ホロライブ ビルドライバーズ   作:神楽

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ついこの間駿河屋に行ったらなんと、リンドブルムとエクスインパルスが売ってあったので即買いしてしまいました!けど合計15000円はなかなか痛手でしたね……(^o^;)

今回はシロ達の拠点であるドットライブからです!予選ミッション用のガンプラを制作する中、何やら怪しげな雰囲気が……?今回も最後まで見て頂ければ有り難いです、ではどうぞ!


EP08『破壊の申し子』

玲二達がIS学園に出向いていた その頃、地上界にあるドットライブの事務所ではシロとヒメとヒナがミッションに向けての新しい機体を組み立てていた。

 

「うーん……やっぱりハシュマルと戦うならオルフェンズのガンダムタイプが良いのかな?シロ、あんまりガンダムタイプ作った事ないからどういうのが良いんだろ?」

 

「ネオジオングとの戦いだと普通の武装だと簡単に壊されちゃうから格闘特化にした方が良さそうだけど、そうなると宇宙世紀仕様縛りなのがネックだよね……?」

 

「えーとえーと…………うわぁーん!どうしてもスピード特化の機体バランスが上手くいかないよぉーーーッ!?」

 

三人ともそれぞれ既に別々のミッションを二つずつクリアしているのだが此処で困った事があり、シロはハシュマルとのバトルで攻撃が通らず連敗しておりヒナはネオジオングとのバトルで武装を壊されあっけなくやられてしまっていた。更にヒメはレースミッションに何度も挑んではいるがスピード特化にも関わらず絶妙なバランスを維持している敵機に連敗を重ねていたのであった。

 

「でもそもそもシロ、ガンダムタイプのガンプラそんなに持ってないからな〜……ねぇ馬P、オルフェンズのガンプラって何か良いのないかな?」

 

「はいはいはいはい、それならこのアスモデウスやバルバトスルプスとかはどーだろうかな?」

 

シロは近くにいた頭がまんま馬な男、ドットライブの担当プロデューサーである馬Pこと『ばぁちゃる』にオルフェンズのガンプラがないかと聞くとすぐに何体か見繕ってくれたがシロの表情は曇ったままであった。やはりガンダムタイプよりザク等のジオン系を好むシロにはあまり気が進まないようである。

 

「おやおや?あんまり気乗りしませんかな?」

 

「うーん、やっぱりガンダムタイプってどうしても好きになれないんだよねぇ……」

 

「みるくもザクがいい〜」

 

傍で眺めていたシロの娘のみるくもあまりお気に召さないようで箱絵を見ただけでプイッと首を反らしていた。

 

「うーん……ではこれらをザクとミキシングするのはどうですかな?そうすればオルフェンズ仕様のザクが作れるかもしれませんし、上手くいけばネオジオングのミッションもそれで参加出来ますよ♪」

 

「ザクとのミキシング……そっか、ガンダムが気に入らないならザクに変えちゃえば良いんだ♪よーし!」

 

ばぁちゃるのアイディアにシロの創作意欲が湧いたのかシロはすぐにザクIIとバルバトスルプスとアスモデウスの箱を全部開けて全てのパーツを説明書を見ずにカットしていく。どうやら頭の中で既にある程度の改造案が浮かんでいるようだ。

 

「うーん、サイコシャード発生器を発生させられたら武装はほぼ破壊されてしまう。ならサイコシャードを発生させる前に倒せる程の出力を底上げした機体にするべきなのかな……ううん、それじゃあサイコシャードを発生させられたらもう打つ手がない。やっぱりサイコシャードの影響を受けないように格闘戦特化型に振り当てる?でもそれじゃあネオジオング本体に近づくのが難しくなっちゃうし……」

 

ネオジオングとの戦いにおいて一番の難点であるサイコシャード発生器。これを発動されたら武装の電子機器に干渉されて自壊に追い込まれてしまう。そうなれば大概の機体は戦う術を失ってしまう。つまりはサイコシャードを発生される前にネオジオングを叩くか、サイコシャードを発生されても影響のない実体剣等の武装で対抗するべきなのだが、何れにしても難しい話である。

