ホロライブ ビルドライバーズ   作:神楽

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久々に貴方と出会って書いたら意外と文字数多くなってしまいました(゚Д゚;)

今回はアンケートで取った貴方と出会って回です!因みにアンケートの投票が多い順ではなく思いついた順で書いているのでご了承くださいませm(_ _)m

今回も最後まで見て頂ければ有難いです、ではどうぞ!


第138話『貴方と出会って6』

ー尾丸ポルカー

 

玲二さんを好きになったきっかけ?……別に隠したいワケじゃないけどまずお前誰なの?え、雇われて聞いてるって?誰に?ま、まぁ変な事に使わないなら良いけど……あれはまだポルカがホロライブに入る前の話なんだけど……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「レディースエーンドジェントルメーン!只今より尾丸サーカスの特別公演を開催しまーす!」

 

ーワーパチパチッー

 

とある晴れた日の事、私尾丸ポルカは近くの河川敷で尾丸サーカスの特別公演を開いていた。とは言ってもまだ見習いなポルカが勝手に開いているだけで観客も近くにいた子供達数人しかいなかったけどね。それでもポルカは見てくれる人達に笑顔になってもらいたいから皆の前で習ったばかりの玉乗りや一輪車とかの曲芸を披露していく。

 

「よっ!ほっ!はっ!ってうわわぁッ!?」

 

ーズッテーンッ!!ー

 

ーアッハハハ!オネーチャンヘタクソー!ガンバッテー!ー

 

やっぱりまだ練習中の身だからなかなか上手くいかず結構失敗しちゃってる。中には下手くそと言ってくる人もいたけど応援してくれる子もいたからポルカは最後まで一生懸命やりきった。そして終わった時に皆から拍手をしてもらうとポルカの心の中が暖かくなっていって、やっぱり皆を笑顔に出来るこのサーカスの道に進んで良かったと思ったんだ。

 

「ふぅ〜、楽しかったぁ〜!……ってヤバ!?今日座長に呼ばれていたんだった!?急いで事務所に行かないとッ!」

 

今日はポルカが所属してるサーカスの座長から直接呼ばれてたから早く行かないと!でも話ってなんだろうな?もしかして、ようやく正式な座員にしてくれるとかかな!?だとしたら嬉しいなぁ〜♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………え?クビ?」

 

「あぁ、君には本当に申し訳ないんだかね……」

 

…………え?なんで?事務所に入って座長から言われたのはまさかの解雇通達だったんだけど?どうして!?もしかしてポルカなんかやっちゃった?!

 

「ど、どうしてですか座長!?そりゃポルカはまだ見習いだけど、それでも何時かこのサーカスで皆と一緒に……!」

 

「…………そのサーカスだが、今月いっぱいで閉園する事になったんだ」

 

……え?閉園?このサーカスが?な、なんで?!

 

「君も知ってると思うが近年うちのサーカスの入客数はどんどん減っている。それでも今まではなんとか皆で頑張って来たんだが……従業員の給料、そして動物達の餌代を考えたらこれ以上はもう無理なんだ」

 

「そ、そんな……!?じゃあポルカ以外の座員達は?!動物達は一体どうするのさ?!」

 

「うちの優秀な座員達は既に他のサーカスやパフォーマンスチームに移籍が決まっている。動物達は私の知り合いの動物園に引き取ってもらう予定だ。だが君みたいな見習いは他の所では引き取ってもらえなかった。だから君には申し訳ないんだが解雇という判断に至ったんだ」

 

「そ、そんな……そんなのって……!?」

 

「……本当に申し訳ない、それとこれは少ないが今月分の給料だ。けど君はまだ若い、別にサーカスじゃなくても他にも進める道があるんだからそう悲観する事はないだろう」

 

ポルカは座長にそう言われ今月分の給料が入った封筒を渡されて事務所から出ていった。あれだけ好きで目指していたサーカスの夢が、ポルカの中で一気に崩れ落ちた感じがした…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……あれから一ヶ月経ったけど、ポルカの心の中はぽっかりと穴が空いてしまったような感じだった。大学の授業にも身が入らず、これまで曲芸の練習をしていた時間も今じゃ河原で水面をボーッと眺めるだけの毎日と化していた。あれだけ好きで毎日手入れしていた曲芸道具も物置きの片隅にしまっているし、もうポルカの心からサーカスの夢がどんどん薄れてしまっているのが分かる。もういっその事サーカスの事なんて忘れた方が良いように思えてもくる…………けど

 

「…………なんでだろうなぁ?もうサーカスなんて夢見るのは止めようって思ってる筈なのに、なんでまだサーカスの事なんて考えてしまうんだろう……?」

 

どんなにもう諦めよう、忘れようと思ってもサーカスの夢を諦める事が出来なかった。無理矢理心の中に抑え込もうとしても、その度に幼い頃に見たあの空中ブランコや火の輪潜りを華麗にこなすサーカスの人達のキラキラした姿が頭の中に出てきてしまう。いつか自分もあんなステージに立って皆を笑顔に……

 

「…………そんなの、もう絶対に叶わないのに…………ん?」

 

……彼処にいるの、何時もポルカの練習を見に来てくれる子供達だ。でも練習を止めてからずっと避けてたからなんだか久々にあの子達を見た気がする…………あれ、でも誰かと一緒にいる?もしかして保護者?……にしてはスーツを着ててビシッとしてるし、もしかして道案内してるのかな?

