ホロライブ ビルドライバーズ   作:神楽

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漸く明日から復帰!最初はゆっくり休めると喜んでたのに10日間外に出ないと逆にキツイですね(汗)

今回はガンプラ関連なしのあくあ回です。最後まで楽しんで見て頂ければ有難いです、ではどうぞ!


第76話『メイドの心得』

「ご主人様、おやつのスフレチーズケーキでございます」

 

「お、有り難うなみしろ」

 

「ご主人様、今回はチーズスフレに合うお紅茶もご用意致しました~♪」

 

「うん、エリーも有り難うな」

 

「…………………」

 

とある日の午後、この神羅城の主である玲二がメイドであり妻であるみしろと同じくメイドのエリーから給仕を受けのどかなティータイムを楽しんでいた……が、その様子をソファーの影からシオンが愛娘の『久遠』と一緒にジーッと見ていた。そしてその横では……

 

“有○さん判定をどうぞ”

 

“合格w”

 

“見事、壁クリアでーす♪”

 

「アッハッハwww」

 

「あぅぷぁ~」

 

テレビで○吉の壁の再放送を見ながらゲラゲラ笑ってるあくあとその膝元でガラガラで遊んでいるあくあの娘の『えりあ』の姿があった。そしてシオンは玲二達とあくあの姿を数回交互で見た後タメ息を吐きながらあくあに声をかける。

 

「………ねぇあくあちゃん、あくあちゃんって確か玲二のメイドなんだよね?」

 

「え?何言ってんのシオンちゃん、そんなの今更じゃんどうしたの急に?」

 

「いや……玲二のメイドって言う割にはあくあちゃんってさ、何にもしてなくない?」

 

「…………え?」

 

「だって玲二の身の回りのお世話だってみしろちゃんがやってるし紅茶や食事の用意とかだってエリーちゃんがよくしてるじゃん。けどあくあちゃんが玲二の世話してるところなんて一度も見た事ないんだけど?」

 

そう、シオンの言う通りあくあは玲二のメイドを自称しているわりに玲二の世話をしている姿を見た事がない。寧ろ逆に世話されてる事が多くどっちが主人でどっちがメイドなのか分かったもんじゃない。

 

「………ほ、ほら、あてぃしってゲーム出来るから?ご主人のゲーム環境をお世話するゲーマーメイドだから?」

 

「いや玲二言う程ゲームしないじゃん?最近じゃあ子供達の相手をするかガンプラ作るのが日課だし」

 

「……じ、じゃあそのガンプラのお手伝いを「それもどっちかって言えば玲二がやってるよね?道具用意したり塗装の手伝いとかも玲二があくあちゃんの為にわざわざやってる中あくあちゃん特に何もしてないよね?」スウゥーーーーッ………何さ!?一体何時からメイドはご主人のお世話しなきゃいけないって決まりが出来たのさ?!あてぃしはそんなのしなくたってご主人が愛してくれるから良いもん!ねーえりあ♪」

 

「あぅ?」

 

シオンに迫られ遂に開き直り愛娘であるえりあに肯定してもらおうとするあくあ。当然ながらえりあは何の事か分からずただガラガラを振って遊んでいる。

 

「いやえりあちゃんに言ったって分からないでしょ?それに特に玲二のお世話とかお手伝いとかしないならもうそのメイドキャラ止めたら?ねー久遠♪」

 

「ねー」

 

「キャラとかじゃないもん!これでも湊家も由緒正しきメイドの家系だもんッ!」

 

シオンと久遠に言われ悔しそうにするあくあ。確かに唯でさえ元より炊事洗濯家事が壊滅的なのに自分と同じメイドであるみしろとエリーが玲二の身の回りのお世話をしているせいで余計に肩身が狭くなってしまってるあくあにとってこれはかなりの死活問題である。

 

「うぅ~……其処まで言うならあてぃしだってご主人のお世話が出来るってところを見せてあげるよッ!シオンちゃん少しの間えりあの面倒見てて!」

 

「あ、あくあちゃん?!お世話するったってそんなすぐに出来るもんなの……?」

 

「むにー」

 

「びゃーーッ!」

 

散々言われて自分の中のメイド魂に火が着いたのかあくあはえりあをシオンに預け何処かへと向かってしまった。そして取り残されてポカンとするシオンの腕の中で久遠にほっぺをむにむにされ半泣きになるえりあであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「という事でお願いします!あてぃしに料理を教えて下さいッ!」

