ホロライブ ビルドライバーズ   作:神楽

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前書きとして少しお話させて頂きます。現在三期生潤羽るしあさんについて大変な状況に置かれている事と思いますが、一ファンとしてましては時間はかかっても気持ちを落ち着かせて頂き、また元気な姿を見せて頂く事を切に願ってます。そして例えどのような結果になろうと、この小説では最後までるしあさんを出し続けていくつもりでございます。

そして今回のお話ですが、最近のガンプラ事情に思う所があったのでお話として上げさせてもらいました。是非見て頂けたら有難いです、ではどうぞ。


第48話『ホロライブVS転売ヤー』

これはとある昼下がり、俺が三期生の皆と一緒にAちゃんが働いてる模型屋ホロプラへと遊びに来た時に起きた出来事なんだが、まさかこの島でこんな事になろうとは……

 

「え……ガンプラが品薄……?」

 

「はい、そうなんですよ……」

 

「あ、あれ?でもこの島のガンプラって本土に比べたら全然潤ってましたよね?なんでまた急に……」

 

確かに変だよな?本土の方では今でも人気があるのと転売行為のせいでなかなかガンプラが買えないがこの島では一定の供給はあるし同じ物は一日一つしか買えない制限がついてるから買い占めもできない。だからそんなに品薄になるなんて事そうそうない筈なんだが……?

 

「……それについてなんですが佐々木さん、ちょっとお話したい事があるんです」

 

「?なんだ話って?」

 

「はい、実は……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『転売ヤーが来てるかもしれないッ?!』

 

「ええ……まだ確定ではないのですが……」

 

ど、どういう事だ?!この島で転売行為なんて出来ないようにあらゆる対策が施されているのに、なんで転売ヤーが現れたりしたんだよ?!

 

「話せば長くなるんですが、事の発端は今から一ヶ月前の事なんです……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―一ヶ月前―

 

「それじゃあ拓哉君、塗料の発注お願いするわね」

 

「ああ、ついでにヤスリも大分減ってきたから一緒に発注しとくな」

 

その日、私と私の彼氏である拓哉君と一緒に商品の発注と棚卸しを行っていたんです。拓哉君も最初はかなり苦戦していたんですが今ではスムーズに発注をこなしてくれて助かってました。そんな時……

 

「うおぉスゲェッ!こんな所にこんなに宝の山があるなんてッ♪」

 

「あ、いらっしゃいませー」

 

いきなり一人の男の人がテンション高く入って来たんです。今まで見た事がない人でしたが男はガンプラや他のプラモを見て目を輝かせていたのではじめは普通にプラモ好きな人だと思ってたんですが……その時はそれが間違いだったと気づかなかったんです。

 

「あれ?見た事ない人ですね?いらっしゃい、お客さん初めての方ですか?」

 

「え、あ、そうなんですよねぇ~♪実は最近ガンプラが爆発的に人気だから自分も作ってみたいなあって思って来ちゃったんですよ♪まだ初心者なモンで、良かったらオススメのガンプラがあれば教えて頂けたらな~って思って」

 

「そうでしたか、それではこちらとかは如何でしょうか?こちらのガンプラは今イチオシで……」

 

それから私と拓哉君はその人にオススメのガンプラを紹介したんですが、なんとオススメしたガンプラを全部購入したんです。その日は計10点のガンプラを購入されていって帰っていかれて、私も拓哉君も気前の良い人だなと思ってたんですが、その一週間後……

 

「いやぁ、今日も元気にガンプラ購入っと♪」

 

「あ、あれ?お客さん、この間ガンプラ大量に購入されてましたよね?あれもう作っちゃったんですか?」

 

「そうなんですよ♪俺結構手先器用だからパパッと作れたんですよねぇ~♪だから今日は新しく作るガンプラを補充しに来たんですよぉ~♪今日はもう少し多めに買おうかなぁーなんて♪」

 

「は、はぁ……」

 

またその男の人がやって来てガンプラを大量に購入していったんです。それからというものその人は一週間に一度、必ず店に現れては大量にガンプラを購入するようになってしまって、そのせいでガンプラが大幅に減ってしまったんです……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―戻って現在―

 

「……という事があって、昨日もその人がやって来てまた大量にガンプラを購入されてしまったんです……」

 

「何それ?!どう考えてもおかしいでしょ!?」

 

確かに、話を聞く限り不審な点が多すぎるな。只の素組にしたってよっぽど暇じゃなければ素人がそんな一週間で十個なんて無理だろ?