 

…………いや、もしかしたらあいつ、あの子達を拐おうとしている誘拐犯とかじゃないよね?だったらあの子達が危ない!?た、助けるべきだよね?!でもポルカの力じゃ男の人に勝てない……なんて言ってる場合じゃない!は、早くあの男から子供達を助けないと……!

 

「んーと……あ!お兄ちゃんいたよ!彼処に座ってるのがサーカスのお姉ちゃんだよ〜♪」

 

「本当?わざわざ有難うね君達」

 

「…………へ?」

 

え?サーカスのお姉ちゃんって……もしかしてポルカの事?ってそんな事考えてたら何時の間にかさっきの男の人が目の前にやって来たんだけど!?

 

「えーっと、君だよね?此処で偶に子供達に曲芸を見せてあげてる女の子って」

 

「へ?は、はいそうですけど……?」

 

え?え?も、もしかしてこの人の目的ってポルカなの?!ひょっとしてどっかの芸能事務所の人でポルカをスカウトしにきたとか!?いやいや流石にそれはないでしょこんな失敗ばっかりする見習い曲芸師をスカウトだなんて!?

 

「?あぁそっか、いきなり名乗らずに訪ねたら失礼だよな。えっと……俺はこういう者なんだけど」

 

男の人はそう言ってポルカに一枚の紙切れを渡してきた。これは、名刺かな?えーと……“ホロライブスタッフリーダー 佐々木玲二”…………ってホロライブゥッ!?

 

「ほ、ほほ、ホロライブってあの有名なアイドル事務所のホロライブ!?」

 

「まぁ有名かはまだ分からないけど、今頑張って成長し続けてるホロライブには間違いないな 」

 

うえぇぇぇぇぇぇぇぇぇーーーッ!?な、なんで?!なんでそんな凄いとこのスタッフさんがポルカに声掛けてきたのさ?!

 

「実は以前から君の噂を聞いててな。この河川敷で子供達に曲芸を見せて喜ばせてる女の子がいるって。君についていろいろと話を聞こうと思ってたらんだけど最近全然話を聞かなかったからいなくなったんじゃないかって心配してたんだよ」

 

「は、はぁ……?そ、それで、そのホロライブのスタッフさんがポル……私になんの用があって来たんですか?」

 

「あぁそうだったな。実は今ホロライブではこういうのを行ってたんだが……」

 

?何これ?チラシか何かかな?えっと、『ホロライブ5期生募集中!』?ホロライブ5期生……って!?

 

「今ホロライブではそのポスターに載ってる通り5期生を募集中なんだ。今のところ三人は候補に上がってるんだが、残り二人の枠がなかなか決まらなくてな。そうしたら此処である女の子がサーカスの練習をしているって噂があったからもし素質がありそうならスカウトしようと思ってたんだよ」

 

スカウトッ!?ポルカがホロライブに?!それってつまりときのそらさんや不知火フレアさんにも会えるって事!?そんな、良いの?!ポルカなんかがアイドルに……私、なんかが…………

 

「…………そういう事だったらお断りします。私なんかよりもきっと素質があって可愛い娘がいると思いますからそういう娘をスカウトしてあげてください」

 

「え…………?」

 

そうだ、私なんかがアイドルになれるワケがない。座員見習いの時だって大した成果も出せてないし、サーカスもクビになった私なんかにアイドルなんてきらびやかなステージに立つ資格なんてないんだから……

 

「……それじゃあ他に用がないなら私はこれで失礼しまーガシッー……え?」

 

もうさっさと帰ろう、そう思って振り返り去ろうとしたんだけど、そんなポルカの腕を男の人は掴んで引き止めてきた。な、なんでポルカ腕掴まれてるの?

 

「な、なんですか急に!もしかして私の事騙して「すまない、けど流石にそんな暗い顔されたらほっとけなくなってな?もしかしてだけど、何かあったんじゃないのか?」ッ!?そ、そんな事…………」

 

「………実はさっき君の事を子供達に聞いた時にあの子達が言ってたんだ。此処最近サーカスのお姉ちゃんが全然練習しなくなったって。あの子達、君の事を凄く心配してたんだよ。だからもし良ければ聞かせてくれ、此処最近君に一体何があったんだ?」

 

…………そっか、あの子達ポルカの事心配してくれてたんだ。そういや何時も曲芸を見てくれてるあの子達に何も言わずに止めちゃったからなぁ………

 

そして気づいたらポルカは男の人に全てを話していた。サーカス見習いをクビにされた事、そしてその所為で自分に自信がなくなって練習をしなくなった事を………

 

「…………成る程な、好きだったサーカスをクビにされて自分に自信が持てなくなったからさっきのスカウトも断ろうとしてたんだな?」

 

「はい……でも今考えたら当たり前ですもんね?他の皆は私と違って歴が長かったり才能があるから他の所に行けたけど、私にはそんなのなかったから何処も私の事を引き取ってもらえなかっただけの話ですもん。そんな才能の欠片もない私がアイドルだなんておこがまし「そんな事ねぇよ」……え?」

