「あ、目を覚ましましたか」
目を開けるとそこには美少女がいた。なんてことはあり得るはずもなく、誰かが俺の側にいるなんて事は万にひとつもない訳で、ここがまだ夢の世界だと気づいた。
なんだ。俺はまだ夢を見ているのか。
再び目を瞑ると妙な安心感に包まれた。心地よいベットでまた眠ろう。おやすみなさい。次目覚めたらそこが現実であるように……
「いつまで、寝てるつもり?」
先程の声とは別に声が聞こえて、面倒なので適当に返した。
「あと、五分待って。」
布団の中にくるまってぼそりと呟く。
「お・き・な・さ・い。マユリも叩き起こして。甘やかしちゃだめ」
「え、えと、一応恩人ですし…」
「この人はね、あと五分と言って2時間寝る様な人よ?それを聞いてもまだ言えるの?」
失礼な。俺は時間にルーズじゃない。15分前行動しようとして、30分前行動することもある程だ。時間には厳しい方だ。
ただ今回は別に起きなきゃいけないルールなんてないわけで……
暖かい布団は俺の体にぴったり密着して離れない。
「うぅ、それでも、命の恩人にはぐっすりと眠ってもらいたいじゃないですか」
「命の恩人、命の恩人って言ってるけど、感謝しているからと言ってそれとこれとは別よ。感謝してるなら誠意を持って叩き起こさないと」
叩き起こすという単語には最早誠意など感じられない。誠意というのはマユリ?と呼ばれた少女の様に優しく見守ることだ。
「誠意というのは乱暴に起こす様な事じゃなくて優しく見守る事じゃないですか?」
「いいえ、そもそも貴方が個々にいるのは彼を起こす為でしょう?見守ってどうするのよ。」
布団にくるまっているので誰が喋っているのかは曖昧だが、早く出て行って欲しい。そして、夢よ覚めれ。
「そ、それは……うぅ」
「もういいわ。は・や・く、起きて!!!」
「ぶへっ……」
轟音と共に視界が木のタイルに素早く移り変わり、ドスン、と音が響いて頭に衝撃が落ちる。
「いってぇ………」
「うぅ………アスナさん、酷いですよ!もっと優しい起こし方があったはずです!」
「煩いわね。だったら、貴方が起こしてみなさい。」
「分かりました。ハチマンさん、起きてください」
マユリは俺のくるまった布団をさすって数回「起きてください」と繰り返す。
いってぇ……まだ腹が痛む。何で殴られたのか、知りたくもないな。
「ごめん。もう起きてるわ。」
「わぁ、ほら、起きましたよ?」
「それは私が殴ったからでしょう?貴方の起こし方じゃ誰も起きないよ?」
「うぅ……アスナさんは怖いです」
布団をとって起き上がってみると、今にも泣き出しそうな少女とアスナがいた。
「はぁ、何を喧嘩しているのか分からないが、何がなんだか分からんから状況を話してくれないか?」
「「喧嘩じゃない(ですから)!!」」
いや、喧嘩だろ。どう見ても。
どうやら俺を起こしてくれた少女はマユリというらしく、昨日Pohに殺されかけていた少女らしい。
(Pohとやり合っている時の俺はなんだか獣のようで怖かったとアスナから聞いたのだが俺はあの時の記憶がないのでわからない。ただ、憎悪に塗れてPohを倒す事以外何も考えていなかったのは確かだ。)
Pohが立ち去り、帰ろうとしたのだが、俺をそのままにしておくわけにもいかず、俺がインした宿に運び、マユリは俺が起きた時の為にずっと見張っていたとのこと。
そして朝がきてそろそろ起こそうかと思い、俺に呼びかけるが中々起きないので、見兼ねたアスナが叩き起こす為に武器で思いっきりはたき起こしたらしい。
ずっと安静にしようと見張っていたマユリからすれば、乱暴に起こすことには反対で、ムカついてつい言論に至ったとの事。
「マユリ………いい子」
「ありがと………ございます」
マユリは赤くなって、俯いて、アスナは機嫌が悪そうに貧乏揺りしている。
怖いなぁ。野生の獣は目で殺す。俺はアスナの威嚇を正面から受けて辟易した。
アスナは「はぁ」と溜息をつくと俺を睨めつけて
「一応言っておくけど、私貴方に着いて行くから」
は?いいわけねぇだろ。舐めんな。
プロットが最後まで書き終えました。あとはデティールを書き込んでいくだけなので全ての話しを書き終えた時報告します。因みに一日に3話書き留めているので毎日更新されます。アクセス数とか、ポイントとかは絶対見ないです。開かずの扉のように見ちゃいけない気がするので。評価とかする価値もないと思うのでせめて感想ください。それだけで頑張れるので。よろしくお願いします。しばらくあとがきは残しません。