さて、今回は本編にしようか考えましたがガンプラ関係ないので番外編にしました。今回は拓哉と栄ちゃんの間に危機が……?
今回も最後まで見て頂ければ有難いです、ではどうぞ!
「………はぁ?栄ちゃんと春先の様子がおかしいだって?」
「はい、そうなんですよ先輩……」
何時も通り仕事をこなしている中、拓哉が新しい企画の書類を持ってきたのだが何か様子がおかしかったので話を聞いてみたが……栄ちゃんと春先の様子がおかしいってどういう事なんだ?
「最近栄ちゃんが俺や子供達の
事を蔑ろにするようになって……それだけじゃなくてのどかさんも俺の事を邪魔者扱いするようになってきて……」
「なんだそりゃ?拓哉、お前もしかして二人を何か怒らせるような事したんじゃないのか?」
「そんな事してませんよ!ただ、あいつが来てから二人の様子がおかしくなって……」
あいつ?あいつって一体誰の事だ?もしかしてまた厄介事か?
―ウィーンッ―
「うわあぁぁんッ!レイくんお願い助けてぇッ!!」
「え、フブキ?どうしたんだそんなに慌てて?」
と其処にフブキが何やら慌てて入って来た。一体何があったんだ?
「聞いてくださいよレイくん!あの男、仕事の移動中に私とミオのお尻を厭らしい手つきで撫でて来たんですよ!もう気持ち悪くて耐えられないですよぉ~ッ!!」
「はあ?!尻を撫でられたって、誰がそんな事を?!」
フブキ達が既に結婚しているのは周囲も知ってるから今までそんなセクハラなんて起こってなかったのに……一体誰がそんな事を!?
「……フブキさん、もしかしてそれってあいつですか?」
「そうですよ神代さん!あの男、何度止めてって言ってもちっとも話を聞いてくれないんですよ!」
「え?あいつって……もしかして拓哉、それってお前がさっき言おうとした奴の事か?」
「……はいそうです。先輩、今回新たに複数人スタッフやマネージャーが入ったのは知ってますよね?」
ああ、確かに何人か入って来たな。リストもチェックしたけど、もしかしてその中に問題児がいるのか?
「先輩、『樋山神紅』って奴にあった事ありますか?」
「樋山……ああ、あの入社した時の挨拶で俺に愛想なく挨拶した男か」
今回入って来た新入スタッフ達に挨拶をした際に他の皆からはホロライブに入社した事の喜びややる気を見せてくれた中で樋山だけは無愛想な態度で挨拶してきたから特に印象に残っている。
「……そいつが来てから仕事場の雰囲気がおかしくなり始めたんです。確かに樋山は仕事がかなり出来て助かる面も多いんですが……俺を含め男性スタッフの事を小馬鹿にして、女性スタッフにはセクハラ紛いのちょっかいを出すようになってるんです」
「それだけじゃないですよ!私達も何度もレイくんがいるって言ってるのにも関わらず何度も身体を触ろうとしてくるんですよ!」
「なんだと?樋山の奴、一体何を考えてるんだ?」
例え仕事が出来てもそうした配慮が出来なければ評価は低くなってしまう。それなのになんで樋山はそうした真似を平然と出来るのだろうか?
「それに最近では栄ちゃんものどかさんも、それだけじゃなくて他の女性スタッフも全員樋山の味方をするようになってしまって、今じゃ俺の言葉なんて全然聞く耳持たずな感じなんです……」
「栄ちゃん達もが?一体なんで……?」
―ウィーンッ―
「ちょっと玲二さん!これは一体どういう事なんですか?!」
「ん?どうしたんだ美兎、お前までそんなに慌てて?」
そんな会話をしてる中、其処に更に美兎もやって来た。だがその表情はかなり怒っているようで手には何やら紙が握り潰された。
「どうしたもこうしたもありませんよ!これ、一体どういうつもりなんですか!?」
そう言って美兎がバンッと机に叩きつけたのはくしゃくしゃになったクリスマスイベントの告知ポスターだ。確か今年はにじさんじが大型ショッピングモールとコラボして大々的なイベントを行うという事で俺も楽しみにしているが、これが一体どうしたんだ?