 

「もし君に才能がないなんて言うなら、さっきの子供達だって君の曲芸に興味なんて持たずに通り過ぎて行ってると思うぞ?つまり見てくれてた皆には少なくとも君から光る何かを感じていたから君の事を見てくれてたって事だ。それにあの子達は君の事をこう言ってたよ」

 

 

 

「お姉ちゃんは失敗とかもするけど、でも私達の事楽しませてくれようとしてたの。だから私達、お姉ちゃんのサーカス大好きなんだぁ♪最近全然やらなくなっちゃったけど、また皆で一緒に見たいなぁ〜」

 

 

 

…………そっか、あの子達ポルカの曲芸を楽しみにしてくれてたんだ?こんな失敗ばっかりするポルカのサーカスを…………

 

「失敗なんて誰だってするし、挫折しそうになる時なんか幾らでもあるかもしれない。けど、それをバネに何度でも立ち上がれば良い。それに君のサーカスに対するその想い、まだ消えてないなら俺達と一緒に叶えてみないか?」

 

「え?一緒にって、ホロライブでって事ですか?で、でもアイドルとサーカスって全然違う気が……?」

 

「そんな事はないさ。アイドルもサーカスも、皆を笑顔にする存在に変わりはない。煌びやかなステージで歌って踊って、更にド派手な曲芸を繰り広げるなんて今までになくて面白そうだろ?だから君と俺達とで実現してみようぜ、多少の失敗なんて動じない“ちょっとくらいのドジなんてご愛嬌”なアイドルサーカスを!」

 

「……ちょっとくらいのドジなんてご愛嬌なアイドルサーカス……」

 

…………なんだろう、この人が言うとなんだかやれそうな気がしてきた。今まで失敗しないように気をつけてたけど、それすらも愛嬌に変えて皆を喜ばせる。そう考えたらポルカでも出来そうな気がしてきた……ううん、ポルカはそんなアイドルサーカスで皆を笑顔にしてみたいッ!

 

「まぁ勢いで言ってしまったけど、それでもし君がそんなアイドルになってみたいなら来てみないか?俺達とホロライブに」

 

「………はい、こんな私……ううん、まだまだ未熟な曲芸師ポルカだけどよろしくお願いしますッ!」

 

「あぁ、よろしくな。それじゃあまずは最初のお仕事、あの子達を笑顔にしてあげないとな?」

 

男の人がそう言って見た視線の方を向くと、其処には何時もポルカの曲芸を見てくれてた子供達が小走りで駆け寄ってきていた。

 

「お姉ちゃん!まだお姉ちゃんのサーカスやらないの?」

 

「ぼく、お姉ちゃんのサーカスもっと見たい!」

 

「ねーちゃんまた玉乗りとかお手玉とか見せてよ〜♪」

 

「皆…………よぉーし!今日は久々に尾丸サーカス開催しちゃうぞぉ〜!でも今道具とか持ってきてないからちょっと取りに行くから待っててね〜♪」

 

皆、本当にあの人の言う通りポルカの事ずっと待っててくれたんだ。それが嬉しくて少し溢れた涙を拭きながら急いで曲芸道具を取りに戻った。

 

それからその日は日が暮れるまでポルカは尾丸サーカスを開催した。相変わらず多少失敗しちゃったけど、それでも皆喜んで見てくれた。そんな今日の尾丸サーカスは今までで一番楽しい時間だったんだ。

 

それがポルカとあの人、玲二さんとの出会い。そして今思い返せばあの時ポルカに新しい道を示してくれた玲二さんに恋心を抱いた瞬間だった。玲二さんと一緒にならポルカは何処までも進んで行けるんだって。だから玲二さん、こんなちょっとめんどくさいところもあるポルカだけど、これからもずっと見守っててね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………なんだか久々にあの頃の思い出したなぁ」

 

「うゅ?まーま、どーちたの?」

 

「んー?ちょっとママがパパと出会った時の事を思い出してたんだよ〜♪」

 

今ポルカは愛娘エレオと一緒にホロライト中央公園に散歩してたんだけど、ふと昔の事を思い出しちゃってたな。久々にあれをやるからつい思い出しちゃったのかな?

 

「んー……よし!それじゃいっちょやりますか!」

 

「おー♪」

 

そしてポルカは事前に用意したステージに登り、周りの皆に聞こえるように高らかに大声を出す。

 

「レディースエーンドジェントルメーンッ!今日はポルカの伝説特別編!尾丸大サーカスのステージショーを開演するよ〜!ステージの中ではポルカの娘のエレオのびっくり手品もあるから見逃さないでね〜♪」

 

「あーい!みんな〜、エレのてじにゃみてみて〜♪」

 

そう、今日は久々に皆の前でサーカスを開く事になったの!今日は此処に集まってくれた皆を、絶対に笑顔にしてみせるからね!

 

「それじゃあ皆、準備は良いですか〜?アーユーレディ?」

 

「ご〜♪」

 

 

 

ー尾丸ポルカ編 完ー

 

 

 

 

 

 

ー博衣こよりー

 

あ、助手くん〜!皆と玲二君の出会いの話、集まってきたかな〜?……うんうん、やっぱり皆玲二君に救われて好きになるパターンが多いね〜♪やっぱり玲二君は優しくて素敵だなぁ〜♡

 

…………え?ボクが玲二君を好きになった理由?そ、それは別に話さなくても良くない?

