ホロライブ ビルドライバーズ   作:神楽

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最近プレバンで頼んでいたガンプラが一気に来たのでゆっくり組ながら話のネタを探していこうと思ってます。

今回はタイトル通り佐々木家が全員集合します。何やら一波乱の予感が……最後まで読んで頂ければ有難いです、ではどうぞ!


第43話『佐々木家全員集合』

フレアの第一子カガリが生まれて早二週間。我が家はすっかり赤ちゃん達中心の生活になり賑やかな家庭を築き上げていた。先日漸くこゆきが首がすわるようになり、最初は分かりづらかったが段々と笑顔を見せてくれるようになり父親としてはこうした日々の成長が嬉しく感じる。

 

そんなある日、突如として事件は起こった……

 

「………はあッ?!いや皆集まるのは良いんだけど、なんで俺の家に集まるんだよ!?」

 

❬いや集まるったってあんたのところ嫁さんが多すぎて実家には入りきらないじゃない。だったら元々デカイあんたの家が一番良いって事になったのよ。それに父さんも母さんもこゆきちゃん達に会いたがっていたしね❭

 

「いやそうは言われても………別に父さん達や姉貴達が来るのは構わねぇが、“兄貴”まで来るのか?!あの人めんどくさいから家にいれたくないんだが……」

 

❬……まあ気持ちは分からないでもないけど、それでもあいつも大事な家族なんだから我慢してちょうだい。それじゃあ来週の土曜日に行くから準備しなさいよ、それじゃ❭

 

「あ、おいちょっと待―プーップーップーッ……―って切りやがった!?クソッ……」

 

「ど、どうしたんですかレイくん?」

 

「ああフブキ……実は来週の日曜に姉貴達や俺の家族が全員此処に集まる事になっちまって……」

 

「え…………」

 

ったく、なんでこんな事になるんだよ?確かに俺の家族が多いからってなんで俺等の家に来んだよ?ホテルとかで会食でも……いや、ご時世的に無理か……はぁ

 

「え、何々?玲二君の家族が来るの?」

 

「あ、ああ、来週の土曜日にうちに来るらしいんだよ……」

 

「そうなんだ?でも玲二さんのご両親とはリモートでご挨拶しただけで直接あった事がなかったから楽しみだなぁ♪」

 

「パパの両親って事は、吾輩のおじいちゃんとおばあちゃんって事か!?それは楽しみだ♪」

 

俺の家族がやってくる、そう聞いて皆は楽しそうにはしゃいでいる。しかし……

 

「ね、ねぇレイっち……レイっちの家族集合って事は……?」

 

「まさか……“浩一さん”も来るって事?」

 

「………ああ」

 

ぼたんとスバルは恐る恐る俺に聞いてきてそれに頷くと二人とそしてフブキとミオとアカリの顔も真っ青になっていく。

 

「?ねえ玲二さん、浩一さんって?」

 

「………俺の兄貴だよ。劉斗義兄さんと違って本当の兄だ」

 

「玲二さんの実のお兄さん?!玲二さんに実兄がいたんですね?!」

 

ああいたよ、でも皆に知られたくなかったから今まで黙ってたけどな。出来れば一生会わせたくなかった……

 

「そうなんだ?でもそれなら会って皆でご飯とか食べたいわね♪」

 

「うん♪皆でお話したり子供に会わせてあげたりね♪」

 

………大変盛り上がってるところ悪いが、そんな期待しないほうが良いぞ?だって……

 

「い、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ……」

 

「もうスバルあれだけは……あれだけはぁッ!?」

 

「あ、あはは……終わりだぁ、この世の終わりだぁ……」

 

「お父さんお母さん、汚されてしまったウチをどうか許してください………」

 

「あ、アカリもうあんな思いしたくないぃ~………」

 

ほら、フブキ達が身体を震わせ恐怖におののいている。あのぼたんでさえ半泣きで天井を見上げる程だ。それだけ俺の兄貴の事知ってる奴にとって兄貴は恐ろしい奴なんだよ………

 

「ど、どうしたのフブキちゃん達?」

 

「な、なんだか浩一さんの名前を聞いたとたんに震え出したんだけど……一体浩一さんってどんな人なの?」

 

「も、もしかシテソイツカタギじゃナイとか……?だ、だったラこのワタシが皆を守ってヤルよ!」

 