「先程このショッピングモールのオーナーから連絡が来て、今年はにじさんじの起用は止めてホロライブを取る事にしましたのでこの話はなかった事にしてくださいって言われたんですよ!」
「「「なんだってぇッ?!」」」
どういう事だそれ?!そんな話こっちには届いてないぞ?!
「酷いですよ玲二さん!このイベントはにじさんじの皆が楽しみにしていた一大イベントだったのに、それを奪うだなんて……!?」
「い、いや俺は知らないぞ!?拓哉、どういう事だこれは!?」
「い、いやこれは俺にもさっぱり―ピリリリリッ―あ、ちょっと待っててください。―ピッ―はいもしもし俺だ……何?!どういうつもりだ樋山!?お前何をそんな勝手に……っておい樋山!?クソ……ッ!」
?どうしたんだ拓哉の奴、どうやら今樋山から掛かってきたみたいだが……まさか!?
「……先輩、どうやらこのにじさんじのイベント、ホロライブに無理矢理移したの樋山だそうです」
「「なんですって!?」」
「やっぱりそうか……」
樋山の奴、どういうつもりか知らないが俺達の許可なく勝手ににじさんじから仕事を奪ってたのか!?だとしたら奴が今まで取ってきた仕事ももしかしたら……
「……兎に角俺はこれからそのショッピングモールのオーナーの所へ行ってこの件をなかった事にしてもらう。美兎、フブキ、お前達も着いてきてもらって良いか?」
「勿論ですよ!皆が楽しみにしていたイベントを取り戻さないと!」
「私達も美兎ちゃんの仕事を奪うなんて許せませんッ!」
ん、なら早速転移してそのショッピングモールへと向かうとしよう……にしても一体樋山はどうやってその仕事を得たんだ?
「……という事なので我々ホロライブはこのお仕事を受けるワケにはいきませんので、当初の予定通りににじさんじへと戻して頂きたいのですが?」
「えぇ〜?そんな事言われてもねぇ〜?こっちだってもうホロライブさんに任せるよういろいろと手配してますからやってもらわないと困りますよ〜?」
……ダメだ、さっきから何度も頼み込んでいるがこのオーナー、頑なににじさんじの再起用を認めようとしない。手配しているとか言うがはっきり言ってまだ告知とかもしてないのだから再起用なんてすぐに出来る筈なんだが?
「お願いします!このイベントは私達にじさんじの皆が楽しみにしていたイベントなんです!」
「そうですよ!そもそも私達だって他のクリスマスイベントがあるから無理だと言ってるじゃないですか!?なんでそんな私達を採用したがるんですか?!」
「えぇ〜?でもやっぱりにじさんじより今ノリに乗ってるホロライブの方がイベント成功間違いないでしょ?それに樋山君だっけ?あの青年の熱い熱意を見て私もこれならイケる!って確信しちゃったからね。あんた、あの樋山君の上司みたいだけど部下の熱意を無碍にするのはどうかと思うよ?」
だ、ダメだ、ちっとも話にならん。しかもなんか樋山の事を気に入ってるみたいだし、なんでこんな…………ん?なんかこのオーナー、目が虚ろな感じがするな……ッ!まさか?!
「オーナーさん、ちょっと失礼します」
ーガシッー
「え?な、なんなの急に……?」
「………フンッ!」
ーパリイィィンッ!ー
「…………ッ!あ、あれ?私は一体……?」
やっぱり!俺が力を注いた瞬間オーナーの虚ろな目に光が戻ってきた!
「あ、あれ?貴方達は確かホロライブの……それに月ノさんまで、一体どうしたのですか?」
「え?いやいや、だから今回のクリスマスイベントの起用を私達にじさんじに戻してほしいって」
「は?何を言ってるんですか?戻すも何も元々私達は貴方方にじさんじを起用して……ってあれ?!な、なんでいつの間に起用がにじさんじからホロライブに変わってるんだ?!」
オーナーは最初何を言ってるのか分かってなかったが手元の資料を見て起用タレントが変わってるのを知ってかなり驚愕していた。間違いない、これは……!