 

「いけーふぁんねる〜!ぴゅーん♪」

 

「あ、ユメちゃんνガンダムで遊んでるの〜?良いね〜♪……ん?ファンネル……」

 

横でνガンダムのファンネルで遊んでる娘のユメを見てヒナは何か閃いたのか持ってきたプラモから何かを探し始める。

 

「……ッ!あった!これなら勝てるかも!ありがとねユメ〜♪」

 

「?あーい♪」

 

ユメにヒントをもらえて嬉しくなり抱っこするヒナ。ユメは何の事か分からずポカンとしてたが母親が嬉しそうに笑ってるのを見て同じように笑顔になっていくのであった。

 

「えっと、バーニアを増やしてよりスピードを上げる?でもそんな事したら制御できなくなっちゃうし機体が持たずに爆散しちゃうかもしれない。じゃあそれを補う為に装甲を増やす?いやけどそれじゃ結局スピードを落としてしまってバーニアを増やす意味がなくなっちゃう……うわぁーん!もうどーすれば良いんだぁーーーーーーッ!?」

 

一方ヒメはレースミッションの為の機体を何度も改造していたが、スピード特化型の機体はバランスを保つのが本当に難しいのである。安易にバーニアを増やしてしまえば瞬発的なスピードは出るだろうが操縦するのが難しくなってしまい急カーブで曲がれず壁に激突してしまう事もある。それ以前に高出力のバーニアを一気にブーストすれば当然機体がそれに追いつけず走行中に崩壊してしまうだろう。『MS IGLOO』に登場したヅダが良い例である。かと言ってそのバーニアに耐えられるだけの装甲を確保したらそれはそれでスピードを殺す原因になってしまう。実質プラマイゼロ、いや下手すればマイナスになってしまうかもしれない。

 

そしてその困難さを更に高めてしまっているのがヒメ自身である。ヒメはシロやヒナ、そして今此処にいないがクロと違ってガンダムの知識が乏しくヒナから教えてもらってる状態なのだ。それ故に設定を度外視し過ぎた改造ばかりをしてしまい機体がそれに追いつけていない状態なのである。だが今から機体性能について一から学ぶのは時間的に猶予がない。仕方なくヒメは今ある知識だけを頼りに改造を進めていくのであった。

 

「めめ!もっとはやくはやくぅ〜!」

 

「も、もぉ無理、身体が持たない……」

 

「どーしためめちゃん、体力落ちたか〜?」

 

「だ、だってもぉ二時間もおうまさんやってるんだよぉ……馬P代わってよぉ〜……」

 

「あーすいませんが私はこれから恒例の愛包ダンスを踊らないといけないので」

 

「そんなのPV以外でやった事ねーだろぉーーーッ!?」

 

ヒメが悩む中部屋の角ではシロと同じドットライブに所属する羊とアルパカと人間の混合種である『もこ田めめめ』がヒメの愛娘リナを背中におうまさんをやっていたが、流石に二時間ぶっ通しでやっていたのかヘロヘロになっていた。それを近くにいた和服の女の子『ヤマトイオリ』はケラケラ笑いながら見ていた。

 

「めめ!つぎはばいくがいい!ぶーんぶーん!」

 

「も、もぉ勘弁してぇ〜……」

 

「こらリナちゃん、めめめちゃんを困らせたらダメだぞ〜……ん?」

 

その時、ヒメの脳裏に何かが閃いた。

 

「………馬の次はバイクに……馬からバイク…………そっか!それなら!」

 

ヒメはスマホで何かを検索し始め、そして画面に映る画像を見ながら部屋にあるプラモから幾つかのパーツをピックアップして構想を練り始める。

 

「……うん!これなら絶対にいける!リナちゃん、ありがとね~♪」

 