安心しろココ、兄貴は“今は”ただの人間だ。だけど、組の連中なんかよりもっと恐ろしいんだよ。これに関してはもう俺から説明せず直接見てもらったほうがいいな………はぁ、もう既に鬱だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―一週間後―

 

―ピンポーン―

 

「お、来たか……はーい、今出るよー」

 

当日、家の掃除を終えた頃丁度インターホンが鳴り玄関へと向かい扉を開けると、其処には父さんと母さん、そして姉貴と苺と俺達の妹『彩夏』が集まっていた。

 

「久しぶりだな玲二」

 

「本当に久しぶりねぇ♪最後に会ったのは二年前かしら?」

 

「もうそんなに経つか?彩夏も久しぶりだな、もう高校卒業したんだっけ?」

 

「おにぃ久しぶり!うん、今は短大に出てるよ♪」

 

うん、皆元気そうで良かった。にしても……兄貴の姿がねぇな、一緒には来てないのか?

 

「なあ父さん、兄貴はどうしたんだ?一緒に来るもんだと思ってたんだが………」

 

「ああ浩一か。あいつは今仕事を終えてからこっちに向かうそうだ。大丈夫、ちゃんとこの島に来る方法は伝えているさ」

 

そうなのか……いや、そんな仕事で忙しいなら来なくて良いんだが……取り敢えず皆を家に入れるか。

 

「そんじゃあ中に入ってくれ、皆もリビングで待っててくれてるから」

 

「うん、お邪魔するわね玲二♪」

 

「お邪魔しまーす♪赤ちゃん楽しみだなぁ~♪」

 

「だなぁ~♪」

 

そのまま皆を家に上げ、リビングにいる皆のところへと案内する。

 

「あら素敵なおうちねぇ~♪あ、フブキちゃんお久しぶり~♪」

 

「お久しぶりですお義母さん♪ほらこゆき、おばあちゃんだよ~♪」

 

「あぅ?」

 

リビングに入るなり母さんはフブキのところへ行き、フブキもこゆきを母さんへと抱っこさせる。流石にまだ初対面だからこゆき不思議そうに母さんを見てるな。

 

「それじゃ皆、何人かは会った事あると思うけど改めて紹介するな。俺の父さんと母さん、そして妹の彩夏だ」

 

「何人かは直接会うのは初めてだね。改めてまして、玲二の父親の佐々木康晴です。息子の事、何時も支えてくれて有り難う」

 

「い、いえ!こちらこそお義父様に直接ご挨拶出来ないまま籍を入れて申し訳ございません!」

 

父さんが自己紹介と共に頭を下げるとそらが代表して更に頭を深々と下げる。そんな事しなくても父さん達は気にしてないけどな。寧ろ俺が結婚した時は二人してはしゃいでたって言うし。

 

「それじゃ私も、玲二の母の聖愛(せいら)です。みんなの事は玲二からよく聞いてたわ♪特に、ラプラスちゃんだったかしら?」

 

「は、はい!あ、あの、その……わ、吾輩が玲二パパの娘になりましたラプラス・D・佐々木です!お、おば、おば……」

 

「フフ♪そんなに緊張しなくて良いわよ?玲二の娘なんだから私の事はおばあちゃんって呼んでね♪」

 

「は、はい、おばあちゃん……///」

 

スゲェな、普通だったらまだおばあちゃんなんて言われたくない見た目と年齢なのに躊躇なくラプにおばあちゃんって呼ばせてる。これが母さんの包容力の凄さなんだよなぁ。

 

「はいはーい!次はあたし!玲二おにぃと春香ねぇの妹、彩夏でーす♪」

 

「おぉ~!あやたん久しぶりなのらぁ~♪」

 

「るーたん久しぶりぃ~♪」

 

彩夏が自己紹介するとルーナが彩夏のところへ近づき二人してハグしあっている。二人とも幼い頃からの仲良しでルーナにとってお姉ちゃん的な存在になってる。因みに春香とは姉貴の名前である。

 

「さて自己紹介も済んだし、これから三日間よろしく頼むな玲二」

 

「ん、騒がしい家だけど父さん達もゆっくりしていってくれ。娘達とも沢山構ってやってくれな」

 

「ええ、折角の玲二からの初孫達だもの、沢山愛でてあげるわ♪」

 

そう言うと母さんはリビングに置いてあるベビーベッドに行き他の子達とも顔合わせしていく。今日から三日間俺の家族達はこのホロライブマンションで泊まる事になっている。本当だったら俺が皆を連れて実家に行きたかったが、流石に皆で行ったら家に入りきらないと姉貴に言われたので今回から家族の集まりはこのホロライブマンションで行われる事になったのだ。

