今回は久々のシリアス回です、あのトップアイドルが何やら大変な事に……?今回も最後まで見て頂けたら有難いです、ではどうぞ!
「お願いします!どうかアイちゃんを探して頂けないでしょうか?」
「兎鞠からもお願い!もう佐々木さんしか頼れる人がいないの!」
「………いやどういう事だ?」
俺は突然訪問してきた二人から唐突なお願い事をされたのだが、本当にどういう事なんだ?少し状況を整理してみるか……
確か俺はあくあと一緒にガンプラを作ろうとした時に俺に来客が来たとフブキに言われたので客間へと向かうと其処には見た事がある二人がいて、そしていきなり冒頭のお願い事をされたんだよな?……改めて見ると本当にどういう事なんだ?
「……いきなり来て理解が追いつかないのだが?取り敢えず詳しい話を聞かせてもらってもいいか?“ラブ”、“兎鞠”」
「あ、ごめんなさい……えっと、何処から話したら良いかな?」
俺は取り敢えず訪問してきた二人、ピンクのロングヘアーが特徴のおっとりしているイメージの女の子『love(以降ラブ)』とウサミミが特徴の自称中身はオジサンのアイドル『兎鞠まり』の二人から話を聞く事にする。まあ最初の言葉を聞くと“あの人”に関する事だろうが……?
「……実は私達の友達でもあるアイちゃんが一ヶ月前から連絡がとれなくなってしまってるんだよね?」
「アイちゃん……“キズナアイ”の事だよな?」
「うん、少し前まではプライベートで仲良く遊んでたんだけど、一ヶ月前を境に連絡がとれなくなって、家にも戻っていないみたいで……」
成る程、そういう事か……
『キズナアイ』
日本だけではなく世界中の人達を魅了するトップに君臨するアイドル。その歌唱力、トーク力、企画力は他を寄せ付けない程の実力を誇る彼女だったが、今年の頭にとある理由で活動を無期限休止し今はあらゆるメディアから姿を消している。だがキズナは休止後に一度だけホロライブの企画に参加してもらってからは一度も会ってないし、そもそもプライベートでなんて会った事ないのになんでそんな俺にこんな頼み事をしてきたんだ?
「だがそれなら何で俺の所に来たんだ?そういうのは警察とか探偵とかに頼む方が良いんじゃないのか?」
「……最初はそうしようとしたんだけど、警察に言っても事件性がないから調べられないって言われてしまって……」
「探偵にも依頼したんだけど証拠や手がかりが無さすぎて調べようもないって……けどksonさんにそれを相談したら佐々木さんならきっと解決してくれるって言ってたから最後の頼みの綱で此処に来たの!」
「ケイが?……けど頼りにしてくれるのは嬉しいが、別に俺はそういった調査なんてした事ないしな……」
「ッ!?お願いします!アイちゃんは私達にとって大切な友達なの!警察や探偵でもダメってなるともう此処しか頼める場所がないから……!」
「佐々木さんにこんな事頼むなんてお門違いだってのは分かってる!けど兎鞠達には他に頼れる人がいないから……だからお願いします!兎鞠達に力を貸して下さいッ!!」
ッ?!いやいやそんな土下座までしなくたって……はぁ、仕方ないな。兎に角出来る限りの事はしてやるか。
「………分かった、だが念の為言うが俺は探偵とかじゃないから何も分からないかもしれない。それでも良いなら引き受けてやる」
「「ッ!よろしくお願いしますッ!!」」
全く、そんな笑顔でお願いされちゃこっちも頑張るしかないか。それじゃまずは二人から話を色々聞かないとな。
「それでラブちゃん達のお願いを聞く事にしたんですか?」
「ああ、と言ってもこんな探偵みたいな事は初めてだから力になれるか分からんけどな」
俺はひとまず二人をゲストルームに連れてった後皆を呼んで一緒に考えてもらう事にした。とはいえ情報が少ないからこの先どうすれば良いか分からんが……
「そうなんだ、じゃあこれがアイちゃんがいなくなった前後の資料って事?」
「そういう事、だがこれを見てもはっきり言って大した情報を得られてないのが現状だ」
ひとまず内容を確認すると……
・失踪する前日までキズナアイとは連絡は問題なく取れた。
・失踪した当日、ラブと兎鞠は都内のカフェで待ち合わせをしていた。
・時間になってもキズナアイは現れず、連絡をしても既読すらつかない。
・心配になって家に向かうも本人は留守であり、この一ヶ月間一度も帰宅した形跡がない。
・最後に連絡がついた内容は『明日は久しぶりに沢山遊ぼう♪』というありふれた内容。
「………こんな内容じゃそりゃ手がかりなんて掴めないよな?」
「ラブちゃん曰くアイちゃんはどんなに遅くても30分以内には既読を付けるって言ってたけど……」
「それにしたって不可解な点が多すぎじゃない?」
「そうなんだよな、ネットを見てもキズナアイが失踪したなんて話が全然載ってないし………ん?」
……なんだこの記事?今までキズナアイの失踪について調べていたが、その中で何か妙な記事を見つけてしまった。その内容は……
“消えたアイドル失踪事件”
「……消えたアイドル失踪事件?」
「え?一体どういう意味?消えたアイドルが更に消えたって事?」
「なんじゃそりゃ?えっと内容は……」
“数ヶ月程前からアイドル業界から卒業、引退、休止したアイドル達が次々と原因不明の失踪事件が相次いでいる。いずれも失踪する前に誰かと待ち合わせ等をしていたようだが結局待ち合わせ場所には現れずそのまま行方が分からなくなっているようだ。警察も何故かこの事件には事件性は無しと判断しているようだが、果たしてアイドル達は何処へ消えてしまったのだろうか?”
