ーザアァァァァァァァァ……ー
「…………暇だなぁ」
「だな〜」
雨が降って薄暗い天気の中、俺はリビングのソファーの上で退屈を感じながら寝そべっていた。その上にはねねの娘であるねるが同じようにだらーっと寝そべっている。というのも俺は既に今月分の仕事は全て終えてしまい、後は緊急で入ってくる事がなければ特にやる事が無くなってしまったのだ。
じゃあ他の皆と遊べば良いだろうと思われるかもしれないが、今この神羅城には俺以外には数人程しか残っていない。皆ライブや大きなイベントを終えて少し長めの休暇をあげたので今は本土の方に旅行に行ったり里帰りしたりとしているので何時もは騒がしい神羅城も今日ばかりは静かな雰囲気が流れている……
ーバアァンッ!ー
「レイ兄ちゃーん!スコーン焼けたから一緒に食べよ〜♪」
……なんて事はなくホロメンの中で神羅城に残ったねねによってその静寂は幕を下ろした。まあねるがいる時点で大体察してた奴もいただろうがな……俺は誰に向かって言ってるんだ?
「……ねね、びっくりしちまうから頼むからもっと静かに扉を開けてくれ」
「アハハ、ごめんなさーい♪ほらねるにも大好きなみかん入りのスコーン作ったからね〜♪」
「わーいすこーんすこすこ〜♪」
ねねは謝るも悪びれもなさそうにねるにみかん入りのスコーンをあげるとねるは嬉しそうにパクパクと食べ始める。って流石に俺の上で食べるなよ?スコーンが少しボロボロ落ちてきてるって。
「こらねる、パパの上でスコーン食べないでくれ。ボロボロ零してるだろ?」
「う?ぱーぱ、いっしょにすこーん♪」
ねるはそんな俺に気にせずスコーンを俺の口に入れようとする。いやそんな押し付けなくてもムグッ……普通に旨いな、ねねもお菓子作りのスキル上がってきたよな?
「ほーらねるちゃん、パパも困ってるから一旦降りよ?」
「ぶぅ〜!」
「そんな不貞腐れるなって。よっと……ほらねる、もっかい乗って良いぞ」
ねねに抱っこされてねるは不機嫌そうにジタバタするも俺が体勢を替えて膝に乗せると再び上機嫌でスコーンを食べ始める。相変わらずポロポロと零してはいるけどな。
「あー良い汗かいた〜♪あら?玲二君とねねちとねるちゃんスコーン食べてたんだ。アキロゼも一つもらっても良い?」
「シアもたべたーい♪」
そんなスコーンを食べている俺達の元にねねと同じく神羅城に残ったアキとシアが汗を拭きながらやって来た。何か自主トレでもしてたのか?
「アキ、随分汗かいてるな。なんかトレーニングでもしてたのか?」
「ううん、リシェッタがアキロゼのベリーダンスに興味があるって言って一緒にダンスのレッスンしてたの。それで思った以上に熱が入っちゃってね♪」
「……ブレイン、腰が痛いです」
成る程、確かにアキのベリーダンスはプロレベルに凄いからな。リシェッタも興味を持ってやってみたは良いけどかなりキツいレッスンだったみたいだな?アキの頭の上でぐてーってなってるし。
「シアも大分動けるようになったもんね〜♪」
「あい!シアのだんす〜♪」
お、シアもまだぎこちないけど動きが様になってるな。流石アキの娘だ。
そしてアキとシア、それからリシェッタもねねの作ったスコーンを食べ一息ついているとねねがリシェッタにある事を問い始めた。
「……そういやずっと気になってたんだけど、リシェッタってなんでそんな性格になってるの?」
「?そんな性格とはどういう意味です桃鈴ねね?」
「ねねもう桃鈴じゃないんだけど……ほら、リシェッタって設定だと天真爛漫な性格の女の子ってなってるけど、なんかリシェッタの性格ってそれとは真逆な気がしたから」
言われてみれば確かにリシェッタって本来の設定とは全然違う性格だよな?これって一体どうしてなんだ?
