ホロライブ ビルドライバーズ   作:神楽

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はい、後編です。少し後悔してます。前後編で分けましたが後編が長くなってしまい、これなら三部に分ければ良かったと思ってます(泣)

取り敢えず今回でロボ子の真実が明かされます、最後まで見て頂ければ有難いです、ではどうぞ!


第63話『明かされるロボ子の真実』

ロボ子の過去が明らかになった翌日、俺は上山夫妻を送る為にロボ子と共に東京駅へとやって来ていた。昨日の事もあってかロボ子は上山夫妻と喋るどころか目もあわせようとせず途中までずっと気まずい空気が流れていたが、ロボ子もいい加減機嫌を直してもらいたいんだがな……

 

「……では、我々は此処で。もしロボ子……いや、杏奈さんの記憶が戻った場合は速やかにご連絡致します」

 

「ああ、そうしてもらえると助かる……それと、昨日は君に大変失礼な事をしてしまった。杏奈の命の恩人である君を殴ってしまって、本当に申し訳ない」

 

「いえ、父親なら子供が危ない目にあってたらほっとけないのは当然です。私も娘達に何かあったら相手に同じような事をしてたかもしれませんし……」

 

俺ももしラプラスやこゆき達が同じような目にあってたら間違いなく相手に制裁を加える気がするしな。子供を想うのは親として当然だし、この人もそのせいで少し暴走してしまっただけだから俺はもう気にしてはいない。

 

「では、私達はそろそろ帰るとする。これが私達の連絡先だ、何かあったら連絡をくれると助かる」

 

「分かりました、何か発展が有り次第必ずご連絡を差し上げます。ほらロボ子、お前も何か言いな」

 

「…………別に、ボクはまだ貴方達がボクの両親だなんて信じてないんだから」

 

「コラロボ子ッ!お前まだそんな……!?」

 

「だから、ちゃんと確証を持てるようになったら……その時はちゃんと謝るよ。それまではまだ気持ちの整理とかもしたいから」

 

「杏奈……いや、ロボ子さん。私達こそ君を娘だという確証がないのに申し訳なかった。これからも君の活躍を応援するよ。じゃあ幸奈、行こうか」

 

「はい、あなた……ウゥ……」

 

……やっぱりまだそんな簡単にわだかまりは消えないか。けどいつかちゃんと親子としてまた一緒に笑いあえる日が来ると良いな。その時はメルトも一緒に…………………ん?なんだこの気配は?何か嫌な感じがする……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「其処の四人、動くな」

 

『ッ?!』

 

な、なんだいきなり?!いつの間にか俺達の周りに変なバイザーを着けた女達が俺達を囲って銃を突きつけてる!?いきなり現れて、何なんだこいつ等は!?

 

「……マスター、試作型RBK-00を発見しました。直ちに回収を行います。それで、一緒にいる奴等は如何致します?………分かりました、すぐに対処します」

 

リーダー格であろう女が何処かに連絡をすると再び俺達に銃を向けてくる。RBK-00って、ロボ子の事だよな?という事はこいつ等、アークアイコーポレーションの刺客か!?

 

「貴方達には申し訳ありませんが、マスターからRBK-00に関わった者を全て始末しろとのご命令です。従って貴方達には此処で処分させて頂きます」

 

「マスター………お前等はそいつの命令でロボ子の事を拐いにきたのか?そいつはアークアイの人間か?」

 

「………貴方、アークアイの事もご存知でしたか……なら尚更、貴方を生かしておくわけにはいけませんね」

 

アークアイの名前を出した瞬間、こいつ等の殺気が一気に鋭くなったな……ロボ子も上山夫妻も唐突な出来事でかなり怯えてしまってるし、此処は一度逃げるか。

 

(上山さん、今から逃げますから俺の服に掴まってて下さい。ロボ子、お前も掴まっててくれ)

 

(え、逃げるってどうやって……?!)

 

(良いから早く!)

