今回は久しぶりの貴方と出会って!一体誰の物語が見れるのか?今回も最後まで見て頂ければ有り難いです、ではどうぞ!
・星街すいせい
…………は?玲二くんとの出会い?そんなの聞いてどうすんの?幾らこよちゃんのとこの助手だからってんな事話すワケ………え?もう半数以上の娘が話してる?…………はぁ~、分かった、話してあげるけど笑うなよ?あれは、まだすいちゃんが個人で活動してた時の話だけど……
―数年前―
「…………此処もダメだったかぁ〜。これで通算五連敗………」
この日、私はとある事務所の面接を終えたんだけど、結果は惨敗。本当なら後日に合否の連絡をする筈なのに、その場で不合格を言い渡されたのだ。
私は少し前から個人で配信活動をやっている。それは世間ではまだ認知されたばかりだけど注目されている新生アイドルという新しいジャンルだ。その先駆けとなったキズナアイさんの動画を見て、私もこんな自由に歌を皆に届けたい。そう思って個人で配信活動を始めたんだ。
だけど、まだこの界隈では個人で出来る事なんて限界がある。衣装にしろ歌ってみたの許諾取りにしろ、お姉ちゃんに協力してもらってるとはいえ出来る事が少な過ぎる。このままじゃ鳴かず飛ばずなまま配信活動を終えてしまうかもしれない………
だから私は何処かの事務所に所属しようって決めたんだ。最近じゃ新生アイドルの為のアイドル事務所っていうのも設立されてきてるって聞いてたから、其処の何処かに所属出来れば今よりかは出来る事が増える筈たって思ってた。でも………
「………はぁ、やっぱり何処も新生アイドルに対して扱いが悪いなぁ………」
今まで受けてきた事務所は全て私の希望が通る事はなかった。元より新生アイドルはその名前事態が認知されたばかりだし、世間からしてみれば新生アイドルなんてテレビのアイドルの真似事をしている配信者という認識が多い。だからどの事務所もやるんだったら本物のアイドルとして活動しろとかそんなネット民しか見ないようなアイドルごっことかじゃこの先潰れてしまうだけだと、私のやりたい事を否定されたようで悔しかった。
「………でも、やっぱ新生アイドルでやっていく自体が無理なのかなぁ………もう、次の場所が無理だったら諦めるしかないのかな………」
そうだ、これ以上やっていてもどうせ夢なんて叶わない。次で合格しなかったら、もう私は新生アイドルを辞めよう………えーと、次の事務所は………ホロライブ、だったっけ?確か、新生アイドルメインのアイドル事務所って聞いてたけど、本当に大丈夫かな………?
一時間後………
「成る程ねぇ………歌唱力は文句無し、ゲームの腕も良い、そして配信でのトークも申し分ない………うん、うちが欲している全ての条件をクリアしてますね。ただ、本来でしたらうちとしては是非採用したいところなんですが………」
「え?な、何か私に問題でもありましたか!?」
「あぁいや、星街さんに問題はないんだ。ただ、うちはこの間ゲーマーズを発足したばかりで新しいアイドルを雇用する余裕がまだないんだよねぇ……」
そう、この頃のホロライブはまだ其処まで有名な事務所ではなく、一度に沢山のアイドルを引き入れる余裕はなかった。仮に入れたとしてもゲーマーズは獣人族四人で構成されたグループであり、其処に人間である私が入る余地はなかったんだ。
「そう、ですか………分かりました。無理を言って面接して頂き、有り難うございました」
此処もやっぱり無理だった。そう思った私は泣きたい気持ちを抑えて面接室を後にしようとした………しかし
「………いや待てよ?彼処ならきっと………うん、これならいけそうかもしれないな。星街さん、もうちょっとだけ待って頂いても良いですか?」
「?はい、なんでしょうか?」
面接官に引き留められ、その面接官が何処かに電話すると再び私に話し始めた。