「?レイくん、これは一体……?」
「……どうやらこのオーナーさんは洗脳術に掛かってたみたいだ。俺がちょっと力を注いだら簡単に洗脳は解けたから其処まで強い力ではないようだったけどな」
「洗脳!?一体誰がそんな事を?!」
誰が?決まってるだろ美兎、この件の内容とタイミングを考えれば犯人は一人しかいねぇ。
「オーナーさん、少しお尋ねしますが、少し前に此処に俺達以外のホロライブのスタッフを名乗る者が来ませんでしたか?」
「へ?………あぁッ!?はい来てましたよあの樋山って男!あの野郎いきなり押しかけて来たかと思えばクリスマスイベントをにじさんじからホロライブへと変えろとかふざけた事を言い出したんですよ!そんな事出来るワケないだろって断って追い出そうとして……あれ?その後からの記憶が……?」
……やはりそうか。だとしたら栄ちゃん達も……
「レイくん、これってもしかして樋山が……?」
「ああ、そう見て間違いないないだろう。樋山は何かしらの洗脳術を使えて、その力でオーナーさんを操ったんだ。おそらくは奴が今まで得てきた仕事も、そして事務所の女性スタッフ達も……」
そうと分かればやる事は決まってる。まずは栄ちゃんと春先の洗脳を解かないとな。
「……ああ拓哉、今すぐ神羅城の俺の事務室に栄ちゃんと春先を呼んでくれ。緊急の仕事の話と言えば否応でも来るだろう、頼んだぞ……よし、これで後は二人の洗脳も解ければ良いんだが」
「それにしてもその樋山って男、とんでもない人じゃないですか!?玲二さんなんでそんな人をスタッフに採用なんてしちゃったんですか?!」
「いや採用したのは社長だが……だが手渡された資料には特に問題となる点は見当たらなかったのは事実だ。おそらく奴は俺達に悟られないようかなり用心深く動いてたのかもな?」
「それよりもレイくん!急いで神羅城に戻って栄ちゃん達を元に戻しましょう!」
そうだな、まずは栄ちゃん達を元に戻して何があったかを確認しないと。下手すれば樋山の野郎、洗脳術を使って栄ちゃん達を好き勝手してたかもしれやいしな。
「はぁ………で?なんですか支部長?私達だって暇じゃないんですよ?」
「そうですよ、さっさと早く仕事の話をしてください。私達今忙しいんですから」
………神羅城に戻ってすぐに栄ちゃん達に来てもらったが、目の前の二人は明らかに何時もと態度が違う。まず俺や他の皆とも目を合わせようともしない。それどころか目に見えて分かる程やる気が感じられない。そして極めつけは……二人ともあのオーナーのように目が虚ろになっている。これは確実に洗脳に掛かってるな?
「……仕事の前に少し確認したい事がある。栄ちゃん、お前最近拓哉や子供達を蔑ろにして新しく入った樋山って奴とよく接触してるようだな?」
「は?それがどうしたんですか?別に支部長には関係のない事じゃないですか?大体こいつは入社した時からとろ過ぎるんですよ。何やらせても空回りばっかして本当にダサい。それに比べて神紅君は仕事もテキパキこなして気配りも出来て、とても素晴らしい人ですよ♪一緒にいて楽しいくらいですし♪」
……完全に拓哉の事を見下してるな?オマケに樋山の事をかなり慕ってるように見える。隅にいる拓哉も悔しそうな表情を浮かべている。
「春先、お前も最近他の女性スタッフと一緒に他の男性スタッフを見下してるそうだな?」
「そんなの当然じゃないですか?だって私達にとって神紅君程優れた男性なんていませんし♪支部長も含めて他の男なんてゴミ同然のようなモノですよ」
……こっちも完全にナメた態度を取っているな?成る程、樋山の考えが大体分かってきた気がするな。なら……
「……なら最後に一つ。お前等は今の発言が自分自身の本心で言ったと思ってるか?」
「はあ?何を言ってるんですか、そんなの本心に決まってるでしょ?」
「もう良いです、仕事の話と言われたから来ましたがこんなくだらない話をするなら帰ります。私達は一秒でも長く神紅君と一緒に…………ッ!?な、何これ……?!」
「………今のでよーく分かった。やっぱり今のお前等は正常じゃない」
俺は二人に金縛りをして動けないようにし、そして二人の頭に手を乗せて力を注いでいく。
「ッ!やめろ触るな!私に触れて良いのは神紅君だけなんだよぉッ!!」
「支部長だからってこんな事して良いと思ってんの?!こんな事したらあんたなんて神紅君に痛い目見させられるんだからぁッ!!」
「ギャーギャー煩い……何時までもこんなくだらない洗脳なんかに屈してるんじゃねぇよこのアホンダラッ!!」
ーシュウゥゥゥゥ……カッ!パリイィィィンッ!!ー
「「あ……………」」
俺が力を注いだら二人とも糸の切れたマリオネットのようにその場で気を失い倒れてしまった。さて、これで無事に元に戻ってくれれば良いんだが……
「………ん、んん……あ、あれ?此処は……?」
「栄ちゃん!良かった、目が覚めたんだな!?」
あれから栄ちゃん達を客室のベッドへと運んで様子を見ていたが、漸く目が覚め拓哉は安心したのか栄ちゃんに抱きついていく。おそらくは大丈夫だとは思うが、はたしてどうだ……?