 

(あ、あぁ……)

 

……よし、ロボ子も上山夫妻も掴まってくれたな。なら……

 

「何をこそこそ話してるんですか?どうせ貴方達はもう助からないのだから無駄な抵抗は無意味ですよ?」

 

「悪いな、俺達は此処で死ぬつもりもなければロボ子を渡すつもりもない。だからさっさと帰らせてもらうぜ」

 

「………貴方、よっぽど馬鹿なのですね?もういいです、時間の無駄なので死になさい」

 

相手が銃を構え引き金に指を掛けた。けど、俺にはそんなの通用しない!

 

 

 

―バキュウゥンッ!―

 

―シュンッ……!―

 

「なぁッ?!」

 

奴が引き金を引く直前に俺は三人を連れて転移しその場を離れた。おそらくかわした弾は俺等の後ろにいた奴に被弾したかもしれないが、命を狙われてる以上流石にそんなの気にしてられない。このまま三人を連れてホロライブタウンへと移動すれば取り敢えず奴等は追ってこれない筈だから一先ずは安心だな……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………マスター、試作型RBK-00と他三名が突如消失しました。その際にかわされた弾丸がRBK-134に被弾、機能停止してしまいました…………はい、分かりました。ではプランBに移行します」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから俺達は無事にホロライブタウンへと戻り一息つく事が出来た。最初は上山夫妻も俺の能力に驚いていたが、命を狙われてる以上この島にいた方が安全なので暫くは父さん達の家で保護する事にした。にしてもあいつ等、一体なんのつもりでロボ子を誘拐しようとしたんだ?

 

「ロボ~、大丈夫?何処も怪我してないのら?」

 

「うん、ボクは全然平気だよ。心配してくれてありがとルーナ♪メルトも遅くなってごめんね~?」

 

「あ、あうゆぅ~」

 

うん、ロボ子も漸く落ち着きを取り戻したみたいだし、義兄さんも奴等の事を調べてくれてる筈だからほとぼりが冷めるまでは暫くこの島から出ない方が良いな。

 

「それにしてもロボ子さんやレイくんを襲った人達って一体何者なんですか?」

 

「そうそう、確かアークアイの刺客だっけ?なんでそんな大手家電メーカーがロボ子さんを拐おうとしたりレイさんを殺そうとするのさ?」

 

「………それは………」

 

………果たしてこれは言って良いものか?これに関してはロボ子の産み出された理由とかにも関わってくるからあまりにも言いづらいんだが………

 

「……それに関してはボクが説明するよ」

 

「ッ?!ロボ子、お前……」

 

「マスター、ボクなら大丈夫だよ。それにこれからも皆と一緒に暮らしていく為にも、ボク自身の秘密を皆にも知ってもらわないと」

 

…………そうか、それなら俺からは何も言えないな。ロボ子も覚悟を決めているし、それに皆も例えロボ子が何者だろうときっと受け入れてくれる筈だ。

 

そしてロボ子は自分の過去の事、そしてアークアイの秘密について皆に話すのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何それ?!それってつまりロボ子さんが元々兵器型の人造人間で、しかもそれを作ったのがアークアイって事?!」

 

「自分達の兵器開発の為に人を拐って勝手に改造するって、なんて非人道的な奴等なの?!人の命を一体なんだと思ってんのさ!?」

 

「そんな事の為にロボ子先輩がこんな目に合わないといけないなんて、そいつ等絶対に許せないよッ!!」

 

ロボ子の話を聞いて皆がアークアイに対して激しい怒りを抱いていく。人を拐って人体改造を施すような非道な奴等なんて誰だって許せはしないからな。

 

「皆ごめんね、知らなかったとはいえ皆の事今まで騙してたみたいで………」

 

「ロボ子先輩が悪い事なんてないよ!悪いのはアークアイの連中だよ!」

 

「そうよ、寧ろロボ子様は被害者じゃない!?ロボ子様が気に病む必要なんかないわ!」

 

「例えロボが兵器だったとしてもルーナ達が家族なのには変わらないのらぁ~ッ!!」

 

「皆………ホントにありがとう」

 

うん、心配はしてなかったが過去の事を知ってもやっぱりロボ子の事を受け入れてくれたな。やっぱり皆優しい俺の自慢の仲間であり良き奥さん達だ。

 

 

 

 

 

