ホロライブ ビルドライバーズ   作:神楽

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年末になり仕事が忙しくなって大変です。折角買ったアカツキも多分作るの来年になりそうですし、この小説も今年後何話書けるか……(-_-;)

今回はムーナのバトル!ブリュンヒルデと名高い織斑千冬と戦うが、ムーナの実力や如何に!?

今回も最後まで見て頂ければ有り難いです、ではどうぞ!


EP63『最強の名』

どんでん返しが続く四回戦。各ブロックで激しい戦いが続く中、ムーナは控え室で一人静かにヨガをしながら精神統一を行っていた。

 

「……………………ふぅ」

 

「ムーナ、いよいよ四回戦だね!」

 

「これに勝って、次も勝てばいよいよ決勝トーナメント進出だよ!」

 

「えぇ、分かってる。でも次の相手はあの織斑千冬……ブリュンヒルデと呼ばれる彼女を相手にするのは骨が折れそうだわ」

 

リスとイオフィに応援されながらも、ムーナは次の対戦相手である織斑千冬の情報を見ながら油断はしないと気を引き締めていく。

 

「でもムーナ、そんな事言いながらかなり楽しみって顔してるネ〜♪」

 

「……フフ、分かっちゃった?」

 

「そりゃそんなニヤニヤしてたら誰だって分かるよ。よっぽどその織斑千冬って奴と戦うのが楽しみだったんだ?」

 

「当たり前よ。ガンプラウォーズ始まってから女性バトラー最強の名を最速で得たバルバトス使いを相手にして、これで燃えないなんてバトラーじゃないわ」

 

気を引き締めつつも、強者との戦いを前に心が昂るムーナ。普段滅多な事で熱くなったりしないムーナだが、自分とほぼ同格のバトラーとの戦いを前にしてかなり燃えているようだ。これにはオリーやこぼも呆れながらも笑ってしまう。

 

「でもムーナ、本当に勝てるの?ムーナって今まで一度もフルシンクロを使った事ないって聞いたけど……」

 

「……じゃあ逆に聞くけど、私が今までなんで()()()()()()()使()()()()()()()()() ()?」

 

「え?それってどういう……」

 

「フフ、それはこの後のお楽しみ♪」

 

ムーナはそう言うとテーブルに置いてあったムーンゲイザーガンダムをケースにしまい、そのまま控え室を後にした。

 

 

 

(……フブキさんもそらさんも、オーバーシンクロの境地に至った。なら、私もそろそろ本気を見せないとね)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後………

 

 

「さあ!波乱万丈な展開が続くGWDWC!その中でも注目の対戦カードの番がきたあぁッ!Cブロック四回戦第一試合!ムーナ・ホシノヴァVS織斑千冬!最強格であるガンダリウムランカー同士のバトルがいよいよ始まりますッ!!」

 

 

『うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおッ!!』

 

 

ガンプラウォーズ最強格であるガンダリウムランカー同士のバトル。その激アツなバトルを前に観客達のテンションは更に上がっていく。ステージ上には既にムーナと千冬、そして千冬のサポーターである束が互いに対峙しあっていた。

 

「……お前があの煌めく月の使者か。話には聞いていたが、お前も玲二の嫁らしいな?」

 

「えぇ、私はホロライブIDで唯一のレイジの嫁よ♪よろしくね、チフユ」

 

「おー、レッくんの新しいお嫁さんかぁ〜!いやぁ~、レッくんはやっぱ何処行ってもモテるんだねぇ〜♪」

 

「えぇ、なんたってダーリンは世界で一番素敵な男だもの♪さて……世間話はこれくらいにして、早速始めましょ」

 

軽く挨拶と雑談を交わしたのも束の間、ムーナはケースからムーンゲイザーを取り出し千冬の前に突きつける。千冬もフッと笑いバルバトス・白騎士を取り出しムーナに見せつけていく。

 

「そうだな。お互いガンダリウムランカーとして……いや、一バトラーとして、全力で相手させてもらうぞ」

 

(……ちーちゃん、凄く楽しそう。多分だけど、漸く自分が本気で戦える相手を見つけたって感じかな?)

