ホロライブ ビルドライバーズ   作:神楽

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気づけばこの小説のお気に入り登録も1500件を超えていました。こんな趣味や妄想前回の小説をお気に入り登録して頂き感謝です!

これからも変わらずこの小説を続けて行こうと思っておりますのでどうぞよろしくお願いします!!m(_ _)m

今回は貴方と出会っての続きです!前回三人で15000文字超えてしまったので今回は二人にしましたがそれでも10000文字に……(-_-;)
今回も最後まで見て頂ければ有難いです、ではどうぞ!


第139話『貴方と出会って7』

ーフレン・E・ルスタリオー

 

はい?玲二さんの事を好きになったきっかけ?そう言えばそんな事を聞いて回ってる人がいるって聞いた事があるけど貴方がそうなんですか?

 

まぁ特に隠す必要もないから答えますけど!あれは私がまだコーヴァス帝国にいた頃の話ですね…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー十数年前ー

 

「フレン、そろそろ支度は済んだか?」

 

「はいお父様!もう準備万端です!」

 

コーヴァス帝国……天界にある国家の中でも騎士の家系が多いこの国に産まれた私も当然のように騎士の家系の娘として育ち、小さい頃からあらゆる武術を師匠である父から叩き込まれていた。

 

そして今日はこの国の同盟国であるお菓子の国との合同訓練に初めて参加させてもらえる事になって私はウキウキしながら今年買ってもらった防具を装備し、いよいよお菓子の国へと向かう準備を終えていた。

 

「うむ、では早速お菓子の国へと向かうとするか。シャルル、我々が留守の間家の事は頼むぞ」

 

「えぇ、貴方こそ無理をなさらずに。フレン、相手の方々にはくれぐれも無礼な真似はしてはいけませんからね?」

 

「はい!では母上、行ってまいります!」

 

こうして私は初めての遠征に興奮を抑えきれず急いで家を飛び出していった。一体どんな訓練が待ってるのか、楽しみだなぁ♪

 

「こらフレン、そっちは空港とは違う道だぞ!全くあの子は本当に世話の掛かるのぅ」

 

「……そういう貴方こそ、そっちの道は空港とは真逆ですわよ?」

 

結局私はお父様譲りの方向音痴の所為で少し遠回りをしてから空港に辿り着いた。お父様と一緒に騎士団長に怒られたけど、これからの事を考えたらへっちゃらだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数時間後、私達は隣国であるお菓子の国の宮殿に招かれ私達は演習前に向こうの騎士団達との交流会を行っていた。周りの騎士達はそれぞれお喋りしてるけど、やっぱり私と同じくらいの子なんていないなぁ……

 

「ほぅ、そちらが新しく入隊したという子ですか?」

 

「あぁ、我が娘のフレンだ。フレン、お前もご挨拶しなさい」

 

「は、はい!フレン・E・ルスタリオともうします!よろしくお願いします!」

 

「おぉ元気な子ですね。それでしたらこちらも彼を紹介しましょう。佐々木くん、こっちに来てくれるかな?」

 

「あ、はーい」

 

向こうの騎士団長の人が呼ぶと向こうから赤ちゃんをおぶった男の子がやって来た。お菓子の国にも私みたいな子供の騎士がいたんだ?でもなんで赤ちゃんをおぶってるんだろ?

 

「どうかしたんですか騎士団長?」

 

「いやね、君ならこちらのお嬢さんと歳が近いから彼女のお話相手になってもらえないかと思ったんだがどうかな?」

 

「話相手に?別に良いですけど……佐々木玲二です、よろしく」

 

「は、はい!フレンです!よろしくお願いします!」

 

私は目の前にいる男の子、玲二さんに握手を求められたのでそれに応じた。うわぁ、男の子の手ってこんなにもしっかりしてるんだぁ……///

 

「むぅ〜……んなぁ〜!」

 

「うぉ?!る、ルーナ!急に暴れるなって!?」

 

そんな私達が握手をしていたら彼がおぶってた赤ちゃんが急にバタバタと暴れ始めた。え、急に一体どうしたの?

