ただの薬売りの弟子ですよ   作:WATAHUWA

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~化猫その弐~


ガヤガヤ

 

 

時は近代。姿形は全然変わりもない薬売りと常世はかつての江戸、東京を歩いている。賑やかな東京を見て常世は言った

 

「江戸もすっかり変わりましたねぇ」

「ああ。昔は汽車が出来ただけでもすごいと言われていたが」

 

薬売りの視線の先にあったのは地下鉄福寿駅開通式を伝えるポスターだった。

 

「まさか地下を走るとは」

「時の流れって早いものですね」

 

しみじみと言う薬売りと常世。すると

 

 

カタカタ

 

「「!」」

 

退魔の剣が【モノノ怪】が出ると伝えているのだ。ただし

 

「当選券が必要だぞ」

「ど、どうします?」

 

ポスターには開通記念として地下鉄に乗りたい方募集中とある。地下鉄に乗るには抽選に当たり、当選券を貰わないといけないのだ。流石の薬売りも乗れるかどうかと悩む。

 

 

ーイベント当日ー

 

 

ワアアアアアア!!

 

旗を振り、祝う人たち。完成された福寿駅の前には

 

《ここに、こうして無事に地下鉄開通の日を迎えられたことは私にとっても非常な喜びであります!》

 

にこやかに挨拶する市長。どうしても当選券を手に入れたい常世と薬売りはと言うと

 

 

「いやーなんとか手に入れられましたねぇ」

「ああ。モノノ怪を相手する時並みに大変だった。」

「【真】と【理】を話さない奴らを相手するのも大変ですよ」

「ふ。それもそうだ」

 

言ってはいけないことを色々やって当選券を手に入れたのだ。お疲れ様。

 

「抽選に漏れた人は下がって下って!」

 

駅員が叫ぶ。駅のホームでは抽選に当たった人たちと見送る人。一目でも見たい人でごった返しているのだ。駅員が叫びたいのは無理もない。

 

「常世。俺たちが乗るのは?」

「4両目です」

 

薬売りと常世が乗るのは4両目だ。しかし人が沢山いるため、4両目の列はどこにあるのか分からない。

 

「聞くしかないか」

 

薬売りは常世が迷子にならないよう手を繋ぎ、女性に話しかける。

 

「もし。聞きたいことがあるのですが」

「は、はい!」

 

当然、女性は赤くなる。

 

「ん?」

 

視線を感じた常世。聞くのは薬売りに任せ、視線を感じる先を見る。

 

(あ、加世のそっくりさん)

 

そこに居たのは三つ編みおさげにし、洋服を着た加世のそっくりさんが居た。ちなみにそっくりさんは常世と目が合ったことで慌てる。薬売りを見ていたため、彼と手を繋いでいる常世に文句を言われると思った彼女は急いで「通してください」と逃げるように傍を通った。

 

「加世にそっくりですねぇ」

「ああ。もしかしたら他に出会った人たちのそっくりさんもいるかもしれないな。」

 

そう言って薬売りは常世を連れて4両目の列へ向かった。

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