「星街さん!先程イノナカミュージックに連絡してみたところ、そちらでしたらすぐに受け入れる事が出来るみたいです!」
「え………ほ、本当ですか!?」
「はい、ですので星街さんが良ければですが、どうでしょうか?」
面接官のその言葉に、私は嬉しさで心臓がバクバクになっていく。ずっと憧れていたアイドル……諦めかけていた夢が、遂に叶うかもしれない。そんな誘いを断るなんて、私の中には全くなかった。
「やりますッ!やらせてくださいッ!!」
こうして、私はホロライブのイノナカミュージックに所属したのだった。
それから数ヶ月後……
「ふぅ………はぁ~!今日も疲れたぁ〜ッ!」
「おう星街、お疲れさん」
イノナカミュージックに入ってから私はボイスレッスンやダンスレッスンとかを毎日のように熟していた。一緒に所属しているアズキちゃんや研修の為にイノナカミュージックにスタッフとして来ていた佐々木さんと仲良く楽しく仕事が出来ている。まだまだ夢を叶えるまでは遠いけど、今は前よりも充分に充実した毎日を過ごせている気がする。
「あ、そうだ星街。実はお前に新曲の話が出ててな」
「新曲!?ホントに?!」
「あぁ、これがお前のファーストソングだ」
佐々木さんはそう言いながら私に歌詞が書かれた紙を渡してくれた。その曲の名前は……
「『Stellar Stellar』……」
「へぇ、良い曲名じゃねぇか。星の名前を持つお前にピッタリだ。それに曲も聴いてみたけど、星街の歌声にもしっかり合う感じに仕上がってたしな」
………これが、私の最初のオリジナルソング。漸く、此処から始まるんだ………私の新生アイドルとしての道が!
「という事で、今日はもうレッスンとかもないみたいだし、この後は星街のファーストソング記念という事で俺の奢りで焼肉にでも行くか」
「え!?ホントに?!」
「あぁ、とは言ってもそんなに高い所は無理だけどな」
「やったあぁーーーッ!!じゃあ佐々木さん、早く行こうよ!」
「はいはい、そんなに慌てなくても焼肉は逃げたりしねぇって」
そして私と佐々木さんは焼肉を食べる為に近くの焼肉屋に行こうと事務所を出ようとした………だったけど
「さーて、何食べよっかな〜?カルビ〜、タン〜、ロースハラミ〜♪」
「いや野菜もしっかり食べろって………ん?」
「?どうしたの佐々木さん………あ」
「おやおや、やっと出てきてくれましたか星街さん」
私達が事務所から出ると、其処には高級車にもたれ掛かりながら煙草を吸っている初老の男がいた。この男………確か前に私が契約を断った芸能事務所の社長だ。なんで今更私の前に……?
「全く、この私との契約を断って何処に行ったかと思えば、こんな新生アイドルとかいうワケの分からない弱小事務所に入るとはなぁ?」
「……すみません、此処は我々の事務所の敷地内です。敷地内は禁煙なので煙草を消してもらえませんか?」
「フン、弱小事務所のスタッフが大手事務所の社長に口答えか?そういうのはもっと貴様が偉くなってから言うんだな。まぁ最も、貴様如きがこの私よりも偉くなるなど天地がひっくり返ろうがあり得んがな」
ッ!こいつ、佐々木さんに対してめっちゃ失礼じゃない!?しかも煙草を消せって言ったのにも関わらずお構い無しに吸ってるどころかその煙を佐々木さんに吹きかけてきたんだけど!?
「ちょっと!私の仕事仲間に失礼な態度取らないでよ!大体なんで貴方がうちの事務所に来てんのさ?!」
「フン、貴様こそ何を言っているんだ?私は貴様を連れ戻しにきたまでだよ、星街すいせい」
「はぁ!?連れ戻すも何も、私はあんたのとこの事務所は辞退したから所属してないじゃん!?」
「おや?面接をした際に渡した資料をちゃんと見てなかったのか?私の事務所に採用された場合、所属する義務はあるが辞退する権利はないと」
な……!?それってつまり、採用されたら必ず働けって事!?フザケ過ぎでしょッ!?
