今回は過去話第四弾です。最後まで見て頂けたら有難いです、ではどうぞ!
―13.沙花叉クロヱ―
え?沙花叉とお兄ちゃんの出会いですかぁ~?フフン、よくぞ聞いてくれましたね!これはそう、沙花叉とお兄ちゃんが運命の出会いを果たす感動必須の超ラブストーリー……って何処行くのさ!?聞いといて逃げないでよぉ~!?
―数年前―
「ぽえぽえぽえ~♪ぷいぷい~♪」
「こらクロヱ、一人でそんなに進んだら迷子になっちゃうわよ~?」
「もうお姉ちゃんったらはしゃぎ過ぎだって」
「だって~、久々に家族皆で水族館だもん♪楽しみで仕方ないんだもーん♪」
今日は沙花叉にとって嬉しい日♪なんてったってとっても楽しみにしていた水族館に家族皆でやって来たんだもん♪皆と一緒にイルカやアシカのショー見るの楽しみだなぁ~♪
「あ、見てみて妹ちゃん♪アザラシが泳いでるよ~♪」
「もうお姉ちゃんはしゃぎ過ぎ!ちょっと待ってよ~!」
それから沙花叉は妹ちゃんと一緒に沢山のお魚さんやアザラシを見たんだ。妹ちゃんも最初は沙花叉を止めてたんだけどいつの間にか一緒に目をキラキラさせながらお魚さんを見てくれてすっごく嬉しかったんだぁ♪
けど……
「ねぇねぇ妹ちゃん!次は何を見ようか……あ、あれ?妹ちゃん?」
次は何を見るか聞こうと振り向いたけど、其処には妹ちゃんの姿はなかったの。どうやらお魚さんに夢中になりすぎていつの間にか妹ちゃんとはぐれてしまったみたい、ど、どうしよう……?
「うぅ、妹ちゃぁん……パパ、ママ、何処にいるのぉ……?ぷいぷいぃ~……」
周りを見ても妹ちゃんもパパもママもいない……沙花叉、完全に迷子になっちゃった……グスッ、皆ぁ、何処に行っちゃったのぉ……
「ヒッグ……妹ちゃぁん、お姉ちゃん一人にしないでぇ……―ドンッ―あぅッ!?」
「うぁッ!?ご、ごめんな、余所見してて気づかなかった!怪我はないか?!」
兎に角はぐれた妹ちゃん達を探さないと、そう思ってウロウロしていたら目の前にいた男の子に気づかずぶつかってしまい転んでしまった。うぅ……もうやだよぉ、なんで沙花叉こんな事になっちゃったのぉ~……
「フェ……ヒッグ…エッグ…フエェェェェェ~ン」
「ちょ?!ど、どうしたんだ?!やっぱ何処か打っちゃったか?!参ったな……と、兎に角此処だと通行人の邪魔になるから其処のベンチに座るか?」
泣きじゃくる沙花叉に男の子は困惑するも落ち着かせる為か近くのベンチに座らせてくれたんだけど、それでもまだ沙花叉の涙は止まってくれなかった。
「グスッヒッグ……」
「うーん、弱ったなぁ……ッ!そうだ、さっき売店で買ったお魚型のグミがあるんだけど、良かったら食べるか?」
「グスッ……ふぇ?」
男の子はそう言うとカバンから綺麗な瓶を取り出し、中に入っていた綺麗なお魚さんのグミを沙花叉にくれたの。赤や青、黄色といった色んな色のお魚さんがキラキラ輝いてとっても綺麗だった。
「これ、食べていいの……?」
「ああ、ぶつかったお詫びだ。遠慮なく食べて良いぞ」
「ふわぁ……あむッ♪」
美味しい~♪このお魚さんイチゴ味だぁ♪こっちのイカさんはメロン味でタコさんはブドウ味♪うわぁ~幸せだなぁ~♪
「お兄ちゃん、沙花叉もっと食べたい!」
「え、もっと?うーん……それじゃあこれ全部あげるよ。と言っても一辺に食べるなよ?」
「わーい♪」
お兄ちゃんは持ってたグミの瓶を全部くれた。まだ沢山入ってる♪どれから食べようかな~?