「ねえご主人大変だよッ!!ちょっとテレビ見てよッ!!」

 

?どうしたんだあくあ、そんなに慌てて……ん?緊急速報……ッ?!こ、これは……!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈……繰り返します。本日未明、東京都にあるホロライブ運営窓口が何者かによって襲撃されました。現在怪我人等は確認されておりませんが、この窓口で働いている春先のどかさんが行方不明となっております。警察では現在調査中との事で……〉

 

「これ、さっきまでボク達がいた仮事務所だよね?」

 

「ああ……あいつ等、ロボ子を拐えなかったからって俺達の仮事務所を襲撃したのか!?」

 

なんて奴等だ!?ロボ子を拐う為なら手段なんて選ばないって事かよ?!こいつ等一体何処まで汚い事すりゃ気が済むんだ!?―ジジッ……―ん?な、なんだ?

 

―ジジッザーザー……プツンッ―

 

〈……RBK-00、お前の仲間は預かってる。返してほしくば今から指定する場所に必ず一人で来い。もし誰か一人でも連れて来たり関係のない者が来た場合、そいつとこの女を始末する。時間は明日の正午、お前が賢い判断が出来る事を期待しているぞ………〉

 

電波ジャック!?しかもこいつ、さっき俺の事を撃ち殺そうとした女!?しまった、ロボ子と上山夫妻を逃がす為に必死で春先達の事すっかり忘れてしまってた!?奴等春先を人質にしてロボ子を連れ去る気か!

 

「どどど、どうすんのレイくん?!このままじゃのどかさんの命が危ないですよぉ!?」

 

「かといってロボ子さんを差し出す訳にはいかないじゃん?!ねぇ玲二、なんとかならないの!?」

 

………確かにこのままではロボ子か春先、どちらかの命が危ない。しかしどうする?もし俺達も一緒に行ったらその時点で春先の命はない。かといってロボ子だけを行かせてしまうと今度はロボ子が危険に晒される。それにロボ子が一人で行ったところで奴等が素直に春先を解放するとはとても思えない。

 

「………マスター、ボクは行くよ。のどかさんを危険に晒すワケにはいかないもん」

 

「そんなッ?!ダメですよロボ子さん!そんなの相手の思うつぼですよ!?もうこうなったら皆で行ってのどかさんを助けましょうよ!」

 

「いやフブキ、さっき相手も言ってたけどロボ子一人じゃないと春先の命が………待てよ?」

 

………………そうだ、この手があった。この間俺が練習したあの力を使えばロボ子も守れて春先も救えるかもしれない!

 

「……………よし、フブキの言う通りだ。此処は皆で一緒に行くぞ!」

 

「マスターッ?!そんな事したらのどかさんが……!?」

 

「そんなのは分かってるさ。勿論、道中はロボ子一人で行ってもらうけどな」

 

『?』

 

「いいか皆、よく聞いてくれ。まず内容としては………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―翌日―

 

「…………此処だよね?指定された場所って」

 

翌日、結局ボクは“一人”でのどかさんを拐った奴等が指定した場所へとやって来ていた。其処は日本海側に浮かぶ小さな島で、草木等の自然物はなく崩れた瓦礫が散らばるだけの古びた人工島みたいだ。かなり悲惨な事になってるけど元々此処は一体どんな場所だったんだろう………?

 

「……来ましたねRBK-00。どうやら約束通り一人で来たみたいですね、感心です」

 

「ッ!お前はあの時の……いや、それよりものどかさんは何処にいるの?約束通りボクが一人で来たんだから早く彼女を解放してよ!」

 

「まあ落ち着いて下さい。心配しなくても人質は解放してあげますよ。こちらです、ついて来なさい……」

 

………この女、一体何者なんだろう?いきなりボクの背後に現れたりしたし、それに昨日囲まれた時も感じたけど、この感じ……まるで“ボク自身と対峙している”ような感覚だった。一体なんなんだろうこの感覚は………?