 

え、それは不公平だって?うぅ〜……あーもう分かったってばぁ!だけど聞いたからには他の娘の出会いもしっかり聞いてきてね!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー十数年前ー

 

「…………はぁ、もうこの本も読み終わっちゃったなぁ」

 

皆が次々と学校から去っていく時間帯にボク、博衣こよりは図書室でずっと本を読んでいた。でも読んでいたのは皆が読むような児童向けの漫画や童話ではなくて先生ですら滅多に読まなさそうな難しい数式や科学の本とかをずっと読んでいたの。

 

ボクは幼い頃から他の子に比べて頭が良かったみたいで学校の授業は全部理解しちゃってたし、それに好奇心が強いのかそれ以上の事を知りたくてずっと本を読むようになったんだ。でも周りの皆にも覚えた事を話そうとしても

 

「こよりちゃんの言ってることむずかしくてぜんぜんわかんないよ〜!」

 

「そんなむずかしいはなしつまんないよ!それよりみんなでお外であそぼうよ♪」

 

……って言われてまともに話すら聞いてもらえなかったの。そこで気づいちゃったんだ……ボクは他の子に比べて学力も理解力も上なんだって。そう考えたら周りの子達の会話が全部中身のないつまらない話にしか聞こえなくなってしまったんだ……

 

だからと言って皆を見下すような事はなかったけど、それでもボクの話を理解出来ない皆と一緒にいてもつまんなくなっちゃって、いつしかボクは学校の殆ど誰とも関わらずなってママのお迎えが来るまでずっと図書室で本にのめり込んでたんだ。

 

そんなボクを周りももう関わってこなくなったけど、読書の邪魔をされなくなったから別に良いんだけどね?

 

「うーん、もうちょっとだけ時間があるからあと一冊は読みたいなぁーガララララッーん?」

 

「あれ、まだ本読んでた子がいたのか?」

 

新しい本を読もうとしたタイミングで誰かが図書室に入ってきた。最初は先生かな?って思ったけどどうやら高学年の男の子みたいだけど……?

 

「えっと、君ってもしかして低学年の子かな?もう結構遅いけどまだ帰らなくても大丈夫なのか?」

 

「…………別に、まだママが迎えに来るまで時間があるから此処で待ってるんだもん」

 

……まぁ他の子が珍しく図書室に来た事にちょっとびっくりしたけどボクには関係ないからすぐに新しい本を取る事にした。

 

……ん、んん〜!よ、読みたい本が上にあって取れない……わわッ!?

 

ーポスッー

 

「おっと、大丈夫か?」

 

「ふぇ?…………ッ!?///」

 

え?え?な、何?ボク今どうなってるの?今本を取ろうとして台に乗ったけど届かないから背伸びしたらバランス崩して……あれ?でも倒れてないって事は……さ、さっきの男の子がボクを助けてくれたの?っていうかボク今男の子に背中支えられてる?!

 

「え、えと、えっと……あ、ありがと……///」

 

「いや、取り敢えず君に怪我がなくて良かった。ほら、もう立てるか?」

 

あ…………ボクが大丈夫って分かったら男の子が離れちゃった……ってボク一体何考えてんの?!なんでボク今ちょっと残念そうにしちゃってたの!?

 

「?そういや君、この本が読みたかったんだよな?ほいこれ」

 

「あ、ありがと……」

 

男の子はそう言ってこよが読みたかった本、『偉人伝アイザック・ニュートン』を取ってくれた。と言っても多分この子も他の子と一緒でつまらないとかよく分かんないとか思ってるんだろうな…………

 

「それにしてもニュートンかぁ。君、まだ一年か二年生なのによくそんな難しいの読むんだな?」

 

「……別に難しくないよ。まぁ皆からしたらこの人が一体どんな人かなんて分からないもんね「ん?知ってるぞ、万有引力の法則を発見したイングランドの学者だろ?」……え?」

 

……え?この子、ニュートンが何をした人なのか答えれた?もしかして高学年だから?でもニュートンって小学校じゃ習わないって前に先生が言ってた筈……?

 

「……君、なんでニュートンの事知ってるの?ニュートンって小学校じゃ習わないって先生が言ってたのに……?」

 

「あー、実は俺の姉貴が学者志望でな。昔から難しい本ばっかり読んでいたから俺も妹も興味本位でずっと一緒に読んでたんだよ。まぁ兄貴は全然興味なくてずっと筋トレしてるけどな?」

 

お姉ちゃんが学者志望……それでずっと一緒に本を読んでたんだ?