 

「でもそれって本当に転売ヤーなのかな?本当にガンプラが好きで夢中で作ってるとか……」

 

「いやフレア、残念だがそれは絶対にない。今Aちゃんにそいつが買ったレシートのコピーを見せてもらったが……こいつ、同じ物を連続で買ってるし初心者がパッとすぐ作れるような物じゃないMGやRGまで手を出してる。にも関わらず、こいつ作るのに必要なニッパーやヤスリとかの工具類は一切購入してないぞ」

 

「え!?あ、本当ぺこ!こいつ明らかに初心者がすぐ作れそうにないRGジオングとかも買ってるぺこだよ!」

 

「それにこれだけの物を大量に作るのにも関わらずニッパーも買わないなんて!」

 

そう、この男が買ったガンプラは初心者がすぐ作れるワケのない高難易度のガンプラもあるし、そのくせ初心者とか言っときながらガンプラ作りに必要な工具類を全く買っていない。流石これで作ってるなんて思えないぞ?

 

「これは流石におかし過ぎるよAちゃん!なんでこんな事気がつかなかったの?!」

 

「す、すみません!まさかこの島で転売ヤーが現れるなんて思ってなかったので……」

 

確かにこのホロライブタウンで転売なんて出来ないようにしている筈だからな。けど、もしこの男が本当に転売ヤーだとしたら一体どうやって転売しているんだ?

 

「玲二くん、今フリマアプリとかでこの人が買った商品を見たんですけど、やっぱりこいつ二回目以降に来た時は高額で転売されている物ばかり狙ってますね」

 

「やっぱりか、けどそれだと一体どうやって……?」

 

―バアァンッ!―

 

「Aちゃん大変だ!とんでもない事が分かっちまった!」

 

うおッ?!拓哉、いきなり入って来るなよ!ビックリするだろうが!!

 

「か、神代!?あんたこんな時に今まで何処に行ってたのさ?!」

 

「あれ、フレアさんに先輩?それに皆さんも遊びに来てたんですか?」

 

「ま、まあそうだけど……処で拓哉、大変な事ってなんだ?もしかして例の転売ヤーの事か?」

 

「あ、先輩達もAちゃんに聞いたんですね?そうなんですよ!この写真見てください!」

 

そう言うと拓哉は一枚の写真を俺達に見せてきた。どうやらこの写真に写っている奴が例の転売ヤーらしいが……あれ?こいつ、何処かで見たような……?

 

「今この男についてこのホロライブタウンにいる住人全てに聞き込みをしてきたんです。そしたら……」

 

『そしたら?』

 

「いなかったんですよ!こいつの事を知ってる奴が誰一人として!つまりこいつ、ホロライブタウンの住人じゃないって事なんですよッ!!」

 

『な……なんだってえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーッ?!』

 

どういう事だよそれ?!この男がホロライブタウンの住人じゃないとしたら、こいつ一体どうやってこの島に来たんだよ?!

 

「でも神代くんの言う通りなら、この男どうやってこの島に入りこんだんですか?!」

 

「いやそれもそうだけど、それよりもこんだけあるガンプラをどうやって本土に送っとるんじゃろ?」

 

「確かに、本土に送る郵便物に関してはかなり厳しい規制があるからそう易々と本土にガンプラを送る事なんて出来ないのに……」

 

皆もどうやってこの男が本土にガンプラを送って転売しているのかを考えるが一向に思いつかない。一体どんな手を使ってやがるんだこいつ……?

 

「………ねぇ玲二さん、ちょっと気になる点があるのですが」

 

「ん?るしあ、何か分かったのか?」

 

「いえ、だけど気づいた事があって……ほら、この男がホロプラにやって来る曜日を見てほしいのです」

 

「曜日?……あ、確かに全部火曜日に来てるぺこ」

 

本当だ、ぺこらの言う通りこいつ毎週火曜にこの店に現れてるな…………ん?火曜日ってたしか……

 

「確かに全部火曜日だけど、けどそれが一体どうしたってワケさ?」

 

「忘れたのフーたん?毎週火曜日は荷物を運送する船がこの島にやって来る日だよ」

 

「え?という事はつまりこの人は……」

 

