死亡フラグが倒せない(BY転生者)短編集   作:かりん2022

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ピクシブと分岐してます。


転生者は三度死ぬ おそすぎたリベンジ2

 思い切り伸びをする。調べ物は大変である。

 そろそろ、体を動かしたほうが良いかもしれない。任務を断り続けているのもまずい。

 だが、特級案件に行かされる不安がないでもない。火中の栗を拾っている自覚はある。

 

「美味しいものでも食べに行こ」

 

 何せ、余命一年である。その運命からあがくことも大事だが、その日その日を大事にすることもまた重要事項である。

 具体的に言うと、美味しいオムライスが食べたい。

 

 部屋から出ると、夜蛾学長に呼ばれた。お客人らしい。

 

「美々子ちゃんと菜々子ちゃんやっけ? 資料届けに来てくれたん?」

 

 美々子ちゃんと奈々子ちゃんはコクリと頷き、資料をばっと差し出す。

 

「専門知識がないからカルテ渡されてもわからへんのやけどな」

 

 とりあえず、カルテに薬物という言葉が踊っているのはわかった。

 

「私がわかる」

 

 硝子ちゃんにカルテが奪われるままに、アンケートを渡してもらい、目を通す。

 

「夏油様の症状、重いみたいで……反転術式なら、治せるかもしれないと聞いた」

「皆で話し合った。私達は、夏油様が好きだ。大義じゃなくて、夏油様に惹かれたんだ。夏油様を治してくれるなら、呪術師に転向しても構わない」

「んー。学生の時から洗脳受けてたんなら、東京校の監督不行き届きってことで、夏油 傑本人だけの処刑でなんとかならんかな。実際、傑くん相当弱ってたはずやのに、気づかな……いや、悟くんたちも健康診断受けたほうがええ、かな。傑くんいたの10年前やのに、今薬が見つかるって変やし、今も攻撃されとる可能性はあるか。うわ、こっわ!」

「夏油様は処刑させない!」

「守りきれるんか。今まで気づかれへんかったくせに」

 

 真剣に問うと、真剣な顔で頷いた。

 

「夏油様は命に代えても守る。あんたが心配しているのは、夏油様の死体でしょ。夏油様は死んだら死体は呪霊が焼くように指示を出された」

「それで済むと思われへん。それに、なんでこんなところに来てるんや。そんなに大切なら、側で守らなくてええんか」

「夏油様はラルゥが守ってる。良いから、あんたの持つ情報を渡しなさいよ。あんたの追う呪詛師を倒せば、問題解決でしょ。夏油様、混乱して、吐いて、大変で……絶対許せない」

 

 僕は、黙って今までの情報を纏めたUSBメモリを渡した。それが、横合いから奪われる。

 あっ……。まあええか。

 

「僕も行く。傑に会わせろ」

「弱っている夏油様に会わせたくない」

「僕は会いたい。10年前、親友が苦しんでいるのに、僕は気づきもしなかった。だから、今度こそ親友を助けたい。君らが呪術師に転向するなら、僕の口添えが必要だろ」

「僕も、一回までなら口添えしてもええわ。というか、そうしないと収集つかなくなりそうやし……」

 

 ため息を吐いて、一緒に教団の中枢までついていった。

 別室で硝子ちゃんの治療を終えて傑くんが戻ってきた時、悟くんは涙ぐんで傑くんに抱きついた。

 

「傑だ……!! 傑が帰ってきた!!」

「帰ってきた、とは言えないかもだけどね? 私はまだ呪術師に戻るとは言ってないよ」

「ううん、俺、気づかなくてごめん。こんなに明らかだったのに、傑が変わっちゃってたの、なのに俺、気づけなくてごめん」

「悟……」

 

 感動の再会? の後、僕の資料を2人で見て、みるみる真剣な顔になっていった。

 硝子ちゃんは早々に帰った。知らんほうが良いこともあるいうて。僕も帰りたい。

 

「直哉。隠してる資料も頂戴」

「隠してへんよ」

「隠してるだろ。アンケートから言って、もっと色々情報を持ってるはずだ。相手の呪詛師は頭に継ぎ目があるんだろ。その事がこの資料には書いてない」

「……せやけど」

「直哉。今度こそ、私はちゃんと守りたいと思う。理子ちゃんは死なせてしまったけれど……勇気を出してくれた直哉を守りたい。良いかな?」

 

 僕は、隠しとった資料をだした。守るを信じたわけやないけど、やり口から言って僕、見逃されんやろなって思ったから。

 この時の為に用意しておいた、夢子の報告書も中にはいっている。

 2人で、いかにも潜入工作をして調べました的なのを考えて作ったものだ。

 これが僕の盾になってくれるとええんやけど。

 

「呪霊、1000万……!? 馬鹿な、ありえない」

「けど、1000年呪霊と術師に接触し続けていたとしたら?」

「傑が捕まったら大変なことになる……けど、これ、傑にしか止められないんじゃないか?」

「1000万個呪霊玉は許してくれないかな……?」

「呪霊玉にするだけでも違うだろ。後は俺が祓うよ」

「待ってくれよ、悟。私はまだ、自分の思想ともケリがついてないんだ。誘導された大義だとしても、私は自分の大義を信じていたんだよ」「もう過去形だ。そこに傑の本心があると思うけどね」

「悟……」

「ま、いいや。話はいくらでも聞くからさ。今度こそ、ちゃんと話し合おうぜ」

「悟」

 

 それから、長い話し合いが行われた。

 夢子の、天元様暗殺しちゃえ計画や、メロンパンの計画乗っ取って術師だけの日本を作るなど、様々な案が出たようやった。

 僕はまあ、現状維持や。変化を受け入れられるほど強くあらへん。

 メロンパンさえ倒せば、もう少しだけ日常は続けられるんちゃう?

 馬鹿にされるかとも思ったけど、そういう考え方もあると納得はしてもろた。

 正直お腹いっぱいやし、疲れとったし、手も震えとったし。気づかれたのかもしれへんな。メロンパンの手が長すぎて怖いわ。

 

 

 会議で、僕は約束通り傑くんを庇った。

 ついでに、悟くんを狙ったり悟くんの周辺を殺したのは、全て呪詛師メロンパンの策略で、傑くんも操られとった上層部も悪くないんや、という方向に持っていった。

 傑くんは、縛りをいくつか結び、監視を受け入れることで許されることとなった。

 そうやないと上層部も赦されへんことになるからな。

 

 悟くんブチギレとったし、東京壊滅が困るのは上層部も一緒やったみたいやな。

 

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