 

「けどニュートンって結構面白い逸話もある偉人だよな?りんごが木から落ちるのを見て万有引力の法則を発見したって話だけど、ニュートン自身が記した記録とかにはそういうのは書かれていなかったっていうしな」

 

「え!?じゃあニュートンのりんごが落ちて万有引力がって話はどっから出たの?!」

 

「それはニュートンの友人であるウィリアム・ステュークリって人の書籍に書かれているニュートンとのやりとりの中でその話が出てたってところからそう言われるようになったらしいな。だからニュートンが実際にりんごが木から落ちたところを見て万有引力の法則発見!ってなったのかどうかは定かじゃないらしい」

 

そ、そうだったんだ……!?何時も読んでた本には其処まで書かれていなかったから分かんなかった…………

 

「ってごめんな、読書の邪魔しちゃって。俺は端の方で勉強するからゆっくり読んでて良いよ」

 

「う、うん…………ねぇ、それって宿題?じゃあお家でやったりしたら良いんじゃないの?」

 

「ん?いや、宿題はもう授業中に終わらした。今は姉貴から友愛数を調べろっていう課題出されたからそれをやろうと思ってな」

 

………友愛数?なんだろう、聞いた事もない。友愛数っていうからきっと何かしらの相性的な数字だと思うんだけど……?

 

「ねぇ、友愛数って何なの?」

 

「んー、友愛数っていうのは……約数って分かるかな?自身の数字を割り切れる整数っていう意味なんだけど……」

 

「知ってるよ、簡単に言えば割り算でちゃんと割り切れる数字の事でしょ?」

 

「そうそう、それで友愛数というのは互いの数字が自身を除いた約数を足すともう片方の数字になるっていうものだ」

 

?互いの数字が自身の約数を足すともう片方の数字なる?どういう事?

 

「例えば220と284って数字があるだろ?まず220の約数は小さい順から1,2,4,5,10,11,20,22,44,55,110,220となっている。これを自身以外、つまり220を除いて残りの数字を全部足すと284になるんだ」

 

「えっと…………あ、本当だ!?」

 

「逆に284の約数は小さい順に1,2,4,71,142,284となる。これもさっきと同じように自身以外の約数を足すと220になるんだ。こんなふうにお互いの自身以外の約数を足した数がもう片方の数字と同じになるもの同士を友愛数っていうんだ。いわゆる完全数と言われる物と似た括りの一つだな」

 

…………凄い。この子、今まで見てきた他の子達と明らかに違う。ボクの中に眠ってたさらなる好奇心がどんどん湧き上がってくるのが分かるくらい今ボクは興奮している!

 

「ねぇねぇ、それボクも一緒にやっても良いかな!?ボクもその数式に凄く興味が湧いてきちゃった!」

 

「え?いや別に良いけど……?」

 

「本当!?じゃあ早速やろうよ!あ、ボクの名前は博衣こより、一年生だよ!こよりって呼んでね♪」

 

「あ、あぁ分かった。俺は六年の佐々木玲二だ、呼び方は好きにして良いぞ」

 

「うん、よろしくね玲二君♪」

 

それからボクと玲二君はその日はママが迎えに来てくれるまでずっと一緒に友愛数を調べてた。今まで本だけを読んでいた日々と違って初めてボクの心が満たされた気分になったんだ。その日を境にボク達は放課後になると一緒に本を読んだり難しい問題を解きあったりしてとても楽しい一時を過ごしていってとても楽しかった。

 

 

 

………そして季節は巡って冬、其処でボクが玲二君に固執するきっかけとなる出来事が起きた。

 

 

 

「あー寒ッ!やっぱり冬は寒いね〜……ってあれ?」

 

何時ものように放課後図書室に行くと其処には既に玲二君がいたんだけど、部屋の暖房が効いてて暖かったからかテーブルにうつ伏せながらすやすやと眠ってた。玲二君が寝てるとこ、なんだか初めて見たなぁ……

 

「……玲二君の寝顔、なんだか可愛いなぁ♪何時もと違って新鮮な感じ……あれ?」

 

その時、ボクの目の前に椅子に一着のパーカー掛けられているのが写った。今この場にはボクと玲二君しかいない……という事はこれは玲二君のパーカー?多分暖房が効いてて暑かったから脱いじゃったのかな?

 

「……………………」

 

ー……ガシッー

 

…………ッ!?な、何してるのボク?!玲二君のパーカーなんて持ってどうするつもり?!///

 

頭ではパーカーを戻さないと、そう思ってても身体が言う事を聞かずパーカーは徐々にボクの顔に近づいていく。そして……

 

ーポスンッ……スーハー……ー

 

「ッ!??!//////」

 

ービクンッ!ビクンッ!ー

 

顔を埋め深呼吸をした瞬間、ボクの脳内がスパークした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(な……なにこれぇ♡パーカーかられいじくんのにおいがはなからはいってボクのあたまのなかをしんしょくしてくりゅうぅ♡ボクののうないかいろがショートししょうだよぉ〜……♡///)

 

玲二君のパーカーの匂いが一瞬でボクの脳内を支配していく。これは後に理解したんだけど、これがボクの小学一年生にして初めての絶頂だった。

 

(はぁ、はぁ……玲二君の匂い、最ッ高ぉ〜♡パーカーでこれだったら、直に嗅いだらどうなっちゃうんだろぉ……?///)

 

ボクは気づいたらパーカーを椅子に掛けてフラフラと玲二君に近づいていた。最早頭の中も本能に従順になっていて、そのまま玲二君の背中に抱きつき玲二君の髪の毛に顔を埋めていった。

 

ースンスン、スンスン、スーハースーハー……〜ッ♡♡♡ー

 