「うゅ?」

 

ミッションクリアの糸口が見え嬉しさのあまりリナを抱っこして喜ぶヒメ。当の本人はなんの事か分からずキョトンとしており、やっと解放されためめめはその場でぐてーと横たわるのであった。

 

これで三人共それぞれのミッションクリアを目指す為の機体を作ろうとした、その時……

 

―ピリリリリッピリリリリッ―

 

「あれ、電話だ?誰からだろ……あ、すずちゃんからだ。どうしたんだろ?」

 

突如シロのスマホに着信音が鳴り画面を確認すると、其処には同じドットライブのメンバーの一人『神楽すず』の名前があった。何事かと思いつつシロはすぐに電話に出る。

 

―ピッ―

 

「もしもし、すずちゃ《シロさん!大変なんですッ!!》……い、いきなりどうしたのすずちゃん?」

 

電話に出るやいなやいきなりスピーカーから大声が鳴り響きシロは耳がキーンとなってしまったが、すずのこの感じからしてただ事ではないと悟り何があったかを確認する。

 

《今私、事務所の近くのゲームセンターに来てるんですけど、現れたんですよ!あいつがッ!》

 

「あいつ?あいつって一体…………ッ!まさか!?」

 

「そうです…………クラッシャーが現れたんですッ!!

 

クラッシャー、今ガンプラウォーズで自身をガンダリウムランカーの一人、デッドブレイカーであると名乗り各地で他のバトラーに勝負を仕掛けては倒し、そして戦った相手のガンプラを破壊するという害悪行為を繰り返すバトラーである。

 

「クラッシャーが!?……あれ?でも確かそのゲームセンターには……?」

 

《そうなんです!今クロさんがトレーニングをしていたんですが、その最中にクラッシャーが乱入してきて絡まれてしまったんです!しかもいきなりの事で一方的にやられてしまって、なんとか抵抗こそはしてますがこのままだと負けるのも時間の問題です!》

 

なんという事か、今トレーニングの為に出ていたクロが事務所近くのゲームセンターでプレイしていたのだが、其処に運悪くクラッシャーが現れて乱入されてしまったようだ。このままではクロのガンプラが壊されてしまう。そう感じたシロは電話を切り自分のガンプラを持って事務所を出ようとする。

 

「シロちゃん!?まさかクラッシャーと戦いにいくつもりなの?!」

 

「ダメだよシロちゃん!クラッシャーに負けたら大事なガンプラが壊されちゃうんだよ!?」

 

「でも!このままじゃクロちゃんのガンプラが壊されてしまうんだよ!?そんなのシロ、絶対に許さないんだからッ!馬P!悪いけど少しの間みるくの面倒見てあげて!」

 

「はぇ!?ちょ、ちょっとシロちゃん!?」

 

めめめとイオリが止めるもシロはばぁちゃるにみるくを預け急いでクラッシャーの現れたゲームセンターへと向かって行く。

 

「待ってよシロちゃん!ヒメ達も行くよぉ!」

 

「ヒナも!ばぁちゃるさん、悪いけどユメとリナの面倒見てて!」

 

「え!?」

 

そしてヒメヒナの二人も子供達をばぁちゃるに預けシロの後を追うように事務所を出ていくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後……

 

ゲームセンターへと到着したシロ達。急いで来た所為で息が切れているが、そんなのは気にせずクロを探し始める。

 

「ハァ、ハァ……つ、着いたけど、クロちゃんは何処に……?」

 

「あ、シロさん!こっちですよ!」

 

と其処にいたすずに手招きされシロ達はガンプラウォーズの筐体が置かれている場所まで移動する。すると他のバトラーが巨大スクリーンの前に集まっていて、其処には……

 

 

 

―バキィンッ!ドゴォッ!―

 

「くうぅ……ッ!?」

 

「オラオラオラァッ!その程度かよぉッ!?」

 

