ホロライブ ビルドライバーズ   作:神楽

130 / 359
はい、すみません……本当はクロヱとアカリの分も書く筈が予定より長くなってしまったのでまずはこちらの三人から出します。残りはもう少しだけお待ちくださいませ。

今回も楽しんで頂ければ有難いです、ではどうぞ!


第45話『貴方と出会って3』

―10.潤羽るしあ―

 

は?玲二さんとの出会い?なんであんた等なんかに………まあいいや、今のるしあは機嫌が良いから教えてあげる。あれはそう、遡る事1600年前……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―1600年前―

 

―コンコンッ―

 

「失礼します。ルシアお嬢様、兄上様がお見えになられました」

 

「……そう、ならすぐに通しなさい」

 

「はッ、只今」

 

1600年前、この深い森の中にある館でるしあの前世である『ルシア・モイスウイング』は静かに暮らしていた。ルシアは生まれながらに強力な霊力を備え僅か六歳にして最高位の死霊使いとしての地位を手に入れた。しかしそれは周りからすれば異常であり、周囲の大人達は両親を含めすぐにルシアを怖がるようになった。

 

だからルシアはこの森の館で一人静かに暮らすようになったのだ。使用人も霊術を用いて作り上げたネクロイドという操り人形に過ぎず、ルシアはいつも寂しい思いをしていた……けど、そんなルシアでも一ヶ月に一度、楽しみにしている事があったの!それは……

 

「……ルシア、久しぶりだな」

 

「お兄ちゃん、お久しぶりなのです♪」

 

そう、一ヶ月に一度だけお兄ちゃんがルシアの元にやってきてくれるのです♪お兄ちゃんは他の奴等と違ってルシアの事を怖がらないし優しくしてくれる。ルシアが寂しい時は何時も甘えさせてくれる、たった一人のお兄ちゃんなのです♪

 

「お兄ちゃん、ルシア寂しかったのです。今日はルシアの事、いっぱい可愛がって下さいね♪」

 

「……ああ、今日はいっぱい遊ぼうな」

 

?お兄ちゃん、一体どうしたのです?何時もと違って元気がないような……お兄ちゃんも疲れてるのですかね?

 

それからルシアとお兄ちゃんは日がくれるまで沢山遊んだ。そしてお兄ちゃんは今外の世界ではどんな事が流行っているのだとか沢山教えてくれて、お兄ちゃんの楽しそうな顔を見るだけでルシアはとても幸せなのです♪

 

けどそんな幸せな時間は長く続かなく、何時も夕方になるとお兄ちゃんは自分の家に戻ってしまうのです……一ヶ月に一度ではなく、もっと沢山遊べたら良いのに……けど、その日は何時もと様子が違ったのです。

 

「………なあルシア、俺と一緒に暮らさないか?父さんや母さんも関係なく、何処か遠い国に行って」

 

「?お兄ちゃん、急にどうしたのです?今までそんな事、一度も言った事ないのに……」

 

その日のお兄ちゃんは何時もと違って帰ろうとはせずルシアと遠い国で暮らそうと言ってきたのです。一体どうして?そう考えてたらお兄ちゃんの表情が更に曇っていたのです。

 

「……実は、隣国の王が俺達の国に侵略し始めたんだ。奴等の狙いはルシア、お前だ」

 

「え……ルシアが狙い、なのです?」

 

「ああ……奴等はお前の持つ膨大な霊力を使って大量の屍兵士を生み出しそれを戦力にして他の国を支配するつもりなんだ。父さんと母さんは最後までお前の居場所を言わなかったがそのせいで殺され、更には召し使いの一人が裏切りこの森の事を話してしまったんだ。幸いこの森は深く迷いやすいから詳しい位置までは知られてないが、見つかるのも時間の問題だ……だからルシア、急いで此処から逃げるんだ!此処にいたら奴等に捕まってしまう!」

 

そ、そんな……パパとママまで殺されたなんて……もう何年も会ってないのに、ルシアの為に命を賭けてくれて……

 

