳なさそうにしている。でも、ぶっちゃけたら“そう”

 関わりたくない聖杯戦争に混じってしまったのだから

 

「魔神さん・・・気にしないでくれ。どうせ俺にはラーちゃんがいるんだ。遅かれ早かれ関わってしまうのは間違い無いんだよ」

 

 今まで魔神さんのせいにしていたけど、実際はラーちゃんという9人目のイレギュラーのせいで面倒なことになっていただろう

 そうなれば、俺はラーちゃん1人で戦わないといけないし、隠したいことを完全には隠せないだろう。そう思えば魔神さんを呼んだのは間違いじゃなかったんだ

 今はポジティブに考えよう、そうしよう

 

 頬を叩いて、思考を切り替える。その時、魔神さんが何かを感じ取ったのか立ち上がり、大太刀を構える

 俺は慌てて探ると、いた。

 

「あんたにはちょこまかと逃げられていたけど、今度こそは逃さないわよ」

「了解したマスター」

「クソが、うっかり。ゆっくり飯も食わせてくれんのか」

 

 そこにはうっかりと、厄ネタなアーチャーがいた。うっかりの方は俺がうっかりと言ったからか?引き攣った笑顔を見せている

 

「ああ?今なら半殺し程度で済ませてあげるわよ、アーチャー?やっちまいなさい」

「・・・助けて衛宮先輩ェ・・・」

 

 よくよく見ると、衛宮先輩が階段の方から申し訳なさそうに見ている。その隣には金髪の女性がいる。あれがアーサー王か・・・しかし、“こっちの”アーサー王も女性だったとは、いやはや

 

「マスター?どうする。階段の方にも敵がいるから、死角から逃げるのが最適解だと思うのだが?」

「同感。でもうっかりが逃してくれるわけでもなさそうだな」

 

 その間にも俺はアーチャーの観察を続ける。彼は俺と周囲を注意深く見ている。やっぱり彼はラーちゃんのことも知っているのだろう。だが、ラーちゃんをここで呼ぶのは色々と面倒なことになりかねん

 

「とりあえず倒す方向で行く。魔神さんはアーチャーを頼む。俺はうっかりを抑える」

「了解だマスター。ッシ!」

 

 一歩を踏み込んだ瞬間、瞬間移動したかのように突如、アーチャーの前に現れる魔神さん。これが縮地ってやつか。でもアーチャーもわかっていたのか2振りの夫婦剣でそれを相手する。さて、俺はうっかりの相手をするか

 

「行くぞ!うっかり!」

「うっかりってなんなのよ!うるっさいわね!」

 

 うっかりは宝石魔術を飛ばしてくるけど、関係ない。一歩踏み出し、二歩目は身体を退け反らせ・・・三歩目で身体を前に、一気に踏み込む。そして、花を刀に変え、うっかりを斬ろうとする。その刀はうっかりの服を少し切り裂いた程度だったので、すぐに刀を花に戻して投影魔術であるかのように見せる

 

「はぁ!?アンタ今の何よ!」

「ふっふっふ、敵に言うことかね?」

 

 魔神さんの方は、魔神さんが押しているみたいだが、多分、アーチャーはなんとかする手段があるのだろう。まだ、どこか冷静に見える。それよりも、ラーちゃんが参戦することに危機感を覚えているようだ

 いや、それを警戒して衛宮先輩を呼んだのなら、アーチャーも策士のようだ

 だからこそ、警戒をそっちの方に持っていって、うっかりを倒す!衛宮先輩は魔力とかの関係でアーサー王はあまり強くないはずだ。衛宮先輩とうっかりの記憶を少々消せばあとは完璧

 

「はあっ、」

 

 俺はうっかりに拳を叩き込もうとする。流石に速度を落としたそれはうっかりに阻まれるけど、それはブラフ。瞬間的に右足で守ってきたうっかりの右腕の方を蹴りあげる。体制が崩れたうっかりの土手っ腹に掌底打ちを叩き込もむ。しかし、魔術で強化していたのか、あまり効いていないようだ。俺はそのまま踏み込もうとするが、

 

「危なっ!」

 

 今さっきまでいた地面が少し崩れている。うっかりが宝石魔術を使ったのだ。踏み込もうとしていたら餌食になっていただろう

 

「流石ですね。うっかりの家系っていうだけはありますね」

「うるさいわね!次うっかりって言ったら・・・今よアーチャー!」

「なっ!」

 

 魔神さんの方から迫ってくる魔力の塊。アーチャーか!だが、矢をつがえる隙がなかったのか夫婦剣を持っている

 だったら・・・俺の方が早いぞ?