「……ところで君、なんで一人でウロウロしてたんだ?お父さんとお母さんは?」
「あ………そうだ、沙花叉迷子になっちゃったんだった……」
お兄ちゃんに言われて迷子になってたのを思い出して沙花叉はまた悲しくなってきちゃった……パパ、ママ、妹ちゃん……何処にいるの……グスッ
「そっか……分かった、なら一緒に迷子センターに行こっか。其処ならきっと君のお父さん達もやって来てくれるだろうし」
「グスッ……一緒に行ってくれるの……?」
「ああ、どうせすぐ其処だし一緒に行ってあげるさ」
……なんだろう?このお兄ちゃんと一緒にいるとすっごく安心するなぁ……そう言えば沙花叉何時も初対面の人と話すの恥ずかしくてまともに喋れなかったのに、お兄ちゃん相手だと全然そんな感じにならなかったな。どうしてなんだろう?
「そんじゃ早速行くか。ほら」
―ギュッ―
「え?!///」
そんな事考えていたらお兄ちゃんがいきなり沙花叉と手を繋いできた。え?!な、なんでいきなり?!///
「あ、いやまたはぐれたらまずいと思ったんだけど……嫌だったか?」
「そそそ、そんな事ないよ!むしろ暖かくて優しい感じ……ってそうじゃなくて!?///」
あうあぅ~///な、なんか何時もとは違う恥ずかしさでいっぱいだよぉ~///で、でもお兄ちゃんの手、すっごく暖かくて安心するなぁ……♪
「お、おうそうか……ならもうそろそろ行くとするか」
「う、うん……///」
こうして沙花叉はお兄ちゃんと一緒に迷子センターに向かったんだ。其処でも沙花叉は何時もの人見知りが出てしまって全然喋れなかったんだけどお兄ちゃんが全部代わりに伝えてくれたお陰で無事に館内放送でパパ達を呼ぶ事が出来たの。そして……
「もうクロヱったら、だからあんなにはしゃいじゃダメって言ったのに……」
「お姉ちゃんったら一瞬目を離したらすぐいなくなっちゃうんだから」
「うわあぁんッ!ごめんなさぁ~い!!」
数分後、パパ達が駆けつけてくれて沙花叉は無事に家族と再会する事が出来たの。もう会えなくなったらどうしようかと思っちゃったけど、見つかって良かったぁ~。
「うん、見つかって良かったな。それじゃあ俺はこれで失礼します」
「あ……お兄ちゃん待って!」
お兄ちゃんは沙花叉が皆と再会したのを確認してそのまま去ろうとしてた。そんなのやだ!まだ沙花叉、お兄ちゃんと一緒にいたい!
「ん?どうした、もう家族に会えたんだから早く一緒に行きなよ」
「やだぁッ!沙花叉まだお兄ちゃんと一緒にいたいもん!ぷいぷいぃ~!」
「こ、こらクロヱ!?貴方一体何言ってるの?!ご、ごめんね君!ほらクロヱ、早くお兄ちゃんを放して「ヤーーーッ!!」もう、困ったわね……」
「でもあの人見知りなお姉ちゃんが此処まで人に懐くなんて初めてだよね?」
ママが沙花叉をお兄ちゃんから放そうとするけど絶対に離れないもん!沙花叉まだお兄ちゃんと一緒にいるもん!!
「うーん、困ったなぁ……分かった、ちょっと待ってな」
そう言うとお兄ちゃんはケータイを出して何処かに電話し始めたの。そしたら数分後にお兄ちゃんの家族の人がやって来てお兄ちゃんがいろいろとお話してくれたみたいで一緒に水族館を回ってくれるって言ってくれたの。
「すみません、この子普段は人見知りで私達以外には懐かない筈なんですが、どうやらお宅の息子さんに懐いてしまったみたいで……」
「いえ、寧ろ私達の息子がご迷惑をおかけして済みません。こいつどういうワケか昔から女の子に懐かれやすい体質みたいで、こういった事も珍しくはないんですよね」
「おい父さん、それだとまるで俺が女誑しみたいじゃないか?」
「でも実際そうじゃんおにぃ?この間だってフブキちゃんべったりくっついて離れなかったじゃん」
………そうなんだ、お兄ちゃんモテるんだ………なんかすっごくヤダナァ……
「まあ兎に角此処でこうなったのも何かの縁ですし、うちの息子でよろしければ幾らでも相手させますよ。お前も懐かれたんだからしっかり相手してあげなさい」
「いや相手してやれって……はぁ、分かったよ。えっと、クロヱちゃんだっけ?今日はこのまま一緒に回ろっか?」
「ッ!うん!沙花叉、お兄ちゃんと一緒にイルカのショー見たい!」
やったぁッ♪お兄ちゃんも一緒に水族館回ってくれるなんて嬉しいなぁ♪
それから沙花叉はお兄ちゃんと妹ちゃん、そしてお兄ちゃんの妹さんと一緒にいろんなお魚さんを見て回ったの♪本当にすっごく楽しかった……けど、いつの間にか妹ちゃんもお兄ちゃんに懐いてべったりとくっついていたんだ。
妹ちゃん……なんでお兄ちゃんにくっついてるの?お兄ちゃんは沙花叉に優しくしてくれたんだよ?妹ちゃんは関係ないんだから……サッサトオニイチャンカラハナレテヨ……
「……クロヱちゃん、どうかしたのか?さっきから黙ってるけど」
「ふぇッ?!べ、別に何でもないよ!ホントだよ!」
あ、あれ?沙花叉何で妹ちゃんに対してそんなふうに思っちゃったんだろ?お兄ちゃんと妹ちゃんがくっついてるの見て、なんか心の中がモヤモヤしちゃった……一体どうしちゃったんだろ?