「……その船でこの島にやって来た乗組員の誰かって事か」

 

成る程、確かにそれならこの島に部外者が唯一出入り出来るし、この島では漁や農業もやってるから買った物もそれらの出荷品に紛れ混ませれば怪しまれず本土へ持ち込む事が出来る。手口としてはかなりの悪知恵を働かせているなこいつ。

 

「でも乗組員って事はそれらの中にいる人を確認してもらえればすぐに見つかるよね?」

 

「そうだよ!玲二君、今すぐお義兄さんに頼んで乗組員のリスト見せてもらおうよ!」

 

「そうだな……分かった、少し待っててくれ」

 

そうと決まればすぐに義兄さんに確認をしないとな。多分リストはすぐに来ると思うが……それにしてもこいつ、やっぱり何処かで見たような気が……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―二時間後―

 

「…………送られて来たリストを見たが」

 

「どの人も顔写真が一致しないのです……」

 

「そんなッ?!もっと確認してみましょうよ!もしかしたら見逃しがあるかも……!?」

 

「残念ですが神代くん、もうこれ全員で三回ずつ確認したんですよ。これだけ確認してもいないって事はこいつ、乗組員じゃないって事ですよ」

 

義兄さんが送ってくれたリストにはこいつの写真と一致する者はいなかった事からこの船で働く乗組員じゃない………となるとこいつはつまり

 

「……つまりこいつは、この船に勝手に乗り込んで侵入してる不法侵入者って事か。それもおそらく荷物を誤魔化す為に乗組員に変装とかして……小者のクセに手の込んだ事やりやがって」

 

「マジで許せねぇぺこ!何処のどいつか知らねぇけどぺこーら達のホロライブタウンでこんな卑怯な真似するなんて!!」

 

「本当だぜ!よくも俺とAちゃんの店で好き勝手しやがって!こいつぜってぇ許せねぇ!!」

 

「そうですね……佐々木さん、一体どうやってこの男を捕まえましょうか?やはり船を抑えて中を徹底的に探しましょうか?」

 

いや、それだと他の乗組員達に迷惑がかかる。それに万が一だが他の手段でこの島に来ているなら無駄骨に終わってしまう可能性もある。ならどうするか?そんなのは決まってる。

 

「……もし奴がまた此処に来るとしたら此処で捕まえるのが一番だ。だったら来週の火曜に奴を捕まえる為に罠を張るんだ」

 

「罠?それって一体……?」

 

「良いか?内容としては……」

 

俺は皆に作戦内容を伝えその為の準備をするように頼んでいく。決行は火曜、その時が勝負の時だ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―そして火曜日―

 

「……いよいよなのです」

 

「でも師匠、本当に奴は現れるぺこか?」

 

「ああ、こういうセコい事を繰り返す奴は自分が捕まるかもなんて自覚がないんだ。だからこそ、奴は必ず現れる筈だ」

 

「シッ!玲二さん、誰か来たみたいだよ……?」

 

お、遂に来たか?俺達は作戦を実行する為それぞれ違う場所に身を潜め入って来た奴の姿を確認する……間違いない、写真に写ってた男だ!でもやっぱりこいつ何処かで見たような……?

 

「いらっしゃいま……ああ、貴方でしたか」

 

「どうも~♪今日もガンプラ買いに来ちゃいましたぁ~♪さーてと、今日はどれにしようかな~っと♪」

 

……こいつ、目移りしてるフリして明らかに高値で転売されている物ばっかりかごに入れてやがる。初心者がMGやRGを大量に買って一週間で作りきれるワケねぇだろ?

 

(RGのHi-νやウイング、MGだとXやヴァーチェ……)

 

(どれも初心者が易々と作れるような代物じゃないのです)

 

(そのくせこの人工具や塗料には一切目もくれてない……いよいよもってきな臭く感じてきたね……)

 

明らかに初心者向けのHGも殆ど目もくれず、手にしてもパーストやコマンドクアンタのように転売されやすい商品ばっかり買おうとしてやがる。おまけにこいつスマホ見ながら選んでやがるし、此処までしといて本当に純粋に作るなんて誰が信じられるってんだよ?

