そして今回でholoX編は最後となります!はたして玲二の運命や如何に……?!最後まで見て頂けたら有難いです、ではどうぞ!
鎧武VS幹部
ーバナスピアー!ー
「はあぁッ!」
ーガキィンッ!ー
「くぅッ!?」
ウィザードとシンケンジャーが戦っている最中、鎧武と幹部が互いに激しくぶつかり合っていた。しかし先程のウィザード達と違い最初から最強フォームである鎧武が繰り出す連続アームズウェポンの攻撃に幹部は反撃すら許されず次第に圧されていた。
「……もうこれ以上は止めておけ。どうあがいたってお前に勝ち目はない」
「五月蠅いッ!例え負けると分かっていても!この鷹嶺ルイの命は常に総帥の為にある!総帥の為にならばこの命、惜しくはないッ!!」
鎧武に降伏を促されるも幹部は尚も立ち上がっていく。既にボロボロで武器も刃が欠けたサバイバルナイフしか残されていなかった、それでも幹部の目には諦めというモノは一切感じられなかった。
「我が総帥の理想の世界の為にこの命が役立てるのであれば!喜んでこの命散らしてくれるわあぁぁぁぁぁぁぁッ!!」
「ッ!この…………馬鹿野郎があぁッ!」
ー火縄大橙DJ銃!ー
ーRock On!ー
命を投げ出す覚悟で突っ込んでくる幹部に鎧武は最強武器である火縄大橙DJ銃を召喚し装填口にオレンジロックシードをセットしそれを幹部に向かって構え
ーオレンジチャージッ!ー
ードゴオォォォンッ!ー
いくつものフルーツのようなオーラを纏ったエネルギーを発砲した。そして……
ーバキイィンッ!ー
その弾は幹部本人ではなく持っていたサバイバルナイフへと当たり、その反動で幹部も吹っ飛ばされ壁に叩きつけられていった。
「グハァッ!く、くうぅ……ま、まだだ……まだ私は……総帥の為なら……この命なんて……!」
だが幹部はボロボロになってもふらつきながらも立ち上がりヨロヨロと鎧武に向かっていく。右腕は折れたのかブランと垂れ下がっており武器も全て失っているにも関わらず尚も突き進んでいくその姿は最早何かに取り憑かれているようにも見えてしまう。
「…………もう止めよう」
ーバシュウゥゥンッ……!ー
「な……ッ?!」
そんなボロボロな幹部を見て鎧武は変身を解いてしまった。しかもその姿は最初に見た金髪に神々しい鎧姿ではなく何処にでもいそうな好青年のような見た目になっていた。これこそが鎧武の本来の姿である『葛葉紘汰』なのである。
「き、貴様!何故変身を解いた!?私はまだ……!」
「その身体で何無茶なこと言ってるんだ?もうとっくに勝負は着いているだろ」
「まだだ!私が動ける限り、私が負ける事は……キャッ!?」
ふらつき歩く幹部は足元にあった瓦礫に躓き倒れそうになる。だが……
ーポスッー
「……え?」
「もう無茶すんな。お前にだって仲間や大切な人がいるんだろ?そいつの為にもこれ以上自分を傷つけるのは止めておけ」
駆けつけた紘汰に支えられ幹部は近くにあったソファーに座らされ、紘汰は偶々近くにあった救急箱から包帯等を取り出し幹部を応急処置しようとする。
「止めろ……!敵に情けを受けるくらいなら……此処でいっそ殺してくれ……」
「俺は絶対にそんな事はしない。どんな奴だって命は一つだ。その命を自分から投げ捨てようとする奴をほっとくなんて俺には出来ない。ほら、腕を見せな?」
紘汰は幹部の折れた右腕を近くに落ちてた添え木で抑え包帯を巻いていく。そして少し不格好だが取り敢えずは応急処置は終わったようで紘汰も近くにあった椅子に座って一息つく。
「ふぅ〜……なあ、どうしてあんたは彼処まで頑なに戦おうとしてたんだ?なんか総帥の為とかいろいろ言ってたみたいだけど、総帥ってどんな奴なんだ?」
「……総帥は私の命の恩人よ。あれはまだ私がとある軍に所属していた時の事よ……その頃私達の軍は敵に圧されてしまって最早勝ち目なんてなかった。其処で指揮官は私達が足止めしている間に援軍を呼んでくるという流れになったの、けど……」
敵の侵攻が激しくなっていく中待てども待てども一向に援軍がくる気配なんてなかった。それでも幹部は指揮官を信じ戦い続けていた。しかし、その後通信兵から届いた通達は……軍の敵前逃亡であった。