そして楽しい時間はあっという間に終わってお互いに帰らなきゃいけない時間になってしまったの。もうこれでお兄ちゃんと会えなくなる……そう思ってたんだけど、いつの間にかパパ達とお兄ちゃんのパパ達が仲良くなったみたいでその後も何回か家族ぐるみのお出かけをするようになったんだ。
そして何時しか気づいたんだ。沙花叉はいつの間にかお兄ちゃんの事を好きになってたって。ううん、思えばあの時助けてもらった瞬間から好きになってたのかもしれない。だから………
「レイくーん!今日も一緒にお出かけしましょー♪」
「ハイハイ、分かりましたよお姫様」
(………またお兄ちゃんに近づく女……あの狐女いつもいつも、サカマタノオニイチャンニキヤスクチカヅクナ………)
今日も沙花叉はお兄ちゃんを見守ってる。相変わらずお兄ちゃんの周りには女が沢山集まってる……特にあの狐の女、いつもお兄ちゃんの側でベタベタしやがって……いつか絶対お兄ちゃんから引き離してやるんだから……ッ!
―沙花叉クロヱ編 完―
―14.ミライアカリ―
アカリと玲二の出会い?うーん……そういやどんなんだったかな?確かあれは大学に入って間もない頃かな………
―数年前―
「うぅ~、ん……ハァッ!やっと講義終わったぁ~!」
あーもう今日も長かったぁ~!けど今日は課題とかもそんなに多くないし、このままどっかに遊びに行こうかな~♪
「こらミライ!ちょっと待ちなさい!」
「ふぇ?なんですか先生、アカリこれから帰るところなんだけど?」
「そうはいきません!貴方、今日の放課後に図書館の本の整理を頼まれていたでしょ!?」
うげッ?!そう言えばそんなのあったような気が……うわぁ、だるッ……
「えぇ~?なんでアカリがそんな事……」
「なんで?貴方入学してから既に課題を二回提出してなかったでしょうが!その課題をチャラにする代わりに図書館の整理をするって言ったのは貴方自身でしょ!?」
うへぇ、そうだった……はぁ、仕方ないなぁ……
そして結局アカリは先生に連行されて図書館の整理をする羽目になってしまった……なんでアカリがこんな事しないといけないのさもぉ~!?
「はぁ、もういいや。さっさと終わらせて帰ろ「あれ?俺等の他に誰かいるのか?」へ?」
もう諦めて整理しようとしていたら後ろから男の人と獅子族の女の人が来てアカリに声をかけてきた。なんだろうこの人達?男の人はともかく、女の人なんだか怖いんだけど……
「なんだぁ?あたし等以外に本棚整理する奴なんていたのか?」
「あ、は、はい!えと、一年のミライアカリっていいます」
「ミライか、よろしくな。俺は二年の佐々木、んでこいつは同級生のぼたんだ」
「うぃーっす、よろしくな~」
あ、二年生なんだこの人達……でもこの人達も課題やってなかったとかで本の整理やらされるのかな?
「んじゃ三人もいる事だし、さっさと終わらせて帰るとするか」
「ほーい」
「あ、はい!」
それからアカリ達はそれぞれ分担して片付けを始めたんだけど……な、なんだか二人とも凄く手際が良くて自分の担当部分がもうすぐで終わりそうなんだけど?!