 

「……ねぇ、一つ聞いて良い?君は一体何者なの?どうしてボクの事を執拗に捕まえようとしたの?」

 

「それについてはマスターが教えてくれます……まあ、一つだけ教えてあげましょうか?」

 

そう言うと女はバイザーを外して素顔を見せてきた……………ッ?!な、なんで、どういう事………ッ?!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……私は『RBK-773』、貴女と同じ造られた兵器です」

 

晒されたその素顔は“ボクの顔と全く同じ顔”だった。ど、どういう事?!なんでこいつ、ボクと同じ顔をしてんの?!

 

「フフ、困惑してますね?でも大丈夫、マスターと会えばその答えもすぐに分かります。さぁ、こっちです」

 

……………正直今頭の中がこんがらがってる状態だ。だってまさか自分と同じ顔の人間?がボクの事拐おうとするなんて考えつくワケないじゃん!?ホントにどうなってんのこれ?!

 

……そんな混乱するボクを他所にRBK-773と名乗る女はどんどん先へと進んでいく。辿り着いたのは島の中心部に位置する所にポツンと建ってる崩壊しかけの廃墟だった。何故こんな所に?

 

「マスターはこの地下にいます。勿論貴女のお仲間も一緒にいますので、貴女がマスターと対面次第解放して差し上げます」

 

そう言うとRBK-773は廃墟の中に入りその奥にある扉を開けると下へと続く階段があり降りていく773の跡をボクも追いかけていく。それにしてもこの階段、結構奥まで続いてるけど一体何があるんだろ………って思ったらいつの間にか広い空間に着いてた。此処は一体………?

 

「マスター、RBK-00を連れて来ました」

 

「ご苦労だったなRBK-773よ。お前は下がって良いぞ」

 

「ハッ」

 

ッ?!男の声………こいつが773がマスターと呼んでた奴かな―パァッ!―ウッ!?眩し………………ッ?!!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よく戻ってきたなRBK-00!散々手間をとらせやがって!!」

 

部屋の電気がつくと、其処はかなり広い研究所なのか工場なのかよく分からない場所だったけど、その中央の高台に声の主と思われる見るからに悪そうな男が嫌味ったらしくボクを睨んでいた。それに…………部屋の奥には銃を構えて待機しているボクそっくりな女が何百人もいた!ど、どういう事なのこれは?!

 

「フフフ、驚いているようだな?どうだ凄いだろう!これが私の至高の傑作『ヒューマノイドRBKシリーズ』の軍隊だ!」

 

「RBKシリーズ……?!もしかしてお前、こいつ等を量産しているの!?」

 

「そうだ、この私!Dr.ゴーマンが長年掛けて造り上げた究極の生体兵器、その集大成とも言えよう!!」

 

Dr.ゴーマン……こいつがこの軍隊を作ったの?!にしてもゴーマン……傲慢ってモロそのまんまだね?

 

「……にしても生体兵器だとしてもこの数、一体どうやって造ったのさ!?まさかボクのように誰かを拐って改造したんじゃ……?!」

 

「ふん!馬鹿かお前?!そんなコスパの悪い事するワケないだろう!こいつ等は全員クローンだ!」

 

クローン!?それってつまり同じ人間のDNAを複製して造ったって事?!人を拐って改造するのもそうだけど、こいつ何処まで非人道的なの?!

 

「クローン……という事はこいつ等はボクを複製して造られたって事なの?人の身体を改造するだけじゃなくてこんな複製までするなんて!!」

 

「あ?試作型のクセに何を生意気な事を言ってる?それに何を勘違いしている?改造案こそはお前の改良を施しはしたがこいつ等はお前をベースに産み出したワケではない」

 

「?どういう事なの?だってこいつ等はボクを………上山杏奈を元に造られたんじゃないの?」

 

「何?…………そうか、そういう事か。ククク、どうやらお前、何処で知ったかしらんが自分の事を上山杏奈だと思い込んでるようだな?なら見せてやろう……」

 

?ボクが自分を上山杏奈だと思い込んでる?どういう意味なのそれ…………?あいつの横に床からカプセルが出てきたけど…………ッ?!そ、そんな………まさかあれって!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「見よ、これがヒューマノイドRBKシリーズの大元になった被験体!お前達のオリジナルの上山杏奈だ!!」

 

そのカプセルに入っていたのはボクと、そしてこのRBKシリーズと呼ばれる奴等と同じ顔をした女の子が培養液に浸かりながら眠っている姿だった!な、なんで?!本当にどうなってんのこれ?!

