「いーひひひ ! さあー よってらっしゃいみてらっしゃい, おおければおおいほどファントムを さけられる アミュレットに, etc タリスマンは いかがー ?」
みなが, 恐怖に 屈した. まちには ふあんを あおる メディウムが マネーをまきあげに 現れた.
「昔も こんなことが あった.」ある としよりは 語る.「あの時 いなくなったのは しょうねんじゃった. かわいそうに, みつかった ときの すがたは, 惨たらしいもんじゃった.」
しょうずが ライブラリーで 調べると, それは あまりにも 残酷で, ひとは おろか, モンスターの やることとは とても おもえなかった.
「あれからすっかり, わたしたちは 嫌われるようになったねえ.」
「むりは ないですよ. みんな あの『アミュレットマン』に もうしんして, サイエンスを 否定してるんですから.」
「はまなす….」
いっそう げんきの 無くなった ホナミを みて, ショウズも Dr. もいたたまれなくなった.
Dr. は ホナミの きもちに 寄り添うことが できた. だがしょうずには, Dr. ほどの機転はない. そのとき かれは, はじめて じぶんの どんかんさを 悔やんだ.
「りょくと…あいつならどうするだろう.」
えんぽうの ゆうじんを チャットで 頼ることが, かれが せめて できることだった.
りょく:フフ, そっちは ずいぶん 大変なことに なっているね
shou:どうして知ってるんだ ? ニュースでもやってたのか
りょく:ネットの ツテから えた 情報さ
shou:なにか てがかかりに なる 情報は あったか ?
りょく:ノー, おまえと おなじ くらいの 情報しか もっていない.
shou:ほなみの とった フォトに うつっていた おとなの ひとかげは やっぱり 怪しいよな
りょく:ショウズ おまえ, ファントムを 信じるか ?
shou:いない…と思っていたが, さいきん 自信が なくなっている
りょく:いや, あんがい いるかもしれないぞ. 優しいファントムが
shou:正気か おまえ
りょく:だからさ, 目には目を, ファントムにはファントムを…だろ ?
しょうずと りょくとは このシチュエーションを 打開 するべく, チャットでストラテジーを たてた. 迷信を まえに, ふたりの しょうねんは むりょくでは なかった. むしろ 迷信を 利用してしまうほどに, わかさは ウェポンだった.
ビーストグループの モンスター,アルセーヌは 空を ゆく. そのめは ちゅういぶかく タウンを 見渡して, やがて うらやまに ひっそりと たつ ホベルを コンファームする.
そこに おりたち, こっそり ウィンドゥから なかをのぞく. そこには ふたりの男と, ひとりの 拘束された 少女がいた.
「うわっ… なんだアルセーヌか. 薄気味悪ぃな. あっちへ いけ, しっしっ !」
「こんな カントリーで ハシボソじゃなくて アルセーヌがでるなんてぇ, 不吉じゃねーかい ?」
「ふん。迷信が怖くてダークウェブなんかやってられるかってんだ。」
「いよっ流石兄貴!男前ぇ!ほんじゃ、俺も一人稼ぎしてくるわ。イーヒヒヒヒ!」
「そろそろこんな薄汚ねぇ小屋ともおさらばだ。限界まで脅して、町の奴らから巻き上げてこいよ。」
「お母さん、あたし夏祭りはねーえ、ユキちゃんと一緒に行くの。フユちゃんも楽しみだって。」
「ああ、アキちゃん。今年の夏祭はね、中止かもしれないのよ。」
「えー、なんでー?」
「鬼さん出たらこわいこわいですからね。…あっ…。」
川沿いの土手で、影を伸ばすような夕暮れを、物憂げに眺めるカンショが膝を抱えて座っていた。ささやか日常は消え、夏の心地よい涼しさとは違う、やけに寒々しい風に浸る。
後ろ道で、無言で母親にしがみつく少女が通り過ぎて行き、虫の聲だけが無常に響き渡った。
「蝉しぐれももうすぐ終わりますね。」
カンショが後ろを向くと、いつの間にか例の護符男が立っており、彼女を威圧的に見下げていた。
「そして、ひぐらしのなく頃に、ハマナスさんの調査も打ち切られる。」
「そんな…!」
「おっとっと。慌てないでもいいんです。そう!この幸せを招くお守りを首にかけていれば、きっとあの子も帰ってくる!」
恐怖をはらんだ目と、狂気をはらんだ目が、ぶつかり合う。
「さあどうなんです!貴方が!自分の罪の重さを分かっているのなら!さあさあさあさあさあさあさあさあさあさあさあさあさあさあさあさあさあさあさあさあさあさあさあさあさあさあさあさあさあさあさあさあさあさあさあさあさあさあさあさああさあさあさあさあさあさあさあさあさあさあさあさあさあさあさあさあさあさあさあ、さああああ!!」
「何だそれ?」
カンショは、その爽やかな一声で、どすの効いた呪文から我に返った。財布を持つ手が、ポケットに戻った。
「意味深でかっけぇな…。逆にファンになりそうじゃねえか。」
品性の無い護符男の顔が一際歪んだかと思うと、唾を吐いて去って行った。
「ショウズさん、私…!」
目をはらしたカンショの、こらえていた涙が溢れ出した。
「どうしよう、私、分かんない。なんで…?ひっく。悪い噂を、無ふしたら、皆もっと楽ひくなれると思っへは…!なのに、どうして…ぐすん。や、やっぱり…。」
「もういいんだよ、もう大丈夫。そう、君は何も悪くない。」
気持ちの柏が外れたカンショの温もりを、ショウズはしっかり受け止めた。
「カンショさん。『蛇太郎』の都市伝説は、知ってるかい?」
「ぐすん。へ、へび…?」
「そう、へび。」
ショウズは丁寧な口調で、舞台役者のように大きな身ぶりで熱弁した。
「魔王に攫われた妖精を救い出し、無理矢理悪者にされる女の子は、花の楽園に放してあげる。これみんな、ヘビタローの仕事なんです。ウン。」
おどけた芝居で、カンショは少し元気を取り戻したようだ。
「ありがとう。でも、気持ちだけ受けとるんだぜ。こんな怖いことに、貴方まで巻き込まれるのは、耐えられない。」
たとえ拒まれようと、ショウズの大舞台は終わらない。
「ああ、なんということだ。その女の子は悪い魔法使いの力を信じるのに、蛇太郎の力を信じようとはしなかった!その娘が信じてくれたなら、蛇太郎は千里を駆ける事だって、山を崩す事だってできるのに…。」
そう言ってわざとらしくうなだれた後、少女に紙きれを渡した。
「大丈夫、きっと上手くいくよ。」