スペースデブリが犇めく宇宙空間で一機のインパルスガンダムが赤黒いエピオンに蹂躙されている場面が映し出されていた。

 

「あれって、クロちゃんのマグナムフォックス!それじゃああのエピオンが……!?」

 

「はい、あれがクラッシャーの機体の『エピオンクラッシャー』です!」

 

 

『HG インパルスガンダム マグナムフォックス』

『HGCE ブラストインパルスガンダム』をベースに新が改造した機体。全体を黒、一部パーツを赤色で塗装することで、クロっぽさを出している。近接特化の『カタナ』と異なり、こちらは射撃特化となっている。ケルベロスとデリュージーはオミットされ、新がスクラッチした狙撃銃『黒狐』と散弾銃『金狐』、リボルマグナムが設置されている。こちらにもバディシステムが搭載されており、『カタナフォックス』がいると性能を最大限まで引き出すことができる。

 

 

『RG エピオンクラッシャー』

『新機動戦記ガンダムW』に登場した本編のラスボス的位置に属するガンダム。この機体には近接戦闘用武器しか備わっていないが本機は其処から更に相手の装甲を破壊する為の鋭利さを増したヒートロッドやRGゴッドガンダムのアームを改造して装着した拳により相手を徹底的に叩きのめす為の機体に仕上がっている。またフェイスもガンダムタイプからシナンジュをミキシングしたモノアイタイプに変更されている。

 

 

「あれが、クラッシャーのガンプラ……!?」

 

「酷い……こんなのバトルじゃなくて唯の虐殺だよ……!?」

 

遅れて到着したヒメヒナもスクリーンに映る悲惨な光景に思わず目を背けそうになってしまった。クロのマグナムフォックスは既に半壊状態でエネルギー残量も後僅かなところまで追い詰められてしまっていた。

 

「ままぁ……」

 

「グッ……大丈夫だ黒子、ママは負けたりしないからな」

 

「キシャシャシャ!そんな事よくほざけるなぁ?お前のその機体は既に限界じゃねぇか!このバトルが終わったらそのガンプラを今みたいに粉々に砕いてやるよぉッ!」

 

―ガキィンッ!バキッ!ドガァッ!―

 

「む、惨い……」

 

「お、おい誰か助けてやれよ……?」

 

「い、いやだって、あいつに負けたら俺達のガンプラだって……」

 

クロが一方的にやられているのに他のバトラー達は日和ってしまい助ける事も出来ない。そんな光景を見てシロは覚悟を決めて筐体へと向かっていく。

 

「シロちゃん!?まさか、乱入するつもりなの?!」

 

「ダメですよそんなの!?そんな事したらシロさんのガンプラだって「でもこのままじゃクロちゃんの大切なガンプラだって壊されちゃうじゃん!それに誰も助けようともしないし、だったらシロがクロちゃんを助けるもん!」シ、シロさん……!?」

 

ヒメヒナとすずに引き止められるもそれを振り払いシロは筐体へと入り持ってきたガンプラをセットして乱入モードを選択してクロ達のバトルに介入していく。

 

(正直ガンダムタイプは苦手だけど、今そんな事言ってる場合じゃない!お願い、もう一つの世界のシロ、今だけでもシロに力を貸してッ!)

 

「シロ・デンノール!『ホワイトルインガンダムリンカネーション』、行くよ!」

 

 

『HG ホワイトルインガンダムリンカーネイション』

Anotherに登場したシロの機体『ホワイトルインガンダム』を再設計する予定だったが、ルインを設計する段階で頓挫してしまったため1から設計し直している。本来ルインは外部装甲である『ディマイス』との運用を想定しているが、再設計後は単体で戦うようにしている。ベースとなったエクストリームに20の近接武器を装備しているとされていたが、当初想定していた武装の9割を廃案とし、ライフル・サーベル・フィンガービームを主兵装としている。また、パーツの一部にターンエーの物を使用することでナノスキン装甲を獲得、耐久値の回復が可能となった。エクストリームの後頭部にも顔があることを利用し、腕部をリボーンズにすることで後方にも攻撃できるようになっている。これにより死角は実質皆無。