「何それ!?そんな職業選択の自由を無視するような真似が許されるワケないでしょ!?」
「貴様こそ何を言っている?私があの事務所の社長なのだから、私が示したルールは絶対だ。それに、貴様のその歌声の素晴らしさはかなり貴重だ。実際に何曲か出すだけでもかなりの利益が出る事は間違いないだろう。そんな金のなる木である貴様を手放すワケがなかろう」
……………………は?金のなる、木?
「………じゃあ何、あんたは自分の事務所に所属しているアイドルをそんなふうに見てるって事なの?」
「そんなの当たり前だろう、アイドルとは事務所の利益を上げる為の商品だ。それなのに貴様はそんな私の事務所を断り、こんなアイドルごっこをする弱小事務所に入るなど……全く持って愚かとしか言いようがない」
…………この男、アイドルの事を唯の商売道具としか見ていない。だから最初にスタジオを見学した時の他の皆の表情が死んでたんだ。皆がどんな気持ちでアイドルになりたくて頑張っているとか、この男にとってはどうでもいい事なんだ………
「……成る程、つまり貴方は金儲けさえ出来ればアイドル達の考えなんてどうでもいいという事ですね?」
「そうだと言っている。分かったならさっさと星街を我々のところに「誰が渡すかこのクソジジイ」な……ッ!?」
……え!?さ、佐々木さん?!なんか何時もの優しそうな雰囲気と違って怖いくらいのオーラが出たんだけど!?
「そもそも星街はテメェのところのやり方が気に食わないから辞退したって言ってんだろうが。それなのに無理矢理戻って金儲けの為にアイドルしろだと?巫山戯んのも大概にしろやッ!!」
「ちょ、佐々木さん!?」
「な、ななな……貴様ぁッ!この私を誰だと思ってそんな巫山戯た口を利いている!?」
「んなモン関係ねぇよッ!良いかよく聞けこの頭ん中ハッピーセット野郎!星街が新生アイドルを目指したのはただちやほやされたいとか金儲けがしたいとかそんなくだらねぇ事の為じゃねぇ!かつて伝説を創った新生アイドルキズナアイを見て、彼女のように皆と繋がり合えるような存在になりたいと強く願ったからだ!そんな星街の気持ちを踏み躙り、金儲けしか考えてねぇようなテメェに星街の夢を邪魔させるかよッ!!」
す、凄い気迫……!でも、佐々木さんが此処まで私の為に怒ってくれてるなんて………
「き、貴様ぁーーーッ!!この私を此処までコケにしよってぇッ!!もう許さんッ!貴様は必ず私の手で始末を「あぁ、そういや言い忘れてたな」………あ?」
「あんた、確かあの『陰稚気事務所』の社長さんだろ?それなのに良いのか、こんな所で油売ってて?」
「な、何を言って―ピリリリリッピリリリリッ―えぇい!こんな時になんだ!?」
佐々木さんに煽られるも電話がなり慌てて出る男。最初は苛ついていたんだけど、会話が進むにつれてみるみると顔色が青白くなっていった。
「…………な……なんだと……!?何故そんな事が起きている!?今すぐ隠蔽を……もう無理だと?!クソッ………ハッ!まさか、貴様かあぁぁぁぁッ!?」
「おーおー、かなり慌ててるなぁ社長さん?大方、所属アイドル達との関係をバラされてピンチってか?」
「え?所属アイドルとの関係って……?」
「言葉の通りだ。このクズ社長、自分の所属アイドルに仕事を寄越す代わりに身体の関係を強要していたんだよ。しかも、そのアイドル達を仕事を手に入れる為の枕営業にも利用してたようだしな」
はぁッ!?身体の関係の強要に枕営業!?何そのフザケた内容?!もしかしてこいつ、私にもそれをするつもりだったの?!