 

「ふん、混乱しているようだな。なら教えてやろう!あれは8年前の事だ………私達アークアイの兵器開発部門はかつてから考えていた人間と機械を融合した生体兵器を開発していた。これが成功すれば工作員としては勿論戦争にも利用する事が出来我がアークアイはもっと発展すると!しかし、殆どの場合は失敗に終わった……機械の高出力なエネルギーに適合出来ない人体だと身体がついていけなくなって崩壊してしまったのだ」

 

そんな?!それじゃあこの馬鹿らしい実験の為にこいつ等は多くの人の命を奪ったっていうの?!

 

「そんなある日、我々の研究内容を知ってしまった奴がいた。それが上山杏奈というワケだ。奴はバイトのクセに我々の研究内容を知った瞬間世間に告発すると馬鹿な事を言い出し出ていこうとしたのだ」

 

「いや馬鹿な事って、そんな非人道的な研究なんて普通なら誰だって告発するに決まってるじゃん!馬鹿はお前の方じゃん!」

 

「黙れッ!我々の研究はいずれ世界を征する素晴らしいモノなのだ!だから私は上山杏奈を捕獲し研究材料として利用する事にしたのだ。すると前段階の検査で素晴らしい結果が出た!右腕だけを改造したがその結果、今までの被験体なんかと比べ物にもならない程の機械との適合率を叩き出したのだ!そう、彼女こそ私が理想とするヒューマノイドに相応しい適合者だったのだ!!」

 

そんな……告発しようとしたら人体実験に使われるなんて……!

 

「だが私は考えた、このまま彼女を改造するだけで良いのかと?もしこの先彼女のような適合者が現れる保証はあるのかと?其処で私は閃いたのだ!なら作れば良いじゃないかと!だから私は彼女を利用しこの培養カプセルに閉じ込め遺伝子をコピーしクローンを造り出した!それが試作型RBK-00、お前だ!!」

 

「そ、そんな………じゃあボクもこいつ等と同じ、造られた存在って事なの………?」

 

それじゃあマスターと出会った時に記憶がなかったのも忘れてしまったんじゃなくて元々なかったって事?じゃあボクって本当に最初から戦争目的の兵器として産み出されたって事……?

 

「そうだ、そしてクローンは見事に成功しすぐに改造を施した!だが、其処で事件が起きてしまった。お前を起動した際にエネルギー過多が発生し暴走してしまったのだ。そのせいでこの島も、そして私の研究所もめちゃくちゃになってしまい挙げ句には貴様も何処かへ飛んで消えてしまったのだ!しかもその事が世間にバレそうになり仕方なくアークアイは日本から撤退する羽目になってしまったのだよ!!」

 

「いや知らないよそんなの!?全部お前等が蒔いた種じゃん!」

 

何さこいつ?!自分でやった事を棚にあげてボクを責めるなんてそんなのお門違いでしょ!?

 

「ええい黙れ黙れッ!!本来ならすぐにでも回収して再実験をしたかったのだが貴様の行方は分からなくなってしまったせいでとんだ手間をかけられたんだぞ!貴様、マスターであるこの私に迷惑をかけるとは何事だッ!?」

 

「ふざけないでよ!ボクのマスターはお前なんかじゃない!ボクのマスターは世界一優しくて頼りなる最高の旦那様だ!お前みたいに人の命をなんとも思ってない奴なんてマスターでも何でもない!只のクズだよッ!」

 

「何をぉッ?!貴様ぁ、そんな嘗めた口を聞いてられるのも今の内だ……こいつを見ろッ!!」

 

ゴーマンがそう言うと今度は別の扉が開き其処から檻に入れられたのどかさんが現れた。しまった!のどかさんの事すっかり忘れてた!?