「へ?た、たっくん?どうしたの急に抱きついてきて……?」
「ッ!え、栄ちゃん今俺の事たっくんって……!?」
「?当たり前じゃない、結婚してからずっとそう呼んでるでしょ?」
……どうやら無事に元に戻ったみたいだな。そしてその横で春先もすぐに目を覚ましたようだ。
「う、うーん……あれ?なんで私こんな所で寝てるの……?」
「よ、春先。気分はどうだ?」
「え?さ、佐々木さん?なんで佐々木さんが此処に?というよりなんで私此処で寝てたんですか?」
あー、洗脳から解除されたばっかで混乱してるな?なら一応二人に説明がてら事実確認をしてみるか。
「……つまり、最近樋山と仕事をしている中で意識が曖昧になる事が多かったと?」
「えぇ……でもまさかそれが樋山に洗脳されていただなんて……たっくん、操られていたとはいえ貴方や子供達に酷い事をしてごめんなさい……」
「あ、あぁ俺はもう大丈夫だ、洗脳されていたっていうのは分かってるから……だが子供達がすっかり栄ちゃんに怯えてしまってるんだよ……」
「そ、そんな……!?うぅ、操られていたとはいえ私ってば子供達になんて事してしまったんだろう……」
いや、栄ちゃんは悪くないさ。悪いのは全部そうなるように仕向けた樋山だ。子供達に関しては少しずつ関係性を修復すれば良い。
「それにしても少し意識が残ってたせいで凄く気分が悪いです!あの男、私達が抵抗しないからって胸やお尻ばっか触ってきて本当に気持ち悪いですッ!」
「まあ寧ろその程度で済んで良かったかもな?正直二人とも最悪樋山に抱かれたかもしれないって心配してたからな」
「そういった意味で早く救出出来て良かったですねレイくん♪」
あぁ、だがこれであの樋山って奴が何を考えているかは大体見当がついた。その点についても皆にも話しておこうか。
「では改めて樋山の事について現状分かっている事を確認しよう。奴はどうやら特殊な洗脳術を使う事が出来て、その力で栄ちゃん達女性スタッフや仕事先の人達を操って支配していた。その中には先程のにじさんじからイベントを奪ったりする等の卑劣なやり方もあったに違いない」
「つまり奴の仕事の成績が良いと言うのはその洗脳術を使った偽りの業績って事だったんですね!?」
「そういう事だ。クソ、こんな事ならもっと定期的に事務所に顔を出せば良かったな?」
「あれ?でもそうだとしたらなんで樋山は女性スタッフだけ洗脳してフブキさん達を洗脳しようとしなかったんでしょうか?」
「あー、それは私達が昔誘拐されて洗脳させられそうになった事件があって、それ以降はそうした洗脳がされないようにレイくんに力を分け与えてもらってるんです。だから樋山は私達を洗脳したくても出来ないんじゃないですかね?」
そう、以前フブキ達を拐って精神世界に閉じ込めてた男がいて、その事件以降は同じ事にならないように皆には催眠洗脳無効の力を与えてるから例え樋山がどんなに強力な洗脳術を使おうとフブキ達を操る事は不可能なんだ。おそらく樋山もフブキ達を洗脳しようとはしてたと思うがそれが不可能だったから女性スタッフに標的を変えたんだろうな?