 

そして……

 

「へぇ~お義父様って料理人なんですね?しかもあの有名ホテルの料理長を勤めてらっしゃったなんて」

 

「はは、そんな大した事ではないよ。もう退職した身だし、ちょこさんやフレアさんもこの家で料理を担当されているんですよね?」

 

「ええ、でも流石に一流ホテルの料理に比べたら全然ですが……」

 

ちょことフレアは父さんと料理について語り合ってる。折角だから家族が集まってる今の内に父さんの作った料理食べたいな。

 

「お義母様!是非私も玲二君のお嫁さんにさせて下さい!」

 

「ちょっと母ちゃんみっともないから止めてよ!?」

 

「え?母ちゃんって……貴方人妻?さ、流石にそれはちょっと……」

 

母さんに向かってういさんが土下座で俺との結婚を頼み込んでいてそれをスバルに止められている。流石の母さんも少し引いてしまってるみたいだな。

 

「こーゆ、まーお、かーい、れーい、かーが♪」

 

「あっぷぅ♪」

 

「良かったねぇいっち、いきなり沢山の子のお姉ちゃんになったわねぇ~♪」

 

「あい♪」

 

ベビーベッドで横になってるこゆき達を見て名前を呼んであげてるいっち。そして名前を呼ばれて笑ってるこゆき。うん、可愛い。マオ達はまだよく分かってないみたいだけど、それも可愛い。

 

「ふわぁ~……この中におにぃの赤ちゃんが……しかもこんなにいっぱい、すごーい♪」

 

「アハハ、この子達に会えるのはまだ少し先だけどね♪」

 

「後三ヶ月ぐらいだよね?ラミィ達も待ち遠しいなぁ♪」

 

「あたし的にも早く産まれてほしいかな?双子って結構お腹重たくなって大変だし」

 

「ワタシはこの子が無事に産まれテくれレバソレで充分だけどナ♪」

 

彩夏がメル達のお腹を見て目を輝かせている。これから産まれてくる赤ちゃん達を早くみたいといった感じで楽しみにしているようだ。俺も楽しみで仕方ないしな。

 

こうして各自各々と俺の家族と交流を行っていた、その時……

 

 

 

 

 

―ピンポーン―

 

『ッ!?』

 

突然インターホンが鳴り俺やフブキ、そして一部の娘達の身体が思わず硬直してしまう。この感じ間違いない………遂に、兄貴が来てしまった!

 

「み、皆、ちょっと出てくるから少し待っててくれ」

 

「れ、レイくん私も……」

 

「ダメだ!フブキはこゆき達についてやってくれ。そんじゃあ、ちょっと出てくる……」

 

俺は意を決して玄関へと向かって行く。そして玄関を開けると、案の定其処には兄貴がいた。

 

「ひ、久しぶりだな、兄貴」

 

「……ああ」

 

「と、取り敢えず中に入れよ、皆も待ってるから……」

 

俺はそう言って兄貴を招き入れリビングへと戻っていく。そして……

 

「あ、玲二様戻ってき……た……?」

 

リビングに戻ってきた俺にあやめが声をかけるもすぐに言葉が途切れてしまった。無理もない、何故なら……俺の横でスキンヘッドでマッチョな男が厳つい顔つきでリビングに入って来たのだから。

 

「な、なんなのあの人……?」

 

「も、もしかしてあれが、玲二のお兄さん……?」

 

「こ、怖すぎるでござる……!?」

 

「わ、わため達もしかしてしばかれたりするのかな……?」

 

初めて見る兄貴の姿に皆はブルブルと震えが止まらないでいる。あのシロでさえ兄貴の姿を見て半泣きになりそうに震えている。そしてそんな兄貴に父さんが近づいて声をかけていく。

 

「おお久しぶりだな浩一、元気だったか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あらもうパパったらお久しぶりぃ~♪ママも春香も彩夏も元気そうで何よりだわぁ~♪」

 

―ズッテーーーンッ!!―

 

あ、皆してずっこけたな。そりゃそうか。いきなり厳つい男が笑顔で更にオネェ口調で喋り出すんだからびっくりするよなそりゃ。

 

