デスゲームに花束を(改定)   作:らふ

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第1話始まり

生に於いて美は死滅するが、芸術は死滅しない。ーーーーダ・ヴィンチ レオナルド。

 

 

 

 

しとしとと雨が降りしきる。空は曇り空で覆い尽くされ街中に立ち並ぶ立ち木が大きく揺れている。

 

然し、俺はその風景を見ていない。

 

「俺は何を間違えた?」

 

部屋の照明は粒ほどの光も発しない。昼間なのに暗く沈む。

 

俺は一人。部屋の中でゆらゆら揺れているのだろう。

 

「別の方法ならばよかったのか?」

 

一瞬

部屋の中が白で包まれた。なんの色も持たぬ白に、包まれた。遅れて轟音が鳴り響く。

 

「誰か、答えろよ」

 

声が虚しく響きやがて闇へと沈んでいく。応答できるはずもない。

 

この部屋にはだれもいないのだから。

 

 

 

11月16日修学旅行終了日後

 

昨日修学旅行を終え、無事千葉に帰った。無論、足取りは重い。帰ったと言っても駅になので、自宅までの自己帰宅が必要だ。重い足を引きずりながら前日の事を振り返っていた。

 

 

そして今日。俺にとってのビックイベントだったはずの、SAO開始日だ。今でも俺は今か今かと待ち望んでいる。晶彦さんが作ってくれたゲームを。

 

 

「おにいちゃーん!」

 

下で小町が俺を呼んでいる。ふっ、小町よ飛び込んできてくれてもいいのだぞ?胸に。って、ないか。

 

「へいへい、降りるよ。」

 

言い終わり、部屋の扉を開け、階段を下り、リビングに到着する。

 

 

「今日は和食だよー。ささっ食べて食べて」

 

「おう。今日も元気だな小町」

 

箸を持って「いただきます」と言って手を合わせ、食べ始める。

 

もぐもぐ

 

食べ始めてから何分経ったか、小町との無言が続く。家族だし、妹だし気まずくない。全く。これっぽっちも気まずくない。

 

「なぁ、小町今日はSAO開始日なわけだが……」

 

「………はぁ。ゴミいちゃん」

 

「あん?確かに俺はゴミだがゴミいちゃんと呼ばれる筋合いはない………はず」

 

もぐもぐ もぐもぐ

 

「……思うなら言い切りなよ。なーんか全然変わってないじゃん?!」

 

「何が。俺は生まれてこのかた変になった事などない。そう、あの夏を除いて……」

 

「かっこいい事言った風になってるけどかっこよくないからね?」

 

「寧ろダサすぎると言うか何というか、ま、お兄ちゃんがいいならいいか」

 

早口でまくし立て何かを言う小町。一体全体どうしたと言うんだ?小町くん?

 

小町が「はー」とため息を吐くとこちらに向き直る。

 

「お兄ちゃん。何か困ったこととかあったら言ってね?」

 

「相談しろってこと?」

 

「そう、例えばー修学旅行で嘘告してあの二人に超拒絶されたとかでもいいよ」

 

「………全部分かってたんじゃねぇか。それに具体的すぎな」

 

驚いた。俺の動向を全部把握されてるわけではないようだが、恐らく雪ノ下辺りが報告してたのだろう。

 

「お兄ちゃんには小町がいるんだから、ね」

 

言いたいことは分かる。小町一人だけでも俺の味方になってくれる。小町には俺がいるようにその逆もまた然りだ。小町は俺が守る。

 

そっと席を立ち上がり、机の対面に居る小町の頭を撫でる。

 

「修学旅行の件についてはまた話す。それでいいか?小町」

 

「ぶぃ」

 

小町が手でV字を作り、にこっと笑顔になる。

 

「はは、そういやお前昨日夜まで見てたな」

 

修学旅行前日小町にA○rと言うアニメを勧めた。あれは若干古いが、俺はギャルゲ系感動モノと認識している。

 

「うん。観鈴ちゃん可愛かったなー」

 

「そうだな。てか小町大丈夫だったのかよ」

 

「何が?」

 

「いや、あの絵は受け入れられないって人もいるみたいだし」

 

現代のアニメに見慣れているとちょっと昔のアニメってだけで拒否られたりするものだ。

 

絵が古いとか絵のタッチが苦手とか編集が荒いとか。

 

A○rの場合そう言う人は東映版を勧められている。

 

「ん、全然平気だったよ?そもそもアニメ全然見ないし」

 

ガクっ

 

「どした?」

 

「い、いや。一瞬侮蔑されたかと思って」

 

「なーに言ってんのお兄ちゃん。ほら、そろそろ片付けるよ」

 

そう言い、小町が食器を片付け始める。それを見て俺も立ち上がり、食器を集める。

 

 

 

ふと、疑問を抱く。

 

 

 

「なぁ、小町。」

 

俺の両手には食器が乗って、俺もそっと歩き出す。

 

「なぁーに」

 

小町の両手に食器が何枚か乗っており俺と殆ど同じ格好だ。

 

「もし、俺が居なくなったらお前どうする」

 

 

 

がシャン、がシャン、がしゃん………

 

 

皿が一枚ずつ落ちていき、落ちた全てが割れて、尖った破片などが辺りに散らばる。

 

 

音が鈍く響き、体がぶるっと震える。

 

「お、おい?小町?」

 

この際散らばった破片は置いておくとして、小町の様子が変だ。俺は持っている皿を置いて小町の表情を見る。

 

 

泣いていた。顔を赤くして流れる涙をも払おうとせず、小町は泣いていたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




前、書いていた奴は没でお願いします。多分何度も死んでいる(活動報告等を怠っていました……)ので飽き飽きされていると思いますが、僕はiPodで書き続けるので(スマホ奪われた)よろしく願いします。
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