しばらくして地下鉄が来た。更に盛り上がる周り。4両目の列に到着していた薬売りと常世は駅員に従って乗った。人がどんどん乗って来る車内。中には加世のそっくりさんもいる。
しばらくして
ジリリリリリリリリリリリ!!
出発を知らせるベルが鳴った。
プ――――
動き始める地下鉄。
「バンザーイ!」
「バンザーイ!」
盛り上がる周りに見送られ、出発した。
ガタンガタン
揺れる車内。談笑する乗客たち。すると
カタカタ
(……そろそろか)
退魔の剣が「そろそろ来るぞ」と伝えてきた。薬売りと常世は静かに退魔の剣が入った箱を見る。
「「!」」
モノノ怪の気配を感じ取った。目を見開く薬売りと常世。すると
キキキィ――――――――!!
『きゃあああ!!』
『わあぁ!?』
いきなりの急ブレーキ。その勢いのせいで乗客のほとんどが倒れてしまった。
「いたたた…」
「な、何だよいきなり」
「事故…かしら」
「どーなってんだよぉ」
なんとか起き上がった加世のそっくりさんも慌てて「何?何?何ぃ!?」と聞く。
「常世。大丈夫か?」
「はい。大丈夫です。お前達も大丈夫?」
常世が退魔の剣と天秤たちに聞く。
カタカタ
ちりん
退魔の剣と天秤たちも無事のようだ。
ゴォ!
「「!」」
モノノ怪の気配を感じた。後ろの車両から1両目に向かったのだ。
「【モノノ怪】は1両目か」
「師匠。そっくりさんが居ません!」
「何?」
確認すると確かに加世のそっくりさんがいない。
「【真】と【理】を知っていそうだな。常世、1両目に行くぞ」
「はい」
起き上がる乗客の間をぬって進む薬売りと常世。途中で《ご乗車中の皆様に申し上げます》と放送が流れた。前方に障害物をみつけたそうだが薬売りと常世は気にしてない。
【モノノ怪を斬る】
ただそれだけだから。
ガラ!
違う車両へ行く戸を開けては進む薬売りと常世。次で問題の1両目だ。
「師匠。他の人がいますね」
「ああ。」
加世のそっくりさん。運転手に男の子。新聞屋。中年の男女が居た。しかしだ
(市長が居ない)
開通式でにこやかに挨拶していた市長が居なかった。
ガラ
それを気にせず薬売りは戸を開けた。
「ここか。常世。」
「はい」
薬売りが戸を開けている間に常世も1両目に入った。謎の人物二人に驚いていた彼女たちだったが新聞屋が慌てて薬売りと常世。というより二人が入ってきた戸へ走ってきた。
ガラガラガラ
ただし戸は閉まる。新聞屋が開けると車両は今自分たちが居る1両目しかなかった。
「そこの怪しい旅芸人ども!貴様らどこから入ってきた!」
中年男性が聞く。
「御覧の通り、隣から来ました。」
「全員、この戸から来たの見たでしょ?」
確かに二人の言う通り、この戸から来た。それは事実だ。新聞屋曰く1両目から出られない。列車は勝手に走る。そのせいで狐につつまれているような感じだそうだ。確かに【モノノ怪】を知らない一般人からすれば狐につつまれている気分になってしまうだろう。
「「市長は【モノノ怪】にやられた」」
当然文句を言われるが薬売りと常世は気にしてない。天秤たちを車内の天井に設置した後、言う。
「皆さんには関わりがある。」
「【モノノ怪】は関係あるあんた達をこの車両に集めたの」
皆は初対面。と思いきや、ほとんどがある人物を知っている。それは中年男性。中年男性は名前、年齢、職業、どこで会ったかを提案した。