2024年現在、世界では佐々木玲二が義兄である藤枝劉斗が会長を勤める藤枝コーポレーションと共に開発したガンプラウォーズが大盛況を果たしていた。その人気ぶりは凄まじく、遂には三世界を巻き込んだ世界大会が開催される事が決まった程である。
だがそんなガンプラウォーズの成功を妬む不穏な輩もまた存在していた。これは、そんなガンプラウォーズに対抗心を燃やし真似たとある国の末路を見ていこう。
「僕はずんだもん。天界にあるずんだ共和国の国王兼大統領なのだ。今僕は天界で大人気のアニメ『駆動戦記ズンダム』をイッキ見しているのだ。やっぱりズンダムは最高のアニメなのだ♪」
「大変です国王!」
「お?どうしたんだ秘書よ、そんなに慌てて?」
「今さっき街に出ていた時に国民達の話を聞いてたのですが、今地上界の日本という国が開発したガンプラウォーズというのが三世界中で大ブームを巻き起こしているようです!」
「ガンプラウォーズ?なんなのだそれは?…………なんと!?ガンプラを使ったリアルシミュレーションゲームだとぉ!?」
2022年末、日本の藤枝コーポレーションがガンプラの会社と提携を結びガンダムのプラモデルを読み込む事で誰でも自由にオリジナルガンプラで楽しめるゲーム『ガンプラウォーズ』を開発したのである。これは細かな改造もしっかり読み取り世界で唯一つのガンプラを好きに動かす事が出来、更にバトルだけではなくレースや探索等いろんなユーザーが楽しめる要素が盛り沢山のゲームであった。当然このゲームは爆発的にヒット!ガンプラ業界とゲームセンター業界を大いに潤わせたのである。そんなガンプラウォーズの成功が気に食わないずんだもんは……
「ふん!何がガンプラウォーズなのだ!所詮は地上界にある小さな島国が作った子供だましなのだ!」
「ですが我が国でも何機か筐体が導入されてゲームセンターは連日大賑わいを見せてるようですよ?」
「ヌググ……ってか我が国ではズンダムっていう素晴らしいアニメがあるのに、なんで国民共はガンダムなんかに熱狂してるのだ!?」
「いやまぁだって……ズンダムってパクリアニメですし」
「な……!?」
秘書の言う通り、ずんだもんの言うズンダムというのは地上界で大人気を博したガンダムのモロパクリアニメである。製作会社はズンダムを完全オリジナルアニメーションと言い張ってはいるが登場するキャラクターやロボットが完全にガンダムをそのまま流用したかのような低品質であり、更にはキャラデザのクオリティの低さや作画が崩壊しまくっているという事もありズンダムは他国からはガンダムを真似たゴミと称され自国でもずんだ共和国最大の恥と言われる程の不人気アニメとなっている。
「クソが!ズンダムの何処が悪いっていうのだ?!この第15話の『クスクス・ドリアンの港』なんて感動回だぞ!」
「いやそれククルス・ドアンの島のパクリですよね?」
「そーなのだ?ガンダム見た事ねーからわかんね。ってそんな事より我が国がそんな地上界の弱小国が作ったようなゲームに負けるなんて許せん!こーなったら我が国でもこのガンプラウォーズに負けないゲームを開発するのだ!」
「え!?本気で言ってるんですか?!ガンプラウォーズは藤枝コーポレーションが作り上げた最新鋭の技術がふんだんに使われたゲームで同じようなゲームを作るのは至難の業だって言われてますよ!?」
「これだから素人は困る。良いか、弱小国の一企業が出来るような事がこの天界でも最速の技術成長を誇る我が国に出来ないワケがないのだ!良いからさっさと準備に取り掛かるのだ!」
「え〜……?(技術成長って、ほぼ他国のパクリばっかじゃん……?)」
こうしてずんだもんの対抗心からガンプラウォーズに代わる新しいゲームの開発がスタートしたのです。これが後に悲劇を生むことになるとは、この時のずんだもんは知る由もありませんでした……
「ではまずはラインナップからなのだ。初代ズンダムは勿論、続編のΣズンダムやΣΣズンダム、更にはアナザーシリーズのAズンダムやズンダムZeedや鋼鉄のウルフェス、最新作の木星の悪女まで幅広いズンプラを対応させるのだ!」
「なんか全部どっかで聞いた事ある名前なんですが……?」
「知らね。そして更に豊富なカスタムパーツも販売!その数なんと五十種類と幅広いカスタムが可能なのだ!」
「成る程、カスタムは確かに重要ですよね?」
「フフン、これだけのカスタムなんてガンプラでは真似出来ないだろう!」
「(いやガンプラはそれ以上のカスタム出来るんだけど……)そう言えばガンプラウォーズではガンプラ以外にも30MMや他作品のプラモも対応しているようですが、ウチも同じように合わせますか?」
