「ふたりとも, ぶじで よかった!」
「「かんしょ!」」
三人は再び会えた喜びに、思わず抱き合って泣いた。
龍グループのヤミオニウシと、超常グループのココロバケも、友情が起こした奇跡を目の当たりにし、温かい気持ちになった。
「ホナミがずっと帰ってこないって聞いて、心配したんだぜ。」
「ありがとう。ショウズからココロバケが良く出る場所を教えて貰ってたけど、貴方が来てくれて安心したよ。」
「ホナミもカンショも、私の為に、ごめんだよ。」
警察も駆けつけて、3人はようやく保護された。
ヤミオニウシは、カンショが“蛇太郎”の召喚プログラムを伝って手に入れた生物だが、彼女は警察に、たまたま仲間になったのだと説明した。もっとも都市伝説なぞ、正直に説明しても信じて貰えないに決まっていた。
主犯である悪党は捕まったが、その後、あの護符男を見た者はいない。きっとどこかで、また悪事を働いてる事だろう。
何はともあれ、人々は正気を取り戻し、白樺町には再び平和が訪れたのだった。
りょくとう:彼女はその後そうだい?
shou:時々問い詰められるぜ、蛇太郎について何か知ってるかって
りょくとう:フフ、そいつは滑稽。転送したヤミオニウシに問題が無く、召喚プログラムの実験が成功したのなら、それで十分だ。
shou:ほっといていいのか?彼女、お前に惚れてるみたいだぞ
りょくとう:惚れているのはマロンじゃなくて、蛇太郎に、だろ?
shou:そういう恩着せがましくないとこ、気に入ってるぜ
りょくとう:そいつは光栄の至り
後日。
ワイワイ賑わう会場で、提灯の淡い光が闇夜を照らしている。
ショウズは都会育ちだったというのもあり、夏祭りというものをまともに行ったことがない。あったとしても、自分から進んで遊びに行くタチではない。
しばらく歩いていると、遠くに神社の鳥居が見えてくる。
「もうすぐだ。」
少しだけ歩く速度が速くなる。空は暗み、提灯の光が鮮やかになる。屋台の灯りと色鮮やかな浴衣や半被の人混みが見えてくる。
「うわーすごい。」
神社に到着すると、色々な屋台を沢山の人々が行き来している。どこからか祭囃子も聞こえてきて、思わず胸が高鳴った。
一番最初の提灯をくぐり、どこから見ようかと思いながら歩いていると、いつもの三人と、博士、そして、何やら見覚えのある、綿飴のような生物が浮いていた。
「ココロバケじゃないか!仲間になったの?」
「さっき私に会いに来てくれたんだ。」
ココロバケは、未練を持って死んだ幽霊とも言われている。金魚すくいをしたり、ヨーヨー釣り、リンゴ飴やタコ焼きを食べて、無邪気に色々な屋台を見て回る姿は、ショウズのに、悲惨な死を遂げた少年のを彷彿させた。
祭りならではの遊びや、普段なら食べないような物を食べたりする時間は、一瞬に感じられた。
花火が綺麗に見える高台で、サンドイッチ博士はショウズ話しかける。
「今日はありがとう。」
「えっ?」
「私本当はね、ホナミさん達に合わせられるか少し不安だったの。最初は冒険しているみたいではしゃいでたんだけど、三人の仲に割って声をかけるわけにもいかなくて。だから、あなたがいてよかったよ。」
いつか体が朽ちて、この日が夢や幻になっても、俺はきっと、この光景を忘れない。忘れたりするもんか。
ショウズはそう心に誓った。
「そろそろ花火がはじまるよ。」
ホナミの声と同時に、上を見上げる。
空に一筋の光が走った。光は見る間に登っていき、空気が揺れた。その瞬間、大きな破裂音が響き渡り、空に色鮮やかな花が咲き乱れた。
「「「た〜まや〜!」」」