武装をオミットしたのは、こんなにあっても扱いきれない・極端に近接に振りすぎてバランスが悪い・そもそも選択肢が多すぎて即座に適切な判断が出来ないという弊害が発覚したため。

『ルイン』は『破滅』、『リンカーネイション』は『輪廻』を意味する。

 

 

かつて別世界線で玲二を独り占めする為に作った破滅のガンダム。それをガンダリウムランカーであり転々生者であるレイラが友を、家族を守る為の力として再設計したガンダムである。シロはこのガンダムでクロを助けに向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ギシャシャ、これでもう貴様のガンプラはおしまいだなぁ?」

 

「……最早此処までか……」

 

「ままぁ、ふえぇ……」

 

筐体内のコクピット内で泣きそうになってる黒子をなんとか撫でて落ち着かせようとするクロ。しかし、そんなクロの手も震えていた。

 

(……GWDWCが発表されてから死にものぐるいでゴールドランクに上がって、それなりに上手くなったと自負していたが……やはり私には荷が重過ぎたのか?玲二、黒子、新、それに皆……こんな不甲斐ない戦いしか出来なくて本当にすまない……)

 

「さぁて、そろそろお前で遊ぶのも飽きたし、さっさと終わらせてお前のガンプラぶっ壊してやるかぁ!」

 

最早成す術なく諦めかけているクロにクラッシャーはトドメの一撃を放とうとする。

 

しかし……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―バキュウゥンッ!―

 

―ドカアァッ!―

 

「ぐおぉッ!?」

 

「……え!?」

 

突如としてクラッシャーのエピオンクラッシャーにビーム弾が被弾し吹っ飛んだ。突然の事で何事かと困惑するクロだが、これが他の乱入者の攻撃というのはすぐに分かった。でも一体誰が?と考えていると、其処に一体のガンダムがクロのマグナムフォックスに近づいてきた。

 

「クロちゃん!助けに来たよ!」

 

「ッ!その声、シロか!?」

 

そう突如現れたガンダムの正体はシロのルインガンダムリンカネーションだった。リンカネーションは持っていたビームライフルを手放し半壊したマグナムフォックスを抱きかかえ安全圏まで避難させていく。

 

「す、すまない、助かった。だがその機体は……?」

 

「これ?これは前にレイラ君がシロの為に作ってくれたガンプラだよ。本当はガンダムタイプは苦手だけど、今はそんな事言ってられないからね!」

 

そう言いながらマグナムフォックスをデブリの一角に隠すとシロのリンカネーションはふっ飛ばしたエピオンクラッシャーをロックオンしながらビームサーベルを抜刀していく。

 

「くうぅ……!?な、なんだテメェ!いきなり攻撃しやがって!テメェ、俺が誰だか分かってんのか!?最強格のガンダリウムランカーの一人、デッドブレイカー様だぞッ!!」

 

「何が最強格のガンダリウムランカーさ!?皆の大切なガンプラを平気で踏み躙るお前なんか、ガンダリウムランカーに相応しくないよッ!」

 

「グギギギィ……!テメェ、どうやら俺を本気で怒らせたみてぇだな……だったらまずはテメェをぶちのめしてやるよおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!!」

 

乱入してきたシロにクラッシャーは怒り狂い緑だったモノアイを赤く光らせ襲い掛かっていく。

 

「ッ!EXAMシステム!?そんなの搭載しているなんて!?」

 

「くたばりやがれえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!!」

 

まさにバーサーカー。そんな言葉が似合うくらいに周りが見えなくなっているクラッシャーにシロは一瞬怯むもすぐに気合いを入れ直しエピオンクラッシャーに突っ込んでいくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そんな、まさか!?EXAMシステムまで搭載してるだなんて!?」

 

「え、エグザムシステム?それってどんなシステムなのヒナ?」

 