 

「いやすまない、ルーナは何故か俺が他の女の子と一緒にいると不機嫌になるんだよ」

 

「なぁ〜!」

 

「そ、そうなんですか……あれ?ルーナってたしかこの国のお姫様の名前だった気が……?」

 

「ん?あぁ、そうだ。この子がこのお菓子の国のお姫様、姫森ルーナだ」

 

「んな!」

 

な、なんと!?この赤ちゃんがルーナ姫!?一国のお姫様がどうして新兵の子におぶさってるの?!

 

「ご、ごめんなさい!まさかルーナ姫が此処にいると知らなかったからつい呼び捨てしちゃって……!?」

 

「まぁ知らなかったなら仕方がないんじゃないか?そりゃこんな一般人の背中に一国のお姫様がおぶさってるなんて誰も思わないだろ?」

 

「んなぁ!」

 

ま、まさかこの国のお姫様がこんな所にいるなんて思わなかった……あれ?一般人?

 

「あ、あの、あなたってお菓子の国の騎士じゃないんですか?」

 

「ん?いや、俺は地上界から来たルーナの遠い親戚だ。今日はルーナが俺に会いたいって駄々をこねたみたいでこうして呼ばれたんだよ。な、ルーナ?」

 

「んなぁ〜♪」

 

?えっと、つまり……玲二さんはルーナ姫の遠い親戚って事は、玲二さんも王族の人って事!?ど、どうしよう!?さっき軽々しく握手しちゃったぁッ!?

 

「…………なんか勘違いしてるみたいだが俺は別に王族ではないぞ?俺の曾祖母さんが双子でその妹がルーナの曾祖母さんってだけだから」

 

「え?そ、そうなんですか?」

 

よ、よく分からないけどつまり玲二さんは王族ではないって事で良いんだよね?良かったぁ〜、もし玲二さんが王族の人だったら私なんかが安々と話して良い相手じゃなかったし。

 

 

 

 

それから数分後……

 

「へぇ、ルスタリオってまだ十歳なのにもうコーヴァス帝国の騎士団に入隊したのか?」

 

「はい!とは言ってもまだ実戦とかは参加出来ないんですが、いつか私もお父様みたいな立派な騎士になるのが目標なんです!」

 

あれから私は玲二さんとすっかり打ち解け今ではすっかり会話を楽しでいる。ルーナ姫はすっかりおねむなのか玲二さんの背中におぶさったままぐっすりと眠っているけど、私が玲二さんに触れそうになると寝てる筈なのに唸ってくるのはなんで?

 

「おーし!それじゃあそろそろ演習を始めるぞ!各自自分の訓練用の武器を準備して訓練場に向かうように!」

 

『はいッ!』

 

あ、もうそんな時間になったんだ?じゃあ私も早く行って支度しないと。

 

「それじゃあ呼ばれたので行きますね。玲二さん、また後で」

 

「おう、またな」

 

さーて、ホントはまだまだお話とかしたかったけど演習だから仕方ないよね。それじゃあ武器を持って訓練場に行かないと!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………ってなんでこんな事になってるんだろう?」

 

「それではまずは先方試合としてコーヴァス帝国よりフレン・E・ルスタリオとお菓子の国より特別参加の佐々木玲二の対決を行う!」

 

「…………いやなんで俺まで参加させられるんだよ?」

 

いや本当になんで?!訓練場に着いて早々に呼ばれたと思ったらさっき別れたばっかの玲二さんがいたんだけど!?え、玲二さんって別に騎士団に所属してるワケじゃないんだよね?なのになんで?!

