死亡フラグが倒せない(BY転生者)短編集   作:かりん2022

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一話だけだし、あまり話数増やすのもなというのと、死亡フラグ立ってるのでこちらへ。
題名が全てです。


この後メロンパンが美味しくいただきました

傑はたまに私用で高専外に出かける。

どこに行くのかは教えてくれない。

それがちょっと悔しかった。

 

傑がいないとつまらない。

そう思いながら、俺は外出した。

 

「五条悟さんですか!? 夏油傑くんの本物の最も大事な人の!」

「あ?」

「今、お時間ありますか? 話を聞いていただくだけで良いんです、お願いします!」

 

 飛び出してきた、ひょろっとした男。

 傑の事を出されて、少し警戒しながら喫茶店へと入った。

 

「実はですね。私は夏油傑くんの入っているTRPG愛好会の会長なのですが」

「TRPG愛好会?」

「テーブルトーキングRPG、まあ、すごくざっくりいうと勇者ごっこみたいなものです。で、たまに私、ハリボテの怪物なんかを作りまして、それをコスプレしたプレイヤーの皆さんでゲームしつつ倒す、なんてイベントもやってたりするんです」

「はあ?」

「これ、写真です」

 

 魔法使いのコスプレをした者達の集合写真。そこに確かに傑がいた。何やってんだよ。っていうか魔法使いコスかわいいな。三角帽似合ってる。

 でも内容的に、傑がそんなことしてるなんて信じられない。いつも本物と相対してんじゃん。

 

「で、夏油君、歴戦の武士か! ってぐらい、全然どんなイベントしても動じないんです!!」

「そりゃなぁ」

 

 本当に、なんでそんな事やってんだ傑。

 

「本人は本人なりに楽しんでるみたいなんですけど、1人空気感が違うんですよ!」

「はぁ。それで?」

「でも馬鹿にしてるわけでもないし、それで退会してもらうっていうのも可哀想だし、理不尽だし、負けた気がするし、とにかく、その余裕を引き剥がしたい! と思いまして。今度の大規模イベントで主役をしてもらおうかと」

 

 よくわかんねーけど、俺としてはそんなんやめちゃえよって思うけど、辞めさせられるのは可哀想だ。俺はちょっと真面目に聞くことにした。

 

「大規模イベント?」

「たまにやるんです。主役がライバル役を倒して人質役を救い出す、的な。その為に大事な人とか事前に聞いてるんですけど、それも夏油君嘘ついてたんですよ! オタバレしたくなさに!! で、調査の結果、夏油君の一番大事な人は貴方ということがわかったので」

 

 荒ぶっているのを白けた目で眺める。でも、ふーん。俺が一番大事、ねぇ。

 

「あー。話が読めてきた。俺に人質をしろって?」

「その通りです! 勿論、貴方に危険な事はしません。そこは契約書に書かせていただきます。些末ながら謝礼も払います。私達の練りに練ったハラハライベントを夏油君に仕掛けて、是非感情のジェットコースターを味わっていただきたい。それでこそ真の仲間になれるというものです!」

 

 別に真の仲間とかいらないけど。傑には俺らがいるんだから。

 

「あんた達が怪しくないって証拠はあんの」

「別に本当に拘束するわけではないですし。本当に嫌な時は言っていただければ、撤収しますよ。通報の前に一言警告いただければと思います。それに、夏油君だってこれまでのイベントでお手伝いしてくれてるわけですから、本当に人質取られてると信じ込む事もないでしょうし、ごっこだってわかるようにしますし。ただ、カメラで取ってサークル内で共有するので、撮影の許可だけはいただきたいです。あと、適当に演技もして欲しいですし、夏油さんにはそれまで黙ってて欲しいです。他の皆さん、必要な人には情報共有しててもらって大丈夫です。むしろお願いします。最後に、このイベントの詳細は黙っててもらえると助かります。有名になっちゃうと、ネタバレになって困るので」

 

 それならば良いだろうか。

 

 俺は、快く了承した。

 

「傑が遊んでる時の動画と写真ちょうだい」

「とりあえずこれだけですが」

 

 俺は写真を貰い、快く了承した。

 

 そして、日時の打ち合わせを行う。

 詳細は俺にも教えてもらえないらしい。

 でもなんか楽しみ。硝子達にも教えてやろ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 画面の向こうで、傑がすごい勢いで部屋に飛び込んできた。

 

『先生! 悟が攫われ……!!???』

 

 傑は脱力する。そして頭を抱え込んだ。

 

「傑! 助けてー! 皆に内緒でTRPG愛好会に入ってコスプレでごっこ遊びしてた傑! 俺ともあそぼ」

『あああああああ』

「そうだぞ、クズ。魔女っ子のコスプレ似合ってるクズ」

『わああああああああああ』

 