(はぅわぁ〜ッ♡玲二君の匂い、とても強くて濃い匂いッ♡ボクの心を掴んで放さない魅惑的な匂いッ♡はうぅ〜ん♡このまま玲二君にずっとくっついていたい♡玲二の事が欲しくなっちゃうよぉ〜ッ♡♡♡)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………こより、お前一体何してんだ?」

 

 

 

「……………………え?」

 

 

 

…………こよりは馬鹿だ。こんなの少し冷静になって考えたら分かる事じゃん?こんな至近距離で抱きついて匂い嗅がれたらそりゃ大体の人が起きるに決まってる。けど冷静さが欠けた今のボクには現状を理解出来ず、数秒経ってからやっと玲二君が起きてた事に気づいてしまった。

 

「……………………ッ!?!?い、いいい…………いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!?//////」

 

「えぇ!?お、おいこより?!おいちょっとぉッ!?」

 

そしてボクはあまりの恥ずかしさに顔を真っ赤にしながら図書室を飛び出してしまった…………なぁんで玲二君あのタイミングで起きちゃうのさぁーーーーーーーーーッ!!?//////

 

 

 

それからこよりは玲二と会う度に顔が真っ赤になってしまいまともに顔を合わせる事が出来ないまま玲二は小学校を卒業してしまった。だが其処で終わらないのが後のholoXの頭脳となる博衣こよりであった。

 

「…………うん、完成!世界初ステルス機能アーンド光学迷彩搭載のドローン!これで玲二君の事を影から見守る事が出来るよぉ〜♡」

 

なんと小学生ながらに自前でドローンを作成し其処から得た映像で玲二を見守るというのだった。このピンクコヨーテ、小学生にして最早完全なるストーカーである。

 

「はうぅ〜ん♡これで玲二君の隅から隅まで見守ってあげるからねぇ〜♡」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

っていうのがこよと玲二君の出会いだよ♪どうだったかな助手く…………あれ?なんでなんにも言わずに立ち去ろうとしてんの?!聞いてきたのそっちでしょぉ!?

 

こよりと玲二のエピソードを聞いてドン引きした助手くんは無言で部屋から出て次の娘に話を聞く事にしたのであった。

 

 

 

ー博衣こより編 完ー

 

 

 

 

 

ールイス・キャミーー

 

え?玲二君との出会い?それを聞いてどうするの?……え、皆も話してくれてる?うぅ〜、職業上あまり話したくないんだけど、皆も話してるなら話さないといけないよね?あれは、とある富豪の家にあった黄金像を盗んでた時の事ね……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いたぞ!彼処にいるぞ!」

 

「怪盗LC!今日こそは貴様を捕まえてやるッ!」

 

「フフ、そんな簡単には捕まったりしないわ♪」

 

今私はとある依頼人に頼まれこの街を牛耳ってる悪徳な富豪から盗まれた時価数億円の黄金像を取り返し屋敷から抜け出している最中だった。思ってたよりも警備が手薄で楽に仕事が終えられて助かるわ〜♪さ、早いとこ帰って依頼人に報告しないと。

 

「待てぇーーー!今日こそは捕まえて見せますよ怪盗LC!」

 

「げ!?なんであのへっぽこ探偵までいるの?!ま、まぁあいつに関しては放っといても別に問題はないから良いけど単純に嫌なのよね……」

 

そんな私を追い掛ける追手の中には何時も私の事を追い掛け回すへっぽこ探偵の姿もあった。あいつ、私が仕事する度に現れて邪魔してきてウザいんだよなぁ……ま、大して邪魔にもなってないから別に良いんだけどね?さて、この塀を越えれば後は近くに用意した私の車で逃げて……

 

「クソオォッ!これでも喰らいなさいッ!!」

 

ーブンッ!ヒュウゥゥ〜………ガコンッ!ー

 

「…………え?」

 

な、何?あのへっぽこ探偵、私に向かって石投げてきたけどガコンって……ってえぇ!?

 

ージジジッ……ボンッ!ー

 

「あぁ!?私のルパンアームが!?」

 

あのへっぽこ探偵が投げた石がまさか私の右腕に装着しているルパンアームに直撃して、しかもそれが壊れてしまった!?

 

……突然だけど私、ルイス・キャミーには弱点がある。それは自分でもびっくりする程腕力がないのだ。普段でも重たい荷物は持てないので買い物で重たい物を買う時はネットを利用する程なの。だから私は怪盗の仕事をする際にこのルパンアームと呼ばれる強化装置を装備して腕の力を飛躍的にアップさせている。そんなルパンアームが壊れたという事は……

 

ーズンッ!ー

 

「ッ!?お、重いぃぃ〜…………!?」

 

右腕に抱えていた黄金像が先程まで雲のように軽く感じたのに急に元の重量が掛かり身体のバランスを崩しそうになってしまう。そもそもこの黄金像、片手で持てるサイズだけどその重量はなんと24kgもあって非力どうこう以前に並の女の子が片手で持てるような代物じゃなかったの。そして……

 

ーツルッ……ー

 

「あ…………!?」

 

そのままバランスを崩してしまった私は足を滑らせてしまい塀の外側に落下してしまった。

 

ードッシィーンッ!ー

 

「うぉ!?な、なんだぁ?!」

 

うぐ……ッ!?い、今ので頭打っちゃった…………ち、近くに誰かいるみ、たいだけ、ど…………ヤバ……いし、き……が…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………う、うぅ〜ん……ハッ!?こ、此処は……?!」

 

あ、あれ?私は一体…………そうだ!確かさっきあのへっぽこ探偵の所為で私のルパンアームズが壊されて、それで確かバランス崩して落ちて頭打っちゃって……え?じゃあ此処って一体何処?どうみても牢屋ではないけど……?