 

普段と変わらない態度に見えるが、近くにいた束は千冬が何時も以上に楽しそうという感じに見えた。普段は変わらず凛々しくある千冬だが、幼馴染でもある束には分かってしまうようだ。

 

そしてお互いそれ以上の言葉は交わさず、そのまま筐体へと入っていき淡々と準備をしていく。最早互いに言葉は不要、そう言うかのように二人の闘志は燃え上がっていた。

 

 

Game Mode:1on1

Field:Standard

Player1:Moona Hoshinova

Player2:Cifuyu Orimura

 

 

エリアが展開し、フィールドには浮遊するムーナのムーンゲイザーガンダムと刀を構える千冬のガンダムバルバトス・白騎士が対峙するように構えていく。エリアが展開されると同時に先程まで沸いていた観客達も緊張からか一斉に静かになっていく。

 

(奴のベース機はルナゲイザーガンダム。宇宙世紀の機体である百式をベースにスターゲイザーのヴォアチュールリュミエールを搭載し破格の機動性を実現している。それに加え、ムーンガンダムのサイコプレートを搭載している。単純なルナゲイザーなら兎も角、あのサイコプレートが厄介だな。そして何より………奴はこの大会で一度もフルシンクロをしていない。あれだけの実力を出せる奴がフルシンクロを出来ないというワケがない。なら……奴の力を、こちらから引き出してやるまでだ!)

 

冷静に相手を考察する千冬。白騎士は手に持っている刀、『雪片(ゆきひら)』を構えてムーンゲイザーに牽制しようと構えていく。すると……

 

 

 

―…………キュイィィィィィンッ……―

 

「ッ!フルシンクロだと……!?」

 

「そんな!?こんな序盤からいきなり?!」

 

なんと、ムーナのムーンゲイザーが突如青白い光を放ち出したのだ。これは即ち、ムーナがフルシンクロを発現したという事なのだが、束はそれを見て不審に思った。

 

(あれがフルシンクロ……?でも、何か違う?普通フルシンクロを使えばかなりのエネルギーが発生する筈……だけど、ムーちゃんのムーンゲイザーからは普段と変わらないくらいのエネルギー量しか観測出来ない。一体どういう事なんだろ……?)

 

明らかに今までのフルシンクロとは違う何かを感じる束。その次の瞬間……

 

 

 

―……シュンッ!―

 

「「なッ……!?」」

 

―ガキイィィィンッ!!―

 

 

なんと、ムーンゲイザーが一瞬にして白騎士の前に現れビームサーベルで斬り掛かってきたのだ。白騎士はすぐさま雪片で防ぐが、その一撃の重さはこれまでの相手とは比にならないくらいに強烈だった。

 

「な……なんだこの一撃は!?まだこちらはフルシンクロをしていないのに衝撃が……!?」

 

「フフ、どうかしら?まるで本当に衝撃を受けたかのような錯覚、かなりエキサイティングでしょ♪」

 

「錯覚!?まさか、今の攻撃の気迫だけで衝撃を感じさせたって事?!」

 

「えぇ、覇気は使い方次第で相手を簡単に制圧出来る。今の貴方のように、ね♪さぁ、私とムーンゲイザーと一緒に楽しみましょうッ!!」

 

―ガキイィンッ!―

 

「グッ……!良いだろう、貴様がその機なら、私も今持てる全てを賭けて!貴様を叩き潰すッ!!」

 

―キイィィィィンッ!!―

 

ムーンゲイザーから放たれる覇気に圧されそうになるも、千冬も本気になりフルシンクロを発現していく。荒々しいオーラを纏い、白騎士は雪片を構え鋭い斬撃をムーンゲイザーに向かって放っていく、が………

 

 

―ヒュンッ!ヒュンッ!ブウゥンッ!―

 

―ヒョイッヒョイッササッ!―

 

「な!?」

 

「そんな!?フルシンクロで強化されたちーちゃんの斬撃をこんな簡単に躱すなんて……?!」

 

「悪いわね、今の私にとってはそれくらいの攻撃なら止まって見えるわ!」

 

―ガコンッ!ヒュンッヒュンッヒュンッ!―

 

白騎士の斬撃を躱したムーンゲイザーはバックパックのサイコプレートを展開、そして瞬く間に白騎士を包囲し次々と突進していく。

 

―ドゴオォッ!バキィッ!ドカアァッ!―

 

「ぐああぁッ!?」

 

「ちーちゃんッ!!」

 

あまりにも速いサイコプレートの動きに白騎士は殆どついて行けず、次々と装甲が剥がされていく。フルシンクロをしている最中の千冬にとって装甲剥がしはまるで皮膚を剥がされているような激痛を感じてしまう。

 

「お、おい、ムーナってあんなに強かったのか……?」

 

「あの織斑千冬に対して殆ど一方的だなんて……!?」

 

「ってかムーナさん!一体何時までフルシンクロを継続してんだよ!?試合開始から二分経つけど全然切れる様子がねぇぞ?!」

 

「それどころかどんどん動きのキレが増してる……こんなのってあり得るの?!」

 

