「…………そっか、アイドルを引退してしまうんだな?」
「うん…………ごめんね玲二、アカリにはもうこれ以上続けていける自信がなくなっちゃった…………」
俺は今肩に身を寄せてるアカリの頭を優しく撫でて落ち着かせている。アカリは実は去年の冬頃から自身のチャンネルでの活動をしておらず、つい先日SNSで引退声明を出したのだ。理由はアカリの所属していた事務所との意見の違い、それもかなり前から続いておりその溝はどんどん深まる一方だったらしい。自分の本来やりたかった事も満足に出来ず、このままでは自分がダメになると思ったアカリは引退を決意したのだ。
「いや、お前が選んだ道なんだ。それを止める権利なんて例え俺だとしてもそんなのないさ……それで、これからアカリはどうするんだ?俺は例えお前がアイドルを引退したとしても夫として支えてやりたいと思ってる。だからお前がやりたい事があればサポートしてやりたい」
「……それに関してはまだ分からないかな?多分暫くはヒカリの子育てに勤しもうかなって思ってる。けどそれからの事はまだ思いついてないや。ほら、アカリってば今までアイドル活動一筋だったからさ、アハハ……」
……俺に心配させまいと必死に笑顔を作ってるが、肩に寄り添うアカリの身体が小刻みに震えているのが分かる。今までアイドル活動一筋でやって来たアカリにとって他にやりたい事が今のところ見つかってなくてこれから先どうなるのか全く分からない事に不安を感じているのだろう。だから俺は一度撫でるのを止めてアカリを強く抱きしめてやった。
「……大丈夫、お前には俺や皆が一緒にいる。例えアイドルじゃなくなったとしてもお前が俺達の家族である事には変わりはない。だからもし何か新しくやりたい事が出来たら全力で支えてやる、だから安心してくれ」
「玲二……うん、ありがとう玲二。アカリ、玲二に会えて一緒になれて本当に良かった♪これからもずっと、アカリの事を傍で見守っててね?」
当たり前だ。例えどんな事になろうとアカリが俺の家族である事には変わりはない。これからも俺達はずっと一緒だ。俺はうっすらと泣いているアカリの頭を優しく撫でながらそう誓うのだった。
2023年3月31日を以てミライアカリさんが引退される事が発表されました。Vtuber界の黎明期から活動され多くの人を魅了してきた彼女が引退されるのは1ファンとしてとても残念ですが、彼女のこれからの未来が明るくなる事を切に願います。 by神楽