「この館の裏に同盟国に繋がる秘密の洞窟がある、其処から一緒に逃げるんだ!」

 

「……分かったのです。お兄ちゃん、行きましょう!」

 

ルシアはお兄ちゃんと一緒に急いで館を出て裏の洞窟へと逃げ込もうとしたのです。でも……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―ザシュッ!―

 

「ぐあッ……?!」

 

「え…………?」

 

洞窟に入ろうとした瞬間、お兄ちゃんの胸に矢が突き刺さったのです。お兄ちゃんはその場で倒れてしまい、射貫かれた箇所から血が溢れて止まりませんでした。

 

「ふん!こんな奥深くに隠れてたとはな、散々探させおって……まあいい、これで漸く死霊使いを確保出来るわい」

 

そしてルシア達の周りには隣国の兵士達とそのリーダー格である将軍らしき中年の男が妖しげな笑みを浮かべながら近づいて来たのです。そんな……こいつ等、ルシアを捕まえる為にお兄ちゃんを……!?

 

「ぐッ………ルシア、俺はもうダメだ……お前、だけでも、早く……」

 

「嫌ぁッ!お兄ちゃん、起きて下さい!一緒に逃げるのです!」

 

「ルシア……お前を……守れな、くて……ダメな兄、で……ゴメ、ンな……」

 

お兄ちゃんの声がどんどん小さくなっていく。そしてそれと同時に命の灯火も……嫌、嫌だよそんなの!

 

「そんな事言わないで!ルシアはお兄ちゃんが……お兄ちゃんがいないと嫌なの!」

 

「……もし、生まれ……変わった、なら……また一緒……に……遊……ぼう……な……」

 

お兄ちゃんは最後にルシアに笑いながらそう言うと力尽き、命の灯火が消え去ってしまった。そんな……こんなの、嘘だ……嘘に決まってる……

 

「い、嫌ぁ……嫌あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」

 

嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだ!!

 

ルシアの大好きなお兄ちゃんが、ルシアを置いて死んじゃうなんて……そんなのイヤだあぁーーーーーーッ!!

 

「ふん!美しい兄妹愛ってか?そんな物、貴様のような戦争の道具になるヤツには必要ない。おい、この女を連れていけ」

 

「ハッ!」

 

 

 

……………………………………そうだ、全部こいつ等が悪いんだ。

 

 

 

 

 

こいつ等が勝手に此処に来てお兄ちゃんを殺したんだ……………

 

 

 

 

 

 

 

コイツラガオニイチャンヲコロシタンダ……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゼ ッ タ イ ニ ユ ル サ ナ イ

 

 

 

 

 

「さあ、おとなしく我々について―ヒラヒラッ……―?なんだ…………ッ?!こ、これは?!」

 

ルシアは自分の中にある霊力を解放して周りに緑に光輝く蝶を大量に具現化させる。そしてその蝶達を敵の兵士達に向け次々と飛ばしていく。

 

「な、なんだこれは?!ええい!こんな蝶などさっさと…………ッ?!な、なんだ!?わ、ワシの腕が……?!」

 

蝶が将軍の男や兵士達に取り憑くとみるみる内に生気を吸いとり、そして男達は生気を吸われたせいでどんどん老けて干からびていく。そう、この蝶は触られたら最後死ぬまで生気を吸いとりそして相手の魂までも喰らう死蝶なのである。

 

「うがぁ……!ひ、干からび……る……」

 

「しょ、将軍……お、助……け……」

 

「や、止めろぉ!ワシは時期、にこの世か、いを支配……する……王、に……」

 

一人、また一人と、兵士達は干からびてミイラとなって倒れていき、そして最後に将軍の男もミイラになり全滅したのだった。これがルシアのお兄ちゃんを奪った報いだ、お前等なんて、輪廻転生すら許さないんだから……

 

「………ごめんなさいお兄ちゃん、ルシアお兄ちゃんとの約束破って人を殺めてしまいました」

 