「あーそれですか?簡単な事ですよ、ブレインが本来の私、つまりリシェッタの性格を掴めていなかったからです。そしてブレインが私を作った時に考えた事が反映されたのも原因の一つですね」
「俺の考えた事?」
「はい。ブレイン、貴方は私を作った時にこう考えましたよね?『なんか見た感じフブキやみしろっぽいな』って。だから私の性格はその二人に反映された形となって形成されたんです」
そういえば確かにそんな事を考えながら作ったな?という事はリシェッタのクールな部分はみしろの、強かさと負けず嫌いはフブキの性格が反映されたワケなんだな。
「なのでブレインが美プラを作ればおそらくはそういったイメージに合わせた性格が形成されると思います。まあ私がいれば他の美プラなんていりませんけどね!」
「わー今の感じ最初の頃のフブキちゃんみたいね?」
「確かにあの頃のフブキは俺に対して何時も自分以外はいらないよね?とか言ってたしな」
とはいえ美プラはまだ何個かあるんだよな。リシェッタはああ言ってるが積みっぱなしも良くないからそのうち作らないとな?これに関してはまだ制御出来てそうにないからおそらくはまた自我が芽生えるのかもしれないけど、一体どうなる事やら……
「さーて、そんじゃ今日はもう特にやる事がないから皆で何かするか?」
「あ、なら久しぶりに玲二君とガンプラでも作ろうかしら?アキロゼこの間買ってきてまだ作ってないのがあったから♪」
「あ!ならねねも買ってきたのあるから一緒に作る!」
ガンプラ製作か、それも良いな。ならシアとねるは……確かケイがいるから預かってもらうとするか。それじゃあ俺も前から作りたかったキットを持ってくるか。
「そんじゃ早速始めるとするか……ってるる、お前もいたんだな?」
「うん、るるは帰省しても皆旅行に出てて誰もいないから♪」
そう言ってるるはニコニコと微笑みながらガンプラの箱を持って俺の横に座っている。まあガンプラ作るんだったら皆でワイワイしながらやるのも楽しいから良いんだどさ。
「それにしてもるるさん、『フェニーチェリベルタ』なんてレアキット持ってたのね?」
「うん、この間本土の駿○屋に行ったら思ってたより安く売ってたから思わず買っちゃったの♪」
『HG ガンダムフェニーチェリベルタ』
『ガンダムビルドファイターズ GMの逆襲』に登場したイタリアのファイター『リカルド・フェリーニ』が作り上げたオリジナルガンプラ。ウイングガンダムをベースにしているが変形すると飛行形態ではなくバイク形態になる地上での戦闘をメインにした機体へと改造されている。
「ウイングガンダムの改造機なのにバイク形態に変形って結構攻めた設定だよな?」
「玲二君ならこういうガンプラも好きだと思って♪」
「まあ確かに好きだけどな。で、アキは『アスモデウス』か?」
「えぇ、この間オルフェンズのアプリやってたらなんだか作ってみたくなっちゃった♪」
『HG ガンダムアスモデウス』
『機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ ウルズハント』に登場する機体。72機あるガンダムフレームを使用した一機であり厄災戦当時の戦闘記録はなく侵入困難なデブリ帯で偶然発見された。ほぼ完璧な状態で発見された為におそらく実戦投入はされなかった機体のようである。
「こいつは発売された後も店の在庫で数日残ってたって所も多かったよな?」
「あの時はアプリの配信開始が遅れたのと在庫がかなりあったみたいだからね。でもその後やっぱり姿を見なくなってしまったわ」
「まあそれがガンプラの宿命みたいなとこがあったもんね?それとねねはこのキットにしたよ〜♪」
「へぇ、『デスティニーガンダム』か。しかもハイネVerとはなかなかのチョイスだな」
『HG デスティニーガンダム ハイネ機』
『機動戦士ガンダムSEED Destiny』に登場したザフト製の機体。劇中ではシン・アスカが搭乗した機体だがそれとは別にザフトのエースパイロットであるハイネ・ヴェステンフルスの専用機として開発された物である。しかし劇中の途中でハイネが戦死してしまった為にこの機体が日の目を見る事なく戦争は終結してしまった。
「これねねのイメージカラーにピッタリだったから思わず買っちゃった♪」
「確かにねねちのイメージカラーはオレンジだからハイネ機とも相性ぴったしね♪それで玲二君は何を作るのかしら?」
「ああ、俺はこれを作ろうと思う」
そう言って俺が出したのはるると同じような色味が少なくシンプルなデザインの箱を取り出した。そう、これはネット販売限定のキット『ガンダムプルトーネ』だ。
『HG ガンダムプルトーネ』
『機動戦士ガンダムOOP』に登場したソレスタルビーイング第二世代のガンダム。ガンダムヴァーチェ/ナドレの前身に当たるこの機体だがある作戦行動中に動作不良を起こし二人の死亡と一人重傷という事故が引き起こしてしまった。これが所謂『プルトーネの悲劇/惨劇』と言われている。
「玲二君ってやっぱりOO好きだよね?」
「まあな、デザインでは断トツでトップクラスで好きな機体が多い作品だし、特に第二世代のアストレアとこのプルトーネはかなり好きな機体に入るくらいだ」
「でもこのガンプラの箱、なんだか色がなくて寂しいね。手抜き?」
「これはプレ○ンっていうオンラインショップ限定のキットだから箱絵はモノクロになってるのが多いの。偶にちゃんとした物も出てるけど大体はみんなこんな感じだね」
「偶に箱絵がしっかりしているのがあるけど正直どんなふうに差別されているのかは分かんねぇんだよな?ま、そんなのはさておき早速作るとしますか」
『おー♪』
さて、皆それぞれ箱からランナーを取り出して作り始めたから俺もやってくか。あ、因みにリシェッタはレッスンで疲れて今プラモモードになって休んでいる。これが俺達で言うところの睡眠に当たるらしい、なんか変わってるよな?