 

「実は最初はフレンちゃんの相手はちゃんとした騎士団のメンバーにしようと思ってたんだが、こちらにはどうしても君と歳が近い者がいないから急遽玲二君に参加してもらう事にしたんだよ。でも安心してくれ!彼はこう見えて実力は騎士団の新兵レベルはあるぞ!」

 

「いやいや、一般中学生の俺が新兵レベルとかって言い過ぎでしょ?」

 

そ、そんなに強いの玲二さんって!?わ、私は本格的な演習はこれが初めてだけど、ちゃんと戦えるのか不安になってきちゃった………?!

 

「勝敗は相手に一撃を与えるか参ったと言わせた方が勝ちとする。それでは、はじめぇッ!!」

 

ッ!と、兎に角考えるのは後!まずは目の前の相手に全力で挑む!玲二さんには悪いけど、速攻で倒させてもらいますッ!

 

「でりゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」

 

ーバッシイィィィィィンッ!ー

 

「……ってえぇぇぇぇッ!?」

 

な、何で!?なんか玲二さん私の振り下ろした木刀を指二本で止めちゃったんだけど?!そんなの出来るのってマンガやアニメの世界だけじゃないの?!

 

「……イッテェーーーッ!?思ってた数倍痛ぇーーーッ!!」

 

って痛いんかい!?じゃあ出来るって確信あってやったワケじゃないの?!

 

「イテテ、父さんの真似事なんてするんじゃなかったわ。普通に痛いなコレ……?」

 

「…………え、玲二さんのお父様って普通にそれ出来るの?!えっと、玲二さんの家系って本当に一般人なんですか……?」

 

「ん?まぁ普通に一般人といえば一般人だな。割りと昔からトレーニングとかはしてるけどそれ以外は特に何もしてないからな」

 

そ、そうなんだ……?ま、まぁちょっと驚いてしまったけど、それなら遠慮なく全力でいかせてもらいますッ!

 

「ハァァァァーーーッ!」

 

「よっ!ほっ!はっ!」

 

ーガキィンッ!ガキィンッ!ガッキィンッ!ー

 

だ、ダメだ、全部防がれてしまう!?まるで私の動きを読んでるみたいに……!?

 

「おーし、今度はこっちの番だな。いくぞルスタリオ!魔神剣(真似)!」

 

ーブオォンッ!ー

 

「ッ?!危なッ!?」

 

な、何今の?!玲二さんの振った木刀から衝撃波が飛んで来たんだけど!?

 

「からのぉ……風神剣(真似)!」

 

ービュウゥンッ!ー

 

「キャアッ!?」

 

こ、今度は何?!なんか風まとった突きをされたんだけど?!これ絶対に玲二さん一般人なんかじゃないでしょ!?

 

「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!?なんですか玲二さんのその技は?!」

 

「ん、これか?これは俺のやってたゲームの技を見様見真似でやってみたんだよ。案外イケるもんなんだな?」

 

えぇぇぇぇッ!?そんな技が覚えられるだなんて、ゲームって凄い……!?

 

※普通は見様見真似では出来ません。

 

「さぁて、そろそろトドメといきますか!ハァァァァ……ッ!」

 

ッ!す、凄い気迫……これは間違いなくまともに受けたらやられてしまうッ!?そう思って私はとっさに木刀を構えて防御態勢をとった。そして玲二さんはそのまま高くジャンプして……

 

「ハァァァァッ!轟絶・魔神ケェェェェェェェンッ!!」

 

ードッカアァァァァァァァァァァァァァァァンッ!!ー

 

「キャアァァァァァァーーーッ!?」

 

そのまま私の目の前で木刀を振り下ろし凄まじい衝撃波を放ち、その衝撃で私達の木刀は砕け私もふっ飛ばされてしまった。

 

「其処までッ!両者の武器が同時に損壊!よってこの勝負引き分けとする!」

 

……お互いの木刀が壊れた事で試合は引き分け。でもこの勝負は誰が見ても私の完敗だ。悔しいなぁ………

 

「大丈夫かルスタリオ!?すまない、つい本気になってしまった……」

 

「…………いえ、確かに悔しいですけど、此処まで一方的に負けると逆に清々しいです。でも、次やる時は絶対に負けたりしませんからね!」

 

確かに負けて悔しいけど、でもそのお陰で私には明確な目標が出来た。この人を、玲二さんを超える強い騎士になってみせるって目標が!