ルシアはお兄ちゃんの遺体を抱きしめそっと口づけをしました。そしてルシアはお兄ちゃんの遺体を運び館へと戻りお兄ちゃんをベッドへと寝かせました。

 

「………死霊術には死者を操る事は出来ても死者を完全に甦らせる術がありません。でも、ルシアは必ずその方法を見つけます……お兄ちゃんを、必ずこの手で甦らせるのです!」

 

こうしてルシアはお兄ちゃんを甦らせる為にあらゆる手段を尽くしました。その間に迫ってくる奴等を死蝶を使い追い払い、森は何時しか死霊の森と呼ばれるようになったみたいだけど、ルシアにとってそんなのどうでも良かったのです。それよりもお兄ちゃんを甦らせる為に、今出来る事を精一杯やらないと!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、それは結果的に無理であった………禁忌の延命術を駆使してなんとか300年を生きながらえたけど、ルシアの身体は既に限界を迎えていたのです。もうすぐこの身体は朽ちてしまう……こうなれば奥の手を使うしかない。

 

「ゴホッ!ゴホッ!……お兄ちゃん、ルシアは此処までのようなのです……延命術のお陰で此処までやってこれましたが、既にこの身体は限界なのです……なのでルシアはこれから転生術を行います。この時代ではもう会えないですが……何時の日か必ず、ルシアはお兄ちゃんと再び会える時が来ると信じて未来へと旅立ちます。必ず……見つけてみせるのです、お兄ちゃん……」

 

ルシアは覚悟を決め転生術の呪文を唱えその身から魂を分離し、それと同時に肉体は朽ちて崩れさりましたが魂は新たな依り代を求め未来へと向かったのでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―そして現在―

 

「はぁ、結局今日も無駄足だったな………」

 

あれから何度も転生を繰り返し、今は『潤羽るしあ』としてこの日本で生活をしている。そして休みの日はこうして街を探索してお兄ちゃんの魂がいないかを探してたけど……そんな都合よくいくワケないよね?そもそもこの時代のお兄ちゃんが日本にいるのかも分からないし、何より人に生まれ変わってるのかも分からない。るしあもうお兄ちゃんに会う事は出来ないのかな……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな時だった……

 

―ヒラヒラッ……―

 

「え………?今のって……」

 

るしあの横を光の蝶が飛んでいき、慌てて急いでその蝶を追いかけた。そして……

 

「レイくん、今日は久々にハンバーガー食べに行きませんか♪」

 

「はいはい、それは良いがこの間みたいに何個も食べんなよ?」

 

ッ!!見つけた………間違いない、あの人からお兄ちゃんの魂と同じ輝きが見える!るしあは思わず駆け出しその人へ抱きついてしまいました。

 

―ダキッ!―

 

「うぉッ?!ってな、なんだお前?!」

 

「ちょ、ちょっと貴方?!いきなり何レイくんに抱きついて……?!」

 

「……やっと、やっと会えたのです!お兄ちゃん!」

 

「「………ハアァッ?!」」

 

漸く会えた……ずっとこの時を待ち焦がれてた……もう絶対に失ったりしない、今度こそるしあがお兄ちゃんを守ってみせるのです!

 

そう、これがるしあとお兄ちゃん……の生まれ変わりの佐々木玲二さんとの出会いの話なのです。

 

 

 

―潤羽るしあ編 完―

 

 

 

 

 

―11.常闇トワ―

 

ん?トワと玲二さんの出会い?そんな面白い話でもないけど良いの?それで良いなら話すけど……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―三年前―

 

「………はぁ、これでもう四回目の落選かぁ……」

 

とある昼下がりの公園でトワは深いため息を吐いた。というのも原因は手に持ってるオーディションの当選結果の紙の内容のせいだ。その紙にはでかでかと“落選”と書かれていた。歌うのが好きでアーティストになりたいと子供の頃から夢見て、こうして何度もオーディションに挑戦したりしていたけど………何度やっても結果は同じだった。

 

「何度やっても落選……やっぱりトワ、アーティストになれないのかなぁ……?」

 

何度も何度も受けても帰ってくるのは落選用紙だけ………一体何がいけないのだろう?やっぱりこの低すぎる声がダメなのかな……?