試合を観ていた観客達も、ムーナの異常過ぎる強さにどよめきを隠せずにいた。今まで何人かのバトラーがフルシンクロを発現させているのを見てきたが、どのバトラーも一分の壁を越えられずにいた。しかし、ムーナは一分の壁どころかその倍の二分を過ぎてもフルシンクロを継続していたのだ。しかもまだ切れる様子もなく、寧ろ更に勢いが増しているようにも感じる。

 

 

「ウソでしょ?!ムーナってこんなに強かったの?!」

 

「強さもそうだけど、ムーナのフルシンクロ……誰がどう見ても異常過ぎるわ!あれだけのシンクロ率を維持するなんて、普通ならとっくに脳細胞が焼き切れてもおかしくないのに!?」

 

別室で観ていたID組も、ムーナの異常過ぎる力に困惑していた。普通ならフルシンクロをし続ければ脳細胞にダメージがいく筈なのに、ムーナからはそれが感じ取れない。一体どういう事なのか……?

 

―ウィーンッ―

 

「……どうやら、かなりの段階まで辿り着いてしまったみたいだな?」

 

「え……レイジさん!?」

 

「シブチョーさん!どうして此処に?」

 

「ムーナの戦いが気になってな。分身を使って見に来たんだが、思っていた以上にムーナの進化は凄まじいな……」

 

玲二(分身)はモニターで二人の戦いを見て悩ましそうな表情をする。どうやら何かを知っているようだが……

 

「レイジさん!あれって一体なんなんですか?!なんでムーナがあんなにフルシンクロをし続けても平気でいられるんですか?!」

 

「落ち着けアユンダ、説明してやるから……事の発端はフワモコの二人がフルシンクロを発現してすぐの事だった。フルシンクロの存在が分かってすぐに、ムーナもその力を発現出来るようになったんだ。だが………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数ヶ月前……

 

「…………これじゃあダメね」

 

「ん?何がダメなんだ、ムーナ?」

 

「このフルシンクロ、確かにガンプラの機体性能を底上げ出来るけど、このままじゃただ単にエネルギーを無駄に消費してしまうだけ。肝心なところでエネルギー切れを起こすのは明白よ」

 

ムーナは初めてフルシンクロを発現したタイミングで、フルシンクロの性質を理解したのだ。確かにフルシンクロはガンプラの性能を限界以上に引き上げる事が出来るが、その反面エネルギー消費は凄まじく、何も考えなしに使い続ければあっという間にエネルギー切れを起こしてしまう。しかも感情が昂る事により脳細胞に過度なアドレナリンが発生し、そのままの状態で長時間使用すれば間違いなく脳にダメージを負ってしまうかもしれないのだ。

 

「分かりやすく言えば、ドラゴンボールで悟空やベジータがいきなり全力の超サイヤ人になり続けるようなモノね。そんな事をすれば一気に力尽きてしまうのは当然……でも、逆を言えばこの力を安定して使えるようになれば、常にフルシンクロをしていても問題ないかもしれないわ」

 

「成る程………だが、そんな事が可能なのか?」

 

「理論上はね………ねぇダーリン。暫くの間、このテスト筐体でトレーニングしても良いかしら?」

 

「テスト筐体を?だが、あれはあくまで新イベントのテストプレイをする為のものであって練習する為のものでは………」

 

「分かってる。やりたいのはバトルじゃなくて、自分の機体と向き合う時間がほしいだけ。普通のバトルはホロプラで出来るけど、一人で集中する事は出来ないから」

 

「…………分かった。だがテスト用の筐体を使わせたら職権乱用になってしまうから、PC版にNPCモードを追加しておく。これなら一人で集中出来るだろ?」

 

「!フフ、ありがとうダーリン♪これで心置きなく特訓出来るわ♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………それからムーナは暇があればPC版のNPCモードで一人、ずっとフルシンクロを維持する特訓をしていたんだ。最初こそ難航していたが、ある日を境にフルシンクロを完全にコントロールする事に成功して、今では通常時でもシンクロ率は90%を維持出来る程の安定性を会得したんだ」

 

「そ、そんな事があったなんて……!?」

 

ムーナのフルシンクロの特訓を知り、こぼやアユンダ達は驚きを隠せずにいた。だが、その特訓によって得たのはそれだけではない。

 

「しかも、ムーナはフルシンクロを安定させただけでなく、それにより神経が研ぎ澄まされて身体が本能的且つ効率的に動くようになったんだ。それにより無駄な動きは一切なくなり、常に洗礼された動きを実現出来るようになった。ムーナ曰く、ドラゴンボールの悟空がやってた身勝手の極意に近いらしい」

 