「そして此処が本題だ。一つは何故奴がこんな力を持っているのか?そしてもう一つは奴は一体何を考えてこんな事をしているのかだ」
「確かにプロフィールを見る限りでは樋山は唯の人間ですし……」
「そうですね……でも目的は大体分かります。奴の目的はおそらく、ホロライブの乗っ取り……ですよねレイくん?」
そう、フブキの言う通りだ。樋山の目的は十中八九ホロライブにいる女性スタッフやアイドルを支配して自分が社内のトップになるというなんとも分かりやすい考えだ。しかも他の男性スタッフを毛嫌いしてるのを見る限りこいつは只野みたいな女性を集めてハーレムを作ろうとか考えてる最低な野郎だ。おそらく入社自体も面接官を操って入社したんだろうな?
「フブキの言う通り、樋山の目的はホロライブの乗っ取りで間違いないないだろう。にしても唯の人間である筈の奴が一体何処でこんな洗脳術なんて覚えたんだ?なあ栄ちゃん、樋山はその点について何か変わった事とか言ってなかったか?」
「え?えーとそうですね…………あ!確かうっすらとですが何かよく分からない事を言ってた気がします!確か……『まさかぶいちゅーばーが実在する世界に来れたなんて!』とかなんとか……?」
『ぶいちゅーばー?』
なんだそのぶいちゅーばーって?それにそれが実在する世界だと?まるで他の世界から渡って来たみたいな言い方だし、第一そんな名前のモノなんてこの世界にはない筈だが……ん?
「え、栄ちゃん!樋山の奴、本当にVtuberって言ってたのか?!」
「え!?え、えぇ確かそう言ってた気が……?」
「?なんだ拓哉、お前そのぶいちゅーばーってヤツを知ってるのか?」
「………はい。でもその事を説明する為にも、俺の事も話さないといけませんね。本当はずっと隠し続けるつもりでしたが……」
?なんだ拓哉の奴、何時にも増して神妙な顔つきになってるけど………?
『ええぇーーーーーッ!?樋山と拓哉(たっくん)(神代さん)が転生者あぁーーーーーッ!?』
「……はい」
な、なんかいきなりぶっ飛んだ事実を告げられたんだが?!転生者って確か一度死んだ者が前世の記憶を引き継いで蘇ったりするヤツだよな?!それが拓哉と樋山って事なのか!?
「俺は前世の世界で事故にあって、それでこの世界に転生してきたんです。その前世の世界ではフブキさんや美兎さんはバーチャルチューバー、略してVtuberと呼ばれるアバターを使って動画配信する配信者だったんです」
「アバター?!え、私達ってアバターの存在だったの?!」
「はい、俺の元いた世界には獣人や天使等の亜人は存在しなくて人間だけだったので、皆さんは中の人がそういったアバターを使ってキャラを演じているって感じでした。それがこの世界では皆さんは実在していたのには最初驚きましたが……」
「な、成る程……?つまりはその樋山って男も神代さんと同じかもしくは類似した世界から来て、この世界にそのVtuberが実在したから全部俺のモノにしてやろう!って事なんですか?」
「おそらくは……お恥ずかしながらかつての俺も同じ考えを持ってました。でも先輩が俺の事を正してくれたお陰で今はこうして栄ちゃんという素晴らしい奥さんや子供達にも恵まれて幸せにやってこれてます」
「たっくん……」
そうか、拓哉が最初の頃俺に敵意を向けてたのはそういう事だったんだな?にしても別世界のフブキ達はアバターの存在だったんだな?まあ平行世界は無数に存在するとされてるからもしかしたらそんな世界があってもおかしくないのかもな?