 

「さーてと、今日はこれくらいにしようかな~っと♪」

 

お、どうやら会計するみたいだな?さあこっからが勝負所だ、頼むぞ拓哉。

 

「んじゃこれお願いしまーす♪」

 

「はい、では会計しますので少しお待ち下さい……処で少しお聞きしたい事があるのですが……」

 

「ん?一体何ですかな?」

 

「……貴方、これ本当に作ってるんですか?毎回貴方来る度に作りきったからまた補充するみたいな言い方してますが、とても一週間でこの量を一人で作るなんて出来ないような気がするんですが……」

 

「え…………そ、そりゃあ勿論!俺って結構手先器用だからパパッと作れちゃうんですよねぇ~♪」

 

……今一瞬焦りが見えたな。けど流石にまだ言い訳はしてくるか。だがまだまだ拓哉の質問責めは続く、いつまで誤魔化すつもりだろうな?

 

「そうですか……因みに貴方、工具は一体何を使ってるんですか?」

 

「……へ?工具?」

 

「はい、貴方初心者だって言ってた割にはうちで工具類を買った事ないじゃないですか?普段ガンプラ作る時一体何使って作ってるんだろうなって思いまして」

 

「え、えっと、それはその……し、知り合いからもらった道具を使ってるんですよ!俺がガンプラ作るってなって自分のお下がりを「因みにその道具ってなんですか?流石に普段使ってる道具くらいは分かりますよね?」ぐうぅ……ッ!?い、いいからさっさとガンプラ売れよ!こっちは客だぞ!!」

 

やっぱり、こいつはガンプラを作る際に必要な工具すら理解していない。しかも開き直ってさっさと売れとまで言い出してきたな。

 

「そうですか……では最後の質問です。貴方、一体どうやってこの島に来たんですか?」

 

「へ…………?」

 

「いやね、正直に申しますと貴方のその不審な買い方が気になってちょっと調べて見たんですよ。そしたら貴方の事知ってる人がこの島に誰一人としていなかったんですよ。この島は今現在3000人程暮らしてますが、誰一人として……この島は特別居住区なので正式な手続きをした人しか暮らす事が出来ないし島の出入りも許可証を持たない者は出来ないようになってるんですよ。それを踏まえてもう一度お聞きします、貴方一体何処から来たんですか?」

 

「え……あの、それは……え、えーっと、その……」

 

拓哉の最後の質問に奴は完全にしどろもどろな状態になってる。もうこれは完全に黒確定だな……

 

「ぐ、ぐうぅ……ッ!もういい!こんな客のプライベートをしつこく聞いてくる店なんか二度と来るか!クソがッ!!」

 

そして奴は遂にキレ店から逃げるように出ていこうとする。けど残念だな、だって……

 

―ガチャッ!バコオォンッ!―

 

「ぐえッ?!」

 

拓哉が時間を稼いでくれてる間に外にバリケード張らせてもらったからな。しかも透明なバリケードだから本当に近づかないと其処にあるかどうか分からないから慌てて飛び出せばそりゃぶつかるよな。っと、そんな事より

 

「今だ!確保ぺこぉーーーッ!」

 

『おぉーーーーーーッ!!』

 

って俺が出る前にぺこらの合図で皆が飛び出してあっという間に男を縄で縛り上げていった……ってかなんで亀甲縛り?絶対やったのマリンだろ?まあ何はともあれ無事捕まえたし、さっさと話を聞かないとな……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さあ、さっさと答えてもらおうか。お前、一体どうやってこの島に来たんだ?いや、それ以前にこの島の事を何処で知ったんだ?」

 

「ふん!なんでお前みたいな奴にそんな事言わなきゃならねぇんだよ!?」

 

「こいつ!全然反省してねぇぺこ!」

 

「んー、取り敢えず一回しばき倒そっか?」

 

「ノエル、お腹の子に悪影響だから止めなって」

 

全くだ。しかしこいつマジで性格が歪んでんな、自分が何をしたか分かってねぇぞ?

 

「玲二くん、こいつの身分証ありましたよ~。えーっと……鈴木太郎?なんか今時にない古臭い名前ですね」

 

「うるせぇッ!!てか人の個人情報ばらすんじゃねぇよババァッ!!」

 

「はあぁッ?!誰がババァだこの転売ヤーがぁッ!!」

 

…………鈴木太郎?その名前、何処かで…………ああぁーーーーーッ!?