「援軍を呼ぶなんて嘘、指揮官は……あの男は仲間を呼ぶフリをして私達を見捨てたのよ。そうなってしまえば前衛にいた私達のチームも士気が下がり、次第に次々とやられていったわ。そうして最後まで生き残ったのが私だったの」
最後まで必死に抵抗するも次第に弾薬も食料も尽きてしまい、一人、また一人と仲間が倒れてしまい残されたのは幹部唯一人だけとなってしまった。その幹部も敵兵の銃を頭に押し付けられ殺される寸前のところだったという。
「だがその時私の前に現れ敵を一網打尽にしたのが総帥だった。彼女は殺されそうになった私を受け入れ、そして自分が目指す世界を話してくれたの」
『吾輩は弱者が虐げられない為の世界を作る。誰かを虐げるだけの力を求めず、皆が笑いあい平和に暮らせる世界を。その為に今この世界で我が物顔で好き勝手している連中を全て潰す。だから、お前もその世界を作る為に吾輩に協力しろ』
「……その言葉で私は救われた。この方の目指す為なら、もう私やかつての仲間達のようなツラい思いをする者はいなくなるって!だから私は総帥に忠誠を誓ったのよ!だから総帥の願いである世界が叶うのであれば、私の命なんて「くだらないな」ッ!?な、なんだと……!?」
くだらない、幹部の語る信念を聞いて紘汰の口から出た言葉はその一言だった。それを聞いて幹部は激昂し紘汰に掴みかかろうと立ち上がるがまだ回復しきってない所為かバランスを崩しソファーに倒れ込んでしまう。
「お、おい!?まだ身体が治ってないんだ、あんまり動かない方が「そんな事はどうだっていい!それよりも貴様!今のくだらないとはどういう意味だ!?」……そのままの意味だ。俺からしてみれば、あんたの言ってる事はくだらない以外の何物でもない」
「な、なんだと……!?」
「あんたの総帥って奴が掲げている理想は立派だ。そしてそれを支えようとするあんたの想いも大したモンだと思う。けどその理想を叶える為に命を投げ捨てるような事をするのは絶対に間違ってる。どんな奴だって命は一つ、死んだら終わりなんだ。だから命を簡単に投げ捨てようとするなんて絶対にしちゃいけないんだ。簡単に死んじゃったら、そいつを想ってた奴等も絶対に悲しむからな」
「…………死んだら悲しむ人……そんなの私には…………」
「本当にそうか?少なくとも危険を顧みずあんたを助けた総帥って奴はあんたには死んでほしくないんじゃないか?」
死んだら悲しむ人がいる、そして総帥が自分が死んだら悲しむのか?紘汰に言われ少し考えると、幹部はある事を思い出す。それは二人が世界を征服する為の組織holoXを立ち上げた時の事だ……
『いよいよですね、ラプラス総帥』
『ああ、これから吾輩達は秘密結社として世界に喧嘩を売る。そして必ずや世界をこの手に掴んでやる』
『はい、私も総帥となら何処までも着いていく覚悟です!』
『そうか…………なぁルイ』
『?なんでしょうか?』
『もし世界を征したとしても、或いは心半ばで朽ち果てたとしても……お前だけは、ずっと最後まで吾輩の傍にいてくれよな?』
「…………そうだ、総帥はずっと私の事を……」
「良かったじゃないか、ちゃんといただろ?あんたの事を想ってくれる奴が。だからそいつの為にも命を簡単に投げ出したらダメだ」
総帥が自分の事を考えていてくれた。その事に気づいた幹部の眼から涙が溢れ顔がグシャグシャになっていく。こんな自分でも一緒にいてほしいと想ってくれる人がいたんだと思うと涙が止まらなかった。
「…………あんたの総帥は、昔俺と一緒に戦った仲間と同じだ。力を持つ者を憎むあまりに強さを求めていた。弱い奴等を守る為に、全人類の敵になった……けど、人は必ず強くなれる。例えどんな困難が待ち受けていても、人にはそれを乗り越えられる強さがある。だからこそあんたの総帥は止めないといけない。これ以上同じ思いを誰かにさせない為にもな」
「グスッ……ああ、そうだな」
紘汰によって目が覚めた幹部は紘汰に肩を貸してもらい総帥の所へと向かっていく。これ以上自分達と同じツラい思いをする者を出さない為に……
そして……
ーガキィンッ!バキィッ!ー
「グアッ!」
「ゴフゥッ!」
互いにぶつかり合い既に武器もボロボロになりつつも俺も異世界のラプラスも二人して一歩も引く事はなかった。だがやはり強いな、このラプラスは。一体何処にそんな力があるんだよ……?