「神代さんは優しい性格だったからきっと佐々木さんと一緒にいる事で改心する事が出来たんでしょうね?でも……」
「うん、樋山は違う。あいつはこんな卑劣なやり方をしてまでレイくんや神代さんから私達を奪おうとしている根っからの悪人ですッ!」
「あぁ、事務所の為と俺達家族の為にも、これ以上奴を野放しにするワケにもいかない。拓哉、今すぐ奴を緊急の仕事と称して此処に呼び出してくれ」
「はいッ!………栄ちゃん、今まで隠して来てごめんな。」
「ううん、例え転生者だったとしてもたっくんはたっくんでしょ?なら私はそれで充分よ♪それにたっくんは樋山なんかとは全然違うんだから気にしなくて良いんだよ♪」
栄ちゃんにそう言ってもらえた拓哉は一瞬泣きそうになるも涙を拭い急いで樋山を呼び出しにいった。さて、この落とし前はきっちりとつけさせてもらうぞ樋山。
「失礼しま〜す。で、なんですか支部長?俺だって暇じゃないんですよ?」
……こいつ、来て早々いきなりナメた態度を取ってるな?こっちの事を見ようともせず欠伸をしながら頭を掻いてる。こんな奴が一時でも俺達の事務所にいたかと思うと腹立たしい。
「……樋山、お前この間ショッピングモールでのクリスマスイベントをにじさんじから奪う形で無理矢理ホロライブに変更させたみたいだな?一体どういうつもりだこれは?」
「あ、それッスか?いやあにじさんじには悪いとは思ってますがやっぱり野郎も一緒にいるイロモノのにじさんじなんかよりアイドルとして輝かしいホロライブが起用された方が盛り上がる事間違いないじゃないですか♪だから俺は皆の為にと思ってオーナーさんに頼んでなんとかホロライブの起用を勝ち取ったんですよ♪」
……何処までもふざけた野郎だな?俺の横に美兎がいるのにも関わらずなんの悪びれもなくヘラヘラと笑っている。しかも何が勝ち取っただ?ふざけるのも大概にしろ。
「よく言うな、オーナーさんを洗脳してまでにじさんじから仕事を奪う必要が何処にある?」
「ッ?!な、なんの事ッスかね〜?」
「先程このショッピングモールに行きオーナーさんと話をしたんだが、このオーナーさん明らかに目が虚ろだったから調べてみたんだよ。そしたら案の定洗脳されていたからすぐに解除したよ。オーナーさんびっくりしてたぞ?だって自分の知らない内に起用事務所が変更されてたんだからな」
(ッ!?こ、こいつなんで俺があのオーナーを洗脳していた事が分かったんだ?!いや、それよりも解除ってどうやって!?俺のこの力は神からもらった最強の力の筈なのに?!い、いや落ち着け俺!まだ言い訳が出来る範囲だからなんとか知らないフリして誤魔化そう!)
おーおー見るからに動揺してるな?だがすぐにニヤけた処を見るとまだ言い訳が出来ると思ってるみたいだな?
「へ、へぇ〜洗脳ッスか?でもそれって別に俺がやったなんて証拠はないんじゃないッスかね?だって俺は自分で言うのもなんですが仕事は出来る方ですからそんな洗脳なんて事しなくてもそれくらい勝ち取れますって♪」
「そうか……実はお前のその仕事態度についても聞きたい事があったんだ。今から他のスタッフも交えて詳しく聞きたいと思う。栄ちゃん、春先、入ってくれ」
俺が呼ぶと扉の奥から栄ちゃん達が現れそのままソファーに座ってもらった。二人の登場に樋山は何やら勝ち誇った表情を浮かべているな。
「じゃあ二人とも、これから二人には樋山の普段の仕事の態度について話してもらいたい。嘘偽りなく正直に話してくれ」
「「……はい」」
(へッバカめ!栄ちゃんやのどかちゃんは既に洗脳済みで俺の事は溺愛しそれ以外の男はゴミだと思うようになってる!幾ら聞いた所で俺の評価が下がる事はないぜッ!)
樋山の奴、栄ちゃん達が味方だと思ってニヤニヤ笑っているみたいだな?だが……
「……はっきり言って樋山の仕事に対する態度は最悪です。何時も私達が取ってきた仕事を奪って自分の手柄にしたりして、オマケに私の旦那を含めて男性スタッフの事を見下すような態度には我慢が出来ません」
「え?」
「オマケに私達女性スタッフに対して胸やお尻を触ったりと堂々とセクハラしてきて気持ち悪いです。正直一緒の空間にいるのも嫌な気分です」
「はあッ!?」
樋山の奴、栄ちゃん達の証言を聞いて慌てだしたな?まさか自分の事をそんなふうに言ってくるとは思ってなかったんだろうな?
