今回は玲二がホロライブタウンに移り住んでから初めての敵の登場です。最後まで見て頂けたら有難いです、ではどうぞ!
これは、ホロライブタウンに初めて玲二の敵と呼べる存在が現れた出来事である……
「………………はぁ」
「?どうしたのレイくん、さっきからずっとため息ばっかして」
「あ、フブキ………いや、なんでもない」
「いやいや玲二、さっきからそんなため息ばっかしてなんでもないなんてないでしょ?何かあったのかくらい教えてくれても良いんじゃない?」
「そうだよ玲二。シロも玲二の事相談に乗るくらいは出来るから、何があったのかだけでも言って、ね?」
……そんなにため息ばっかしてたのか俺?はぁ、フブキ達に心配させるなんてダメだな俺……けどこれ以上は流石に俺一人じゃどうこう出来そうにないし、相談するだけしてみるか。
「………実は、最近誰かに跡をつけられてる気がしてな」
『つけられてる?!』
そう、此処一週間程前から誰かにずっとつけられてる気がして気になって仕方がないのだ。確かな証拠はないのだが、それでも気のせいとは思えないんだよなぁ……
「でもそれって玲二くんの事狙ってる他の事務所の娘だったりすんじゃないですかぁ?」
「確かに、レイさんって変にモテるから未だに迫ってくる娘も少なくはないもんね」
「……いや、そうじゃないんだよマリン、ミオ。今までフブキや皆から受けてきた好意的な視線ではなくて何て言うか……その、殺気みたいな視線を感じるんだよ」
『殺気?!』
そう、今まで皆から受けてきた好意的な視線とは真逆とも言える殺気立った視線が此処一週間程前からずっと感じていたのだ。明確にお前の事殺すと言わんばかりの強烈な殺気を……
「んー、確かに玲二って一部のファンからはアイドルを手にかけた誑し野郎って言われてるし、そんな奴が玲二に殺気立てた視線送るのも無理ないで」
「で、でもやっぱり気のせいとかじゃないかな?流石にこの島で玲二君に敵意を向ける人なんていないと思うし……」
……確かにそらの言う通り、このホロライブタウンには義兄さんの計らいで俺に敵意を向ける者は出入りする事は出来ないからそんな事はない筈なんだが……やっぱり気のせいとは思えない、間違いなく誰かに敵意を向けられてる感じがするんだよ……
「けど変な視線を向けられているのは間違いないんだ。ただ何時も気配がしたと思って振り向いてもすぐ気配がなくなってしまうが」
「うーん、やっぱり気のせいなんじゃないかな?」
「でも玲二君って人の気配感じ取るの得意だし、もしかしたら本当に跡をつけられてるんじゃ……?」
「だとしたらそいつ相当俊敏に動いてるって事だよな?玲二、何か心当たりはないのか?」
心当たり……そう言われてもこの島で恨まれるような事はしてない筈なんだが?本土にいた時は絡んできた奴等を返り討ちにはしてたけど、流石にそいつ等がこの島に来てるワケないしな。
「………すまん、思いつかないな」
「そっか……ならレイくん、暫くは家にいた方が良いかもしれませんね。それなら相手も手出し出来ないと思いますし」
「うーん、そうは言っても普通に仕事もあるしな。全く家から出ないなんて出来ないだろうし、どうしたものか……」
「……ねぇ玲二、ちょっと良いかな?」
?どうしたんだアカリ、そんな険しい表情して……
「あのね……多分だけど、アカリ一人だけ心当たりあるの」
『ええぇッ?!』
「ま、マジかそれ?!一体誰が……?!」
「……それは多分明日になれば分かると思う。だから玲二、明日は少しアカリと一緒に街に行ってくれる?それとシロちゃんも協力してくれないかな?」
「シロも?それは別に構わないけど……」
……一体何をする気なんだアカリは?何だか大変な事になりそうな予感がするんだが……本当に大丈夫なのか?
―翌日―
(……どう玲二、何か感じる?)
(……ああ、後ろの方からかなり強い殺気を感じるな)
(……うん、シロも感じる。明らかに玲二に向けて邪念のような気配が放たれてるね)
あれから一夜明けて俺はアカリとシロに連れられて街へとやって来たが……やはりというべきか、背後から強い殺気をひしひしと感じる。こんな強い殺気は間違いなく気のせいなんかじゃないのは分かるが、そうなると一体誰が……?
(……やっぱりあの人か。それじゃあ玲二、昨日の手筈通りアカリが合図したらすぐにあれを行ってね)
(あ、あぁ、しかし一体何を……?)
