死亡フラグが倒せない(BY転生者)短編集 作:かりん2022
私は迷家 アリス。オタクで転生者である。
事故と記憶の復活で脳が処理落ちし、しばらく入院して、ようやくの通学。
今、私はとにかく喋りまくっていた。
「虎杖くんって、虎杖くんって私の好きな漫画の主人公と名前おんなじ!!」
「マジで? なんて漫画?」
絡まれていたのを虎杖くんに助けてもらった私は、怖かったしぶっちゃけ虎杖くんも怖かった。学校に逆戻りし、私はとにかく話題を探した。家に行っても、家族なんていない。事故で死んでしまったから。
緊張と恐怖から逃げるように、私はなんでもいいから話さないと、と話し続ける。
「呪術廻戦っていうの!」
私がそう言ったとき。世界が軋んだ気がした。
教室で、とにかく私は喋り続ける。
教室の生徒達が、ちょっと目配せしても、携帯をいじっても、マジで? って顔をしても、必至で喋り続ける。
「ちょっと、虎杖! 部活始まってるわよ! っていうか、陸上部ってどういう事!」
「ごめん、先輩。こいつの話が面白くて。というか、えーと、オカルト?」
「あっ ご、ごめん、虎杖君! 今度気が向いたらサインちょうだい!」
「迷家。結局その話、最後どうなんの?」
「え? 東京壊滅して、五条先生助けなきゃってところかな。まだ最終回してない」
「ハピエンになりそう?」
「既に死にまくっているのでハピエンではない」
「えーと。宿儺の指って、これ?」
そっと虎杖君が出したそれに、思考が止まる。
「迷家。迷家の言う雑誌も漫画も、ないんだけど。未来予知?」
教室の生徒にぽつりと聞かれ、私は思考が止まる。
「そ、そんなわけないでしょ! 呪術とか呪霊とか、現実にあるはずないじゃん!」
「でも、呪術高等専門学校はあるよ……」
「ないよ!」
「あるよ。ほら」
携帯を見せられ、私は思考が止まる。
「オカルトの香り! ちょっと、話、詳しく聞かせなさいよ」
「でも虎杖、話がほんとなら、あんたのお祖父ちゃん、命日……今日じゃない?」
「はやく行ってやれよ、虎杖!」
「ゆ、指どうしよう。化け物が襲ってくるんだろ?」
「封印とかなきゃ大丈夫じゃねーの?」
「私、恵キュン、探してくる!! 制服が違う人を探せば良いんだよね?」
「とにかく指は任せろよ」
そして、虎杖君は走って出ていってしまった。
恵くんは無事発見され、指を渡した。
えっ どういう事? 情報が完結しない!!
そして、次の日の朝。
早朝に招集をかけられた私は、教室に入る。
オカルト研究部だという先輩が、黒板いっぱいに情報を書いていた。
クラスメイト達が真剣に話し合っている。
黒板には東京防衛計画、と書かれている。
「作戦会議、するわよ!!」
少し遅れて、虎杖が教室に入ってきた。
「皆、なんかまた指拾っちゃった……」
どうしよ、と困惑する虎杖。
「虎杖のお母さん、黒幕で宿儺の器にするの狙ってるからね。あまり避けてばかりだと人質取られるかも」
「げっ」
「とにかく、その漫画の内容を教えなさい」
「う、うん」
「後は、これがどれくらいの精度で事実かってことよね」
「そうだよね! 離反しない優しい世界の可能性もあるよね!」
「確認できるものは一個づつ確認していこうぜ!!」
「とりあえず、皆でオカ研にカンパしようぜ。それで放課後、東京まで行って、危険物預かってもらわないと」
「埋まってる死体見つかったら信じるわ」
見つかった。
「俺、どうすりゃいいの? このままだと器にされて大量虐殺だよな? し、死ねばいいのかな」
「そんな事言うな、虎杖!」
「でも、無理やり指飲ませられる可能性はあるぜ」
「五条先生ってのに助けを求めれば良いんじゃね?」
「やっぱり行くか。資料纏めて後丸投げするしかないだろ。俺ら呪霊見えないし」
そんなわけで、オカルト研究部と私は、東京に行ったのだが。
どうしても呪専が見つからず、薄暗くなって怖くなったので泣きながら電話したのだった。