 

「……ど、どうしたのあくあ様?」

 

「いきなり来てという事でって言われても分からないんですが……?」

 

あれから数分後、あくあは皆のご飯を作るキッチンにてちょことルイの二人に料理を教わろうと土下座をしていた。いきなりの事でちょことルイも何の事か分からず困惑してしまっている。

 

「実はかくかくしかじかでして……」

 

「……成る程、メイドなのに玲二様に何一つ奉仕出来てないのが嫌で遂に自分で行動を起こしたのは良いけど当てがないからまずはちょこ達の所に来て料理を学ぼうというワケね?」

 

「……いやなんでかくかくしかじかで通じるんですか?」

 

あくあの簡易的な説明を聞き納得するちょこだがルイにはかくしかでは通じなかったようだ。これが2期生の絆なのか……?ともあれ料理を学ぶべくあくあはエプロンを着用しやる気満々で胸を張っている。

 

「まあ料理を教えるのは良いのだけれど……あくあ様って実際はどれくらい料理は出来るのかしら?」

 

「カップ麺にお湯入れて作るのは出来るよ!」

 

「……それ料理じゃないでしょ?」

 

思った以上に何も出来ないあくあにちょことルイも呆れてしまう。自分達の作る料理をカップ麺と同列にされてるようで腹立つが取り敢えず二人はあくあに料理の基本的な動作を教える事にするのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―一時間後―

 

「……ねぇあくたん?ちょこは卵焼きを教えてた筈よね?何この真っ黒な塊は?」

 

「ッスウゥゥゥゥゥゥーーーー……た、卵焼き?」

 

「いやこれ見て卵焼きだなんて誰も思わないでしょ?」

 

ちょことルイは目の前に出された真っ黒な物体を見て思わずタメ息を吐いてしまう。途中までは上手くいってた筈なのにほんの数秒目を離したら何故か卵が真っ黒に焦げてしまっていた。一体どうやったらこんな短時間で卵を焦がす事が出来るのだろうか?

 

「で、でもあてぃしちょこ先生とルイ姉の言う通りに作ったんだけど……」

 

「……それで此処まで焦がすなら多分あくたんはもう料理しない方が良いかもしれないわね?」

 

「そうね、これじゃあ料理出来るようになる前に食糧全部炭にされちゃうわ。あくあ先輩には悪いけど私達にはもう手に負えないから他の娘に家事を教えてもらう方が良いんじゃないかしら?」

 

「うぅ~……」

 

あまりの壊滅的料理レベルにちょことルイはもう教えるのを諦めて素直に他の家事を覚える事をオススメするとあくあは悔し涙を浮かべながらも仕方なく他の娘の所に向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……それで?ちょこ先生達に料理は無理だって言われたから今度は掃除の仕方をウチ等に聞きに来たって事?」

 

「う、うん……」

 

ちょこ達に料理は無理だと言われあくあが次にやって来たのはミオところねとおかゆの三人の元だった。今は丁度子供達を寝かしつけた後でゆっくりお茶をしている。

 

「それは別に良いけど、それならもう直接みしろちゃんとエリーちゃんにお願いしてメイドの心得を教えてもらった方が良くない?」

 

「それはやだ!あの二人に教わったらあてぃしの中のメイドとしてのプライドが許さないもん!」

 

「いやあぐあちゃん既にメイドとしてのプライドって無くない?普段からメイドらしい事何一つしてないじゃん?」

 

メイドのプライドとして本人達から直接心得を聞くのは許さないというがころねから大してメイドらしい事してないと言われ心にグサッと刺さるあくあ。

 

「うぅ~……で、でもこれで家事を完璧に覚えればご主人の前で胸張ってメイドだって言えるもんッ!その為ならあてぃし、頑張って家事覚えるッ!!」

 

「ま、まああくあがそう言うならウチ等も出来る限りは手伝うけど……じゃあ今丁度レイさんの部屋のベッドのシーツ取り替えようとしてたから一緒にやってみる?」

 

「うんッ!よろしくねミオちゃん♪」

 

こうしてあくあはミオ達からベッドメイキングのやり方をレクチャーしてもらう事に。果たして次こそは上手くいくのだろうか……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―30分後―

 

「………ねぇあくあ?ウチベッドメイキングのやり方教えてた筈だよね?それがなんでこんな事になるの?」

 

「え、えぇっと……な、なんでだろうね?」

 

