今回はタイトルで誰がメインか丸分かりですが、どうぞ楽しんで頂けたら有難いです。
―カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタッ…カタッ―
「…ふう、漸く一段落だな」
長かった企画書纏めも一段落がつき、俺は身体を伸ばして一段落する。因みに今日は事務所ではなく自宅で仕事をしている。このご時世になってから自宅で仕事をする事も増え、今日もリモート会議を終えてからの企画書纏めとずっとパソコンとにらめっこしていた為に目が少し痛い。
「取り敢えず今日はこのぐらいにして、飯食って風呂入ろうかな―ピンポーン―…ん?誰だこんな時間に」
この後する事を考えていると突然インターホンが鳴り、誰かと思い玄関へと向かう。こんな時間帯だから恐らくはホロメンの誰かとは思うが…
―ガチャッ―
「はーい、どちらさ「こんばんはー!彗星の如く現れたスターの原石、貴方のアイドル星街すいせいです♪すいちゃんはぁ~?」…はい、今日も可愛いよすいせい」
…いきなりびっくりしたな。てっきりフブキ辺りかと思ったがまさかこいつとは。俺の目の前にいたのはニコニコと笑いながら手を振る青髪のサイドテール娘『星街すいせい』だった。
「もう、玲二くんノリワルいよ!もっといつも見たいにテンション高く言ってよ」
いや、そんな頬膨らませて言っても仕方ないんだけど。そもそも俺がテンション高く言った事なんて一度たりとも無いんだが?
「それじゃあもう一回言うから今度こそお願いね♪すいちゃんはぁ~「今日も平たぁ~い」あ゛ぁ゛ッ!?誰が平たいだゴルアァッ!?」
俺が答える前に(答える気もなかったが)すいせいの後ろから煽るような声が聞こえ、すいせいはまるで般若のような顔をしながら高速で振り向いた、おぉ怖っ……
そして其処にいたのは不機嫌そうな表情を浮かべながら仁王立ちしている桜色の髪に巫女っぽい服を着た少女『さくらみこ』がいた。
「おいみこちどういう意味だ今の誰の何が平たいってあぁ?」
「へッ!怒ってるって事は自分で自覚あるって事じゃん?それにみこの事を置いてさっさと玲二の所に行ったんだから、これぐらい言わないと気が済まないにぇ!」
「んだとコラァ?よーしわかった、そんなら戦争だゴルアァッ!」
「望む所だにぇ!サンドバッグにしてボコボコにしてやんよぉ!」
…また始まった。こいつ等ミコメットでコンビ組んでる筈なのに何でこんなにも仲が悪いんだよ?これならまだペコみこの方がマシだぞ。全く……
―ゴンッ!ゴンッ!―
―数十分後―
「……で、もう喧嘩しないと誓うか?」
「「はい……」」
あれから俺は家の前で騒ぎ立てるこいつ等の頭に鉄拳制裁をした後に説教をしていた。目の前で正座しているこいつ等の頭にはギャグみたいなたんこぶが出来ており、目からはこれまたギャグのような涙の滝が流れている。てかこういう事は今に始まったことじゃないんだからいい加減学習しろよ。
「全く、これに懲りたらもうすんなよ。それで、こんな時間にすいせいとみこは一体何しに来たんだ?」
「あ、そうだ!実は今日みこちと一緒にヨ○バシに行ったんだけどその時にビビッ!ときたガンプラを見つけたから玲二くんと一緒にやりたいなと思って買ってきたんだ♪」
「そうそう、みこもこれ凄く良いと思って買ったの♪ほらこれ!」
そう言って二人はカバンの中を漁りそれぞれガンプラを一つずつ取り出す。その間に涙はピタッと止まっておりたんこぶもいつの間にか無くなっていた。どういう体構造してんだお前等……まぁいいや、それで何買ってきたんだろうか?