「あ、貴方達が玲二のお嫁さん達ね?初めての方ははじめまして♪久しぶりの方はお久しぶり~♪アテクシが佐々木家の長男の浩一こと『麗閃・アルフォンス』よ、以後お見知りおきを♪」

 

「な、なんなのこの人……?!」

 

「ぼ、ボクの脳内処理が追い付かないんだけど……?!」

 

「そりゃそうなるよな?兄貴の事初めて見た奴皆同じ反応するし」

 

皆がパニクるのも仕方ない、俺の兄貴『佐々木浩一』は海外では一流のメイクアーティスト兼パティシエ『麗閃・アルフォンス』として名が知れているのだがその見た目と喋り方のギャップで何時も皆を困惑させているのだ。だから俺は皆に兄貴の事紹介したくなかったんだよ。

 

「あら?やだもうフブちゃんお久しぶり~♪前にもまして随分綺麗になったわね~♪」

 

「あ、アハハ……お久しぶりです、浩一さ「Non!麗閃と呼びなさいと何時も言ってるでしょ?」……麗閃さん」

 

「よろしい♪スバちゃんもぼたんちゃんもミオちゃん、それにアカリちゃんもお久しぶり~♪」

 

『……お久しぶりです、麗閃さん』

 

あ、フブキ達が兄貴に目を付けられたな。初対面の皆はただの厳ついオカマに見えているが面識もあってかつてあれをやらされたフブキ達からしたら兄貴は恐怖の対象でしかない。何故かと言うと……

 

「……あら?フブちゃん、貴方随分顔が丸くなってない?」

 

「ギクッ!?」

 

「それに他の皆も随分お肉付いちゃったみたいね……貴方達、さては今までトレーニングサボってたわねぇ?!」

 

『ギクギクゥッ!?』

 

……あ、ヤベェなこれ。やっぱり兄貴の目は誤魔化せないようだな?フブキ達結婚してから少しだけ肉が付いちゃったって言ってたし……これはかなりまずい展開になりそうだ。

 

「よく見たら他の娘達も全然たるんでるじゃない!?玲二と結婚して幸せだからって気を抜き過ぎじゃないかしら?!」

 

「い、いやそんな事言われても……」

 

「黙らっしゃいッ!もうこうなったら容赦しないわッ!」

 

兄貴はそう言うとスマホを操作して何処かへ電話をかけていく。

 

「……もしもしマネージャー?悪いけどアテクシの一ヶ月先までのスケジュール全部キャンセルして。スィーツ博覧会もファッションショーのメイクの仕事も全部!分かったわね!?」

 

―ピッ―

 

「これで良し……それじゃ早速だけど今日から一ヶ月間アテクシがたるみきったあんた達に地獄の修業を叩き込んであげるわ!」

 

『地獄の修業?!』

 

やっぱりか。実は兄貴は今の仕事に就く前はアメリカ特殊部隊グ○ン・○レーに所属していて、今でもたるんだ奴を見ると根性叩き直すとか言って地獄の修業を行っているのだ。そして今回もそんな兄貴に皆目を付けられたのだ。

 

「あ、兄貴?流石にそれは勘弁してくれないか?何人かまだ妊娠してるし、それにフブキ達もこゆき達がいるから……」

 

「そんな事分かってるわよ。流石に妊婦は勘弁してあげるわ。それと赤ちゃん達はパパ達に任せてもらうわ。パパ、ママ、三日間の予定のところ悪いけど一ヶ月間滞在してもらっても良いかしら?」

 

「もう浩一ったら……仕方ないわねぇ」

 

「こうなった浩一は何を言っても聞かないしな。仕方ないか」

 

うん知ってた。兄貴のこのやり取りは軍にいた頃から変わってないので父さん達も既に諦めているようだ。本当に迷惑だ、これだから兄貴には来てほしくなかったんだよ畜生。

 

「さあ!そうと決まれば妊婦以外はさっさと裏の山に集合!玲二、春香、彩夏!あんた達も一緒にやるわよ!」

 

「はあぁッ?!なんであたしまで?!」

 

「……諦めなさい彩夏、今のあのバカ兄貴に何を言っても無駄よ」

 

「そうだよな…………はぁ、最悪だ」

 

こうして急遽始まってしまった地獄の修業。此処からはその一部を抜粋してお送りしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほら其処!まだ三週しかしてないじゃない!はい後七週!」

 

「ゼェ…ゼェ……も、もう無理……」

 

「な、なんでねねこんな事してんの………?」

 