(まあ見てて♪それじゃあシロちゃんいくよ~♪)
(はーい♪)
?二人とも何をする気……
―ムニュン♡―
「ッ?!」
「ねぇ玲二ぃ~♡アカリなんだがムラムラしてきちゃったなぁ~♡」
「シロもなんだか身体が火照ってきちゃったぁ♡ねぇ玲二、今から三人でラ○ホに行ってハッスルしよっか~♡」
な、何だ?!二人とも急に胸を押し当ててきて何を考えて……!?
「アアァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーッ!!もう我慢出来るかぁーーーーーーッ!!死にさらせえぇーーーーーーーーーッ!!!」
なッ?!なんだ、いきなり後ろから甲高い声が……!?
「ッ!今だよ玲二!」
「え?!あ、ああ!」
―ヒュンッ……!―
「え!?あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーッ?!」
―ドンガラガッシャーーンッ!!―
―……ヒュンッ!―
……どうやら上手くいったみたいだな?アカリに言われて瞬間移動で一瞬だけ別の所に移動して戻って来てみたら目の前の坂道の下で俺に殺気を放ってたであろう奴がごみ捨て場に突っ込んで気絶しているのが見えた。
「……ふぅ、なんとか成功したみたいだね」
「あ、ああ……しかし一体誰がこんな事を……ってこいつは!?」
ごみ捨て場から犯人を引っ張りだし顔を見ると、其処にいたのは俺のよく知る相手だったのだ。
「な、何でこいつが……?」
「はぁ、やっぱりあなたの仕業だったんだね……『エイレーン』」
そう、其処にいたのは俺と同じようにアイドル達のサポートをしている自称アニメ女こと『エイレーン』だった。なんでこいつが此処に?てかなんで俺に殺気なんて……
それから一時間後、漸くエイレーンが目を覚ましたが俺の顔を見た瞬間今にもお前殺すと言わんばかりの殺気を放ってくるのでシロに厳重に鎖でぐるぐる巻きにしてもらってるんだが……さて、一体どうした物やら?
「……うぐぐ、まさか佐々木玲二にあんな事出来る力があったなんて……」
「いやそんなのはどうでも良いんだよ。それよりエイレーン、お前なんで俺に殺気なんて向けてたんだよ?」
「フンッ!そんなの決まってるデェス!お前が私から楽しみを奪っていったからデェスッ!」
楽しみ?一体何の事だ?
「そう、お前がいるせいで私の……私の……
私の百合百合なカップリングが全て台無しになるんだヨオォォォーーーーーッ!!」
「………はい?」
は?百合百合なカップリング?なんだそれ?
「あーあ、やっぱりそんな理由か」
「え?やっぱりってアカリちゃんもしかしてエイレーンさんのやってた事気づいてたの?!」
「いやあくまで予想だったんだけど、エイレーンって昔から百合カップリングが大好きだったからそんなエイレーンにとって玲二は百合カップリングをぶち壊した敵って事だね」
なんだそりゃ?それで俺あんなに殺気立った視線を向けられてたのか?普通に理不尽な逆恨みじゃねぇかそれ?
「お前がいるせいでヨメミさん達もお前の事ダーリンとか旦那様なんて呼ぶ始末!お前に出会う前まで百合百合してたアイドル達がどんどん佐々木ラブになってムカつくんデエェェェェェェェェェェスッ!!」
「いや知らんがな。確かに好かれて悪い気はしないがどんな人を好きになるのもそいつ次第だろ?」
「黙れこの女誑し!しかもただ百合を壊すだけならまだしも……私が手塩にかけたアカリやその友達のシロちゃんまで孕ませやがってエェェェェェェェェッ!!」
「別に良いじゃんそんなの。アカリが玲二の子身籠ったってエイレーンには関係ないじゃん」妊娠六ヶ月目
「そうそう、好きな人の子供が出来るなんて幸せな事じゃん♪」妊娠五ヶ月目
エイレーンが血眼になってアカリ達に迫るが二人とも涼しい顔で返していく。そう、実はアカリとシロも既に俺の子を身籠っている。判明したのは兄貴の地獄の修行の後に二人をはじめ何人かが具合が悪くなり検査した所調べたメンバー全員の妊娠が発覚したんだ。五日だけとは言えあんな無茶な修行したのによく流産しなかったよな………因みに妊娠発覚したのは
AZKi
ロボ子
アキ
はあと
ぺこら
わため
トワ
ポルカ
ルイ
クロヱ
ヒナ
である。現在五ヶ月か六ヶ月程らしく、更には最近だとるしあとクロとみしろも懐妊、更になんとフブキが二人目を身籠るというホロライブベビーブームが到来中である。こうして考えてみると妊娠してないほうが少なくなってないか?そして俺どんだけ節操ないんだろうか……改めて自分の精力の強さに呆れてしまうな、勿論子育てと仕事は頑張るけど。
「キイィィィィィィィィィィィィィィィィーーーーーッ!!こんな節操なしの種馬男の何処が良いっていうだよぉッ?!こんなプラモ作るしか取り柄のない奴が私の百合パラダイスをぶち壊したと思うと腹立たしいデェスッ!! 」
「ちょっと!玲二の事悪く言うの止めなよ!玲二はシロ達の事大切に想ってくれてるし何より子育てや仕事も両立してるもん!それになんたって玲二はあの伝説のしムグゥッ?!」
(ダメだってシロちゃん!?玲二が神羅族なのはアカリ達以外絶対に秘密だから例えこの島の住人相手でも話しちゃいけないんだって!)