「…へぇ、すいせいがスターゲイザーにみこが…おぉ、まさかのニュージオンか」
すいせいの買ってきたのは白を基調としたボディに光のラインが所々に入った『HGスターゲイザーガンダム』、そしてみこが買ってきたのは真っ赤なガンダムが巨大な剣を持って凛々しく構えている『HGニュージオンガンダム』だった。
『HGスターゲイザーガンダム』
機動戦士ガンダムSeedの番外作品「C.E.73 STARGAZER」に登場した宇宙探査用のガンダムである。その目的上戦闘には向いてなく武装も自己防衛用に最低限しか備わってないが劇中ではその機動力により敵ポジションのガンダム達を追い詰める程の活躍をしている。因みに俺はこの作品のブルデュエルのパイロットの死に方が結構トラウマである。
『HG ニュージオンガンダム』
ガンダムビルドダイバーズRe:Riseに登場するキャプテンジオンがニューガンダムをベースに作り上げたガンプラである。まるで赤い彗星と呼ばれたシャアの専用機のような真っ赤なボディに手に持っている巨大な剣「ジオニックソード」をメインに劇中でも豪快な戦いを繰り広げていた。しかし、ニューガンダム自体は結構人気があるのにこのニュージオンガンダムは割りと色んな所で余ってたりしてる。
「やっぱりすいちゃんと言えば名前の通り星のイメージがあるから、このスターゲイザーにはビビッ!と来ちゃったんだよねぇ♪」
「みこもいつも赤いザクやゲルググとか作ってるからこのニュージオンも良い!ってなったんだにぇ♪」
まぁ、言われればそうだが…星と言う意味では確かにすいせいっぽいが、ホロメン達からサイコパス呼ばわりされてるヤツが探査用のガンダム作るってなんかシュールだよな。みこもみこで今までガンダムは「兎田と被るからヤダ!」とか言って今まで頑なに手を出さなかったのに…いや、でもまぁ人が何作ろうが自由か。
「まぁ作るのは分かったけど、今から作るってキツくないか?もう外真っ暗だぞ」
「うん、だから今日は玲二くんのおうちに泊まって明日の朝作ろうかなって」
ちょっと待て、何で泊まる必要がある?明日になってから来れば良いだけじゃねーか。
「ほら、善は急げって言うし、みこも最近玲二の家に来てなかったから折角なら泊まりたいなーって」
いやなんだその理由?もしそれで明日会社で仕事だったらどうす……いやこいつ等の事だ、俺の出勤日なんて何処かで把握してるんだろう。ホント一体誰なんだよ俺の勤務情報流してるのは、Aちゃんか?
「はぁ…まぁ今日はもう遅いし、仕方がないから泊まっていけ」
「「いやったー♪」」
ホント調子良い奴等だな。さて、こいつ等の寝床を確保するか。
「取り敢えず俺はベッドで寝るからすいせいはフローリングで、みこは洗面台の床で「「ちょっと待てえぇーーいッ!!」」…なんだよ」
「なんで私がフローリングで寝ないといけないの?!そらちゃん達にはベッドで寝かせたのにおかしくない?!」
「みこも洗面台なんかで寝たくないにぇ!こうなったら今日は三人でベッドで寝るにぇ!異論は認めないからにえぇ!」
「えぇ……」
物凄い剣幕な表情で二人に迫られ俺は思わず困惑してしまい結局三人で寝る事を了承してしまった。しかし何故だろう?そらとアズキと一緒に寝た時のドキドキ感が全く湧かないのは……
―就寝時間―
「ぐごおぉぉぉぉぉぉぉ……ッ」
「ごがあぁぁぁぁぁぁぁあんごごごご……ッ」
(…う、うるさすぎて眠れねぇ…それにさっきから手足が…痛たたたたたたたあぁッ!!?)―ギシギシギシギシッ!―
こいつ等イビキうるさすぎなんだけど?!しかもそれぞれ腕と足に絡みついてよく分からねぇプロレス技みたいなのかけられてるんだがあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあッ!!! ?
結局この二人のイビキのうるささと関節技のせいで俺は一睡も出来ずに朝を迎えてしまったのだった……
―翌朝―
「…そんじゃさっさと作ってさっさと終わらせるぞ二人とも…」
「う、うん…それよりどうしたの玲二くん、目の下物凄い隈出来てるけど…」
「うっせぇそんなの良いから早くやるぞさっさとパーツ切り取れよ俺は顔洗ってくっから…」
「わ、分かったにぇ…みこ達何がしちゃったかな?」
結局一睡も出来なかったのと一晩中関節技をかけられた痛みと疲労のせいでまるで三徹した時並みの疲れが襲って身体の限界がピークを迎えていた。もうこいつ等と絶対に二度と一緒に寝るもんか。仕方ないから取り敢えず顔を洗ってから冷蔵庫の中にあるメ○シャキを飲んでひとまずすっきりさせてからリビングへと戻っていく。
「よし、それじゃあ気持ち切り替えてやってくか。まずそれぞれパーツを切って…」
「あ、それなんだけど玲二くん、すいちゃんちょっとやってみたい事があるんだけど」
「ん?一体なんだ?」
「あのね、このガンダムを青く塗装したいなぁって。ほら、すいちゃんのイメージカラーって青でしょ?だからこの子も青くしたらすいちゃん専用機っぽくなると思って♪」
ふむ、確かに言われて見ればスターゲイザーのそのままの色だとすいせいのイメージとは違うな……よし、久々にちゃんとした塗装をするか。
「それならまずすいせいはスターゲイザーの白いパーツを全部切り取ってくれ。この時にどのパーツか分かるようにこの付箋に番号書いて貼ってくれ」
「了解であります!」
「あ、それならみこも塗装したい!」
「ん?ならみこも同じように塗りたい色のパーツを切っていってくれ。俺はちょっとパソコンで仕事するから二人とも終わったら教えてくれ」
そう言って俺はパソコンを開き昨日の仕事の続きを始める。この二人はちょくちょくガンプラ作りに来てるからパーツの跡処理は大丈夫だろう。
―数分後―
「痛ッ!」
ん?なんかみこの奴変な声出してなかったか?