 

『君、確かに歌は上手いけど……なんか声が低すぎるんだよねぇ。何て言うか?これじゃあとても人気が出るとは思えないなぁ~?』

 

声が低すぎる……オーディションを受けた時、必ずと言って良い程にトワのこの低い声があげられてしまう。確かに同年代に比べたら低いのは自覚してるけど……それだけでアーティストになっちゃダメなの?それじゃあトワ、一生アーティストになんてなれないじゃん………

 

「あ!みんなーお姉ちゃんいたよーーーッ!!」

 

そう考えていたら近所に住む子供達が一斉に集まり始めてた。そっか、もうこんな時間か……

 

「え……あ、皆また今日も来たの?」

 

「姉ちゃんだっていつも此処にいるじゃん!姉ちゃんもしかして暇なの?」

 

「暇ちゃうわッ!今日だって普通に学校行ってたっての!」

 

もう、この子達はすぐこうやってトワをからかってくるんだから……でも、この子達の笑顔を見てたらなんだか少しだけ気が晴れてきたわ。

 

「ねぇねぇお姉ちゃん、今日もお歌歌ってくれるの?」

 

「えぇーまたぁ?しょーがないなぁ~♪」

 

「とか言って姉ちゃんめっちゃ嬉しそうじゃん」

 

うっさい糞ガキ、こちとら落選の憂さ晴らしを歌でしたいんじゃい。ン゛ンッ……よし、それじゃあ歌おう。

 

こうしてトワは約三十分ほど子供達の為のミニライブを行ったんだ。と言ってもリクエストされたアニソンや流行りの歌ばかりだったけどね。そして最後の一曲を歌い終えた後、皆から拍手を受けトワの気分は大分晴れた。やっぱ歌は良いなぁ♪

 

「皆、今日も聞いてくれてありがとうね♪」

 

「うん!お姉ちゃんの歌、とっても良かったよ!」

 

「そうだよ!まるでテレビで見るアイドルみたい♪」

 

ズキッ……

 

「姉ちゃん、そんなにお歌上手なら歌手になったらいーじゃん?」

 

「あ、アハハ……実は何度もなろうとしたけど……トワの声じゃ低すぎるから歌手にはなれないんだって……」

 

「えぇー?絶対歌手になれると思うのになぁ~?それ言った人見る目ないよー」

 

………折角良い気分だったのにまた掘り返されたせいで嫌な気分になってしまった。この子達に悪気はないのは分かってる、けど……この子達の期待の眼差しや褒め言葉が今のトワには逆に傷ついてしまう。そんなに簡単にアーティストになれるなら苦労なんてしないのに………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうだな、その歌声を評価出来ないなんてそいつ等見る目無さすぎるよな」

 

「…………………え?」

 

そう思っていたら一人の男の人が突然トワに声をかけてきたんだ。隣にはサングラスをかけ帽子を被った女性もいたけど、一体何なのこの人達……

 

「あ、あの……あなた達は?」

 

「ああすまん、急に声をかけてきて悪かったな。俺はこういう者だ」

 

男の人はそういうと一枚の名刺をトワに渡してきた。えと……『ホロライブプロダクション 佐々木玲二』?

 

……………

 

…………………

 

………………………

 

「エェェェェェェェェェェェェェェェーーーッ?!ほ、ホロライブゥッ?!」

 

ほ、ホロライブって言ったらあの今人気急上昇中の超大手アイドル事務所じゃん?!な、なんでそんな人が?!