「ハァ、ハァ……クク、やはり強いな貴様は……我が世界征服には貴様のような強さを持った者が必要だ!」
「……教えてくれ、お前はその世界征服を果たして一体何をするつもりだ?全ての富を得るつもりか?それとも全てを支配して自分の思うがままの世界にするのか?」
「……さっきも言っただろう?吾輩は自分達の世界中にいる弱者を救う為に戦っている。吾輩が望む世界征服は、豪遊し乏しい思いをしている奴等を踏みにじる富裕層や自分の力を誇示する為に戦争を仕掛ける国のトップを蹴散らし、弱き者達が安心して暮らせる理想の世界を築き上げるのだ!」
弱者を救う為の世界征服。その為なら例えどんな汚名を着せられようとラプラスは戦い続けているのか。そしてそれを信じて共に歩んできた仲間も……だが
「……お前の言い分はよく分かった。だがそれで何故俺達の世界を侵略した?お前のやってる事はお前が嫌う連中と何が違う!?」
「分かっているさ!自分が何をしているのかも!これが許されざる事だという事も!だが、吾輩はもう引く事は出来ない!心半ばで散っていた仲間達、そして吾輩を助ける為に戦争に赴き命を落とした両親の為にも!」
ーシュウゥゥゥゥゥ……ッ!ー
ッ!?マズイ!ラプラスの奴自分の大鎌にエネルギーを溜めてやがる!こうなったら俺もガンビットで「パパッ!」ッ!?な、ラプ!?
「お前か!異世界の吾輩というのは!?吾輩のパパを拐おうなんてくだらない真似はさせんぞ!」
「何……?なる程、この世界にも吾輩がいたとはな?それもまだ幼き頃の吾輩か……だが、例え吾輩自身が立ち塞がろうとも!我が野望は止める事は出来んわぁッ!!」
ーブオォォォォンッ!ー
ッ!?あいつ、俺ごとラプを巻き込む気か?!クッ、間に合えッ!
ーズバアァァァッ!ー
「…………え?パ、パパ……?」
「……大丈夫か、ラプ?」
……良かった、なんとかラプを守れたみたいだな痛ッ!?ヤベェ、背中がおもいっきり痛てぇ……
「パ、パパァッ!?吾輩を庇って……それに傷口が……!?」
「だ、大丈夫だ……こんなの治癒の力を使えばすぐに……」
だ、ダメだ……ラプを安心させようと気丈に振る舞おうにも身体が言う事を聞いてくれない……
「クク、これで終わりだな?なぁに、すぐに吾輩の世界に連れて治療してやるから安心しろ」
異世界のラプラスが勝ちを確信しこちらに近づいて来る。クソ、此処までが……
ーバッ!ー
「………なんのつもりだ、異世界の吾輩よ?」
「パ、パパは……パパは吾輩が守る!」
ラ、ラプ?!お前、何をしてるんだ?!守るったってお前には武器も何もないだろう!?しかも分かりやすいくらいに震えているし!
「どけ、異世界の吾輩。吾輩にはこの男の力が必要なのだ。退かぬというなら力づくで……」
「やだ!どかない!パパは吾輩の……私の大切な人だもん!孤児院で育てられて、ずっと一人ぼっちだった私を、パパは父親になってくれた!私に沢山の家族をくれた!パパは私にとって大切な、この世でたった一人のパパだもん!」
……ラプ、お前……俺の事そう思っていてくれてたのか……
「お前は私なんだろう?!だったら頼むから私の大切なパパを、家族を私から奪わないでよ!」
「……………………」
ラプの悲痛な叫びを聞きラプラスの腕が止まる。その表情は苦悶に満ちており、大鎌を握る手も緩まっていく。そして………
「……総帥、もう止めましょう。これ以上は私達の主義から大きく離れてしまいます」
「ッ!幹部、無事だったのか?!」
異世界のルイらしき女が男に支えられながらこの場にやって来た……え?あの男、もしかして葛葉紘汰か?なんでこの世界に……あー、もしかしてマリアの力で呼ばれたのか?