 

「のどかさん!」

 

「ロボ子さん!ごめんなさい、私捕まってしまって………」

 

「そんなの気にしないで!ボク達仲間なんだから………おいゴーマン!約束通りのどかさんを解放しろッ!」

 

「約束?そんなの守ると思ってるのか?この女も私の研究材料に使ってやる!それにお前にはまた再調整して我がアークアイが誇るRBKシリーズの戦力に加えてやるから覚悟しろ!」

 

やっぱり!こいつ最初からのどかさんを解放する気なんてなかったんだ!それにいつの間にかボクの回りにボクの、いや杏奈さんのクローンが囲んで逃げ場を封じ込められてしまった………けど

 

「………悪いけどボクはもうお前の言う兵器になんて戻らない!それにボクはRBK-00なんて名前じゃない……ボクは佐々木ロボ子!ホロライブ0期生でありマスターであるホロライブスタッフリーダー佐々木玲二の妻なんだから!!」

 

「ハッ!兵器であるお前が誰かを愛するなんて馬鹿らしい!大体今の貴様に何が出来るというのだ!?頼みの仲間も此処にはいないんだからな!!」

 

「………お前には分からないだろうけど、ボク達は仲間同士、家族同士何かあったら必ず助け合うって決めてるんだ。それに言ったでしょ?ボクのマスターは世界一優しくて頼りになる人だって!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「その通りだ、後は任せなロボ子」

 

―ヒュンッ!―

 

「え?さ、佐々木さ―ヒュンッ!―

 

「なぁッ?!ななな、なんだとぉッ!?」

 

おーおー、期待通りの反応してくれたな?取り敢えず春先はホロライブタウンに転移させたし、後はこいつ等をどうにかするだけだな。

 

「お、お前は773の報告にあった男!何故此処に?!というより貴様どうやって此処に入って来たんだ?!」

 

「どうやってって、普通に入って来たぜ?ロボ子と一緒にな」

 

「なんだとぉッ?!馬鹿な!?RBK-00が此処に入る際、ずっとモニターでも確認したがお前が入った形跡なんてなかったぞ!?」

 

「そりゃそうだ、だって………“俺達”姿を消して一緒について来たんだからな、こんなふうに」

 

―スゥーーー………―

 

「なぁ…………ッ?!」

 

俺が実際に姿を消すとゴーマンとかいう奴が驚いた表情を見せる。そう、俺はロボ子がこの島に来る前から姿を消してずっと一緒にいたのだ。しかもこの透明化の能力はただ姿を消すだけでなくあらゆるセンサーからも引っ掛からないまさに隠密行動に特化した能力だ。これにより“俺達”は相手に気づかれる事なく侵入出来たというワケだ。そして俺はロボ子の元へ行き再び姿を現しロボ子を安心させる為に頭を撫でていく。

 

「すまなかったなロボ子、春先の姿が見えなかったから出てくるのに時間が掛かっちまった」

 

「ううん、ボクは最初からマスターがやってくれるって信じてたから♪」

 

「ウググ……そうか、貴様がRBK-00のマスターか。なら貴様にも教えてやろう!そいつは「RBK-00?なんだそりゃ?俺はただ自分の妻の危機に駆けつけただけだよ。ロボ子っていう大切な俺の奥さんをな。てめぇのいうRBKなんちゃらなんてどうだっていい」なぁッ!?」

 

大体ずっと姿隠して聞いてたんだから事の状況全て知ってるっての。例えロボ子が兵器として産まれたとしても今は俺達の大切な家族なんだからそんな些細な事はどうだっていいんだよ。

 

「それにな、お前のそのくだらない兵器ごっこも此処で終わりだ。俺の家族に手を出し、更に上山さん達の大切な娘杏奈さんに酷い事をしたお前だけは絶対に許さんからなッ!!」

 

「許さんだとぉ?貴様、誰に向かって口を利いてると思ってんだ?私は世界が誇る最強の兵器製造アークアイの主任Dr.ゴーマンだぞ!私がその気になればお前等など簡単に処分出来るのだぞ!それに上山杏奈は今私の手中にある!こいつがある限り貴様等は手出しでき―バキィッ!―………は?」

 

「玲二くーん!杏奈さん取り戻したよ~♪」

 

「もう思う存分暴れても大丈夫よ~♪」

 