「よっと……ところでミライ、お前も教授に本の整理やらされてんだよな?一体何したんだ?」
「え、えーっと、実は課題を二回程提出しなかったからその罰としてなんです……あの、先輩達は一体どうして……?」
「あたし等?あたしは下心丸出しでやって来た奴等を茶化したらキレて殴りかかってきたからカウンター御見舞いしたら怒られたんだよね。一応正当防衛にはなったけどやり過ぎだって言われて罰として本の整理をしろって言われたんだ」
「んで俺がその手伝いをしてるんだよ。ぼたんが暇ならラーメン奢るから手伝ってほしいって言うからな」
そ、そうなんだ……そう言えばこの間校門前で可愛い娘に手当たり次第ナンパしてた男が二年生の女の子に返り討ちにあったって聞いたような……あれぼたん先輩だったんだ?
「そ、それでそのナンパしてきた男の人は一体……?」
「ん?ああ、そのまま警察行きだよ。前科もあったみたいだし、暫くは塀の中じゃないか?」
「そ、そうなんですね……」
「………それとミライ、お前もしかして敬語使い慣れてないのか?だったら別にタメ口でも良いぞ、その方が俺等も話しやすいし」
ッ!?この人、さっきまでの会話でアカリが敬語苦手なの気づいたの?!凄い洞察力なんだけど……でも、折角タメ口でも良いって言ってくれたからお言葉に甘えようかな♪
「そ、そう?ならそうさせてもらうね♪えーっと、佐々木さんとぼたんちゃんで良いのかな?アカリの事もアカリって呼び捨てで良いから♪」
「お、おう……あんまりちゃん付けされた事ないからなんか新鮮な感じだわ」
「確かにぼたん何時も呼び捨てかさん付けだもんな。そんじゃぼたん、アカリ、早いとこさっさと残りも終わらせて帰ろうぜ」
「「はーい♪」」
そうしてアカリ達は残りの本も全て整理し終えて予定よりもかなり早い時間で帰れるようになった。先生からはもう問題を起こさないようにって言われてそのまま許してもらえたし、それじゃあアカリも帰ろうかな。
「んん~……ハァッ!そんじゃレイっち、約束通りラーメン食べに行こうよ。今日は手伝ってもらったし、あたしが奢るから♪」
「ラーメン食べに行くのは良いが別に奢んなくても良いぞ?」
「そうはいかないよ約束だし。そうだ、アカリも一緒に行くか?ラーメン食べに」
「え?でもアカリ今手持ちがないから……」
「そんなのあたしが奢るから良いって。そんじゃ早速行こっか、この間めっちゃ旨いラーメン屋見つけたんだぁ~♪」
……なんかいつの間にかアカリもラーメン屋に行く事になったんだけど、良いのかな?アカリ逆に殆ど手伝ってもらってたような気がってもう先に行っちゃってるし!?
「……済まないなアカリ、ぼたんの奴結構マイペースだから何時もこんな感じなんだよ」
「そ、そうなんだ……ところで佐々木さん、さっきぼたんちゃんがレイっちって呼んでたけど……」
「ん?ああ、それは俺の名前が玲二だからだよ。あいつ最初の頃は俺の事佐々木って呼んでたけどいつの間にか呼び方がレイっちになってたんだよ」
「へぇ、そうなんだ~……ならアカリもこれから玲二って呼んでも良いかな?その方が呼びやすいし♪」
「いやいきなり呼び捨てかよ?まあ別に構わないけど……ってそろそろぼたんの奴追いかけないと。てかあいつ俺達に目的のラーメン屋教えてくれてないから早く行かねぇと」
「うん!行こう玲二♪」
こうしてアカリと玲二もぼたんちゃんを後を追って街へと向かった。それにしても玲二ってなんだか不思議な人だなぁ……アカリの勘だけど、この人と一緒だと今以上にもっと楽しくなりそう♪
―そしてその後……―
「もう二人とも遅かったじゃん、待ちくたびれたよ~」
「いやお前がさっさと行っちゃうからだろ?まあ兎に角腹も減ったし、早く入ろうぜ」
「はーい♪あ、玲二は一体何食べるの?」
「ッ?!」
「俺か?そうだな、今日は塩の気分……ってどうしたぼたん?」
「い、いや、なんでもない……」(今アカリの奴レイっちの事呼び捨てにした?!一体いつの間に!?まさか、こいつもレイっちの事狙ってるんじゃ……もしそうなら手を打っておかないと……!)
「「?」」
その後、いろんな出来事を繰り返す内に玲二の事を好きになったアカリは玲二を巡ってぼたんと対立する事がしばしばあったが、結局は同じ人を好きになった同士という形で落ち着くのであった。
―ミライアカリ編 完―
―α1.しぐれうい―
え?なんで私が玲二君を好きになったかって?フフン!よくぞ聞いてくれたなぁ!あれはそう……え?なんで呼んでもないのに来たんだって?うっさい!こういう時にアピールせんと玲二君と結ばれんだろ!?兎に角聞きなよ!私と玲二君の出会いにはそれはもう海よりも深い壮大なストーリーなんだから!