「さて、仮組みは済んだけどこっからどうしようかね……?」
「うーん、やっぱりオルフェンズ系はダメージ加工が似合いそうだけど……」
「ねねはもう決めてるから筋彫りしてくるね〜!」
「るるはどうしようかな~……あ、この改造面白そう♪」
仮組みを終えて俺とアキはまだどうするかを考えていたが、ねねとるるはそれぞれ改造案を思いついたらみたいで早速実行に移していた。俺も早く改造案を考えないとな……よし、これでやってみるか。
「うーん…………あ!良い事思いついちゃった♪まずはあれを用意しないと♪」
?アキの奴部屋から出ていったけどどうしたんだ?まあ俺は俺で塗装の準備をしていくか。まずは仮組みしたプルトーネを解体しないとな。
「…………よし、塗装も終えたし今日は此処までにするか」
「うん、明日トップコートを噴いて組み立てれば完成だね♪でも玲二君のその力本当に便利だよね?塗装も一瞬で乾いちゃうし」
「でもレイ兄ちゃん緊急事態じゃなければこういう事にしか力使わないからなんか勿体ないよね?もっとこう、世界を支配するぞーッ!ってならないの?」
「んな馬鹿な事するつもりないっての。俺は忙しくて騒がしくも今の生活で充分満たされてるんだからさ」
「まあ玲二君がそんな事考えるような人じゃないっていうのはアキロゼ達がよく分かってるけどね?そんな玲二君だからきっと皆惹かれてると思うし♪」
そんなもんか?大体世界を支配って、そんなの敵ばっかり作るだけだろ?そんなの絶対に息苦しいに決まってるしそもそも面倒くさい。
「さて、そんじゃあ今日はこれで終わりにしてねるとシアを迎えに行くとするか」
「あ、じゃあ折角だし皆でレストランに行かない?今日はアキロゼ達しかいないし、丁度外も晴れてきたし良いと思わないかしら?」
「良いね〜!ねね久しぶりにハンバーグ食べたーい!」
「うん、るるも玲二君が良いなら良いよ♪」
「そうだな、今日は久々にびっ○りド○キーに行くとするか」
『わーい♪』
こうして俺達は今日のガンプラ作りを終えてねるとシアを連れてハンバーグを食べに出かけた。勿論面倒見てくれたケイと寝ていたリシェッタも連れてな。ってかリシェッタって普通に食ってるけどどうやって消化してんだ……?
翌日……
「……よし、全ての工程終了。後は組み立てて……これで完成だ」
「ねねも完成!レイ兄ちゃんどうかな?ねねのデスティニーガンダム!」
「ですてに〜♪」
お、ねねも完成させたか。どれどれ……成る程、筋彫りを使って自分のアイドル衣装に見立てた塗装を施したのか。ねるも気に入ってるのかご満悦だな。
『デスティニーガンダム ねね機』
デスティニーガンダムを筋彫りして装飾を加えた事によりねねの衣装っぽいデザインに仕上がった機体。武装もオミットしておりコンセプト的には劇中のミーア・キャンベルのライブに使用されたザクウォーリアーのようである。
「ねねちはライブ衣装を模した改造にしたのね?アキロゼは少し違った感じのダメージ加工を施してみたわ♪」
「うゆ?ぼろぼろ〜?」
ほう、アスモデウスのダメージ加工か。やっぱりオルフェンズ系の機体はこういうのが似合うな……ってなんかこれ少し違和感があるような気がするんだが?