「総帥、私もこの男と戦って気づかされました。これ以上続ければ、私達もかつて自分達を虐げていた者達と何も変わりません。ですので、此処はもうこの世界から身を引きましょう」
「…………そうだな。それに異世界の吾輩に此処まで懇願されて無下にするなど総帥としてあるまじき行為だからな……異世界の吾輩よ、お前はこの男を父親と呼んでいたな?この男は本当に信用出来る男か?」
「当たり前だ!パパは私が、いや吾輩が世界で一番信用出来る最高の父親だ!」
「……そうか、ならその父親を大切にしろよ?」
ラプラスはそう言うと俺に近づき右手を光らせ何やら力を注いでくる。これは……治癒魔法か?身体がどんどん軽くなっていくぞ。
「お前、名前はなんていうんだ?」
「……玲二、佐々木玲二だ」
「そうか……玲二よ、此度の事はすまなかった。そして吾輩が言えた義理ではないが、異世界の吾輩をこれからもよろしく頼む」
ラプラスは俺に深々と頭を下げ、俺にラプの事を任せてきた。これにて俺達と異世界のラプラスとの戦いは幕を閉じたのであった…………
それから二日後、異世界holoXの団員達の協力もあり神羅城はすっかり復興し、そして治療を終えたラプラス達も元気を取り戻し元いた世界へと帰る時がきた。
「それじゃあ皆、向こうでもあんま悪い事すんなよ?」
「フン、貴様に言われる筋合いはないわ!だ、だがまあ掃除屋の眼と侍の右腕を治してくれた貴様に免じて少しは控えてやるとしようか……」
「佐々木さん、この度は本当に申し訳ございませんでした。もし貴方達に何かあったら我々holoXは何時でも力になりますので」
「あーあ、佐々木さんの身体、一回で良いから解剖してみたかったな〜?」
「まだ言ってるし……ま、まぁ沙花叉も眼を治してくれたお礼くらいはしてあげても良いかな〜?///」
「……玲二殿、風真の腕を治してくれた此度のご恩は一生忘れはせぬ。必ずやこのお礼はさせて頂くでござる」
異世界のクロヱといろはは元に戻った眼や右腕に関してはお礼をするとは言ってるが別に気にする必要なんてないんだけどな?けど沙花叉から何な熱おびた視線を感じるが気づかぬフリしとこ。それと異世界こより、一回解剖って発想がサイコ過ぎるだろ?
「それじゃあ吾輩達はそろそろ帰るとしよう。この世界の吾輩よ、縁があったらまた会おう」
「良いけど、今度来る時はそんな大掛かりな戦艦に乗ってくんなよ?」
ラプとラプラスが最後に挨拶を交わし、そしてラプラス達が修理された戦艦に乗っていくとそのまま浮上し次元ホールへと飛び込み元の世界へと帰っていったのであった。
「ふぅ、久々にハチャメチャな出来事だったな?」
「全くだぞ!でも異世界の吾輩達、格好良かったな!そうだ幹部!吾輩達も本当に世界征服を「寝言は寝てから言いなさいこのちんちくりん」なんだとぉ〜!?貴様ぁ!それが総帥にする態度かぁ〜!?」
はは、こっちのholoX達はやっぱりこうワチャワチャしているのが一番似合うな……それにしても
「で?お前は何時になったら帰るんだ?紘汰」
「いや、帰りたいのはやまやまなんだけどどうやったら俺の世界に戻れるか分かんねぇんだよなぁ?」
なんじゃそりゃ?どうやらこの紘汰はマリアの能力で呼び出されたのではなく、久しぶりに地球に帰ろうとした際に異世界holoXが大掛かりな時空移動をした所為で時空間に歪みが発生してしまいこの世界に引きずり込まれてしまったらしい。一応俺も鎧武の世界を探しているのだが一向に見つかってない。
「ま、その内帰る方法が分かると思うし、それまではこっちでアルバイトでもしながら暮らしてくから平気だって♪」
「いやそんなんで良いのか神様……?」
結局それから数日後に鎧武の世界を発見し紘汰を送り届けて行ったが、それから紘汰は時空移動を会得したのかちょくちょくこの世界に遊びにくるようになるのであった。本当にそんなんで良いのか神様?
こうして異世界holoXとの戦いは終わり、ホロライトシティに再び平穏が訪れるのであった。
はい、という事で異世界holoX編はこれにて終了です!いやぁ疲れた〜(;´Д`)
そして次回なんですが、次の話が今現在自分で書いた最後の話となります。その次からはリクエストに沿って書いていこうと思います。
次回『たまきの………○○?!』