―十二年前―
「はぁ………スバルの手術、無事に終わってくれるかな……?」
私は今、人生で最大の危機に瀕している。それは私の大切な一人娘のスバルが今、生きるか死ぬかの瀬戸際に立たされているからだ。
私はスバルが産まれてすぐに夫に先立たれてしまい、それに加えてスバルまで失ってしまったら……もう私、この先生きていく自身がない!だから神様お願いします!どうか、どうかスバルを助けてあげて下さい!
そう願ってる内に手術中のランプが消え、中から先生が出てきた。
「先生!スバルは……スバルの病気はどうなりました?!」
「落ち着いて下さいお母さん……娘さんの腫瘍は完全になくなっておりました。もう大丈夫でしょう」
ッ!!スバルの腫瘍がなくなった……それじゃあスバルは、スバルは助かったんだ!?本当に、本当に良かったよぉ……!
(………やっぱ言えないよな、我々が除去する前から腫瘍が消えていたなんて……しかし、あれだけ大きな腫瘍が一体どうして……?)
手術をしたものの摘出すべき腫瘍が綺麗さっぱり消えていた事に頭を悩ませる外科医であった。
―一週間後―
「良かったねぇスバル、お医者様が後もう少ししたら退院出来るって♪」
「うん!スバルはやくおそとでみんなとあそびたい!」
手術が終わって一週間が経ち、スバルの身体はすっかり良くなって病院の中庭を元気に走り回ってる。こんなに元気に走り回るスバルを見れるなんて、もう叶わない願いだと思ってたのに、とても幸せだわ……あら?スバルの近くに誰か近づいてるみたい……………ッ!?
「おースバル、もうすっかり元気になったな」
「あぁーーッ!にいちゃんとシロちゃんちわーッス!」
「おはよースバちゃん♪今日も一緒にあそぼー♪」
「わーい♪かあちゃーん!スバルにいちゃんとシロちゃんといっしょにあそぶねー!」
「う、うん、気をつけて遊んでね……」
私はそうスバルに言って病院内に戻りトイレへと向かった。
……え?何あのイケメンな子?すっごく好みドストライクなんだが!?夫の時にすら感じた事のないドキドキ感で胸がいっぱいなんだが!?///スバルあの子の事兄ちゃんって呼んでたけど、は?これ何か?夫を失ってしまった私に対して神様が授けてくれた運命の出会いなのか!?だとしたら神様有り難うございます!!
いつの間にか私の中にはスバルの病気克服に関する喜びは薄れ代わりにスバルと一緒にいたあの少年に心を奪われていた。見た目からしておそらく十五歳前後……私と十歳ぐらい離れてるけどそんなの関係ないよね?!
それから私はスバルからいろいろと話を聞き、彼がこの病院で通院している佐々木玲二という名前である事と、彼がキッズルームでスバルの事を面倒見てくれてた事を知り、そして直接彼とお話していく内に私の中の熱い炎がどんどん燃え上がっていった。
間違いない!この子は私の運命の人なんだわ!あなたごめんなさい、私はこの人とスバルの三人で新しい家庭を築きます!
「ねぇスバル~♪スバルはお父さんとか欲しくないかな~?」
「んー、とうちゃん?たしかにとうちゃんはほしいけど……」
「そっか♪ならさ、玲二君が家族になったら嬉しい?」
「にいちゃんがかぞく?!うん!スバルにいちゃんとかぞくになりたい!」
「フフフ、そっかぁ~♪」
ヨシッ!スバルから言質をとった!これで堂々と玲二君を私のモノに……いえ、焦ってはダメよ大空うい。まずは玲二君を私の好みの男性になるようじっくり育てていかないとね♪フフフ、数年後が楽しみだなぁ♪
こうして大空ういによる玲二旦那化計画が密かに行われていった……が、その後イラストレーター『しぐれうい』としてデビューし忙しくなってしまい結局失敗してしまい現在に至る。しかしういは決して諦めず玲二を追い求め今日もまた奮闘するのであった。
「フヒヒ、今日は玲二君の飲み物にこの媚薬を……」
「母ちゃんいい加減にしろぉッ!!」
―しぐれうい編 完―
はい、という事で沙花叉、アカリ、そしてういママの過去回でした!次回からはまた通常回となりますので気長に待って頂けたら有難いです、ではまた!