「大手への仕事も、営業先からの高評価も、全部こいつがアイドルを利用して作ったインチキって事だ。ホント、最低な奴だな」
「うぐぐぐぐ……!」
「そんなテメェなんかに、星街の夢を邪魔させたりなんかしねぇッ!分かったらとっとと自分の事務所に帰りやがれッ!!」
「ヒ、ヒィィィッ!?」
佐々木さんがまた凄むと、男は情けない声をあげながらその場から逃げていった。ホント、情けない男だったな………
「………ふぅ、取り敢えずこれで一安心だな」
「う、うん………でもあいつ、どうして今更そんな悪行が世間にバレたんだろ?」
「ん?あぁ、それは俺がカズマ……知り合いに頼んであいつの悪事を探ってもらって情報を報道関係者にばら撒いたからだ。最近あいつが星街を執拗に探してるっていう情報があったからな」
そんな事があったの?!ぜ、全然気づかなかった………!?
「まぁ元々陰稚気事務所は前から悪評が多かったし、放っといてもその内終わってたと思うがな。さ、問題事も終わったし、早く焼肉屋に行くとするか」
「う、うん………ねぇ、佐々木さん、一つ聞いても良いかな?」
「ん?どうかしたか?」
「………佐々木さんにとって、アイドルってなんなのかな?やっぱり、事務所にとっての商売道具とか、そう思ってたり……?」
「……………そうだな、事務所を経営する意味でも、アイドルは多少なりとも商売が絡むからそう思ってしまうかもしれない。けどな……」
佐々木さんは一息つきながらその続きを話していく。
「……俺は、皆の夢のその先を見てみたいんだよ。皆で協力して、競い合って、馬鹿やって、泣いて笑って……その先に掴んだ皆の夢を、俺は見届けたいんだ。だから、俺はホロライブに入ったんだ。皆の輝きに満ち溢れた夢を、間近で見るためにな」
―………キュンッ♡―
(ッ!?///さ、佐々木さんの笑顔、初めて見た………なんか、胸がずっとドキドキしちゃってる……///)
嬉しそうに自分の思いを語る佐々木さんの表情を見て、私は自分の心の中が暖かくなった感じがした。あぁ、この人となら私、何処までもやっていけそうな気がするって。
これが私、星街すいせいが佐々木さん……玲二くんを好きになったきっかけだった。それから私はイノナカミュージックからホロライブに移籍して、他の皆と玲二くんにアプローチをし続けたけど……まさかホロメンどころかにじさんじやあおぎりとかも家族になって子供も授かるとは思わなかったわ。ま、今となっては全然良いんだけどね。
………でも、そんな私でもまだ叶ってない夢がある。何時か地上界だけじゃなくて天界や魔界も巻き込んだビッグライブを開きたいっていう夢が。だから玲二くん、すいちゃんが夢を叶える瞬間を絶対に見ててよね♪
―星街すいせい 完―
―儒烏風亭らでん―
ん?らでんが玲にぃと出会った時の話かぇ?ん〜………教えても良いんじゃけど、多分他の皆の話よりは面白くないと思うけんの〜………え、それでも良い?フフ、ならば聞かせてしんぜよう。あれはまだらでんが幼かった日の事でございます……
十数年前………
「ほららでん、この人がお前の新しいお母さんじゃけん、挨拶しい」
「……こ、こんにちは……」
「ウフフ、緊張しちゃってるのね?初めまして、聖花です。これからはらでんちゃんのお母さんとしてよろしくね♪」
この日、らでんの家に新しいお母ちゃんがやって来た。らでんのお母ちゃんはらでんを産んだ年に亡くなったみたいで、それからはずっと父ちゃんが男手一つでらでんを育ててくれてた。でも、今日からは新しいお母ちゃんがやって来て、これからはこの人と一緒に過ごす事になるって父ちゃんに言われたけん。