「おうノエル、アキ、有り難うな」

 

ゴーマンが熱く語ってる間、俺の能力で姿を消していたノエルとアキが杏奈さんを救出すべくカプセルごと回収して降りてきた。

 

「なぁッ?!な、なんだこいつ等!?どっから入って来たんだ?!」

 

「いやノエル達も俺やロボ子と一緒に入って来たぜ?最初に言っただろ、“俺達”って。おーい皆、もう出てきて良いぞー」

 

俺がそう言うと隠れていた他の皆も姿を現した。そう、俺達ホロライブは総力戦になる事を想像し最初からロボ子について行き、この部屋に到着した瞬間に戦える奴はそれぞれ戦闘配備し戦えない奴や妊婦組は工作員役としてこの研究所を色々と調べ尽くしてくれてたんだ…………おいちょっと待てシオン、ねね。その風呂敷に入ってる大量のお金はなんだ?まさか金庫見つけてパクって来たのか?だとしたら後で説教だな。

 

「うぎぎぎぎぃ……な、なんて卑怯な奴等だッ?!」

 

「非人道的な事してる貴様に卑怯呼ばわりされる筋合いなんかねぇよ!兎に角テメェはこれで終わりだ、大人しく罰を受けるんだな!」

 

「ふん!何を勝った気でいる!?私にはまだRBK達がいる!おいRBK-773よ!今すぐ他のRBK達を起動しこの侵入者どもを殺せッ!」

 

チッ、やっぱり抵抗はするか……調べてみた限りこいつ等千人程いたから全部相手にするとなると少し骨が折れそうだな。その前に戦えないそら達も逃がさないと……!

 

「……………………………」

 

『……………………………』

 

…………あれ?なんでこいつ等全く動かないんだ?此処に来るまではリーダーらしき773とかいう奴もゴーマンの命令を聞いてたのに、一体どうしたんだ?

 

「…………?ど、どうした773!?命令が聞こえんのか?!さっさとこいつ等を殺せッ!!」

 

「…………何故貴方の命令を聞かなければならないのですか?」

 

「ッ?!な、何を言ってるのだ773!?私はお前達のマスターだぞ!!私が命令したのだからさっさとこいつ等を始末しろッ!!」

 

「私のマスターは貴方ではありません。故に貴方の命令を受ける筋合いはありません」

 

「な、なんだとぉッ?!!?」

 

……え?どうなってんだこれ?さっきまでゴーマンの事マスターとか言ってたクセに今度はマスターじゃないって……一体どうなってるんだ?

 

 

 

 

 

―ジジッ……ザーザー―

 

〈ハアッハッハッハッハァーーー!残念だったねこのマッドサイエンティスト!この子達のマスター権限はこよが全部もらったよ!!〉

 

「何ィッ?!!?」

 

するとスピーカーからこよりの高笑いが聞こえRBK達のマスター権限を全て掌握した事を皆に伝えてくれた。成る程、だから真っ先にメインルームを探すって言って皆と別行動していたのか。流石理系全振りコヨーテだ。

 

「よし、よくやってくれたこより!」

 

〈エヘヘ~♪玲二くんに誉められちゃった♪それじゃあ皆、マスターこよの最初のお願い!其処の馬鹿なマッドサイエンティストを捕まえて!!〉

 

『……了解しました、マスター』

 

「な?!お、おいよせ!?私は世界が誇るアークアイの頭脳とも言える至高の科学者だぞ!?そんな私にこんな事して良いと思って………お、おい止めろ、こっちに来るな、来るなあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ………!!」

 

あーあー、あんなにイキってたのにRBK達にいっきに詰め寄られて下敷きになってしまったな。まあこれで取り敢えず諸悪の根源も捕まえたし一件落着かな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数日後、無事にゴーマンを引っ捕らえ過去に行った人体実験等の証拠が明るみになった事でアークアイは今厳しい状況に置かれていた。恐らくは近い内に重役共は逮捕、会社も倒産するだろうな。

 

RBK達はゴーマンの身勝手な理由で産み出されただけであって彼女達自身には罪はないという事で義兄さんがこよりからマスター権限を受け取り自社の警備員として雇う事になった、勿論人間として扱ってな。