「卒業や引退したアイドル達が次々と失踪?」
「それってもしかして……誰かに誘拐されたとか?!」
「えぇッ?!それって普通に事件じゃん!?なんでそれで警察は動かないの?!」
全くもってその通りだ。しかも何故これだけの事が起きてるにも関わらずこんな小さなネット記事だけしか載ってないんだ?これだけの事なら普通にニュースになってもおかしくない筈……?
「ッ!ねぇレイくん!この記事に分かってるだけだけど行方不明になってる娘の名前のリストがあるよ!」
「何ッ?!……輝夜月、童田明治、鈴原るる……」
「それにピンキーちゃんに御伽原江良ちゃん……どれも皆アイドル業界から去っていった娘達ばかりだよ!?」
マジか……もしかしてこれ、全部同一犯なのか?もしくはこのネット記事を見て模範した奴もいるかもしれないが……兎に角このいなくなった娘達の中には御伽原のようなにじさんじのメンバーもいる。なら咲達にそいつ等の事を聞いてみるか。
「という訳なんだ、皆何か知らないか?」
「えぇー?そんな事言われても……」
「私達も江良さんとは卒業した後はたまに程度は連絡を取り合ってましたが、此処数ヶ月は別に連絡はしてませんし……」
「正直俺等も今玲二に言われて気づいたからな」
マジか……もしかしたらそれも犯人の狙いだったのかもな。誘拐したのが卒業や引退した奴等ばかりなのも失踪しても気づかれにくいからって事なのか?にしたってこの人数は………ッ?!
「……おい皆、これを見てくれ」
「?どうしたのレイくん……ッ!?こ、この娘って……!?」
俺が再び失踪者のリストを見ると、其処には一つ信じがたい名前が書かれていた。その名前は……
“魔乃アロエ”
「魔乃アロエ……こいつは……」
「……うん、間違いない。あたし等と同じ5期生としてデビューする筈だった魔乃ちゃんだよッ!」
そう、其処に書かれていたのはぼたんやラミィ、そしてポルカやねねと同じホロライブ5期生としてデビューする予定だった魔界出身の女の子『魔乃アロエ』の名前があった。予定だったというのは初配信の時にトラブルが起きてしまい、其処で精神を病んでしまい自主的にホロライブ5期生としての座を降りてしまったのだ。同じ5期生のぼたん達は引退後も何回かは会ってたみたいだが……
「まさか身内からも失踪者が出てたとはな……」
「これはもう、アイちゃんだけじゃなくて私達の問題にもなりましたね」
ああ、もしこれが全て同一犯だとしたら絶対に捕まえて皆を助けないと!……だが失踪者が多数いるのは分かったが、肝心な事は何一つ分からずじまいなんだよな。一体どうするべきか……
「………あれ?ねぇ玲二さん、ちょっとえぇか?」
「ん?どうした樋口、何か分かったのか?」
皆が考えてる中、にじさんじに所属する『樋口楓』が何か気づいたのかリストを再び俺に見せてきた。一体なんなんだ?