「最早これ逆に才能を感じちゃうよね……」

 

「だとしたら物凄くいらない才能だけどね?」

 

そう言う四人の視線の先には先程までよりも悲惨な事になってる玲二のベッドであった。シーツはぐしゃぐしゃ、枕も中身が出てる状態、布団に至っては中の羽毛が飛び散ってしまっている。

 

「なんでシーツを取り替えるだけでこんな大惨事になるの?」

 

「シーツも力強く引っ張ったせいで破れてしまってるし……」

 

「これなら何もしなかった方がマシだよね」

 

結局ベッドメイキングはミオ達が直してくれる代わりにあくあはもう何もしないでと言われてしまい仕方なく部屋を出ていくあくあ。そしてこのままめげてもしょうがないので取り敢えず他の事が出来ないかを考えつつ別の場所へと向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………はあぁ~、もうどうすれば良いのさぁ?」

 

あれから色々な所で家事等の仕事をやってみたあくあだが、その結果は散々なものであった。洗濯すれば洗剤の入れ過ぎで部屋中泡だらけにしてしまうし風呂掃除をすれば逆に湯船を汚してしまう。ケーキを作ろうとしてスポンジを焼いたら爆発させてしまうし部屋の掃除をしようとしたら子供達のおもちゃをGと見間違えて発狂して暴れてしまいめちゃくちゃにしてしまう等本当に何をやっても裏目に出てしまう一日であった。

 

「はあぁ~……もうあてぃし、本当にメイドの素質なんてないのかなぁ?ママもお婆ちゃんも凄く立派なメイドだったって聞いたのに、これじゃあママ達にも申し訳ないよ……」

 

何も上手く出来ない自分が嫌になりタメ息を吐くあくあ。と其処に……

 

「はぁ、一体何をしているのですか貴方は?」

 

「え………み、みしろちゃん?!それにエリーちゃんも……!?」

 

落ち込んでいるあくあの後ろにいつの間にかみしろとエリーの二人が立っていた。その表情は何処か呆れた様子である。

 

「ちょこ先生やミオさんからあくあさんがいろんな家事やらを学んで失敗していると聞きましたが、まさか此処まで失態を繰り返すとは……」

 

「………何さ?あてぃしの事バカにしに来たの?どうせあてぃしは何も出来ない駄メイドだって」

 

「そ、そんな事ないですぅ!エリー達はあくあさんに協力出来ればと思って……」

 

「そんな事言ってあてぃしの事見下してるんでしょ?!ご主人に仕える処か迷惑かけてるあてぃしを影でずっと嘲笑って!良いよね二人は?ご主人に完璧な給仕や奉仕出来て、さぞかし気分が良いんだろうね!?」

 

最早自棄になり八つ当たり当然な感じでみしろ達に当たっていく。そんなあくあを見てみしろはタメ息を吐いた後目を鋭くさせあくあを睨んでいく。

 

「……そうですわね、この際だからはっきり言わせてもらいます。あくあさん、貴方はメイドとして失格です」

 

「え、えぇッ?!ちょ、ちょっとみしろさん!?」

 

「ほらやっぱり!みしろちゃんもあてぃしの事そんなふうに思って「勘違いなさらないで下さい。メイド失格というのはあくあさんが家事等が出来ないからではありません」………え?」

 

メイド失格と言われやはり家事が出来ない自分では駄目だと言われたと思いきや、そうではないと言われ一瞬ポカンとしてしまうあくあ。だがそんなあくあに対してみしろはお構い無く話を続けていく。

 

「あくあさん、貴方はミオさん達にこう言ったそうですね?みしろ達に教わるのはメイドとしてのプライドが許さないと。ではあくあさんの言うメイドのプライドとは一体何なのでしょうか?」

 

「え?そ、それは……ご主人の側にいるのに相応しいメイドであるという感じで「その時点で貴方はメイドというものを勘違いしているのですわ」え……?か、勘違いってどういう……?」

 

「……あくあさん、エリー達はご主人様に相応しいメイドでありたいという気持ちは確かに少しばかりはあります。でもそれよりもエリー達はご主人様を喜ばせたい、沢山おもてなしをして笑顔になってもらいたい。そういう想いを込めてご主人様にお給仕をしているんです。其処にあくあさんの言うようなメイドのプライドなんて物はないんです」

 

「ッ!?」

 