 

「こい、“アロンダイト”」

「ッ!マスター!」

 

 呼んだのはガントレットに見える武器。青い光を帯びたその武器をうっかりに向ける

 その一撃は、うっかりに当たらず、勢いそのままに彼女を回収したアーチャーを掠めた

 

「アーチャー!?離しなさい!」

 

 アーチャーはその言葉に耳を傾けず、そのまま校舎の死角から消えていった

 俺は衛宮先輩の方を向く。そこには誰もおらず、おそらく衛宮先輩はうっかりが心配でこちらより優先させたのだろう。しまったな、仕留めるつもりだったんだけど

 

「ラーちゃん?ラーちゃんおいで」

 

 俺の服のポケットに入っていたラーちゃんが羽ばたく。そして、俺は彼女を元に戻す

 昼間にこうして話すのは4年ぶりだ・・・

 

「さてと、こうするのも俺が下手うったせいなのだけど、許してくれる?」

「ふふっかまわないさ。僕がそういうことを気にするとでも?」

「おっと、そういえばなんて呼ぼうか?多分ラーちゃんが英霊であるってバレてんだよね。アーチャーにはタネも仕掛けも全部バレてる。それでも今まで通りラーちゃんで行く?それとも?」

 

 その言葉に笑ってくれる彼女は、

 

「いつも通りラーちゃんでかまわない。もう4年も呼ばれ続けてきたからね」

「ありがとな。それとラーちゃんは聖杯をどうしたい?」

「ん〜やっぱり食べたいな。だって優れた燃料なんでしょ?前食べた時も美味しかったから」

 

 その言葉に笑いを隠せない俺と魔神さん。俺は今度は魔神さんに同じ問いをする

 

「魔神さんの願いは・・・そうだな、夏でもおでんを食べたいな」

 

 今度はラーちゃんが笑う。ある程度笑い、いきなり真剣な顔で、

 

「とりあえず、マスターの目的は平穏に暮らすこと。そして僕らの願いはどうとでもなるもの。だったら降りかかる火の粉を払うだけでいいんじゃないかな?」

「ああ、それで魔神さんはかまわない」

「俺もかまわんぞ。むしろそうしたい。聖杯より平穏に、ゆったりと暮らしたい」

 

 3人とも意見が合致する。ああ、俺は本当にいいサーヴァントに巡り合えた

 とにかく、ラーちゃんはアーサー王と戦いたいのだろうし、魔神さんはアーチャーと戦いたいと目線で訴えている

 

「いや、火の粉払うだけで・・・」

「「それはそれ、これはこれ」」

 

 ・・・英雄王に頼むか

 

 

 

 その日の夜、教会にてボコボコにされる英雄王を見ながらおでんを仕込む俺と、ワインを飲みながら愉悦する同志綺礼、持ってきた酒(魔神さんに買ってもらいました)を煽るランサーに、交代交代に英雄王をボコボコにする2人の姿があった

 

 

 

side 遠坂

 

「離しなさいよアーチャー!」

 

 アーチャーは私がどれだけもがこうと校舎から離れ続ける。令呪をここできるのも勿体無いし・・・

 そうして、校舎からかなり離れたところで下ろしてもらう

 

「アンタねぇ!」

 

 私はアーチャーを叱ろうとした。だが彼の、攻撃を掠めた右腕を見て驚愕する

 

「えっ、アンタ・・・その腕どうしたの!?」

「アロンダイト・・・マスターも聞いたことはあるだろう?」

 

 確かランスロット卿が持っていた聖剣であり、魔剣だったはず・・・

 

「まさか、あのガントレットがそうだっていうの!?アレは剣じゃなかったのに!」

「アレはそういうものだ。いや、凛。お前は今、ガントレットと思っているようだが、それは違う。アレは槍だ、それも2つの」

 

 自らが知るアロンダイトの知識を合わせても2つあるなんてことはありえない・・・どういうことか分からずにいると、

 

「マスター・・・アレはこの世界とは違うものだ。いわば、並行世界とも、立体交差世界とも・・・」

「第二魔法?第二魔法魔法が関係してるとでもいうの!」

「いやマ「こうしちゃいられない!今すぐにでもあのムカつく奴を捕まえて吐かせるわよ!行くわよアーチャー!」待てうっかり!俺の話を「ガンドっ!」・・・はぁ、マスターも大変だな」

 

 アーチャーは1人考える。どうやって凛を生き残らさせようか

 

(アルトリアは俺がマスターだから無理だとして、バーサーカー・・・イリヤは多分興味を抱かな・・・いや、そういえばアイツの魔法を揺すればなんとかなるか?キャスターとアサシンは無理だろう。英雄王とランサーも期待できない。やはり、“関わらない”これが一番だ。さて、マスターを追いますかね)

 

 今宵も魔術師の夜が来る





はい、もう1人のヒロイン登場です。私はあまりハーレム者は好きではないのでヒロインはこの2人で確定です。増えませんし、フラグが立ってますがへし折ります。それはもう盛大に
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