 

「お兄ちゃんホロライブの人なの?!」

 

「ってかこの人、フブキちゃん達の配信でたまに見るスタッフさんじゃない?! 」

 

「まあ、確かにたまに出てるけどそんなのはどうでも良いとして……実は君の事は少し前から知ってたんだ、この公園で子供達に歌を歌ってあげてる女の子がいるってね。そして今日実際に歌声を聞いて確信したよ、この娘ならトップに行けるって」

 

え………そ、それってつまり……?

 

「単刀直入に言うな、今日は君をホロライブに四期生としてスカウトしに来たんだ。どうだ?一緒にトップアイドルの道に行ってみる気はないか?」

 

「え……えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇーーーッ?!!!」

 

と、トワがホロライブにスカウト?!嘘でしょ!?何かのドッキリ?!

 

「姉ちゃんスゲーッ!」

 

「ホロライブからスカウトされるなんて!」

 

「でででででも!トワの声って低すぎるし、とてもアイドルだなんて……!?」

 

「?それの何処が悪いんだ?それに俺は別に君の声が低いなんてそんな思ってないし、寧ろ綺麗な声だと思ってるよ。なあそら?」

 

「うん♪貴方の歌を聞いてたら私も一緒に歌いたくなっちゃった♪」

 

トワが謙虚になってると男の人……佐々木さんはそんな事ないと言ってくれ、そして今まで喋ってなかった女性もサングラスと帽子をとってトワに笑いかけてきた…………ってこの人、ときのそら?!

 

「うわぁ、ときのそらちゃんだぁ!」

 

「スゲーッ!本物だぁッ!」

 

「アハハ、驚かせてごめんね♪それでトワちゃんだっけ?どうかな、私と一緒に歌ってくれる?」

 

「そ、そそそそんなッ!?あの有名アイドルのそらさんと一緒に歌うなんて?!「ダメ…だったかな?」い、いいえ!寧ろ光栄です!」

 

「そっかぁ♪それじゃあ一緒に歌おうよ♪」

 

それからトワはそらさんに誘われ戸惑いながらも皆の前でまた歌を披露したんだ。一緒に歌っているそらさんはとても楽しそうに笑っていて綺麗だった……トワも、こんなふうに歌ってみたい!

 

そうして歌い終えるといつの間にか子供達だけではなく周りに沢山の人達が集まってトワ達に拍手をしてくれた。中にはデュエットが良かったと喜んでくれる人もいた。トワの歌が、皆に認められた……そう思うと嬉しくて思わず涙が溢れてきた。

 

「ヒッグ……トワの歌、皆に喜んでもらえた……」

 

「うん、私とトワちゃんが紡いだ歌が、皆の心を動かしたんだよ♪」

 

「それだけ君の歌が素晴らしかったんだ。もし君が本当に皆にその歌を届けたいと思うなら、どうだ?俺達と一緒に行かないか?輝くトップアイドルへの道を」

 

「……はい、よろしくお願いします♪」

 

こうしてトワはスタッフさん……玲二さんにスカウトされホロライブへと加入したんだ。勿論大変な事もいっぱいあったけど、それ以上に楽しい事が沢山あった。ライブや配信をする度に皆に喜んでもらえて、とても充実したアイドル活動が出来てとっても嬉しい♪まあ、有名になった瞬間トワの事落選させた事務所から引き抜き交渉があったみたいだけど、玲二さんが全部蹴ってトワの事守ってくれた……そら先輩もそうだけど、あの時玲二さんがトワを見つけてくれたから今のトワがいるんだ。だから玲二さん……トワの事、これからもずっと見守っててね♪

 

 

 

―常闇トワ編 完―

 

 

 

 

 

 

―12.雪花ラミィ―

 

えー?ラミィが玲二さんを好きになった理由ですか~?そんなぁ、簡単に教えるワケ……は?興味ない?なんでだよ?!兎に角聞いてよ!あれはラミィがまだ五歳の頃……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―18年前―

 

「………ぶー、つまんなぁい」

 