そう、それこそがあくあがみしろ達と決定的に違う所であった。あくあは今まで玲二の側にいるのに相応しい存在であるのがメイドだと思いそれに伴い完璧な給仕をするのが正しいメイドとしての姿だと思い込んでいた。

 

だがみしろとエリーは違う。確かに玲二に対して相応しいメイドという気持ちは少なからずあるかもしれないがそれ以前に自分達は主であり最愛の人である玲二に喜んでもらいたい。沢山奉仕して玲二に笑顔になってほしい。その想いで今まで玲二に仕えてきたのだ。故に二人にはあくあの言うようなメイドのプライドというのは最初からないのである。

 

それを理解した瞬間、あくあの中で何かが崩れ落ちていく。メイドのプライドなんて言ってた時点で自分はこの二人と立ってる土俵が違ってたのだと。今までのは全て自分の下らないメイド像をただ独りよがりに追いかけてただけなのだと。

 

「………アハハ、そうだよね?あてぃし、ご主人に相応しいメイドであろうとしてたばっかりでご主人を喜ばせたいなんて全然考えてなかった。一人で勝手に暴走して皆に迷惑をかけて……こんなんじゃあてぃし……ご主人の側にいる資格なんてないよね……?」

 

「……そうでもないですよ?」

 

「……え?」

 

「ご主人様が以前仰っておりました。あくあさんが皆さんと楽しくゲームをしている姿を見て……」

 

 

 

“あいつは確かに炊事洗濯家事は全然駄目だけど、それでも俺や皆をああやって楽しませてくれる。あいつが笑顔になれば周りの皆も笑顔になってくれる。他の皆は駄メイドとか茶化すけど、俺にとってはあいつは皆を笑顔に出来る最高のメイドだと思う”

 

 

 

「……ご主人、あてぃしの事そう思ってくれてたんだ」

 

玲二が自分の事を認めてくれていた。それを知ってあくあの目には嬉しさのあまり涙が溢れてくる。

 

「だからあくあさんは無理に家事等をやる必要はないんです。あくあさんはあくあさんのやり方で、ご主人様や皆さんを笑顔にしてあげれればそれだけで充分なんですから」

 

「それでももしご主人様にお給仕をしたいのであればエリー達がお手伝いします♪同じ愛するご主人様の為に、一緒にがんばりましょ~♪」

 

「うん、うん……ッ!」

 

二人から励まされ涙が溢れるあくあ。此処に同じ愛する者に仕えるメイドという新たな絆が生まれたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―翌日―

 

「……で?結局あくあはいつも通りと?」

 

「はい。ご不満でしたでしょうか?」

 

「……いや、あくあは変に家事とかしないで皆と遊んでいるのが一番だからな。それに子供達も喜んでるみたいだし」

 

現に今もあくあはシオンと一緒にえりあや他の子供達と一緒に遊んでるけど子供達は満足そうにキャッキャと笑ってる。やっぱりあいつは家事とかするよりああやって皆と楽しく遊ぶのが一番だな。

 

「ほらえりたん、ママの作ったガンプラだよ~♪」

 

「あ、あうぅ~♪」

 

「やっぱあくあちゃんはこうやって遊ぶ方が性に合ってるね」

 

「ねー」

 

まあシオンが変に挑発しなければ昨日のあくあの暴走はなかったんだけどな。ともかくこれで一安心かな?

 

「ねぇねぇご主人!一緒に新しく買ったリックドム作ろーよ♪」

 

「よー♪」

 

「はいはい、その前に……周りに散らかった子供達のおもちゃ片付けろよなー」

 

「あ、アハハ……」

 

「全くあくあちゃんは散らかしっぱなしなんだから~「お前もだぞシオン?」……はーい」

 

……まあそれくらいの片付けは出来るようになってくれな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―その頃―

 

「………此処が神羅城、で良いのかな?」

 

「うん、ksonさんからこの島一番の建物って言ってたから間違いない筈……」

 

「此処にあの人が……あの人ならきっと探してくれる筈……」

 

「うん、きっと見つけだしてくれるよ」

 

「「“アイちゃん”を……」」

 

突如神羅城に訪れた二人組。果たしてこの二人の目的とは……?

 

 

 

続く……?




はい、という事であくあのメイド修行?回でした!あくたんは家事とか出来なくても皆に笑顔を届けてくれるからそれで良い( ・`ω・´)

次回は只今休止中のあの方に関わるお話です。次回もまったり待って頂ければ幸いです、ではまた!
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