最初の頃はなかなか距離感が分からなくて、どう接すれば良いのか分からなかったんやけど、お母ちゃんがらでんの事を本当の娘みたいに優しく接してくれたお陰で今では仲の良い親子関係が作れていった。
それから数ヶ月後……
「え?お母ちゃんのお姉ちゃんの所に行くの?」
「えぇ、ママのお姉ちゃんがどうしてもらでんちゃんを見てみたいって言っててね。向こうにもらでんちゃんと同じくらいの子供もいるみたいだし、ちょっと会いに行ってみない?」
お母ちゃんから一緒にお母ちゃんのお姉ちゃん、つまりらでんにとっての伯母さんに会いに行かないかって言われた。伯母さんの子供って事は、一応らでんのいとこって事なんかな?ちょっと会ってみたい気はすんけど、連れ子だったらでんを受け入れてくれるかが怖いなぁ……
「?もしかして、向こうがらでんちゃんを受け入れてくれるか心配?ウフフ、大丈夫よ♪姉さんも子供達もとっても良い人達だから、らでんちゃんもきっとすぐに馴染めるわ♪」
「う、うぅ……じゃあ、会ってみる……」
「うん、それじゃあ来週の日曜日に会いに行きましょ♪」
こうしてらでんはお母ちゃんと一緒に伯母さんの家に行く事になった。そしてこれが、らでんの運命の人との出会いになるとは、この時のらでんは知る由もなかった………
そして日曜日……
「姉さん、久しぶりね♪」
「聖花、久しぶり♪来てくれて嬉しいわ♪それで、この子が例の子かしら?」
「えぇ、私の新しい娘よ♪ほららでんちゃん、伯母さんにご挨拶してあげて?」
「え、えっと……は、初めまして、らでん、です……」
お母ちゃんに連れられて都内にやって来たらでんは其処で出会った伯母さんに緊張しながら挨拶をしていた。お母ちゃんも美人さんじゃったけど、伯母さんも負けないくらいに美人さんじゃったけん。とても四人の子供を産んでるとは思えないくらいに若々しい……
「それじゃあこっちも子供達を紹介するわね。左から長男の浩一、長女の春香、次女の彩夏よ♪」
「浩一です。お嬢ちゃん、よろしくな」
「春香でーす♪らでんちゃんお人形さんみたいで可愛いわね〜♪」
「あ、あぅ……///」
「あ!おねぇズルい〜!はいはーい!彩夏でーす!一番歳が近いからよろしくね、らでんちゃん♪」
ガタイが良いお兄さんと優しそうなお姉さん、それに元気な妹さんがらでんの事を暖かく迎え入れてくれて、らでんも恥ずかしながらも嬉しくなって笑顔になったんよ。
「あら?そう言えば姉さん、もう一人男の子がいなかったっけ?ほら、あのすっごくモテる男の子」
「あー、玲二ね。あの子は今お友達と一緒にトレーニング中よ。最近身体が鈍ってたから自主的に身体を動かしてるのよね。多分そろそろ帰っては来ると思うんだけど………あ、来たわね」
―ズズズッ……ズズズッ……―
?な、なんだろこの音?何かを引きずってるような音だけど………………えッ!?
「はぁ、はぁ……が、頑張れレイン………後、もう少しだ………!」
「んぎぎぎぎぃ………!れ、玲二くぅん………パタち、もうダメかも………」
な、なんじゃあれッ!?らでんより少し年上っぽい男の子と女の子がでっかいトラックをロープで引っ張っとる!?え、何これ?!
「はぁ、はぁ………あ、兄貴、戻って来たぞ………」
「ふーん………二人合わせて町内一周一時間弱か。鈍ってたというワリには頑張った方じゃないか?レインちゃんも頑張ったな」
「も、もうパタち限界〜…………キュウ」
やって来た男の子は汗だくだくになりながらもなんとか踏ん張って立ってて、女の子は限界だったみたいでその場で倒れちゃった………こ、この人、なんか………………
すっごく面白いっちゃねッ!!