今日は11月15日、ラミィの5さいのお誕生日だけど、ちっとも嬉しくない。だってパーティーをしてくれるのは良いけど集まってた人達全然知らない人ばっかりだし、パパもママも他のおじさんたちと話してばっかりで全然構ってくれなくて面白くない……お兄様達も遊んでくれないし、こんなのラミィちっとも楽しくない!もういいや、お外で遊ぼうっと。

 

「これラミィ、お前も皆さんにご挨拶を……ってラミィ!何処に行くんだ!?」

 

「ラミィぜんぜんたのしくないもん!もうラミィおそとでひとりであそんでるもん!」

 

「あ、コラ待ちなさい!」

 

ラミィはパパの怒鳴り声を無視して一人お外に出て近くの公園に向かった。あんな知らない人ばっかりの誕生日パーティーならやらなくていいもん。

 

それからラミィは公園で一人雪だるまを作って遊んでたけど……やっぱりつまんない。周りの子は皆ラミィの事雪花家のお嬢様だって知ってるから遊んでくれないし………こんな事ならお嬢様になんて生まれたくなかった。

 

「……だれもあそんでくれないしつまんないなぁ―バサァッ!―キャッ!?」

 

「ああごめん!?大丈夫か?!」

 

そんな事を考えてたら突然風が吹いてマフラーが飛んできてラミィの顔に被さってきたの。持ち主の男の子が慌ててやって来て謝ってきたけど……か、格好良い///

 

「あ、ああああの、その……!///」

 

「?どうしたの、まさか目とかに当たっちゃったか?!」

 

「い、いえ!ラミィはだいじょうぶです///あ、あの、これ……///」

 

ラミィは男の子にマフラーを返すと男の子は不思議そうな顔をしたけどすぐに笑顔になってラミィの頭を撫でてくれた……ど、どうしよう、今お外寒い筈なのにラミィの身体物凄く暑いよぉ~///

 

「ごめんな、急に突風が吹いてマフラー外れてしまって……それじゃあな―グイッ―……どうしたんだ?」

 

「あ、あの……ラミィとあそんでくれます?///」

 

ッ?!な、ななな……何を言ってるのラミィは?!今日初めて会った男の子の袖を掴んであまつさえ遊んでだなんて!?ホラァ男の子だってきょとんとした顔してるしぃ~!

 

「あ、えーと……別に構わないけど、あんまり知らない人にそんな事言わない方が良いよ?下手したら変な所に連れ去られちゃうかもだし」

 

「は、はぃ……///」

 

「………ま、いっか。それじゃあ何して遊ぶ?」

 

それから男の子は日が暮れるまでラミィと一緒に遊んでくれました。一緒に雪だるまを作ったり雪合戦したりして、ラミィは生まれて初めてこんなに楽しくて幸せな時間を過ごしました。そして夕方になり男の子……玲二さんはご両親が来て一緒に帰ってしまいますがまた明日会う約束をしてラミィも家に帰る事にしました。それにしてもあんなに幸せな気持ちになれるなんて……これは、間違いない!ラミィは今日、運命の人に出会えたんだ!これは神様がくれた最高の誕生日プレゼントですね!

 

「コララミィ!パーティーを抜け出して今まで何処に行ってたんだ!」

 

「まあまああなた、ラミィはまだ幼いですし、何より知らない人に祝われてもあまり嬉しくないでしょう。それにしてもラミィ、あなたまた近所の公園に行ってたの?」

 

「うん!パパ、ママ!ラミィきょうね、けっこんしたいうんめいのひとにであえました!///」

 

「「………………はいぃッ?!」」

 

ラミィが運命の人と出会い、結婚したいと言うとパパもママもびっくりしてたけど、ラミィのこの気持ちに嘘偽りなんてないもん!必ず玲二さんと結婚して幸せな家庭を持つもん!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

けど、そんな日々は長く続かなかった……

 

「………え?帰るって……?」

 

「ああ、俺元々東京に住んでてな、今は旅行で父さんの知り合いがやってる旅館にいたんだけど、明日で帰るから遊べるのも今日で最後なんだよ」

 

嘘………玲二さんが帰っちゃう?それってもう、ラミィは玲二さんに会えなくなるって事?そ、そんな……そんなのやだ、やだよぉ……!