「ほら、これ見て下さい。リストに載ってる失踪者って全て女性アイドルだけなんですよね?」
「?ああ、確かに女性しかいなくなってないな………ッ!?という事は……ッ!!」
「せや……“あいつ”ならもしかして無事かもしれないって事ですわ」
成る程、確かに“あいつ”ならこの手の情報を手に入れられるかもしれない!ならば早速あいつに連絡してみるか、無事でいてくれれば良いんだが……
―プルルルル…プルルルル…ピッ―
〈……そろそろ連絡がくると思ったよ、玲二さん〉
「……良かった、お前は無事だったんだな……“灰”」
俺は電話の相手、元にじさんじである天才ハッカー『黛灰』の安否を確認出来一安心する。しかもあいつ、俺が連絡するのを待ってたかのように言ってる所をみると……
「……その様子じゃお前も今回の件を調べてたみたいだな?」
〈ああ、なんせかつての仲間達やあのキズナアイさんまで失踪したとなると俺としても黙ってられないからな。とはいえ、俺が調べられた内容もまだ其処まで多くはないが〉
「構わない、分かってる限りの情報を教えてくれ。この事件の被害者には俺達の仲間もいるんだ、事は一刻も争う以上お前の助けは必要不可欠なんだ」
〈……そう言ってくれると有難いな。なら俺が手に入れた情報を話そう〉
よし、これでまず少しでも進展してくれれば良いんだが……
〈ではまずは失踪者の共通点だ。これはそっちでも分かっているだろう?〉
「ああ、卒業や引退してアイドル業界から去っていった女性アイドル達って事だよな?」
〈そう、そしてもう一つの共通点……失踪したアイドル達はいずれも“誰かと待ち合わせをしていた”って事だ〉
誰かと待ち合わせをしていた?ああ、確かキズナアイもラブ達と待ち合わせをしていたって言ってたな。
〈つまり犯人は待ち合わせをしていた元アイドル達を狙っていた可能性がある。其処を重点的に調べた結果、ある映像をハッキングし手に入れる事が出来た。今そっちのパソコンに映像を送る〉
灰がそういった瞬間俺のパソコンに一通の動画ファイルが添付されたメールが送られてきた。ってかこのパソコン仕事用だぞ?どうやってアドレスを……まああいつのハッキング能力を使えばこんなの楽勝か?いやそれはともかく映像を見てみるか……
「………ッ!?これって……なとなと?!」
〈そう、元ドットライブのアイドル八重沢なとりが失踪する直前の映像だ。失踪したのは二ヶ月前、そしてこの日はヤマトイオリと待ち合わせをしていたらしい〉
映像には街中で誰かと待ち合わせをしているであろう元ドットライブのアイドル『八重沢なとり』の姿があった。相変わらずスカート短いなこいつ……ってそんな事どうでも良いんだよ、問題はこの後八重沢がどうなるかだよな?そう思い動画を見続けると……
「……あれ?誰かなとりちゃんに近づいてない?」
「あ、本当だ。イオリちゃん……では無さそうだけど……」
「それよりも何か話をしてない?」
「うん、流石に映像じゃ何話してるかまでは分からないけど……あ、どっかに行こうとしてるよ?」
突然現れた謎の人物に声をかけられたと思いきや、八重沢はその人物に着いていくかのように移動し、そして監視カメラの視点が何度か切り替わり気づけば路地裏のような所に入ったところで映像は終了してしまった。
〈この後から八重沢なとりの行方が分からなくなってしまったんだ〉
「そんなッ!?それじゃこいつがなとりちゃんや皆を拐った犯人って事?!」
〈おそらくはな。他にも同じような映像が幾つか入手したが、いずれも皆路地裏に入った以降の動向が掴めないでいる〉
成る程、犯人はアイドル達に何かを吹き込んで誘導しそのまま誘拐しているのか……
「「あぁーーーーーーーーーーッ!!?」」
「うぉッ?!な、なんだるしあ、ココ!?急に叫びだして「思い出したのです玲二さん!るしあこの男知ってるのですッ!」!?なんだと?!」
「ワタシも知ってます!こいついきなりワタシに近づいてきて変な事言ってきたんだよ!」
何?!一体どういう事なんだ?!なんで二人も……あ、そっか。二人もホロライブを辞めた身だったよな。だから犯人に目を付けられたのか……取り敢えず話を聞いてみるか。
「あれはるしあが引退してしばらく経った頃なのです。その日はぺこらと一緒に久しぶりに本土で買い物する予定だったのですが、ぺこらが急な打ち合わせが入って遅れてしまうって言われたので仕方なく待ち合わせ場所を決めて其処で待ってたのです。そしたら……」