その一『両手両足に計2kgの重りを着けて島十週(俺と兄貴は計10kg)』

 

 

 

「148…149…150……ハァッ!ハー、ハー……」

 

「こらぁッ!何休んでるの!?残り後50回よ!休んだらペナルティで50回プラスよ!」

 

「ふえぇ~、あんまりだよぉ……」

 

その二『腹筋腕立て伏せスクワット各200回計4セット(俺達は各350回計6セット)』

 

 

 

「ふ、フブキィ……こんな事言ったら申し訳ないけど……お、重いぃ~……」

 

「ごめんなさぁーい!もう食べ過ぎたりしませんから許してぇ~!」

 

「お喋りしてる暇あったらさっさとやる!」

 

その三『相方背負って兎跳び1km』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―五日後―

 

―チーーーンッ……―

 

「……そりゃそうなるわな」

 

地獄の修業が始まってまだ五日しか経ってないが、全員屍のように動けないでいる。当然だ、兄貴のやる訓練ははっきり言って普通の人間がやるような事じゃねぇ。鬼人族のあやめや獣人族の娘達でさえ音をあげる程厳しい内容である。しかもこれがただやらせてるだけなら文句を言えるが俺も兄貴もそれ以上の内容のトレーニングを一緒にやってるので誰も文句を言えないでいる。

 

「こ、こんなに恐ろしいトレーニングだなんて……」

 

「皆に申し訳ないけど、メル妊娠してて良かった……」

 

「あたしも、あんな地獄もう見たくないわ……」

 

「コレがフブキパイセン達が恐がっテタ原因だったんダナ……」

 

「こんなの受けてたらラミィ死んじゃうわ……」

 

「フレアぁ~助けてやれんでごめんなぁ……」

 

地獄の修業を免れた妊婦組もトレーニング内容を見て思わず震えが止まらず、それでも皆に申し訳ないと思いつつ免れて良かったとホッとしている。特に一度受けた事のあるぼたんにとっては二度とやりたくないと言ってたので若干涙を流しながら喜んでいる。因みにこの地獄の修業は俺はこれで三回目、姉貴は二回目である。

 

「う、うぅぅ……うがあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!もうやってられるかあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」

 

あ、はあとがとうとうキレた。おそらく誰か一人はキレると思ってたがまさかのはあとか、てっきりシオンとかるしあ辺りがキレると思ったんだが。

 

「あの筋肉ハゲダルマ!玲二のお兄さんだから今まで我慢してたけどもう無理!こんなトレーニングしてたら身体が幾つあっても足らんわ!こうなったら直接文句言ってやるッ!!」

 

「あー……はあちゃま、それは無理だと思うよ?前にスバルがやった時もキツイから止めたいって言ったら逆に根性足りないって言われて一週間増やされたし」

 

そうなんだよな、兄貴って口答えする奴が一番嫌いだからそういう奴には容赦なくトレーニング内容増やすんだよなぁ。でも兄貴は相手の将来の事を考えての事でやってるワケで決して悪意でやってるワケではない。だとしてもこれはやり過ぎだと思うけど。

 

「フンッ!そんなのあの筋肉ハゲダルマ見てたら分かるわよ!だから私に良い考えがあるのよ♪」

 

?はあと、お前一体何するつもりなんだ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………なんですって?修業を止めろですって?」

 

「そうよ!勿論タダでとは言わないわ、私とあんたで勝負して、勝ったらこのふざけた修業を即止めさせてもらうわ!」

 

………正気かはあと?言っとくが兄貴はこんなナリでも意外とオールマイティーだぞ?俺だって兄貴に勝った事殆どねぇし。

 

「ふーん、なかなかの反抗心ね貴方?良いわ、その度胸に免じてその勝負受けて立つわ!但し、貴方がアテクシに負けた場合連帯責任として全員修業一ヶ月追加よ!」

 

「うッ?!………の、望むところよ!!」

 

『はあちゃま(はあとちゃん)ッ?!』

 

うわぁ、これはヤバい。勝負の内容にもよるけどはあと勝てるのか………?