 

「やだ!ラミィれいじさんとはなれたくない!ラミィはれいじさんのおよめさんになるんだもん!とうきょーにかえるなんてぜったいにだめだもん!」

 

「いやそんな事言われても帰らないといけないし……」

 

「だったらラミィれいじさんについてくもん!れいじさんがいないならここにいたってたのしくないもん!」

 

「えぇー……困ったなぁ……」

 

ラミィは玲二さんにしがみつき必死になって帰らせないようにしたけど、そんなラミィに玲二さんは頭を撫でてこう言ったんだ。

 

「……ラミィ、お前が俺の事好きになってくれたのは嬉しいよ。だけど俺には俺の、ラミィにはラミィのいるべき場所がある。だから俺達は今日でお別れしないといけないんだ。それにお前はまだ子供だ、これから俺以上に好きになる人もきっと見つかる筈だって」

 

「そんなのいないもん!ラミィのすきなひとはれいじさんいがいいるわけないもん!」

 

「…………分かった、ならもし俺達が大人になってまた再会した時にラミィがまだ俺の事を好きでいてくれたら、その時はちゃんとラミィの気持ちに応えるよ。だからいつかまた会おう、約束だ」

 

玲二さんはそう言ってラミィの小指を立てた手を差し出し、ラミィも涙ぐみながらも小指を出して玲二さんの小指と絡ませていく。

 

「「ゆーびきりげーんまん、うそついたらはりせんぼんのーます、ゆびきった」」

 

ラミィは玲二さんと指切りをして、そして玲二さんはそのまま笑顔でラミィに手を振って別れていった。その日の夜ラミィはずっと泣いてしまい、数日間まともにお勉強とかも出来なかったけど……何時しかラミィは玲二さんの事を忘れてしまい何時ものつまらない日常に戻ってしまったんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―それから17年後―

 

「うぅ~……き、緊張するなぁ……」

 

ラミィは新しい自分になりたく、ネットであったホロライブのオーディションを受ける事になり漸く最終審査まで残る事が出来た。けど、やっぱりまだ緊張するなぁ……ううん、此処まで来たら後はやれる事をやるだけだよ!スゥー…ハァ…ヨシッ!

 

―コンコンッ―

 

「はい、どうぞお入り下さい」

 

―ガチャッ―

 

「し、失礼します!エントリーナンバー210番雪花ラミィです!よろしくお願いしま……ッ!?」

 

「はい、よろしくお願いします。それでは早速審査を始めていこうと…………あの、どうかしましたか?」

 

あ、あれ?この面接官の人、何処かで……何だろう、とても懐かしくて暖かい気持ちになっていく。まるでラミィの中の氷の塊が溶けていくかのようなこの感じ……

 

 

 

―だからいつかまた会おう、約束だ―

 

 

 

ッ!そうだ……ラミィ、どうして忘れてしまってたんだろう?こんなにも大切な運命の出会いを!

 

「あ、あの!もしかして貴方は玲二さんですか?!」

 

「え?あ、はい確かに俺の名前は玲二ですが……………え?まさか……君もしかして、昔一緒に雪遊びした女の子か……?」

 

「ッ!はい、お久しぶりです玲二さんッ!またこうして会えて嬉しいです♪」

 

こうしてラミィは再び運命の出会いを果たす事が出来ました。その後に分かった事だけど此処にいるアイドル達は皆玲二さんに惹かれていてかなり競争率が高いようだけど、ラミィは絶対に諦めない!必ず玲二さんと結婚して幸せな家庭を築くんだもん!玲二さん、覚悟して下さいね♪




はい、という事で次回はクロヱとアカリ、そしてもう一人書いていきますのでまったり待って頂ければ幸いです。それではまた!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。