 

そして上山杏奈さんはあれから治療を行った甲斐もあり無事に目を覚まし、今ではすっかり元気になってる。機械化された右腕も元の腕が保管されていたのですぐに元に戻す事も出来たし、上山夫妻も泣いて喜んでいたな。

 

「………佐々木さん、貴方達家族には本当にお世話になりました。娘を取り戻してくれただけではなく、私達にこんな素晴らしい島でまた三人で暮らせるなんて、本当になんてお礼をすれば良いのやら……」

 

「気にしないで下さい上山さん。杏奈さんも無事に戻って来れたのですから、これからは8年間失った娘さんとの生活を取り戻して下さい」

 

「佐々木さん、僕からもお礼を言うね。僕や妹達の事、助けてくれて有り難う♪ほらななちゃん、一緒にお礼を言お?」

 

「………それがマスターの命令であれば。佐々木玲二、有り難うございました」

 

「もぉ~ななちゃんってば!マスターじゃなくてお姉ちゃんでしょ?それにこれは命令じゃないってばぁ~」

 

そして上山一家はこのホロライブタウンで一緒に暮らす事になったのだ。折角取り戻した家族との絆なんだ、出来れば安心して生活出来るようになってほしいと願いこの島の入居許可を出してあげたら凄く喜んでくれたんだ。それとなんと、あのRBKのリーダー格だった773を自分達の養子にしたのだ。773改め七奈美は優秀個体だったせいで兵器として扱われてた期間が長かったせいか人間味が薄れていたため可哀想に思った杏奈さんが自分の妹にすると言って家族として迎え入れたんだと。いやはや優しい娘だな本当に。

 

「おーいマスタァ~♪」

 

「あやぁ~」

 

お、どうやらロボ子もメルトを連れてやって来たみたいだな。上山さん達もロボ子が抱えてるメルトを見てびっくりしてるな、まさかロボ子が子持ちとは思ってなかったようだ。

 

「ほらメルト、おじいちゃんとおばあちゃんだよぉ~♪」

 

「あぅ?あ、あうやぁ~」

 

「お、おう……なんだか不思議な気分だな、娘が戻って来たと思ったら孫までいるとは……」

 

「そうね、まさかこんな日がやってくるなんて夢みたいだわ……」

 

「うぅ~、僕まだ結婚もしてないのになんだか先越された気分だよぉ~」

 

まあ正確には本当の孫ではないけど、ロボ子が杏奈さんのクローンだから実質孫みたいなもんか。

 

「ほら、七奈美も♪」

 

「え………私には子供の扱い方なんて分からないです」

 

「大丈夫、優しく抱っこするだけで良いんだよ。ほら♪」

 

「たやぁ」

 

ロボ子はじっと見てた七奈美にもメルトを抱っこさせてあげると、メルトは一生懸命七奈美に手を伸ばして顔を触ろうとし、そしてその手が七奈美の顔に触れると……

 

「……あっぷぁ♪」

 

「あ、メルトが初めて笑った!」

 

「本当だ!きっと七奈美の顔に触れて嬉しかったんだろうな」

 

「………………これが、笑う?」

 

七奈美、今まで体験した事のない感覚に戸惑っているみたいだな。けど、それもこれから沢山学んでいけるさ。だってもう七奈美含めRBKシリーズの皆は人間として新しい道に進み始めたんだからな。

 

 

 

こうしてロボ子を巡る騒動は無事に幕を閉じた。そして杏奈さんと七奈美は新しい就職先としてにじほろ保育園で働く事になり、数ヶ月もすれば七奈美も人間らしい笑顔をみせるのであった。それと余談だがあの研究所から金を持ってこようとしたシオンとねねはきつくお説教され暫く保育園の手伝いをさせられたのだった。




はい、これにてロボ子の過去については終わりです。杏奈や七奈美ももしかしたらゲストとして出てくると思います。

次回は久し振りに日常回になると思います。一応アンケートでどのグループが良いか取ってみようと思います。

次回もまったり待って頂ければ幸いです、ではまた!
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