「身勝手の極意!?そんな領域まで言ってるの!?」

 

「あぁ、でもムーナは名前がそのままだと面白くないからあの状態を無我の境地って呼んでるらしい。おそらくだが、あの境地に行けたのはGWDWC参加者の中でもムーナただ一人だろうな」

 

フブキやそらの爆発的な力を発揮するオーバーシンクロとは違い、ムーナの無我の境地は静かながらも常に最大限の力を維持しながら戦える。だからこのGWDWCの優勝候補トップはムーナだと俺は思っているのだ。

 

「千冬さんも相当の実力を誇っているが、ムーナがあぁなった以上は勝ち目が薄いだろうな。だが、千冬さんもこのままでは終わるとは思えないけど」

 

「え?どうしてデスかシブチョー?」

 

「あぁ、だって……あの人、俺なんて比べ物にならないくらいの負けず嫌いなんだよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ、はぁ…………」

 

バトルが始まって数分が経ち、ムーンゲイザーのサイコプレートによって白騎士の装甲は殆ど剥がされ、千冬自身もフルシンクロが解けてしまい心身共にボロボロの状態だった。

 

「ちーちゃん!大丈夫なの!?」

 

「あ、あぁ、なんとかな……だが、もう既に十分は経過しているのに、未だにフルシンクロが解けてない……一体、どんな仕掛けがあるんだ……!?」

 

「フフ、そんな難しい事ではないわ。私はフルシンクロを初めて使ってからずっと毎日フルシンクロをコントロールする特訓をしていただけ。一日たりとも欠かさず、ね♪」

 

「フルシンクロを毎日!?そんなムチャな特訓をしていたなんて……?!」

 

千冬も束も、まさかムーナがそんなムチャな特訓をしているとは思ってもいなかった。いや、そもそもフルシンクロのタイム自体を伸ばそうというのは誰もがやっていたが、それを安定させる為に毎日持続的に続けるなんて負担の架かる特訓方法をするなんて誰も考えるワケないと思っていたからだ。これには会場にいる全員がざわつき始める。

 

「マジかよ……フルシンクロをずっと維持する為の特訓を毎日だなんて……!?」

 

「クレイジー過ぎるぜ、ムーナさん……!」

 

「もしかして、今回の大会の優勝候補ってムーナなんじゃないのか……!?」

 

誰もが一分の壁を越えられないと思っていたフルシンクロを、一分どころか持続出来る程まで維持出来るようになったムーナを皆して恐れると同時に、その全てを魅了するかのような戦い方に惹き込まれていく。最早、このCブロック会場にいる全員がこの大会の優勝はムーナだと確信してしまったのだ。

 

「ぐぅッ!はぁ……はぁ……確かにお前の強さは途轍もない……だが!それでも!一バトラーとしてッ!目の前の強敵から逃げるような真似をするワケにはいかないのだあぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」

 

―キュイィィィィィンッ!!―

 

「ッ!?ちーちゃん!何考えてるの?!そんな立て続けにフルシンクロをしたらちーちゃんの身体が……!?」

 

「分かってる!だが、此処で諦めたら私は一生後悔する!だからムーナ・ホシノヴァッ!今私が持てる全てを、お前にぶつけるッ!!」

 

千冬のまるで鬼神のような覇気に、ムーナは一瞬唖然となるも、すぐにまた笑みを浮かべムーンゲイザーのビームサーベルを抜き出していく。

 

「…………そう、この感じ。私がガンプラウォーズをやってて一番楽しいって思える時。互いの全力をぶつけ合い、そして悔いが残らない程に戦い抜く!それがあるから!私はガンプラウォーズ(ダーリンの作ったこのゲーム)が大好きなのよッ!!」

 

ムーナも千冬が全力で応えてくれる事に喜びを感じて震えている。戦う事に義務感を感じていたみしろとは対照的にムーナは純粋にガンプラウォーズを楽しんでいる。それがムーナを無我の境地へと到達させた最大の理由なのだろう。

 

「それじゃあ、私も全力の一撃、貴方にぶつけさせてもらうわ!お互いに悔いが残らないようにッ!」

 

「あぁ、望むところだッ!!」

 

限界を迎えボロボロになりながらも立ち向かう千冬に敬意を払い、ムーナも全力で挑む。そして

 

 

 

「「ハアァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!」」

 

 

 

―ガキイィィィィィィィィィィィィィィンッ!!―

 

 

 

ムーンゲイザーと白騎士、二機の斬撃が互いを交差し、それと同時に互いのフルシンクロが解けて辺りは沈黙に包まれていく。そして……

 

 

 

 

 

 