『ガンダムアスモデウス ダメージ加工Ver』
ガンダムアスモデウスにダメージ加工が施した物であるが、それは切り傷とかではなくまるで爆風に巻き込まれたかのような機体に仕上がっている。
「……あれ?アキちゃん、もしかしてこれって本当に焦げてない?」
「あ、分かっちゃった?実はこれを使ってみたの♪」
「え?これって……爆竹!?もしかしてアキ、これでアスモデウスを爆破させたのか!?」
「うん、前に動画で見たウェザリング方法だったから少し真似してみたの。少し脆くなっちゃったけどそういう所は接着剤とかで固定して後は軽い塗装で仕上げてみました〜♪」
スゲェな?これある程度の度胸と覚悟なきゃ出来ない改造だぞ?格好良いけど俺はこの改造する勇気はないな。
「それで、るるは一体どんな改造を施したんだ?」
「るるは改造というより少しパーツ足して塗装した後前に咲ちゃんからもらったシールを使っただけだよ♪」
へぇ、結構シンプルな感じに仕上げたんだな……おいなんだこの鈴原団って?しかも反対のウイングには夜露死苦って、これ完全に暴走族イメージじゃねぇか?
『ガンダムフェニーチェリベルタ(鈴原団Ver)』
フェニーチェリベルタをるるのイメージカラーであるパステルピンクで塗装したゆるフワ系……と見せかけてリアスカートにバイクのマフラーを装備し右翼に鈴原団、左翼に夜露死苦と書かれたデカールが貼られている。変形したらまるで暴走族のバイクである。
「いやなんだよこのデカール?全然るるのイメージに合ってないような気がするんだが?」
「これまだるるがにじさんじにいた頃に企画してた暴走族コントがなくなっちゃって、その時使う予定だったロゴを咲ちゃんがシールにしてくれたんだぁ♪」
「なんだその暴走族コントって?アイドルがやるような事じゃ……いや、うちやにじさんじを見てるとないって言い切れねぇんだよなぁ……」
「まあアイドル事務所の中でもこの二つはかなりクレイジーな事務所ですからね?」
おいリシェッタ、流石にそれは思ってても口に出すなって?まあ否定出来ないけど。
「それでレイ兄ちゃんはどんな改造したの?」
「ん?ああ、俺は今回塗装だけで済ませたよ。やっぱOO系って言ったらこれだろ」
俺はそう言って自分の塗装したプルトーネを皆に見せていく。今回の俺の塗装はズバリ、トランザムだ。
『ガンダムプルトーネ トランザムVer』
プルトーネをガンダムマーカーのトランザムホロレッドをマーカー用エアブラシをメインに使って塗装。見える角度によって色が少し変化し輝いているように見える。
「本来の話ではトランザムは行ってないんだが、GNドライブを使用している機体だから出来るかもっていう完全想像の状態だな」
「でも凄く綺麗、本当にこんなふうに戦ってたように思えるね♪」
「えぇ、これぞOO系のガンダムって感じがするわ♪」
「流石ブレイン、塗装の仕方が丁寧ですね♪」
「ぱぱのかんぷら、きれ〜♪」
良かった、なかなか喜んでもらえたみたいだ。取り敢えず今回の制作は皆大成功って事で良いみたいだな。
「さて、これらもショーケースに飾ってと……よし、そんじゃ午後には何人か帰ってくるみたいだし、その前に昼飯でも食うか」
『はーい♪』
こうして久々のガンプラ制作を終えて俺達は皆で昼飯を食べる事にした。今回は終始のんびりした感じだったが、偶にはこういう日も良いよな?
はい、という事でのんびりガンプラ制作回でした!この四つの中ではアスモデウスが一番のお気に入りです♪
因みに爆竹を使ったウェザリングはとある動画投稿者さんを参考にしましたが初心者の方は真似をしないようにしましょう。どうやっても取り返しのつかない事になるので……(-_-;)
次回玲二と同い年組の話を書こうと思います。次回もまったり待って頂ければ幸いです、ではまた!