 

「お前もしかして、以前ビルダーコンテストでベルツリーとかいう名前で参加してたあの鈴木太郎か?!」

 

「ッ?!な、なんでその事を……って、あぁッ!?お前は確かあの時俺をバカにしやがったクソ野郎かッ!?」

 

いやお前にだけはクソ野郎なんて言われたくねぇよッ!しかしこいつ、髪もボサボサだったしあの時してたカラコンもしてないから全然気がつかなかったぞ?!

 

「なんでお前がこんな転売行為なんて下らねぇ事してんだよッ?!ってかお前、確か結婚詐欺で捕まってたんじゃなかったのか?!」

 

「うるせぇよッ!お前や癒月達のせいであれから俺は踏んだり蹴ったりなんだよ!金持ちを偽ってたのがバレて彼女達から慰謝料請求されるし親から勘当されるし、挙げ句の果てにはコヨミからも見放されるしッ!全部お前等のせいでこうなったんだよッ!!」

 

「いや何それ?!どう考えても玲二さんのせいじゃなくて自分の自業自得じゃん?!」

 

「そうぺこ!それにそんな金持ちを偽るとか絶対すぐにバレるんだからそれが早まっただけじゃねぇぺこか!?」

 

「うぐッ……!?」

 

フレア達に言い返され言葉に詰まる鈴木だが、確かに全部自分が見栄張った結果だから仕方ないだろ?てかそもそもコヨミっていう良い娘がいたのになんでこいつそんなにモテたいとか思ったんだよ?

 

「……まあそれは良いとして、お前にはまだまだ聞きたい事が山ほどある。さっき拓哉も言ってたがこの島は特別な居住区だ。従って正式な手続きをしないと入れない筈なのにお前はどうしてこの島に入る事が出来たんだ?」

 

「グッ……だ、誰がそんな事「言わないならお前には途轍もない程の罰則金が請求されるぞ?なんてったってお前がやってるのは立派な不法侵入だからな」ウグゥッ?!わ、分かったよ!喋れば良いんだろ喋れば!」

 

俺がそう言うと鈴木は観念したのかあっさり話してくれた。話を纏めるとこいつあの一件の後出所したは良いが慰謝料の支払いのせいでまともに生活が出来ず仕方なく土木関係の日雇いで食い繋いでいたが嫌気がさし、其処で最近儲かると言われてるガンプラの転売に目をつけたらしい。

 

しかし今世界的にはガンプラは品薄で転売ヤーですらなかなか入手する事が出来ない状態になっている。いざ手を出した物のあまり売上が出ず諦めてた時に俺等の島に行く貨物船の乗組員からこの店の事を聞き、これはチャンスと思い他の乗組員達の目を盗み乗船、そしてガンプラを購入し船の片隅に隠し帰宅、その結果見事沢山の売上を出した……って事らしい。

 

「…………なんともまあ呆れた根性だよ」

 

「こいつ昔いたスタッフ並みに考えが腐ってるのです……」

 

「あーいたねそんな人……もう名前すら覚えてないけど」

 

「それにしてもこいつ、此処が特別居住区だって知らなかったとはいえよくこんな真似出来ましたね?」

 

「それだけ後先考えてないって事ぺこ」

 

「うぐぐぐぐぅ………うるせぇなぁッ!!大体何なんだよお前等!?転売する事がそんなにいけないのか?!別に転売自体犯罪ってワケじゃねぇんだからやったって構わねぇだろうが?!」

 

うわ、こいつもう完全に開き直りやがった……まあ確かに転売に関しては今の法律では明確に禁止されているワケではない。しかし、こいつは今それ以上にとんでもない事している事に気づいているのか?

 

「……確かに転売自体は明確に犯罪行為ではないが、お前今それよりもっとヤバい事している事に気づいているのか?」

 

「はぁッ?!なんだよヤバい事って!?別に俺なんも悪い事なんて……」

 

「特別居住区への不法侵入、並びに貨物船への不法入船、これ立派な違反行為だぞ」

 

「ッ!?」

 

そう、こいつは転売云々ではなく特別居住区であるこのホロライブタウンへの不法侵入並びに無許可での貨物船への入船を犯している。こればっかりは言い逃れが出来ない犯罪行為である。

 

「取り敢えずお前の処遇はこの島の管理者に委ねるとする。まあどうなるかは俺等も分からんけどな」

 

「そ、そんな……だ、だったらさ、俺もこの島に住ませてくれよ?もう転売行為なんてしないしちゃんと働くからさ、な?良いだろ?」

 

