中年男性のことを知っているのは4人。
加世のそっくりさん。駅前のカフェーで女給をしている野本チヨ。
未亡人で姑と生活している中年女性。山口ハル。
新聞屋で今回の開通の取材に来た森谷清。
この列車の運転手。木下文平。
この4人の話を合わせると中年男性、門脇栄は刑事(地下鉄に乗り込む市長を警護するべく随行していた)。3、4か月前、チヨが働いている店の常連女性・市川節子(チヨ曰く今をときめくモガ)が木下の運転する列車に轢かれて死亡した。事件なのか事故なのかを調べるために門脇とその部下は当時運転していた木下。事故現場近くに住むハル。彼女の行きつけのカフェーで働いているチヨ。彼女の上司である森谷に聞き込みをしていたのだ。
そして木下の証言によると陸橋から落ちた瞬間、自分が運転した列車が来てしまったとのこと(なので自殺と決まった)。すると
「何かの間違えだ!」
声を上げたのは男の子。彼は本当に誰も知らないからだ。そして恐怖のあまり泣いてしまう。
「僕、お名前は?」
チヨが優しく聞くと男の子は小林正男。尋常小学校を卒業してからは牛乳配達をしている。後から自殺は早朝と分かったので、正男は例の陸橋は配達で通ると証言した。
「やっと繋がりましたね」
「記者を轢いた運転手。彼女の行きつけの女給。現場近くに住む女。記者の上司。事故を調べた刑事。現場を通った少年。皆繋がっていましたね」
市長も薬売りと常世が来るまでいたので彼も繋がっていたのだろう
【市川節子】
彼女が関わっていると分かった。
ぎいぃぃぃ…
『!!?』
誰もいないのに運転席の戸が開いた。天秤たちも鈴を鳴らす。誰もいないのにつり革が動いた。
にゃー…
どこからともなく猫の声が聞こえる。
「ほー…こりゃ」
「懐かしいですねぇ」
薬売りと常世は【形】を言う
「「【化猫】だ」」
カチン
「【真】を知りたがるモノノ怪とは面白い」
「その日、節子さんに何が起きたか言った方が良いよ」
節子の想いが【化猫】を呼んだのだ。するとハルが言う。
「あの声」
「あの声とは?」
「何言ってたの?」
薬売りと常世の問いにハルは答える。
「許さ…ない」
その言葉に周りの様子がおかしくなっていく。
「節子さんの死は作られた自殺」
「それが【真】ですねぇ」
薬売りと常世が言った瞬間だった。
にゃーにゃーにゃーにゃーにゃーにゃーにゃーにゃー
沢山の猫の群れが走り回る。怯える周り。
♪~♬~
気づいたら駅についていた。あれは白昼夢だったのか?とりあえず安心する周り。
「違いますね」
「ああ」
まだ【モノノ怪】の領分の中に居るからだ。
ガラ
「開いたぁ!!」
戸が開いたことに喜ぶ門脇。しかし外は赤黒い空間。門脇は【化猫】に攫われた。
「きゃああああああ!!」
チヨの悲鳴。彼女の視線の先には市長が長椅子にいた。様子からして市長の命はもう…。
すると先ほど攫われた門脇が傍に置かれた。
『ぎゃああああああああ!!』
二人の亡骸を見て怯える周り。すべては
「「【化猫】の仕業」」
勝手に出ては命の保証はない。