 

「そっか、なら俺もそう簡単に負けるワケにはいかないな。ほら、立てるか?」

 

「あ、ありがとうございまーガシャーンッ!ー……え?」

 

…………あれ?今立ち上がった瞬間に何かが落ちたような……それになんだか胸元がスースーするような…………ツ!?//////

 

「き……キャアァァァーーーーーーッ!!」

 

ーバッゴォォォンッ!!ー

 

「ブヘラァッ?!」

 

……さっきの衝撃波でどうやら私の防具が壊れ、更にインナーも破れて私の成長中の胸が露わになってしまいあまりの恥ずかしさに思わず玲二さんにフルパワーのアッパーをしてしまった。だって女の子だったら胸見られたら誰だって恥ずかしいじゃんッ!!//////

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………なぁルスタリオ?その、胸を見てしまったのは悪かったと思うけどそろそろ機嫌直してくれないか?」

 

「……………………」

 

あれから訓練が終わってみんなで打ち上げに参加していたんだけど、私は玲二さんと目を合わせられずにいた。けれど確かに胸を見られてしまったのは恥ずかしかったけど私が目を合わせられずにいたのはそうではなく玲二さんにアッパーをくらわせてしまった事に罪悪感を感じて目を合わせられずにいたのだ。

 

「……別に玲二さんは悪くないですよ。戦場ではこういった事はよくあるみたいですから」

 

「いやでも見てしまった事には変わらないから……せめて何かお詫びをさせてくれないか?じゃないと俺自身が許せないからさ」

 

お詫びだなんて、玲二さんは本当に悪くないんだからそんな事しなくたって………でもそれなら

 

「……フレン」

 

「え?」

 

「私の事はルスタリオじゃなくてちゃんとフレンって呼んでください。それと、明日一緒にこの街で有名なパフェのお店に行きましょう。それでこの話はチャラにしてあげます」

 

「あ、あぁ……分かったよフレン。是非奢らせてもらうよ」

 

……別に奢って貰わなくてもいいんですけどね?でもこれで玲二さんとお出かけが出来る!楽しみだなぁ〜♪

 

 

 

……出会った時からなんとなく玲二さんに惹かれていた。正直この気持ちの正体はこの時はまだ分からなかったけど、それでも玲二さんと一緒にいられるこの一時は本当に暖かい気持ちになれたんだ。だから玲二さん、こんなドジな私だけどこれからもよろしくね♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃……

 

「うなぁーーーーーーッ!!」

 

「た、大変だ!ルーナ姫がご乱心になってるぞ!?」

 

「お、落ち着いてくださいルーナ姫!?今新しいおやつをお持ちしまーバコーンッ!ーあ痛ぁッ!?」

 

玲二とフレンが良い感じになってるその頃、何かを察したのかルーナの機嫌が大層悪くなり周りにある哺乳瓶やガラガラ等のおもちゃを周りに投げながら暴れ出したのであった。

 

 

 

ーフレン・E・ルスタリオ編 完ー

 

 

 

 

 

 

 

ー樋口楓ー

 

あ?玲二さんとの出会いやって?なんであんたに話さなきゃアカンのや?ってかお前誰や?場合によっちゃお前の事……は?こよちゃんとこの助手?こよちゃんの命令で皆に聞いて回ってる?なんじゃそりゃ?…………まぁそれなら少しくらい話したるわ。あれはまだワイが高校に入学したての頃やな…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー数年前ー

 

ーバキッ!ドゴォッ!ー

 

「ぶへぇッ!?」

 

「つ、強ぇッ!?この女マジでヤベェぞッ!?」

 