「………この島に住むったってお前にそんな金あるのか?この島許可証得るのにもかなりの出費がかかるぞ?」

 

そう言って俺はこの島の入居許可の申請の為の金額を提示すると鈴木は顔を真っ青にしてうつ向いてしまう。そりゃそうだ、この島に住むにはかなりの富豪層じゃなきゃとても住む事が出来ない。一応初期の住人のツテがあれば一般レベルの引っ越し程度で済むが、当然こいつにはそのツテがないから無理である。

 

「うぐぐぐぐぅ………ッ!クソがぁッ!!」

 

―ダッ!―

 

「あッ?!逃げたぺこ!」

 

「しまった!?縛り方に拘ったせいで足まで縛ってなかった!」

 

「何やってんのさマリン!?バカじゃないの?!」

 

「そんな事言ってる場合じゃないよ!はやくあいつ追いかけんと!?ってか速ッ?!」

 

一瞬の隙をついて鈴木が駆け逃げ出し俺達も慌てて追いかけるがあいつ逃げ足速ぇなぁ?!このままじゃ港に逃げられてしまう……一か八かやってみるか!

 

「へッ!あばよ間抜け共!もうこんな島二度と来るもんか―ドッゴオォォォォォォォォォンッ!!―ギャアァァァァァァァァッ?!」

 

「え?!なんで急に雷が?!」

 

「ど、どういう事?!こんな雲一つない天気に……!?」

 

「……ふぅ、結構しんどいなこれ」

 

「え?!もしかして今の、玲二さんがやったのです!?」

 

なんとか成功して良かったわ。俺はカガリがやった雷落としを試しにやってみたがこうも上手くいくとは……でも慣れてないから結構キツイな……ともあれこのバカを逃がさずに済んだな。

 

「取り敢えず義兄さんに連絡してこいつの身柄を渡すか。一先ずこれで一件落着だな」

 

「そうですね、皆さん有り難うございました。お陰様でホロプラの品揃えも元に戻りそうです」

 

「良いって、俺等も大切なガンプラを守る事が出来たんだから。それじゃあ皆、こいつを義兄さんの所に連れてくぞ」

 

『はーい』

 

こうして無事に鈴木を確保した俺達は直ぐ様義兄さんの所に向かい身柄を差し出した。鈴木には秘密漏洩防止の為に魔術でホロライブタウンと俺達の事に関する記憶を全て消し去ってもらい、更にこいつが買い占めてまだ転売されていないガンプラは全て回収(ちゃんと返金対応済み)して本土へと送り返したのであった。

 

「いやぁ、まさかこんな身近に転売ヤーを見てしまうとは」

 

「ホント、世の中の情勢も関わってるとは言えこうした転売行為が横行してるって思うと作ってる身としては悲しいのです……」

 

「そうだな……いつかこういった転売騒動も落ち着いて店で皆が普通にガンプラが買える日が戻って来る事を願うばかりだな」

 

「そうぺこだね……まあそんな暗い話は此処までにして今日も皆でガンプラ作ろうぺこ♪」

 

「うん!団長もこの間買ったバルバタウロス作りたいし♪」

 

「アタシもコマンドクアンタ作りたかったし、今日はアタシとノエルのを皆で一緒に組もうよ♪」

 

こうして再びホロプラに平和が訪れる事が出来た。まだ本土……いや、世界的にガンプラの供給は追い付いていない。けどいつの日かガンプラが本当に欲しい人の元に適正価格で出回る事を切に願うばかりだ。

 

 

 

転売行為そのものは明確に犯罪行為ではない。しかし、それによって別の犯罪に触れているかもしれないという事を自覚してほしい。そして転売行為が広がる事で皆が辛い思いをしている事をしっかり考えてほしい。そうでないと、後で酷いしっぺ返しを喰らうのは転売ヤー自身なのだから…………

 




はい、という事で今回は転売ヤーに関するお話でした。今世界的にガンプラが品薄状態にある中、ガンプラが異常なまでの高騰化が進んでしまってます。転売ヤーが全ての原因ではないのは当然ですが、こうした転売という迷惑行為のせいで困ってる人もいるので早くこの品薄問題は解決してほしいところです。

次回は久々ににじさんじの面々が登場します。次回もまったり待って頂けたら幸いです、だはまた!
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