「は?伝説の何だって言うんデスかぁ?こんな奴が伝説になるなら無責任に女を孕ませる猿伝説がお似合いデェス!」
おいコラ言い過ぎじゃねぇか?確かに妊娠させたけど無責任じゃねぇし。子育ても仕事もちゃんと両立してるわ。
「兎に角私にとってこの男は邪魔者以外の何者でもないデェス!ヨメミさん達も誑かしたこの男をこれ以上野放しに出来ないのデェスッ!」
「そんなのエイレーンの趣味の都合じゃん!?そんな事で玲二を殺そうなんて!」
「流石に其処までは考えてないデェス!まあ確かにさっきは感情に任せて飛び蹴りしましたが……私の願いはただ一つ、百合パラダイスの復活デェス!」
百合パラダイスの復活?つまりはどういう事だ?
「という事で佐々木玲二!お前に勝負を挑むデェスッ!もし私が勝ったらアカリさん達全員と離婚してこの島から出ていけデェスッ!そしてお前が勝ったら百合パラダイスは諦めて二度とお前に近づかないと約束しましょう!」
「何それ?!そんなの玲二やアカリ達に何の得もないじゃん!」
「そうだよ!シロ絶対に玲二と別れるつもりなんてこれっぽっちもないよッ!」
……確かにこの勝負、俺に対してメリットと呼べるモノは殆ど無いに等しい。あるとしても俺に対する嫌がらせがなくなる程度だが、それよりも負けた時のデメリットの方が圧倒的に大きい。負けた瞬間俺は家族を、そして居場所を奪われてしまう。普通に考えたらこんな勝負受けるワケがない、けど……
「……勝負の内容は?」
「「ッ?!玲二!?」」
「ほう、勝負を受けるんデスネェ?」
「勝負の内容次第だ。あまりにも俺が不利過ぎる内容なら俺は受けない。だが勝負の内容次第と、さっきの条件に三つの条件を加えてくれるなら受けてやる」
「三つの条件?一体何デェス?」
「一つは俺が勝った場合の俺に近づかないを俺と俺の家族と二度と関わらないに変える事。二つはお前も負けた場合はこの島から手を引く事。そして最後にこの島から出ていった場合はこの島の事は絶対に他者に口外しない事。この三つの条件を加えてくれるなら受けてやっても良い」
そう、これは俺だけでなく俺の家族全員を守る為の絶対条件。エイレーンには悪いが家族に危害を加えない為に負けた場合はこの島から手を引いてもらおう。さっき調べたらどうやらエイレーンは今仕事の都合で単独でこの島に来ているだけのようだから問題はないし、これくらいじゃないと割に合わないからな。
「うぐぐ……良いでしょう!その条件呑んでやるデェス!」
「よし。で、肝心の勝負は一体何をするんだ?」
「フンッ!私はこう見えて結構フェアですので今回はお前の得意なプラモデルで勝負デェス!」
プラモデル対決……内容にもよるがそれだと確かに俺が得意なジャンルだがこいつは大丈夫なのか?さっきの言い方だとこいつプラモデル自体作った事ないんじゃないか?