「チクショウッ!覚えてやがれクソ女ぁッ!!」

 

「…………ケッ、んな三下みたいなセリフ吐くヤツ誰が覚えとくか」

 

……あーあ、またやってもうた。あいつら性懲りもなく私に喧嘩売ってきよってからに………

 

「ニャ~……」

 

「おーよしよし、怖がらせて悪かったなぁ〜。怪我とかしてへんかぁ〜?」

 

そんな私の足下に小さな子猫が擦り寄ってきた。この子は前からこの場所に住み着いていたみたいやけど、親猫はいないらしく見つけた時は酷く衰弱しとった。私の家は動物が飼えない環境だったから仕方なく其処で育てる事にして必死の介護の結果、多少歩ける程にまでは回復出来たんや。

 

「ほれ、ごはん持ってきたで、ゆっくり食べな〜♪」

 

「ニャ~」

 

私の用意したごはんを子猫は嬉しそうにあむあむと食べとる。今の私にはこんくらいの事しか出来へんけど、この子が回復するまではちゃんと面倒みとかんとなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー翌日ー

 

「おい聞いたか?また樋口が他の学校の不良共と揉めたんだってよ……」

 

「また?この間だって二人病院送りにしたって話じゃん……?」

 

「先生達にも注意されてるのに全く聞く耳を持たないって言うし……」

 

「流石鬼神の樋口様ってところか?おぉ怖い怖い……」

 

「……………………」

 

……あいつ等、人が大人しくしておったら好き勝手言いやがって……まぁえぇわ、元々誰かとつるむのは好きやないし、弁解すんのもめんどいから向こうから何もしてこないなら好きなだけ言わせておけばえぇ。

 

……それよりも心配なんはあの子猫や。あの子、今頃どうしとるんかな?最近だと結構動けるようになってるから簡単なおもちゃでも持っててあげよっかな♪なら放課後はまずペットショップに寄ってからあの子の所にいこっか。

 

 

 

 

 

…………そん時はまだ私は知らんかったんや。この後あの子猫にあんな事が起きるだなんて…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おーし、今日は奮発してちゅ〜るも買ってあげたからな、あの子もきっと喜んでくれるやろ♪」

 

放課後になって私は子猫の為にごはんとおやつ、そしておもちゃを買って急いで何時もの路地裏に向かってた。少し遅くなったからあの子も寂しがってるかもしれんしはよ行かんとな。

 

「おーい猫ちゃーん!今日も来てあげたで〜♪今日は特別におやつ、も…………」

 

ーバサッ………ー

 

…………何時もの場所に着いて、その光景を見て持っていた袋を落としてしまった。

 

……なんやこれ?なんであの子が血まみれで倒れとんのや?一体何があったんや?なんで……誰がこんな事しよったんや?

 

「おい!お前どうしたんや?!一体何があったん?!」

 

「…………ミィ」

 

ッ!良かった、まだ息はある!けどかなり衰弱しとるから早く病院に連れてかんとッ!?

 

「おぅ、テメェが鬼神の樋口か?俺の子分どもを随分可愛がってくれたみたいだなぁ?」

 

「…………あ?」

 

子猫を病院に連れていこうとする私の目の前に巨体で坊主の男が現れた。なんやこいつ?

 

「おい、誰か知らんけどとっとと退けや!はよしないとこの子が……!」

 

「あぁん?チッ、まだそいつ生きてやがんのか?チビのクセにしぶといヤツだな」

 

…………あ?こいつ今何言った?まだ生きてやがんのかって、まさかこいつ……ッ!?