「…………対ニュータイプ用に開発されたシステムだよ。敵の動きに対して人の脳波を感知して機体性能以上の動きを発揮出来るようになるけど、パイロットにかなりの精神と肉体に負担が掛かるし暴走する危険性もある恐ろしいシステムなの」

 

EXAMシステム……それは対ニュータイプ用に開発されたソフト、ハードの総称を差す。作動時には人間の脳波を電磁波として捉え、その中から「殺気」を察知する事によって敵の位置の特定や攻撃の回避といったニュータイプに近い戦闘能力を発揮する。その性質上、特に乱戦に於いて高い効果を発揮し、その能力を持ってすればモビルスーツ単機での敵基地制圧を成し遂げる事も可能である。

 

しかし、EXAMは機体の損耗を抑えるために設定しているハード性能を限界まで引き出すため、稼働部や動力部に多大な負荷を掛け、機体のオーバーヒートを誘発してしまう欠点を有する。またシステムに取り込まれているマリオンの意識による救済祈願やシステムの破壊衝動など、パイロットへの精神的影響も図り知れない。

 

そして、本システムの最大の特徴として、ニュータイプが戦場に現れていると判断した際にリミッターが解除され、パイロットの制御を離れて暴走する事が挙げられるという極めて危険なシステムなのである。

 

勿論これはゲームなのでそんな危険な事はないのだが、EXAMシステムを使用した場合は相手をより効率的に倒す為の半自動操縦に切り替わり機体制御がかなり困難になるという、玄人でなければあまり使用する者はいないシステムなのだ。

 

「そんなEXAMシステムを使うなんて、やはりクラッシャーはガンダリウムランカーのデッドブレイカーなんでしょうか……?」

 

「…………うーん?」

 

「あれ?ヒナ、どうかしたの?」

 

EXAMシステムを使うクラッシャーにすずはやはり奴がデッドブレイカーなのかと疑うが、その横にいたヒナは何故か眉をひそめ首を傾げていた。まるで何か納得してないかのようである。

 

「うーん……ねぇ、あの人本当にガンダリウムランカーなのかな?なんか動きが社さんやみしろちゃんと全然違ってただ闇雲に突進してるだけな気がするんだけど?」

 

「え!?……た、確かになんか他のガンダリウムランカーの戦い方と違ってなんかガムシャラに突っ込んでいるだけに見えるけど……?」

 

「うん、それにこのクラッシャーの声……うーん、なんかどっかで聞いた事ある気がするんだよね〜?」

 

「「え……!?」」

 

クラッシャーに対し妙な違和感を感じるヒナ。その違和感の正体が何なのかは後になって分かる事となる………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ウオォラァッ!」

 

―ブンッ!ブンッ!ガキィッ!―

 

「うぅッ!……なんのこれしきぃッ!!」

 

シロは迫りくるクラッシャーの猛攻を回避したり防御したりしてやり過ごし反撃の機会を伺っていた。そしてシロはクラッシャーに対し以下の考察をする。

 

(……やっぱりこいつ、ガンダリウムランカーを名乗ってるけど実際はそんなレベルまでいってない。現に今EXAMシステムの半自動操縦に振り回されているし、何より攻撃の軌道が読みやすい。多分だけどEXAMシステムの事も自動で敵を倒してくれるとかそんな認識しかないんだと思う。なら、EXAMシステムの弱点を攻めればシロにも正気はある!)

 

シロは今の攻撃だけでクラッシャーが偽ガンダリウムランカーというのを見抜いていた。それだけでなくEXAMシステムの弱点を突く為のタイミングを狙っていたのだ。EXAMシステムは発動すると同時にその主導権がシステムに移ってしまう。それ故に防御する際はコックピットを守るようにではなくシステムが搭載されている頭部等を保護しようとしてしまうので、コックピットに対する防御が薄くなってしまう。つまり

 

(攻撃出来るタイミングになった瞬間にコックピットを狙って撃墜させる!そうすればシロの勝ちだよ!)