「あ痛たたた…………久々にやったからめっちゃ身体に効くな……」
「お、お兄さん大丈夫じゃけん?」
「ん?あぁ、これくらい何度も体験してっから大丈夫だよ。それより君は………あ、もしかして聖花伯母さんの娘さんかな?」
「う、うん。らでんって申します。よろしゅうお願いします………えっと………?」
「?…………あぁ、そういや名前を言ってなかったな。俺は玲二っていうんだ。よろしくな、らでんちゃん」
「うん!よろしゅうな、玲にぃ♪」
………なんだか不思議な男の子やなぁ?らでんは昔っから自分でも分かるくらいの人見知りやったのに、玲にぃに対しては寧ろ興味が出てもっと知りたいってなっとる。まぁ、まだ中学生くらいの男の子が女の子と一緒にトラックを引っ張っちょるなんて興味出ない方がおかしいと思うけど……
「でも玲にぃはなんであんなトラックなんて引っ張っとったんじゃ?あんなアスリートでもやらんと思うんじゃけど……もしかして玲にぃってボディービルダーにでもなるんけ?」
「いや、そんなんじゃねぇよ。単純な話、少しでも強くなりたいからだよ」
「強く?なんでそんなに………」
「………昔、俺は幼馴染の女の子を怪我させてしまったんだよ。その子が同じ歳の男の子に虐められてそれを追っ払ったのは良いんじゃけど、その後にそいつが自分の兄貴を連れてきて仕返しに来たんだ。その時の俺はまだ全然弱くてな、簡単にボコボコにされて、その時に俺を庇った幼馴染も押し飛ばされて怪我させてしまったんだ……結局その後は兄貴と姉貴がやって来て相手兄弟に制裁をしてくれて助かったけど、あの時俺がもう少し強かったら幼馴染に怪我させずに済んだんじゃないのかなって……だから少しでも強くなりたいんだ。それが俺が鍛えている理由だ」
………この人、自分の為じゃなくて誰かの為に強くなろうとしとるんだ。そういやお母ちゃんが言っとったな?
「ママのお姉ちゃんの家族、佐々木家は誰かの為になら一生懸命になれる凄い家族なの。偶に不器用さが出ちゃう所もあるけどね♪」
誰かの為………らでんの父ちゃんも噺家としていろんな人達を笑わせて楽しませたいって言っとった。そんな父ちゃんが、らでんは大好きだった。だから、そんな父ちゃんに似た玲にぃに興味が出たんだ。
「ねぇ玲にぃ!らでん、もっと玲にぃの話聞きたいけん!」
「え、俺の話?そんな面白い話なんてないと思うけど……」
「そんな事ない!らでんに玲にぃのお話もっと聞かせておくれ!」
「うーん……まぁ、そんなに言うなら話してやるか」
それから玲にぃはいろんなお話をらでんにしてくれた。トレーニングの内容や友人関係、最近の家族との仲とかも。途中、幼馴染が女の子だったとか学校で何時も仲の良い女の子二人とよく行動しとるって聞いた時はなんかモヤッとしたけど………
その後もらでんは何かと理由をつけては玲にぃに会いに行った。そして何処でかは明確には覚えとらんが、自然と玲にぃの事を一人の男として好きになっとったんじゃけん。そしてそれから十数年後………
「………hololive dev_isのオーディション募集」
玲にぃが所属しとるホロライブから新しいアイドル部門を設立するという情報を聞いて、らでんは父ちゃんが率いる儒烏風亭一門の許可を得てすぐにオーディションに募集したんじゃ。まさか一発合格するとは思わんかったけど、でもこれでまた玲にぃと一緒にいられる!なんだったらその先もずっと………///
………とまあこれがらでんと玲にぃのお話じゃけん。まぁ話の落ちとかはなくて申し訳ないがのう………ん〜、強いて言うなら、今のらでんは幸せっちゃね♪早くこの子にも会いたいしな〜♪産まれたら母ちゃんと一緒にいろんな演芸会行こうな〜♪
―儒烏風亭らでん 完―
次回……
拡大されたホロライトの森林エリアに突如現れた謎の洋館……その正体を探る為にラプラス達holoXが潜入すると、其処には……!?
EP79
『謎の洋館』
はい、という事で今回はすいせいとらでんのお話でした!いやぁ~……らでんの言葉遣いが難し過ぎる!!大体のニュアンスでやってるので大目に見てください……(-_-;)
次回はホロックスが謎の洋館に侵入!?そこで待ち受けている物とは一体……!?次回もまったりと待って頂ければ幸いです、ではまた!