 

「それで?貴方は一体何でアテクシと勝負するつもりかしら?」

 

「フンッ!私の用意したのはこれよ!これをどちらが良い塗装をするか勝負よッ!」

 

そう言ってはあとが出したのはガンプラ、それもエントリーグレードのストライクガンダムか。成る程、面白いチョイスだな。

 

 

『エントリーグレード ストライクガンダム』

機動戦士ガンダムSEEDに登場する主人公『キラ・ヤマト』が乗った最初の機体。その機体を組み立て易く、更に色分けだけで再現している工具不要シール無しとまさに初心者の入門用キットと言えるガンプラである。しかしその可動域の凄さやHGのストライクとの互換性もある事からかなりの人気がある。

 

(この間玲二が言ってたけど、この筋肉ハゲダルマはガンプラをした事がないって言ってたからこの勝負、経験の差で私が圧倒的に有利の筈よ!)

 

「成る程ねぇ……分かったわ、それじゃあ今日のトレーニングは中止、今夜中にお互いに塗装して御披露目しましょう。そしてそれをパパとママに判断してもらい、どちらが凄い塗装かはっきりさせましょう!」

 

「望むところよ!絶対勝ってこんなふざけた修業なんて終わらせてやるんだからッ!」

 

そういうとはあとはガンプラルームへ、兄貴は来客用に貸してる自分の部屋へと向かって行った。果たしてこの勝負、どちらが勝つのやら……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―その日の夜―

 

「さあて、では早速貴方が拵えたストライクを見せてもらおうかしら?アテクシに挑戦したという事はそれなりの物を作って来たのよね?」

 

「当然よ!あんたなんかギャフンと言わせてやるんだから覚悟しなさい!」

 

そして夜になり二人はリビングへと戻ってきて早速お互いのストライクが入ったケースをテーブルへと置く。回りの皆も自分達の命運が決まるこの勝負をドキドキしながら見ている。さて、どんな塗装に仕上がったのか?

 

「さあ、まずははあちゃまのストライク!その名も『シャイニングストライク』よ!」

 

はあとがフードを取ると其処にはツインアイがゴールドに、それ以外がメッキ塗装された光輝くストライクの姿があった。これは、ガンダムマーカーのメッキを使ったのか?

 

 

『シャイニングストライク』

ストライクのツインアイだけゴールドに塗装し、それ以外をメッキのマーカーとマーカー用のエアブラシを使って塗装したゴージャス仕様に仕上がったストライク。まさにはあとらしい破天荒な塗装の仕方である。

 

「ほぉ、ピッカピカに輝くストライクか」

 

「凄いわね、塗装一つでこんなに印象変わるのね?」

 

はあとのストライクを見て父さん達はかなりじっくりと見ている。確かに凄いしなかなか良いが、なんか違和感があるな……

 

「はんッ!自信満々で出して来たと思ったら何よ!?ただの見かけ倒しのメッキ塗装じゃない!貴方、ストライクの事何も分かってないのね!?」

 

「はあぁッ?!何よ!?はあちゃまのストライクが見かけ倒しですって?!」

 

「そうよ!その証拠を今見せてあげるわ!見なさい、これが真のストライクよッ!」

 

そう言うと兄貴も自分の作品を隠すフードを取っ払っていく…………………ッ!?こ、これはッ!?

 

「見なさい!これぞストライクの原点!その名も『その名はガンダム』よッ!」

 

 

『その名はガンダム』

機動戦士ガンダムSEEDの最初において欠かせないストライク最初の起動の瞬間。フェイズシフト装甲を展開してない灰色の姿だけではなく爆発や炎による煤汚れ等を見事に表現している。

 

「これは……凄いな、まさにストライクが最初に動き出したあの炎の中を彷彿とさせる塗装だ……」

 

「私は皆と違ってガンダムは詳しくないけど、こっちの方が戦うガンダムって感じがするわね……」

 

確かに、このストライクからは幼き当初TVで見たあのストライクを思い起こさせる雰囲気が出てる。それに比べてはあとのストライクはメッキで輝いてはいるものの何処か安っぽく感じてしまう。

 

「そ、そんな……ガンプラ作った事ない奴が此処まで凄い塗装をするなんて……?!」

 

「あら、貴方アテクシの職業お忘れかしら?アテクシはパティシエでありメイクアーティストでもあるの。これくらいの塗装なんてタルトの仕込みをするより簡単よ♪それに、貴方達は知らないかもしれないけど、玲二にガンダムの良さを教え込んだのは他でもないこのアテクシよ!そんなアテクシのストライクが貴方の見栄えだけのストライクに負けるワケないじゃない!」

 

「ッ!?そ、そんな……」

 

確かに、兄貴はガンプラを作った事がないだけで塗装やガンダムの知識は俺なんか比べ物にならない程凄い。これは最初から勝負が決まってたようなもんだな……

 