―…………グググッ……バキィッ!ドサアァッ!―

 

既に限界を超えていた白騎士は崩壊を起こし、その場で倒れ動かなくなってしまった。

 

 

 

―WINNER Moona Hoshinova―

 

 

『うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!!』

 

ムーナの勝利画面が表示され、観客達が一斉に沸き出す。それと同時にフルシンクロの連続使用による負荷で倒れた千冬が担架で運ばれていき、ムーナも少し疲れを見せながら会場を後にしたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三十分後……

 

「ガッツガッツ、モグモグ、ズズズズ……ぷはぁ〜!はむ、んぐ……」

 

「す、凄い量……!?」

 

「こんなに食べるムーナ、初めて見たわ……」

 

バトルが終わった後、ムーナは控え室に戻るといきなりデリバリーで大量の料理を頼み出し、到着するやいなや勢い良く食べ始めた。今まで見た事のない同僚の一面を見て、ID組は唖然としてしまっている。

 

「無我の境地は使用すればかなりの力を使うからな。その所為でムーナもエネルギー補給の為に普段より大量の飯を食べるようになったんだよ」

 

「んぐ……一応神羅化してるから自然エネルギーでも回復するけど、やっぱりご飯を食べるのが一番回復が早いのよ。それよりダーリン、チフユは大丈夫なのかしら?」

 

「あぁ、今はりえるが治療してくれている。直に目が覚めるだろう」

 

「そう?それなら安心ね♪あむ……」

 

千冬の安否が確認出来てムーナは安心すると、再び食事を食べ始める。よっぽど無我の境地は力を消耗するんだな?

 

「………次の相手は、あの安室レイラって子かメイジン……どちらが相手でも不足はないわ」

 

「そうだな。けどムーナ、あまりムチャだけはするなよ?お前にもしもの事があったら俺は……」

 

「心配しないのダーリン。私は何時だって全力で楽しんでバトルするだけ♪ダーリンが皆の為に作ってくれたガンプラウォーズで、ね♪」

 

「…………そっか。なら、無理をしない程度に頑張ってくれよな」

 

「えぇ、任せてレイジ。必ず優勝トロフィーを手に入れて貴方の横に立ってみせるから♪」

 

―chu♡―

 

ムーナはそう言って俺の頬にキスをし、次の試合が始まるまで仮眠を取る為にソファーで横になっていった。まぁ、今はかなり疲れてしまってるようだし、少しでも回復出来るようにゆっくり休ませてやるか。

 

 

 

…………その後、レイラとメイジンのバトルが脅威の五時間という長時間となってしまい、Cブロックのみ五回戦が翌日になるという異例の事態になってしまうが、そのお陰でムーナの体力が全回復出来、翌日レイラとのバトルに挑む事が出来るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Dブロック四回戦第三試合……

 

「そ、そんな……うまるのガンプラが……!?」

 

「フン、まあまあ楽しめたが、所詮は唯の人間。我の相手には数万年早かったな………」

 

土間うまるとのバトルを終え、会場を去っていくグリード。あまりにも呆気ないバトルに満足出来ないまま通路を歩いていると、目の前にいきなり一人の女……テラーが現れたのだった。

 

「フフフ、こんにちは〜♪現在の無呪羅のリーダーさん♪」

 

「………貴様、確かエンヴィーが言っていた無呪羅の力を取り込んだ神羅か。丁度良い、貴様があのЯを使ってグラトニーを消したんだろ?なら、同胞の仇を取らせてもらうぞ……!」

 

目の前に現れたテラーに、グリードは怒りを露わにしてテラーに襲いかかろうとしていた。しかし……

 

「……落ち着きなって。確かにアタシは幾つかЯのコアを抱えているけど、あんたの仲間を襲ったЯはアタシが回収した奴じゃない」

 

「………なんだと?一体どういう事だ?」

 

「それについてはおいおい説明するよ。でもその為に………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グリード、アタシと手を組まない?」

 

 

 

 

 

真魔神file25

無我の境地は、フルシンクロの進化の一種である。辿り着く為には、それ相応の素質が必要である。

 

 

 

 

次回

対に本戦トーナメント行きが決まる五回戦。フブキとみしろの、互いの意地を賭けた戦いが、今始まる!

 

EP64

『曝け出される変態』

 

 

 




はい、という事でムーナが新境地へと到達でした!元々ムーナを最強格のバトラーにするというのは登場した時から決めていたので、漸くその実力を出せて良かったです(^o^)

次回はフブキとみしろのバトル!………あれ?何かタイトルが変な気が………じ、次回もまったりと待って頂ければ幸いです、ではまた!
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