 

「………あんたか?この子をこんな目に合わせたんは?なんでこんな事したんやッ!?」

 

「ケッ、うるせぇ女だなぁ?俺はなぁ、大の猫嫌いなんだよッ!それなのにこいつ俺の足に擦り寄りやがったんだ、これは当然の報いなんだよッ!!」

 

「巫山戯んなッ!何が報いや!?この子は衰弱しとって、やっと回復してきたとこやったのに!お前には人の心はないんか?!」

 

「あーもうホントにギャーギャーウルセェ女だなぁッ!?いいか、俺はこの街で一番強いんだ!強いヤツは弱いヤツに何をすんのも勝手、それが弱肉強食の世界なんだよッ!!」

 

ッ!こいつ、なんて自分勝手な奴なんや?!けどこんな奴の相手なんかしてられん、さっさとこの子を動物病院に連れて行かんと!

 

「お前のくだらない戯言なんてどーでもえぇわ!はよこの子を病院に「おっと、行かせるかよ?テメェには俺の子分を可愛がってくれたお礼をたっぷりしねぇとな?おいお前等!こいつにやられた分しっかり仕返ししてやんな!」な……ッ!?」

 

気づけば私の周りに四、五人の不良共が出てきて囲まれてしまった。こいつ等、最初から私に仕返しする為に此処で待ち伏せしとったんか?!何時もならこんな奴等なんて簡単にやり返すんやが、今は子猫を抱き抱えてるから手ぇ出すが出来へん……此処はなんとかしてこの場所から逃げないとアカン!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー数分後ー

 

「ケッ、散々偉そうにしていた鬼神様もこんなもんなんだなw」

 

「しかもこいつ、こんな薄汚い猫守る為に俺達に反撃してこねぇし良いサンドバッグだぜ♪」

 

「ぐ、うぅ…………」

 

……あれから暫くはなんとか向こうの攻撃を躱してたけど背後から不意打ちをくらい其処から集団リンチを受けてしまった。なんとか子猫に被害を受けないようにはしとったけど、その所為でもう身体はボロボロの状態になって倒れてしまっていた…………

 

「…………ミィ」

 

「ぐ……大、丈夫や……わた、しが必ず、お前を助け、てあげ……るから……」

 

「フン、鬼神の樋口と呼ばれてるからどんな奴かと思えば、そんなきったねぇ猫を庇うのに必死になるなんて馬鹿な奴だぜ!そんなにその猫が大事ならお望み通り纏めてあの世に送ってやるよぉッ!!」

 

そして男は私達にトドメを刺すために足を上げそのまま私達に向かって踏みつけようとしてきた。もう私はダメかもしれん、けれどもせめてこの子だけでも守らないと…………ッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーガシッ!ガッ!ー

 

「へ?うぉッ!?」

 

ーズッシイィィンッ!ー

 

…………?な、なんや今の音?まるで何かが倒れたような音やったけど……ってなんかなあの男倒れとるんやけど!?一体何があったん?!

 

「痛っててて……おいテメェ!一体何しやがるんだ?!」

 

「…………おいお前等、この娘に一体何してたんだ?」

 

?な、なんやこの男?いきなり現れてリーダーの男を倒したんやけど何者なん……?

 

「あぁん?んなのテメェに関係ねぇだろ!?それともテメェもこいつみてぇにボコられてぇのか?!」

 

「…………どうやらお前等が一方的にその娘を殴ったりしてるようだな?なんでそんな事をした?」

 

「ウルセェよッ!こいつは俺の可愛い子分達を傷つけたから当然の報いなんだよッ!それにこの世は弱肉強食!弱いヤツ等は俺みたいな強いヤツに蹂躙される!それがルールなんだよぉ!」

 

「……そっか、ならそんなくだらない弱肉強食がお前等のルールだって言うからには…………こっからテメェ等自身が何されても文句は言えねぇよなぁ?」

 

ッ!?な、なんや?!この男、突然雰囲気が変わったんやけど!?今までに感じたこともないくらい、なんちゅう気迫や?!