「成る程……樋山、お前の仕事態度は報告で聞いていたのと大きく違うみたいだな?」
「い、いやそんな筈は……!?(ど、どうなってるんだよ!?二人とも俺にベタ惚れの筈だろ?!なんでそんな……!?)」
「……洗脳していた筈の二人からそんな事を言われてショックだったか?」
「ッ?!!?な、なななな何を……!?」
「はぁ、分かりやすい動揺だな?もう全部分かってるんだよ、お前が女性スタッフ達を洗脳して好き勝手してるのも、お前がこのホロライブを乗っ取ろうと企んでいるのもな」
(ッ!?ぜ、全部バレてる!?い、いいい、いいや落ち着け俺!例えバレても今此処でこいつ等全員洗脳してやれば良いだけだッ!ケケケ!俺の力を持ってすればお前等なんか怖くねぇんだよバァーカッ!大人しく俺の操り人形になりやがれぇッ!!)
ーキュイィィィンッ!ー
「……ケケッ♪さぁこれでお前等は俺の言いなりだ!まずはお前!大人しく俺にその支部長の座を「渡すワケねぇだろこのボケ」ッ!?な、なんで……?!」
やっぱりこいつ、俺達を操ってこの場を乗り切ろうとしていたな?だが俺は元よりそんな洗脳なんて効かないし、此処にいる皆も俺の力を分け与えているから洗脳されずに済んでる。あいも変わらず俺達に睨まれている樋山は最早たじろぐ事しか出来ずにいる。
「野心や向上心、結構な事だ。だがそれは道を外せば唯の外道に成り下がる、今のお前のようにな」
「う、うぐぐ……な、なんでお前等に洗脳が効かないんだよ……ハッ!?ま、まさか……お前も俺と同じ転生者なのか?!いや、そうに決まってる!じゃなきゃ俺の洗脳を弾き返すなんて出来るワケねぇッ!?」
「……お前、もう隠す気ゼロだな?だが俺は別に転生者ではない。ちょっと特殊な力を持ってるけどな。さて……お前には俺の家族と拓哉の家族、そして俺達ホロライブやにじさんじの想いを踏みにじった罰を与えてやる」
俺はそう言って樋山を取り押さえ頭を掴んでいく。樋山は抵抗しようとしているが金縛りで動きを封じ込めているので動けはしない。まずはこいつから洗脳の力を消して……よし、そして次にこいつの元いた世界を検索して……見つけた!
「な、何をしやがる!?離せやコラァッ!!」
「ギャーギャーうるさい……お前みたいな奴はこの世界にいらない。大人しく自分のいた世界に帰れッ!!」
俺はそう言って樋山の後ろに次元の扉を開き奴をそのままその中へと入れてすぐに扉を閉め消滅させた。これで奴はもうこの世界に関与出来まい。
「……これでもう奴はこの世界に来る事は二度とないだろう」
「うん、栄ちゃん無事に戻って来て良かったですね神代♪」
「はい……先輩、今回は本当に有り難うございました」
「私からも有り難うございます、そしてすみませんでした。これからはたっくんと一緒に子供達との関係を取り戻すように努力します」
「ん、そうしてやってくれ。春先も二人の事をサポートしてやれ。その間は三人とも特別休暇を与えてやるから」
「はい!私も皆さんの信頼を取り戻せるよう頑張ります!」
やれやれ、兎に角これで一件落着かな?全く、ああいう転生者とかは二度と来てほしくないもんだわ……
「……う、うぅん……ハッ!あ、あれ?此処は……?」
「コラァ樋山ぁッ!また仕事中に居眠りとはいい度胸だなぁ?!まだこんだけ資料溜まってるんだからさっさとやれやッ!」
「へ?あ、あれ?!俺さっきまでホロライブで働いてた筈じゃ……?!」
「何寝ぼけた事言ってんだテメェ?!お前だけ今月のノルマ終わってねぇんだからさっさとしろやボケェッ!!」
「ひ、ひいぃぃぃぃ〜ッ!?」
その頃、転生前の世界に戻された樋山神紅……否、樋山哲夫(41)は元いた会社で再び社畜として馬車馬のように働かされるのであった。
はい、という事で拓哉の正体判明とクズ転生者追い出しの回でした!幾ら力を得ても他人の家庭を壊したらダメですね(;^ω^)
もうすぐ本編も更新しますので次回もまったり待って頂ければ幸いです、ではまた!