「うんにゃ、そんな事しなくて良いだろ?そんなのしなくたってズンプラはかなり豊富なんだから全然余裕だし。寧ろガンプラウォーズは他のプラモも参戦させなきゃ足りないからかさ増し目的の為にやってるだけなのだ。僕らのゲームにそんな小細工いらないのだ」
「そ、そうですか……?」
一体何の根拠があったかは知らないがずんだもんは自国で生産されたズンダムのプラモ、ズンプラだけで勝負すると言い出したのだ。制作陣もこの指示に従い早急な開発を進めていきました。
「このズンプラウォーリアーズが完成すれば我が国のゲーム産業も一躍上場なのだ。なのでこの筐体を一万台発注するのだ」
「一万台ですか!?」
「これでもかなり抑えた方なのだ。けどあのガンプラウォーズが初回生産で五万台いけたのだからこれくらい余裕なのだ」
「し、しかしそんな予算一体何処から……?」
「其処は国民にも協力してもらうとするのだ。国民の税金を上げて早急な開発を目指すのだ」
「そ、それは流石にマズいのでは……!?」
「大丈夫、国民も分かってくれるのだ」
ズンプラウォーリアーズの開発の為に国民への税金を上げてしまったずんだもん。当然国民からの怒りは凄まじかったのですが、ずんだもんは
「必ずこの国の為になるのだから安心してほしいのだ」
となんの根拠もない返事をするだけなのだった。
そして2023年二月、遂にズンプラウォーリアーズが世に出始めたのでした。まずは数百台を自国のゲームセンターからガンプラウォーズを撤去した後にこれらを導入し売れ行きを調べる事に
それから一ヶ月後……
「ズンプラウォーリアーズが稼働してから一ヶ月が経ったのだ。どれ、街のゲームセンターの様子でも見に行くのだ」
ズンプラウォーリアーズの視察の為にゲームセンターに足を運んだずんだもん。しかし其処には驚くべき光景が広がっていたのだった。
「おぉ!凄い賑わいなのだ!やっぱり僕の考えたズンプラウォーリアーズは大成功なのだ♪……ん?ちょっと待てよ?あれって……ガンプラウォーズなのだ!?な、なんで撤去された筈のガンプラウォーズが稼働しているのだ?!というかズンプラウォーリアーズは?!」
「あら、国王様いらしてたんですか?」
「おいお前!これはどういう事なのだ!?なんで撤去された筈のガンプラウォーズが普通に稼働してるのだ?!」
「なんでってそりゃ再入荷したからに決まってるじゃないですか」
「いやいやいやいや!?ズンプラウォーリアーズは?!僕達の国の自慢のゲームを代わりに導入してやったじゃないか!?」
「あぁ、あの
「……………………え?」
なんとズンプラウォーリアーズが廃棄されまたガンプラウォーズが稼働している事に驚くずんだもん。一体何があったのか?
一ヶ月前……
「これがズンプラウォーリアーズってやつ?なんかガンプラウォーズに比べてかなりショボいというか……?」
「まぁ取り敢えず遊んでみようぜ。これも一応ちゃんとしたシミュレーションゲームらしいからさ」
―ビーッ!―
―このプラモは読み取れません―
「は?なんでだよ?ガンプラウォーズなら普通に読み取ってくれたぞ?」
「お、おい見ろよこの注意書き!?」
「ん?何々……『このゲームはズンプラ専用のゲームです。プレイする際はズンプラを購入してください』はぁッ!?なんだよそりゃ?!」
「ズンプラってあのガンプラのパチモンだろ?かなり出来の悪いプラモだって有名だぞ?!」
ズンプラウォーリアーズが導入されてまずプレイヤーの怒りを買ったのが今まで使えてたプラモが使えなくなってしまい、使えるのはモデラーの中でもかなり不評なズンプラしかないという事だった。ズンプラはこれまたガンプラのパクリでありカラーリングの乏しさと合わせ目の粗さやパーツの咬み合わせが悪かったりと現代のプラモとは思えない程の出来の悪いキットだったのです。
「ふう、取り敢えずズンプラを買ってきたけど、やっぱり出来が悪過ぎるなこれ……」
「ま、まぁこれで漸く遊べるんだから良いだろ?どれ…………な、なんだこのゲーム!?ラインナップがショボ過ぎるぞ!?」
次に発覚した問題点はそのゲームの種類であった。ガンプラウォーズであった対人戦はなくあるのはCPU戦とスマホゲーレベルの探索ゲームしかなく、更にオンライン等も設定されていない為ランキングもなく競い合いのない物だったのだ。更には
「おいおい!?動きがヌルヌルし過ぎたり変にカクカクしたりして気持ち悪いぞ!?」
「ていうか一応改造したのにその点が全く反映されてないんだが?!これじゃあ改造した意味なんてないじゃないか!」