 

「な、なんだこいつ……!?おいお前等!この女始末する前になんかヤバそうなこいつを先に殺るぞッ!」

 

『お、オッスッ!!』

 

「ハァ、兄貴ではないけど、馬鹿な奴の相手をすんのはしんどいな……まぁいいや、さっさと終わらすか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー数分後ー

 

「が、がはッ!?ハァー、ハァー……!」

 

「おいおい、あれだけ息巻いていた癖にもう終わりかよ?」

 

す、凄い……!?この男、たった数十秒で周りの子分達全員やっつけたし、リーダーの男も全く何も出来ないままふっ飛ばされた……!?

 

「ぐ、うぐぐぐぐぅ……!あ、あり得ねぇ、この街で一番強ぇ俺がこんなヒョロい奴にヤられるなんて……?!」

 

「ハッ!何がこの街一番で強いだ?お前なんか兄貴のとこの隊員の足下にも及ばねぇよ」

 

「黙れぇッ!こうなったら……まずはこの女から潰すだけだあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」

 

「ッ!?」

 

こいつ、逆上して私の方に向かって来た!?マズい、せめてこの子は守らんと……ッ!?

 

ーガシィッ!ー

 

「ぬおぉッ!?」

 

「……おいテメェ、一番強いとか吐かしたクセに倒れてる女の子を狙うなんてどういう神経してんだよ?」

 

え!?は、速い!?何時の間にかさっきの男が私の前に立ってリーダーの男の腕を掴んで止めよった!

 

「……テメェに最後に一言言わせてもらうぜ?テメェは自分のやってきた事を武勇伝みたいに自慢げに喋ってたけどな…………テメェのは武勇伝でもなんでもねぇ、唯の犯罪者の戯言だあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」

 

ーバッコオォォォォォォォォォォォォォオンッ!!ー

 

「ブヘラァッ!?」

 

そして男の最後の一発を顔面に受けてリーダーの男はぶっ飛ばされて壁にめり込んでそのまま気絶してしまった。ど、どんだけパワーあんねんこいつ……?!

 

「……ふぅ、まぁこんなとこだろうな」

 

「お、終わった…良か…た……」

 

「ん?お、おいお前、大丈夫か?!しっかりしろ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………………ん、んん………ハッ!?こ、此処は……?」

 

あ、あれ?私は……せや、あの不良共から子猫を守って、それで其処にやって来た別の男に助けられて……そっか、多分気が抜けて気ぃ失ってたんやな?せやったら此処は何処なんや?

 

ーガチャッー

 

「あ、どうやら目が覚めたみたいだね?」

 

「へ?あ、あんたは……?」

 

「あぁ、急に現れてびっくりさせちゃったかな?俺はカズマ、修理屋の店主兼なんでも屋さ」

 

しゅ、修理屋?なんでそんな奴のとこに私が……ってそれよりもあの子猫は?!

 

「スゥ…スゥ…」

 

「あ…………お前、大丈夫やったんか?」

 

「あぁその子かい?本当に危なかったな、普通の動物病院じゃ絶対に手遅れなレベルだったから治すのも一苦労だったよ」

 

「え?な、治したって、修理屋のあんたが……?」

 

「いやいや、今言ったでしょ兼なんでも屋だって。これでも日本で得られる国家資格は全て修得してんだぜ?まぁ半数近くが人には言えない方法だけどなw」

 

なんやそれ!?ま、まぁ取り敢えずこの子は無事だった事が分かっただけでも良かったわ……

 

「あ、あの、助けて頂いてありがとです……」

 

「ん?あーお礼なら俺じゃなくて佐々木に言ってくれ。あいつが君とその子を俺の所にまで運んで来たんだから」

 

佐々木?それってもしかしてさっき私等を助けてくれたあの男か?あの人、気絶しとった私を此処まで運んでくれたんか……?

 

ーガチャッー

 

「はぁー、やっと終わったぁ」

 

「おー丁度良いとこに来たな佐々木。ほら、この子目が覚めたみたいだぜ」

 

「お、本当か?そりゃ良かった」

 

そんな話をしていたらさっきの男が部屋に入ってきた。それにしてもあんだけ戦ってたのに怪我一つしてへんなんて、よっぽど強いんやろな………ってそんな事よりもちゃんとお礼言わんと!