「うーん、確かにこれはもう決まったようなものか……」

 

「うん、皆には申し訳ないけど、こればっかりはね……」

 

父さん達も俺達に申し訳なさそうにしているが他の皆もすっかり諦めてしまってるし既に勝敗は見えてしまってる。此処は潔く地獄の修業を受けるしかないか………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、あうぅ~」

 

「あぁ、うぅ~」

 

「あう、あうゆぅ~」

 

「?かいり、どうしたの?」

 

「マオも……一体どうしちゃったの?」

 

「玲菜……もしかして皆、ガンプラに興味があるのかな?」

 

結果が決まろうとした瞬間、突然かいりとマオと玲菜が何かに反応し始め、あやめは試しにと二人のガンプラが入ったケースへと玲菜を近づけると玲菜はそれぞれのケースをペタペタと触り始めた。そして……

 

「……あやぁ♪」

 

「ッ!?れ、玲二様!玲菜が、玲菜が初めて笑ってくれた余ッ!」

 

「え………ッ!?ほ、本当に笑ってる……!?」

 

なんと玲菜ははあとのストライクが入ったケースを触りながら初めてニパッと笑っていた。時期的にはそろそろ笑うようになる頃だと思ってたけど、まさかこのタイミングで笑うとは!?

 

「え、それじゃあもしかして……?」

 

「う、ウチも!ほらマオ、これが良いの?」

 

そらとミオもそれぞれかいりとマオをケースに近づけると二人とも玲菜のようにケースをペタペタ触り始める。すると……

 

「「……あっきゃあ♪」」

 

「ッ!?玲二君!かいりが、かいりが笑ってくれたよ!」

 

「マオも笑ってくれた……アッハハ♪マオ、お前そんな風に笑うのかぁ♪」

 

初めて笑う我が子にそらもミオも嬉しさのあまり思わず少し泣いてしまう。それにしても、三人とも初笑いがガンプラ、それもはあとの作ったストライクを見て喜ぶとはな……

 

「……どうやら赤ちゃん達にははあとちゃんの作ったピカピカなストライクが良いみたいだね」

 

「ええ、あんなに嬉しそうに笑うなんて、まるで皆が赤ちゃんだった頃を思い出すわ♪それにしてもよっぽどはあとちゃんのストライクが気に入ったみたいね、ずっとペタペタケース触ってるわ♪」

 

「…………そうね」

 

かいり達がはあとのストライクが入ったケースを触ってるのを見ると、兄貴は先程までのテンションから一変して落ち着いた態度ではあとの前に立った。

 

「……はあとちゃんだったかしら?今回のところは赤ちゃん達に免じてアテクシの負けで良いわ。それと、さっきは貴方のストライクを馬鹿にするような事を言って悪かったわ」

 

「え………?ほ、本当に?!」

 

「ええ、あの子達の反応みたら誰だって負けを認めざるを得ないわよ。それに、アテクシに此処まで対抗してきたのは貴方が初めて、だから貴方の事はちょっとだけ認めてあげてもよろしくてよ♪」

 

兄貴はそう言うとかいり達の頭を撫でた後リビングから出ていこうとする。

 

「予定とは大分早くなっちゃったけど、今回の修業は此処までにしてあげる。だけど次にまたたるんだ姿見せたら容赦しないからね!分かったかしら?!」

 

『は、はいぃッ!?』

 

兄貴の言葉に皆姿勢を正し返事をすると兄貴は満足したのか自分の部屋に戻っていく。と、兎に角助かったみたいだな……

 

「………よ、良かったぁ~」

 

「これでもうあんなトレーニングしなくて良いんだよね……」

 

「でもこれを機に少し運動した方が良いかも……またたるんでるって言われてまた修業だなんてこりごりだもん……」

 

皆して一安心したのか身体力が一気に抜けていく。流石に限界に達してた娘もいたようで何人かはそのまま眠ってしまったが、今はゆっくり休ませてあげないとな。

 

「……ありがとうねかいり、はあとちゃんのストライクを選んでくれて♪」

 

「マオもありがとうね♪」

 

「玲菜もな~♪」

 

「「「あぅ♪」」」

 

「……皆、本当にありがとうね♪」

 

そらやはあと達もかいり達がはあとのストライクを選んだ事を感謝すると三人ともまたニパッっと笑っていた。うん、やっぱ皆子供がこうして笑ってくれるのは嬉しいな。

 

こうして兄貴による地獄の修業はかいり達のお陰ではあとの勝利によって幕を閉じたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―数日後―

 

「え?!父さん達もこの島に移住すんの?!」

 

「ああ、そもそもこの移住は最初から決めてたんだよ」

 

「玲二の家に泊まってる間に既に私達の家もこの島に移転してもらってたのよ♪」

 

そういう事だったのか。そういや姉貴も既にこの島に移住してたしな……でもそれなら彩夏はどうすんだ?あいつ実家暮らしだけど今短大行ってるのにこっから通えるのか?