 

そう考えシロはリンカネーションのその腕に搭載されたフィンガービームのエネルギーをクラッシャーに気づかれないようにチャージしていく。チャンスは敵が大振りの攻撃を仕掛けてくる一瞬のみ。そのタイミングを狙ってシロはジッと耐えていく。そして……

 

「チィッ!いい加減くたばりやがれやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」

 

「ッ!今だよッ!!」

 

エピオンクラッシャーが腕を振り上げたそのタイミングをシロは逃さずリンカネーションのフィンガービームを展開し

 

―バシュウゥゥゥゥゥゥゥッ!!―

 

クラッシャーのコックピットに向かってその刃を突きつけていった。MSの心臓部とも呼べるコックピットを貫いた事で誰もがクラッシャーの敗北が決まったと喜びの笑みを浮かべていた。だが……

 

―バチッ!バチバチバチバチィッ!!―

 

「…………ッ!?な、なんで………!?ビームが、届いてない!?」

 

「ハッ!やっぱりコックピットを狙ってきたか!だが残念だったなぁ?」

 

なんとリンカネーションのフィンガービームはエピオンクラッシャーのコックピットを貫いてはおらず、それどころかコックピット部分の装甲にすらビームが通っていなかったのである。

 

「これは、ナノラミネート!?……いや違う、これはッ!!」

 

「オゥラぶっ飛びなぁッ!!」

 

―キュイィィンッ……ドゴオォォォンッ!―

 

「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁッ!?」

 

なんとフィンガービームのエネルギーが反射しリンカネーションの右腕がぶっ飛んでしまった。あまりの唐突な事に観客達は何事かと慌てるが、その中ですずがエピオンクラッシャーの腹部が()()()()()()()()()()()事に気がついた。

 

「あれはまさか、ヤタノカガミ!?そんなのまで搭載してたなんて?!」

 

「や、ヤタノカガミ?」

 

「SEEDの世界に出てきたビーム兵器に対抗する為の装甲の一種だよ!ビーム兵器からの攻撃を文字通り鏡のように反射させる装甲なんだよ!」

 

そう、エピオンクラッシャーの腹部は相手の機体が映り込む程の光沢感を放っており、これにより腹部にヤタノカガミ装甲の判定が加わりビーム兵器に対しての対策を施していたのだ。それによりシロのリンカネーションは右腕を失い攻撃手段が大幅に失ってしまった。

 

「ま、まさかヤタノカガミまで仕込んでたなんて……!?」

 

「キシャシャ、これでもう終わりかぁ?そんじゃあ……後はそのガンプラを粉々になるまで砕いてやるかぁッ!!」

 

エピオンクラッシャーが近づきヒートロッドを構えてリンカネーションにトドメを刺そうとする。最早打つ手はないのか?誰しもが諦め顔を伏せてしまっていた…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―バキィッ!―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………………え?」

 

何かが破壊されたような音が聞こえた。しかし、シロのリンカネーションにはダメージ判定は出ていない。なら何が……そう考えていたら

 

―バチッバチバチバチバチィッ!―

 

「グアァッ!?な、なんだとぉ……ッ!?」

 

なんとエピオンクラッシャーの左腕が吹き飛ばされており、ヒートロッドが上空に飛ばされ何処かへと流れていってしまった。そしてそのエピオンクラッシャーの後ろには

 

 

《……………………》

 

 

灰色の配色をした()()()()()()()()()がまるで獲物を狙うかのようにエピオンクラッシャーを見つめていたのだった。はたしてこいつは何者なのだろうか……?

 

 

続く……




はい、という事で遂にクラッシャーとの対決回でした!それにしてもクラッシャーのエピオン、自分でやっといてなんですが詰め込み過ぎましたね(-_-;)

そして次回はそんなクラッシャーに遂に制裁が……?次回もまったりと待って頂ければ幸いです、ではまた!
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