「あ、るしあちゃんお待たせ~♪待った~?」
「?……誰ですか貴方?」
「え?いやぁ何言ってんの?僕達此処で待ち合わせしてたじゃないか~♪」
「……るしあは貴方みたいな怪しい人と待ち合わせした覚えなんてないのです。とっととどっかに行ってもらえます?」
「ッ!?あ、あれ?おかしいな~?確かに僕達此処で待ち合わせしてたよね?」
「だからるしあはお前の事なんて知らねぇしお前なんかと待ち合わせなんてしてねぇんだよッ!分かったらさっさとるしあの前から消えろッ!!」
「ッ?!チィッ!」
「……って事があったのです」
「そんな事があったの?!るーちゃんなんでそれを早く言わねぇぺこか?!」
「いやだって実害もなかったしその時は兎に角気持ち悪かったからさっさと忘れようって思って……でもまさかこんな事件に関わってるなんて思いもしなかったんだもん」
成る程な、ココからも話を聞いたが同じような状況だったらしい。となると犯人は何らかの催眠能力があって、それで他のアイドル達を操って自分の隠れ家的な所へ連れていったというワケか。だがそうだとしたら犯人は一体誰なんだ?何を目的としてこんなふざけた真似を……
〈……話を戻すぞ?そしてこれが最後の一つ、犯人の目星とまではいかないが、気になる人物の居場所を突き止める事が出来た〉
「?気になる人物だと?」
〈ああ……玲二さん、妙だと思わないか?これだけのアイドル達が失踪している中、世間では騒ぎにはならず警察も動かない。そしてこの事件の事を示しているのはこのたった一つのネット記事だけだ〉
………確かに警察も動かないのは変だと思うが、それよりも何故世間はこの失踪事件について知らないんだろうか?あまりにもその点が不可解過ぎる。それにその事件について出ているネット記事はこの一つだけ……あれ?
「……このネット記事の情報、提供者は一体何処から入手したんだ?」
〈そう、其処だ。この事件に関する情報を通常のメディアや警察が掴んでない中、このネット記事だけはかなり詳しく公開されている。しかも失踪者達のリスト付きで………其処から導きだせるのは二つ、この記事を書いたのが誘拐犯本人か、犯人とまではいかないが何らかの関わりがある者だ〉
『ッ!?』
犯人が直接記事を?!なんでそんなふざけた真似を!?
〈おそらくこの犯人は相当の愉快犯だと思う。自分が拐ったアイドル達を誰かに自慢したい、けど直接そんな事を公表すれば世間が黙ってない。だからネット記事という形で失踪事件の事を自ら公開したんだ。この失踪者リストもおそらくは犯人の戦利品公開のようなものだ〉
「なんだよそれ……それじゃあこいつはアイドル達を拐って皆に見せつけてるゲス野郎じゃねぇか!?」
「私達の大切な仲間達を、そんなオモチャみたいな扱いするなんて許せませんッ!!」
「うち等もえらちゃんやるるちゃん達を拐ったこいつは絶対に許せへんッ!!」
皆も俺と同じで仲間達を拐ったこいつを許せないと憤怒している。警察も動かない以上最早これは俺達で解決するしかないッ!
「それで灰、その記事を書いた奴は何処にいるんだ?!」
〈それも今パソコンに送っておいたよ。だがさっきも言った通りそいつはあくまでも関係性が高いというだけで犯人とまではいってない。だから調査する際は慎重になってくれ、じゃないともし違った場合犯人に逃げる隙を与えてしまう事になりかねない〉
「ああ、それは分かってる。いろいろ有り難うな灰、また何か情報を掴んだら連絡してくれ」
〈ああ、気をつけてくれ……〉
灰との通話を終え俺達は早速ファイルをチェックすると其処にはこのネット記事を書いたであろう人物の居場所を特定した地図を確認する。
「場所は……どうやら青森の山中みたいだな?」
「そんな遠くに……レイくん、急いで其処に向かってみましょう!」
「そうだな……じゃあ今から調査メンバーを選抜する。残ったメンバーはこの失踪者リストの中で待ち合わせをしていた人物を調べて話を聞いてみてくれ。今回はかなり大きな事件かもしれないから、皆気を抜かずにいくぞッ!!」
『おぉーーーーーッ!!』
よし、そうと決まれば早速チーム分けだ!頼むから無事でいてくれよ、皆……ッ!
突然発覚した元アイドル失踪事件。果たして玲二達は犯人を突き止められるのだろうか?次回、調査開始!
はい、という事で元アイドル達の失踪事件スタートです!果たして元アイドル達は無事なのか……次回も気長に待って頂けたら幸いです、ではまた!