 

ーガチャッー

 

「お、漸く目が覚めたか?」

 

「え……あ、貴方は?」

 

「あぁ、驚かせてしまったならすまない。あんたが急に目の前で降ってきた時はびっくりしてな。しかもその後塀の中から慌ただしい声が聞こえてきて多分あんたが彼処から逃げ出そうとしたんだと思って思わず連れて来てしまったんだ」

 

つ、連れてきた!?え、この人気絶していた私を此処まで運んだって事?!

 

「え、な、なんで?!普通塀の上から来てしかも逃げ出そうとしてるなら普通相手に引き渡すとこじゃないの?!」

 

「あー普通ならな。だが彼処は悪名高い毒蝮の屋敷だったからな。彼処は借金している相手に若くて綺麗な女性がいたらその借金の肩代わりに女性を連れ去っていくって話だ。先月も女性が逃げそうになった所を黒服の連中に取り抑えられてしまったって聞いてたし、あんたももしかしたら同じ目に合ってると思って連れてきたんだが………その口ぶりだと違うみたいだな?」

 

そんな事までしてたのあの富豪!?いやそれよりもこの男、私が人攫いされたんじゃないって分かった瞬間物凄く鋭く睨んできてんですけど!?ま、まさか私このまま警察に突き出されるんじゃ…………!?

 

「……なんてな。まあ一緒に落ちてきたこの黄金像を見ればあんたがこれを盗りに侵入したのは容易に想像出来るさ。しかもあの毒蝮の屋敷から盗ってきたって事は大方どっかから依頼されてこの黄金像を取り返しに来た怪盗ってとこだろ?」

 

ッ!?!?こ、この男、私が持ってた黄金像を見て其処まで判断出来たの?!あのへっぽこ探偵よりも全然冴えてるじゃない!?

 

「そ、其処まで分かるなんて……それで、貴方は私の事どうするつもりなの?まさかこのまま警察に「別にどうもしない、このまま帰るなら好きにしな」……え?!」

 

「ん?どうしたそんな驚いて?まさか本当に警察に突き出されると思ってたのか?」

 

「あ、いや、その……な、なんで私を警察に突き出さないの?自分で言うのも変だけど普通ならこんな怪しい怪盗なんて匿う必要なんて……」

 

そう、怪盗なんてどんな綺麗事を掲げようが所詮は泥棒。相手が如何に悪人であろうとそいつから盗みを働いている事には変わりないのだ。そんな犯罪者を匿うなんて普通ならしないはずなのにこの男はなんで……?

 

「まぁ普通なら確かに匿うなんて事しねぇよな?けどあんたがあの怪盗LCだって言うなら話は別だから」

 

「ッ!?な、なんで………貴方なんで私が怪盗LCだって分かったの?!」

 

「いや認めるんかい?まあ良いんだが……俺の知り合いの探偵やってるシェリンって奴がいるんだが、そいつがよく怪盗LCの事を話してたからな。その時聞いた話に出てきた特徴とあんたが一致する点が多かったのとあの毒蝮の屋敷から黄金像持って出てきたのを見てほぼ間違いないと思ったんだよ」

 

えぇぇぇぇーーーッ?!こ、この男あのへっぽこ探偵の知り合いだったの!?しかもこの洞察力間違いなくあのへっぽこよりも上じゃない!?

 

「怪盗LCが悪人からお宝を取り返したり貧しい人達に支援をしているのは知ってるからな。あんたを目の敵にしているのは悪徳な金持ち達だけだろ。シェリンもあんたを追いかけてるのは怪盗としてではなくて自分と同じ探偵として悪い奴等を捕まえてほしいって言ってたしな」

 

「そ、そうだったの……?」

 

あのへっぽこ探偵、そんな考えで私の事追いかけ回してたの?!初めて知ったんだけど!?けどあいつはあいつなりに私の事を心配してたって事よね………

 

「…………ま、でもあいつと一緒に探偵やってたら面倒事の方が多くなりそうだけどな?あいつ推理力はそこそこあるけど肝心なところで結構やらかすからなぁ」

 

「あ、それ分かるかも。この間だって清掃員に変装した私に気づかずに普通にスルーしてたしw」

 

「あーやっぱりか。あいつこの前だって猫探しの依頼受けたのに捕まえる目前で顔引っ掻かれてそのまま逃げられてたしな。結局その後手伝わされて俺が捕まえたけど」

 

あ、なんか今日のへっぽこ探偵顔に引っ掻き傷があったと思ってたけどそれだったのね?それにしてもあの探偵、私相手じゃなくても結構失敗してるなんてねw

 

 

 

 

 