「プラモデル対決って、エイレーンってプラモ作った事ないんじゃ……?」
「えぇ、勿論作った事なんてないデェス。だからハンデを設けてもらいます。勝負の内容は早組み対決、先にプラモデルを五個組み立てた方が勝ちデェス。但しハンデとして佐々木玲二、貴方にはプラス二個、計七個のプラモデルを組み立てもらいます」
「早組み対決……使用するキットは?」
「私はそんなに詳しくはないから間違ってたら済みませんが、確か前にヨメミさん達が作ってたエントリーなんとかってシリーズがありますのでそれでやりましょう」
「エントリー……ああ、エントリーグレードか」
『エントリーグレード』
プラモデル初心者の入門キットとも言われるシリーズ。その特徴として工具を必要としない手軽さとパーツ数の少なさでまさにパズル感覚で組み立てられるキットである。以前ガンダムとストライクもこの物語で出てきたがそれ以外にもドラえもんや名探偵コナン、更に仮面ライダー等もある。
「それを今から購入して組み立て、先程も言った通り私が五個、貴方が七個先に作った方が勝ちデェス。更にハンデとして、貴方には説明書なしで組み立ててもらうデェス!」
「説明書なしか……良いだろう、それならさっさと始めるとするか」
「フンッ!後で吠え面かいても遅いからナァッ!!」
……説明書なしか。けど悪いなエイレーン、説明書なしなんてそんなの俺にはハンデでもなんでもないからな。
―ホロプラ―
そして俺達はホロプラに到着し店番していた拓哉に今あるエントリーグレードを用意してもらった。るしあは今日は非番だったから良かったがもし事情を知ったらあいつキレてたかもな……
「……それじゃあ此処に勝負用にプラモを用意してもらった。今から三分後の十三時に早組み対決開始、同じキットは一体まででシールがある物は必ず貼る事。それでいいな?」
「勿論デェス!そして貴方は説明書は箱から出さず組み立ててもらいマァス!」
「……それじゃあもうすぐ時間だからアカリが合図したと同時にスタートだよ。それでは、よーい……スタート!」
アカリの合図と共に俺達は早速最初の箱を取り出す。最初に取ったのはお互いに星のカービィ、この中でも比較的簡単なキットだ。これの制作スピードによってこの後の展開が大きく変わるだろう。さあ、久々にやってやるか!
(フフン!掛かったな佐々木玲二!確かに私はプラモデルを作った事はないですが手先は器用だからこれくらい簡単に作れるんデェス!しかもお前には説明書もないから四苦八苦しながら作るしかない!この勝負、私の圧倒的有利デェス!)
―十分後―
(ふぅ、これでカービィは完成しましたね。すぐに次のに取りかかりましょう。そう言えば佐々木玲二の方はどうなって……ってエェェェェェェェェッ?!)
「……よし次」
(な、なんで?!こいつ説明書もないのに既にカービィとドラえもんを組み立てている!?しかもすぐに赤い仮面ライダーに手を出して組み立て始めて……ど、どうなってるんデェス?!)
「……やっぱりエイレーン驚いてるね」
「うん、説明書なしなんて玲二にとってデメリットでもなんでもないしね♪」
そう、シロの言う通り俺には説明書なんて最初から必要ない。何故なら、これ等のエントリーグレードは既に一度作った事のある物ばかりだからだ。元々のパーツ数が圧倒的に少ないから一度組んでしまえば殆ど作り方は頭の中に残りやすい。更には工具を必要としないこの早組み対決なら処理等も必要ないのでただ組むだけならこのくらいなら五分も掛からない。逆にエイレーンは説明書を見ながらの作業だから余計に時間が掛かってしまう、つまりは説明書なしは俺にとって逆に有利になる条件だったのだ。
「どうしたエイレーン、手が止まってるぞ?」
「ハッ!?な、なんの!まだ一個しか差は開いてないデェス!此処から私もテンポアップしていくデエェェェェェェスッ!!」
そう言ってエイレーンは組み立てを続けるが焦っているのかパーツの扱いが雑になってきている。これは油断しなければイケるな、このまま押しきる!
―数十分後―
「其処まで!勝者、玲二!」
「ふぅ、終わった……」
「キィィィィィィィィィィィィィィッ!悔しいデェスッ!!」
「さっすが玲二♪圧倒的勝利だね♪」
「おっと……こらシロ、いきなり飛び込むなよ身体に障るだろ?」
ふぅ、特に危なげもなく終わったな。エイレーンが三個作り終えた辺りで俺は七個完成させ見事に勝利出来た。
「キイィィィィィィィィィィィィィッ!!私が完膚なき迄にやられるなんてエェェェェェェェェッ!私の百合パラダイスの夢があぁぁぁぁぁ~……!!」
「まだ言ってるし……あのなエイレーン、俺は確かに女誑しの最低野郎なのかもしれない。けどな、俺は俺の事を好きになってくれて支えてくれる人達を守っていきたいと願ってる、この気持ちに決して嘘偽りはない。だから俺の事を否定するのは構わないが、俺のアイドル達と……妻達と一緒に歩むこの先の人生だけは否定しないでくれ、頼む」
こんな俺と一緒に生涯を歩んでくれる皆の為にも、俺は絶対に皆を幸せにする義務がある。例え誰かに蔑まされようが、その想いを否定されたくはない。
「………………フンッ!そんな真剣な目で言われたら何も言い返せないデェス!約束通りもうこの島には来ません。けど!アカリさんや皆の事泣かせたら只じゃおかねぇから覚悟しやがれデェスッ!!」
そう言ってエイレーンはホロプラを出て島から出ていこうとする。はぁ、流石にあの条件はキツすぎるか……よし!