スキャニングシステムもかなりショボい物を使用していた所為か全然まともに反映されず、どんなに改造しようと初期状態でしか反映されず、更には腕が逆方向を向いてたり腰が90度曲がったままなどロボットとは思えない変な動きが目立ってしまいユーザーからはかなりの不満が溜まっていったのです。
更には価格自体にも問題がありました。ズンプラウォーリアーズは一プレイ百円、一見すれば普通のゲームと変わらないように思えます。しかしガンプラウォーズの場合はID発行時に980円掛かりますが同時に百回分のプレイが出来るようになり、その後プレイ回数の限度が来ても五百円投入すればまた百回分チャージされるので単純計算で一プレイ五円で遊べるので最早どちらが得かなんて火を見るより明らかでした。
このように全てがガンプラウォーズの劣化版であるズンプラウォーリアーズは瞬く間に悪評が広がりユーザーからはガンプラウォーズに戻してくれというクレームが殺到。ゲームセンター側もこれらを重く受け止めズンプラウォーリアーズを廃棄、すぐにガンプラウォーズを再開させたのです。
「そ、そんな……!?僕が考えたズンプラウォーリアーズがガンプラウォーズに負けるだなんて……?!」
「負けどころか勝負にすらなってませんでしたよ?ユーザーからはガンプラウォーズを真似ようとして出来たゴミなんて言われてますし、もうこの国で稼働している所なんて殆んどないんじゃないですか?」
「クソが!こうなったら早急なバージョンアップを図って海外に売り込むのだ!僕のズンプラウォーリアーズがこんなところで終わるワケがないのだ!」
自国のゲームセンターからは粗大ごみのように扱われたズンプラウォーリアーズ。ずんだもんはこれを早急にバージョンアップさせて他の国に売り込もうとしました。しかし
「いやこれガンプラウォーズのパクリでしょ?」
「パクリというか劣化版じゃん」
「こんなゲーム誰が買うんだ?」
「すみません、ウチの方はもうガンプラウォーズで大盛況なのでいりません」
「なんでじゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!?」
当たり前のようにガンプラウォーズの普及が広がっている今、ズンプラウォーリアーズなんていうワケの分からないゲームを欲しがる国はありません。地上界にあるT国やK国にすら相手にされませんでした。
「く、クソが……!こうなったらズンプラウォーリアーズに代わる新たなズンプラゲームを開発して……!」
「国王、大変です!」
「ん?どうしたのだ秘書よ、そんなに慌てて?」
「ズンプラウォーリアーズが大失敗した事が国民全体に知れ渡り皆怒りのあまりデモが起こってます!」
「げ!?な、なんでなのだ?!」
「なんでってズンプラウォーリアーズを作る為に国民の税金を上げたのお忘れですか!?」
「あ、そうだったのだ、すっかり忘れてたのだ……!?」
「更にはズンプラウォーリアーズ一万台分が不良在庫になってしまいその総額は1500万ずんだ(日本円にして120億円)にもなります!」
「あ、ああ、ああぁ……!?」
「また今回の事でズンダムやズンプラ、そしてズンプラウォーリアーズに対してサン○イズとBA○DAIと藤枝コーポレーションから著作権侵害という事で訴えられてしまってます!」
「あ、オワタ……」
こうして国民と大企業を敵に回してしまったずんだもんは多額の借金を背負う事となり、そして経営破綻したずんだ共和国はお隣のコーヴァス帝国に取り込まれる形でその歴史に幕を閉じたのでした。
「コーヴァス帝国の領土になってから暮らしが豊かになってきたな」
「ずんだ共和国の時は国王が好き勝手にしてたからね」
「暮らしも豊かになってガンプラウォーズも楽しめて、ホントに良い事尽くしだな♪」
ずんだもんが好き勝手にしてた時とは違い国民全てが豊かになって幸せそうです。
「ウググ……ちくしょう!このままでは終わらないのだ!いつか必ずずんだ共和国を再建してズンプラウォーリアーズIIを作ってやるのだ!絶対に諦めてやるもんかなのだーーーッ!」
国王の座から降ろされてもまだ諦めてないずんだもん。彼がずんだ共和国を再建出来る日が来るのでしょうか?少なくともこれに懲りて少しは大人しくしてほしいものですね。
おしまい
はい、という事でずんだもんの野望失敗でした!それにしてもなんでずんだもんってあんなにイジられているんでしょうかね?
次回は本編を更新しますのでまったりと待って頂ければ幸いです、ではまた!