 

「あたしも義兄さんにお願いしたら専用のワープ装置作ってくれたから何時でも学校と行き来出来るようになってるから大丈夫だよ♪」

 

何その無駄なテクノロジー?でもまあそうしないと無理か。このホロライブタウンは外部からは見えないように魔法によってバリアが張られてるからこういったワープ装置がないと島と外との行き来が出来ないからな。そのお陰で俺達は安心して暮らせるんだが……兎に角これからは父さん達とも頻繁に交流出来そうだな。

 

 

ホロライブタウンに新しく佐々木家が加わった。これにより玲二達と佐々木一家との交流は更に良くなりそうである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―その頃―

 

ブフフ、皆久しぶりだな♪俺が遂に帰って来たぜッ!

 

……………え、お前誰だだって?ふざけるな!番外編の一番最初に出てきた元ホロライブのエリートスタッフの只野喪不男だッ!あれから俺はアマゾンに飛ばされたと思ったら今度は多額の慰謝料と損害賠償を支払わさせ、そのせいで帝愛グループから借金を背負わされ地下労働施設にぶちこまれてしまったんだ!それもこれも全部あの佐々木のせいなんだッ!!あいつが何時も俺の邪魔してくるから………ッ!

 

ブフフ、しかしそれも此処までだ!俺は地下でコツコツと資金を貯めて一日外出券を手に入れ、遂に外に出る事が出来たのだ!これでホロライブ事務所へ行き其処にいる誰かに取り入って借金を肩代わりしてもらい、俺は再びホロライブのエリートスタッフとして返り咲くのだぁッ!ブァッハッハッハッハァッ!!

 

―数分後―

 

「………あ、あれ?確か此処に事務所があった筈なんだが……」

 

俺が事務所へと向かい辿り着くと、其処には事務所はなく更地となっていた。ど、どういう事だ?場所は確かに此処であってるのに……

 

ハッ!?もしやホロライブが潰れてしまったのか?!だとしたらそれはきっと佐々木のせいだろう………おのれぇ佐々木ぃッ!!俺を追い出しただけでなくホロライブまで潰すとは、何処までも卑劣な奴なんだッ!!

 

そうなるともしかしたら他のホロメン達も別の事務所へ移籍したのかもしれない。こうなったらホロメン達がどうなったのか聞き込みをしなければッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え?ホロライブならもう数ヶ月前に別の場所に移転しましたよ?」

 

「え………い、移転?」

 

あれからすぐ近くにいたサラリーマンに声をかけホロライブの事を訪ねると既にこの場所から違う所へと移転してしまったらしい。な、何でまた移転なんて……?

 

「そ、それで?ホロライブは一体何処に……?」

 

「さぁ?移転先は誰も知らないみたいですよ。同じ理由でにじさんじやハニスト等も移転したみたいですが、流石に何処へ行ったのかまではね……」

 

なんてこったッ!?まさかホロライブだけでなくにじさんじとかも移転してしまったとは!?しかも何処へ行ったのか分からんだと?!

 

こ、こうしちゃおれん!今すぐ他の奴等にも聞き込みをして皆の所へ行かないと!ブフフ、待ってろよぉ俺のアイドル達ぃッ!!

 

 

 

その後、結局ホロメン達の足取りを掴む事は出来ず一日外出券の使用時間が過ぎてしまい強制的に地下労働施設に戻される只野であった。




はい、という事で佐々木家との交流回……もとい玲二の兄からの地獄の修業回でしたw結構真面目な佐々木家に一人くらいはこういうのいても良いかなって思い書きましたw

そして最近只野の名前が出てきたのでなんとなくでしたが出して見ました。まあ、今後も出す気はないですがw

次回はいよいよ玲二とホロメンの出会い回にしようと思いますので気長に待って頂ければ幸いです、ではまた!
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