それから私と彼は話が盛り上がってしまい気づけば明け方までお話しちゃってたんだけど、なんだか久々に楽しい時間を過ごせた感じがする。そう言えば先代から引き継いで怪盗になってからこうして誰かとお話なんて殆どしてなかったような気がするわ…………

 

「……ねぇ、ちょっと聞いても良い?貴方はどうして私を警察に突き出さないって言ったの?さっきは私の事を恨んでいるのは悪徳な富豪だけだって言ってたけど、それでも私がやってる事は……」

 

「……まぁ確かにお前のしてる事は紛れもなく泥棒だからな。でもお前を捕まえたってそれで喜ぶのは悪徳富豪の連中と名誉ばかりを気にする一部の警察上層部だけだ。そんな奴等の為にお前を捕まえる気なんてサラサラないさ」

 

「そ、そう?じゃあ「あ、でもな」え?」

 

「余計なお節介かもしれないが、もう無茶な事だけはしないでくれ。今回も偶々俺が近くにいたから良かったものの、そうじゃなきゃお前今頃牢屋の中だったんだからな?」

 

「…………心配してくれてるんだ?ありがと♪けど、やっぱり私は怪盗である事に誇りを持ってるから。先代であるお母さんもそうだったけど、世の中にいる金と権力で支配しようとする奴等から苦しめられている人達の大切な物を取り返したい。だから私はこれからも怪盗を辞めるつもりはないよ」

 

そう、私のこの気持ちは昔から変わらない。澄ました顔して貧しい人達の大切な物を奪う奴等から奪い返す。これは歴代から続く怪盗LCの、そして私自身の信条だから。

 

「そっか、なら俺からはもう止めはしないさ」

 

「そう?なら私はそろそろ「けど、だったら俺も協力するよ」ッ?!な、何を言ってるの!?私のやってる事は危険な行為なんだよ!?それを協力するだなんて……?!」

 

「それ言ったらお前一人でやらせるのはもっと危険だろ?大丈夫、俺自身身体能力にはちょっとばかし自信があるし、俺の仲間には優秀なハッカーとかもいるから情報収集も今以上にやりやすくなると思うぞ?」

 

「で、でも「でもも何もない。これは俺がやりたいと思ったからやるんだ。それに仲間のハッカーもこういう情報収集は好きだから必ず協力してくれるさ」……どうして?どうして貴方は其処まで危険な事をしてる私に協力しようとしてくれようとするの?」

 

「……俺も、昔から理不尽に周りを苦しめる奴等が気に入らなかった。人を見た目や種族で馬鹿にしてくる奴、相手を騙して奴隷のように監禁しようとする奴、そんな酷い連中を俺は沢山見てきた。だからそんな奴等が好き勝手しているのは我慢出来ないんだよ」

 

…………そっか、この人も平気で人を苦しめる奴等が許せないんだ。それも今の言い方だと私よりも身近にそういう奴等を見てきたんだろう……なんだか彼、少しだけ私に似てる気がしてきたな。

 

「だからお前がまだ怪盗を続けると言うなら俺はお前に協力したいと思ってる。そして、何があっても必ずお前を守ってみせるよ」

 

「…………アハハ♪何それ?まるでプロポーズみたいになってるよ?」

 

「…………あぁ、言われてみたらそうだな?」

 

「フフ、本当に変わった人だね?…………ルイス・キャミー、それが私の名前よ。それで、私の相棒になってくれる貴方の名前は?」

 

「佐々木玲二だ、よろしくな」

 

こうして私と彼、玲二君は固く握手を交わしパートナーとなった。その後玲二君の紹介でハッカーの黛君を紹介されて怪盗稼業を再開したけど……玲二君、お宝を取り返すだけじゃなくて相手の悪事を全て公表して徹底的に潰していて私以上に容赦なかったわ…………

 

そしてその後に玲二君の紹介で表立って仕事出来る場所としてにじさんじって所を紹介してもらったんだけど、まさかあのへっぽこ探偵もいるとは思ってもいなかったわ……まぁ向こうが私の正体に気づいたのはデビューして一年経った頃だけどね?

 

それからアイドル業、怪盗業を玲二君と一緒にこなしている内に何時の間にか彼の事が好きになっていたの。きっと彼となら何処までもやれる気がする、そう思える程に…………だから玲二君、何時の日か貴方の心を盗んであげるからね♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………ん、んん……まだ二時かぁ……」

 

「スゥ、スゥ……」

 

現在私は玲二君と同じベッドで寝ている。私のお腹は今新しい命が宿っていて大きく膨らんでいる所為で怪盗の仕事は出来ないけど、それでも私の心はとても満ちているわ。

 

「……玲二君、貴方がいてくれたから今の私がいるの。だから本当に有難う、そしてこれからもよろしくねマイダーリン♡」

 

ーchu♡ー

 

眠ってる玲二君の頬に軽くキスをして私はもう一度眠りにつく。来月には産まれてくる私達の子供“達”、楽しみだなぁ〜♪

 

 

 

ールイス・キャミー編 完ー




はい、という事で今回はポルカ、こより、ルイスの三人との出会い回でした!結構スラスラと書けて自分でもびっくりしてます(;´∀`)
次回は残り五人の内三人ほど書いてその次に残りの二人を書きたいと思いますので次回もまったりと待って頂ければ幸いです、ではまた!
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