「エイレーンッ!」
「…………何ですか?」
「さっきの条件取り消す!また遊びに来いよ!今度はヨメミ達も連れて、アカリ達の赤ちゃんに会いに!」
「…………フン、考えてやるデェス」
エイレーンは振り向く事なくそう言って港へと向かっていった。全く、最後ぐらい素直になれば良いのにな。
「やっぱり玲二って優しいよね、あんな事されたのに許すなんて」
「まあ実害があったワケじゃねぇし、それにあんな悔しそうな顔されたらな。やっぱ俺って変に甘いよな」
「うん、確かにね。でもそんな玲二だからシロ達は好きになったんだよ♪だから胸張って良いと思うな♪」
そう言ってくれると有難いな。今回のエイレーンの暴走は少し危なかったが実害もなかったし許す事にした。けど次に会う時はもう暴走しないようにしてくれたら助かるけどな。
こうしてエイレーン暴走事件は互いに遺恨を残す事なく無事に幕を閉じたのであった。
―オマケ―
エイレーンが本土に戻った翌日……
「……あんな真剣な目であんな事言われたら信じるしかないデェス。ヨメミさんやアカリさん達が好きになる気持ちが少しだけ分かりますね……あーあ、しっかし勝負に負けて悔しいデェス。次に会った時は絶対に佐々木玲二に勝ってやるデェス!」
「ッ?!お、おいあんた!今佐々木玲二って言わなかったか!?」
「はい?……誰だオメェ?」
いきなり声をかけられたエイレーンは振り向くと明らかに嫌そうな顔になる。其処にいたのは再び一日外出券によって地上へと戻った只野であった。相変わらず酷い脂汗と体臭が漂っておりエイレーンは本能的に後退りしてしまう程である。
「ブフフ、実は俺ホロライブの関係者なんだけど、佐々木や他のアイドル達が何処に行ったか知りたくてね。良かったら居場所を教えてほしいなぁーって思って、ブフフ♪」
「ホロライブの関係者………もしかしてお前、前にフブキさんから聞いてた只野とかいう奴デスか?」
「そうそう!いやぁ俺の事知っててくれて光栄だなぁ♪それで、佐々木の奴が何処にいるか教えてくれないかなぁ?」
フブキが自分の事を話してくれてたと思った只野は機嫌良さそうにその不気味な笑みを浮かべながらエイレーンに玲二達の居場所を聞き出そうとする。それを見たエイレーンは何かを考えたようだがすぐに怪しげな笑みを浮かべながら口を開いた。
「そうデスねぇ、確かに只野さんには本当にお世話になったってフブキさん達も言ってましたし、特別に秘密を教えてあげましょうかねぇ?」
「ほ、本当かい?!ブフフゥ♪これで漸くフブキちゃん達に再会出来る!それで、一体何処にいるんだい?!」
「フフン!それはデスねぇ…………………に事務所があるんデェス!」
「な、なんと?!そうかそんな所に、だから今まで誰も居場所が分からなかったんだな!?だが居場所が分かればこっちのモンだ!待ってろ佐々木ぃッ!お前の呪縛からホロメン達を解放してやるからなぁッ!ブハアァッハッハッハッハッハァッ!!」
エイレーンに居場所を聞くと只野はそのまま目的地へと向かって行くのであった。
「……全く、誰がホロライブの最大の汚点だなんて呼ばれてる奴に本当の事言うと思ってんデェスか?あるワケねぇだろ国会議事堂の地下に事務所なんて」
しかしエイレーンが教えたのは真っ赤な嘘であった。その嘘を鵜呑みにした只野は国会議事堂に侵入しようとして逮捕、更に帝愛グループにも迷惑を掛けたとして保釈金と罰則金を合わせて借金が増額、更に金輪際一日外出券の使用の禁止を言い渡されるのであった。
はい、という事でエイレーン登場回でした!そしてしれっと何人かの妊娠発覚させました、フブキに至っては二人目ですしかなり子供達が増えますね(笑)
次回はおそらくまた番外編になるかもしれません。まったり待って頂けたら幸いです、ではまた!