私が従兄妹のアルフォンスお兄様と出逢ったのは、3歳位な頃だったらしいけど、当時の事を私はよく覚えていない。
けれど、朧げに憶えていた事であったのか、夢なのか自信がない出来事があった。悲しそうな優しい笑みを浮かべた王子様みたいに思える素敵な男の子が、傍にいたようなそんな記憶がある様な…。
けれど、それはお兄様ではないだろうし誰だったのかな…。お兄様はいつも会う時にはニコニコしているし、お兄様はとても明るい人だから。それとも本当に夢だったのかなぁ。
来日出来るタイミングがあれば、よく会いに来てくれるお兄様…。お兄様と呼ぶのは私の柄じゃないかもしれないけれど、お兄ちゃんと呼ぶにはアルフォンスお兄様は、見た目も雰囲気も整いすぎていたので私もお兄ちゃんと呼びにくいところもあって、落ち着いた呼び名だった。
「アルフォンスと呼んでよ」何度となくそう言われたけれど目上の人を呼び捨てに出来ないから、今の呼び名で勘弁してもらった。
ずっと私の自慢の従兄妹だった。
昔から私を可愛がってくれているようで、気軽に抱きしめてきたり、頬にキスを落とすお兄様。「私が誤解したら困るでしょ」って恥ずかしさから、何度も伝えてたけど、苦笑いを返されるだけに終わってしまっていた。
中学の頃、美人なクラスメイトにせがまれてお兄様を紹介した、彼女には悪気はなかったのだろうけど「みことちゃんには勿体ない位かっこいい人だね!」そう言われ、なんとなくお兄様の傍にいるのに、私は相応しくないんだろうな…そんな劣等感を抱いた様に思う。
また、たまに都会に出てみると、綺麗な人ばかり!
それと比べると『私は男の子みたいだなぁ』『こんな私を自身では好きだけど、みんなに好かれるタイプじゃないよなぁ』と、どこか諦めてしまったんだと思う。
だったら大切な親戚やお友達になれたらいいなぁ。
それからだろうか。お兄様やユウくんみたいな外見が整った人が、私を好きになってくれるはずは無いって無意識に恋愛対象から避けていた。
乙女ゲームの世界でだけ、夢が見られたら幸せだと思える。そうして乙女ゲームにどんどんハマっていく私。気がついたら、「胡蝶の恋」という作品にはまってしまう。
皇太子でもあるフィリップ王子も金髪金眼で格好いいし、1番の推しは悪役令嬢の執事のマクシミリアン!
いつも笑顔を見せないクールなキャラで、その人が唯一笑顔を見せる対象であるヒロイン。
そんな立場になれたら素敵だなと思う。
でも私には無理だから今だけ夢を見ているゲームもいう名の甘い夢を…。