 ちなみに俺のいる場所は校庭である。

 俺と硝子の隣には、魔法使いのコスプレした会長さんがきている。

 傑の様子はビデオでリアルタイムで撮ってるし、俺たちの様子もビデオで録ってる。

 窓から確認できる安心設計だ。

 学校が協力してくれた事もあり、罠の可能性は1ミクロンもない。

 冥冥さんも楽しそうに撮ってる。歌姫は呆れた顔で見ているし、後輩達はなんか楽しそうだなって顔で見てる。

 

 お、傑が来た。

 

「ふふふふふ、我は魔法使いカオス!! 勇者よ、我に平伏すがいい!」

「ほ、ほんっとにやるんですか?」

「夏油君、頑張れー!」

 

 外野のカメラマンが声を掛ける。

 

「うわあああああああ。やめよう? ねぇやめよう? 仕切り直しましょう」

「もはや後戻りはできないのだよ! さっさと変身しないと人質に例の動画が渡るぞ!」

「どういう脅し!?」

「後でください」

「硝子止めて! いやもう、本当にお願いします!」

「ならばこちらから行くぞ!」

 

 ドンっと杖で地面を突くと、景色がポリゴンのように吹き飛んだ。

 

 白い空間。領域展開!?

 

 カオスの後ろに化け物が現れる。

 

「ああもう!」

 

 空気が変わったその時、傑が変なポーズを取った。

 杖が、帽子が、ローブが現れる。

 

 それらを傑は身につけていく。そして最後に投げキッス。これがリアル魔女っ子!!

 

 ピリッとなった空気がまた緩む。恥じらう傑かわいい。

 冥冥さんもかぶりつきで撮っている。

 

「決め台詞はー?」

 

 カメラマンの言葉。

 

「くっ 魔法使いウィング、ただいま参上! これイジメ? いじめだよね?」

 

 プルプルと顔を覆う傑。

 そして、メダルを放り投げて、嘴みたいなのがついている杖で突いた!

 

 ボフンっと小さな丸っこい生き物が現れる。

 

「サトリン! 友情進化!!」

「お前、俺の名前付けてんの!?」

 

 本当に呪詛師かと思ったけど、なさそうだな。

 もう硝子は爆笑してしまっている。俺も笑みが抑えきれない。

 

 傑が丸っこい生き物を抱きしめてチュー。

 禍々しく変化していくサトリン。

 

「傑君、良い加減、進化の仕方ちゃんと覚えようか。やり直し」

「す、すみません! 会長!」

 

 歌姫も爆笑した。

 

 その後、二、三回やり直し、無事丸っこい生き物は鳥のようなものに進化。

 みんなで拍手した。

 

「いけ! サトリン! 大空は君のものだ!」

「行くのだ、魔王ベロリンチョ! 闇の腕に抱かれて眠れ!」

 

 その後、2人の使役する式神はバトルをする。

 ポケモンバトルみたく、ターン制のようだった。

 当たり前だが傑の方がずっと強いので迫力は出ない。っていうか、実際の戦いでターン制て。

 なるほど、これは実際の戦闘を知っていれば白けてしまう。

 

「勝ったああああああああ!!!」

「会長! 勝ってはダメです!」

「やられたああああああああ! ほらベロリンチョ!」

 

 あ、式神バトル終わった? ベロリンチョはやられたふりをする。

 サトリンは素直に喜んで、傑に飛びつく。感動の抱擁である。

 

 ダメだ、笑いすぎて死にそう。

 

「こうして勇者サトリンとそのパートナーウィングの活躍により、世界は救われた……」

 

「では、最後に記念写真撮りましょう!」

 

 

 そうして、写真を撮って学食でお茶を飲むことになったのだった。

 

 

「スーグールー♡ 言いたいこと、わかるよな♡ 呪力由来じゃねーみてーだけど、こいつ何?」

「悟、彼は一般人だから、そういうことを言っちゃ……」

 

 ガンッと傑を壁際に追い詰め、顔の真横に足を乗せる。壁ドンである。

 

「そーいう問題じゃねーだろ。報告しとけよ」

「すみませんでした……」

 

 

 

 

 

 TRPG同好会の扱いは紛糾した。

 だってこいつら呪霊見えないでやんの。

 不思議な力は使えるみたいだけど。

 

 リアル魔女っ子とかなんだそれ。

 




連載化の希望があれば書くかも。
感想あれば喜びます。
マシュマロ https://marshmallow-qa.com/lucaluca
お題箱 > https://odaibako.net/u/karin2022v
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