 

「あ、あの!助けて頂いてありがとございます!あん時あんたが助けてくれなかったらこの子も危なかったし……」

 

「あーまぁほぼ偶然だけどな?偶々隣のラーメン屋で飯食って外に出たら路地裏側からなんか変な音がしたから見てみたらあの馬鹿共にお前が殴られててびっくりしたぞ」

 

そ、そうやったんや?なら本当にあの時偶然この人が来てくれなかったたら私達危なかったんやな……?

 

「……で、そんなお前はなんであんな場所で殴られたりしてたんだ?」

 

「え、えと……この子に餌をあげに行って、それであいつ等にこの子が襲われて、それで思わず……」

 

「ほぉ、成る程な……ん?という事はその子野良なのか?まさかお前、野良猫を守る為にあんなに必死で……?」

 

「ッ!野良だからなんや!?この子は私が見つけるまで酷く衰弱しとったんや!それを助けようとして何が悪いんやッ!?」

 

例え野良だろうと、家で飼えないからといってこの子を見捨てるなんて出来るワケがない!それを否定しようと言うなら例え恩人やったとしても……ッ!

 

ーギュッ……ー

 

「…………え?」

 

「……すまない、そういう意味で言ったワケじゃないんだ。例え野良だったとしてもお前はこの子を守ってくれたんだ。お前のあの時の行動は少し無茶だったが、それでも小さな命を救った立派な事だ。偉かったな」

 

……佐々木という男が私を抱きしめ頭を優しく撫で、そして私の事を褒めてくれた……なんやろう、昔父親から頭を撫でられた時みたいな安心感がある。それにこの人は私が子猫を守った事を立派だと言ってくれた。それを聞いて思わず涙が溢れそうになってしまう。

 

「…………なんでわざわざ抱きしめとるんですか?」

 

「え?あ、あぁすまない、妹とかが怒った時にこうしてやると落ち着いてくれたからつい。いきなりこんな事されて嫌だったよな?」

 

「いえ、少し驚いてびっくりしただけです……すんません、出来ればもう少しだけこのままでいさせてください」

 

「……あぁ、分かったよ」

 

そして私は暫くの間佐々木さんに抱きしめてもらい、その胸の中で少しだけ涙を流した。これが私と佐々木さん、いや玲二さんとの出会いや。そして私達の命を救ってくれた玲二さんに一生ついて行こうと決めた日でもあったな。この人に助けられた分、絶対にこの人に恩返しをしていこうってな♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「スゥ……スゥ……」

 

「ふぅ、やっと寝ついたなぁ。ほな少しだけ一息いれよかな」

 

「ミィ〜」

 

「ん?ミィちゃんどないしたん?もしかして椛とお昼寝してくれるんか♪」

 

「ミィ〜♪」

 

あの時助けた子猫は玲二さんの説得で飼うことが許されてた。ミィって鳴くからミィちゃんって名前にしたんや、可愛いやろ?そんでミィちゃんは椛の横にくっつくと丸くなってそのままねんねしていった。

 

「フフ、やっぱミィが一番椛が好きなんやな〜♪他の猫達よりもぴったりくっついとるし♪なんだか見てるだけで幸せやわぁ〜♪」

 

玲二さんがいて、椛がいて、猫達がいて、そしてにじさんじの仲間達がいるこの幸せ。こんな幸せがずっと続けばえぇなぁ〜♪

 

 

 

ー樋口楓編 完ー




はい、という事で今回はにじさんじよりフレンと楓の二人でした!フレン編でルーナがチラッと出てきましたがルーナはちゃんと別の話で書きますのでお待ち下さいませm(_ _)m

それでは次回も貴方と出会ってとなります!次回もまったりと待って頂ければ幸いです、ではまた!
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