…あぁ、デザインナイフで指切っちゃったみたいだな。やっぱり何回かやってるとは言え目を離すのはまずかったかな。取り敢えず救急箱を……
「あれ、みこち指切っちゃったの?痛い?」
「痛いぃ…」
「苦しい?」
「苦しいぃ…」
「そっかぁ♪」
「喜んでんじゃねぇッ!!」
…何二人してやってんだよ?しかもそのやり取りどっかで見たし。
「何やってんだか…ほれみこ手出しな、手当してやるから」
「あ~ん玲二優しい~♪どっかのサイコパスと全然違うにぇ~♪」
「…ケッ、そんなの唾付けときゃ治るっての」
「それ余計に雑菌繁殖するだけだろ」
…ん、見た感じそんな深くまで切ってないな。これで少し消毒して、乾いたら絆創膏っと。よし、これで大丈夫だ。
こうして手当をしてもらったみこはご機嫌で作業を再開し、すいせいは何か面白くないのか少しふてくされながら作業を進めていくのであった。
―更に三十分後―
「全て切って跡処理も終えたな。それじゃあ塗装始めていくか」
「おぉ、漸くだにぇ」
「楽しみだなぁ♪」
全てのパーツの処理を終え、塗装しやすいよう全てペインティングクリップ(棒の付いたクリップ)に付けて塗装ベースに刺しいよいよパーツを塗装していく。因みに今俺達は庭に出ている。塗装する時は換気の良い所でマスクをして行わないと大変な事になるので決して換気環境が整ってない場所での塗装は絶対ダメだからな。
「まずは塗装するパーツにこのサフを噴いていくんだ」
「「サフ?」」
「サーフェイサーって言って、要は下地だな。塗る色によって色は変わるが、今回は二人ともこの白サフを噴いていくか」
「?何でわざわざ下地なんてする必要あるの?そのまま塗りたい色で塗っちゃダメなの?」
「これをする事によってより塗装しやすいようにするためだ。特に今回のみこのニュージオンみたいに色の濃い物だと塗装した後に下地に負けて思い通りの色にならない事もある。そしてサフを噴く事でヤスリ掛けの細かい傷跡も隠す事が出来るんだ」
今回使うのはMR.HOBBYのMr.ベースホワイト1000。俺が塗装する時にいつも使っているサフだ。因みに塗る色によってもこのサフの色も変わってくる。
「まず塗装する前にスプレー缶だからよく降ってちゃんと出るか確かめて、そしたら余裕を持って右から左へと均等になるよう一方方向に噴いていく。この時めんどくさいからと言って右左右左と行ったり来たりの噴き方はダメだからな、下地や色にムラが出来てしまうから」
「う、言われなかったらやってしまうとこだったにぇ…」
「でも綺麗に仕上げたいし、頑張って塗りますか!」
二人は俺が教えた通りにサフを噴いていく。うん、綺麗に噴けているな。それじゃ終わったら下地が乾くまで少し待つか。
―一時間後―
「よし、下地も乾いたし、早速今回使う塗料を選んで貰うか」
そう言って俺は部屋の物置にしまっていたスプレー缶を取り出して二人に選ばせる。本当ならエアブラシなんかで塗るのが一番なんだろうけど、あいにく今住んでいる家でそれを使える環境ではないので俺は塗装する時はいつも庭でスプレー缶でやっている。皆ももしやる時は換気の良い場所で近隣の人に迷惑の掛からないように塗装しよう。
「えーと……あ、すいちゃんこれに決めた♪」
「みこもこれに決めた!」
そう言って二人はそれぞれの色を選んだ。すいせいが選んだのはタミヤのTS-23ライトブルー、みこが選んだのは同じくタミヤのTS-25ピンクである。うん、二人のイメージにぴったりのチョイスだ。
「それじゃあこれをさっきのサフのように右から左へと一方方向に噴いていこう。綺麗になるよう均等にな」
「「はーい♪」」
二人は自分の選んだ色を思い思いにパーツへと噴きかけていく。こうして見るとやっぱりガンプラって色によって印象が大分変わるって改めて思うな。
―数時間後―
「よし、お互い塗装も完全に乾いたし、後は組み立てていくか」
「よおし、もうすぐ完成だあー♪」
「みこもワクワクするにぇー♪」
あれから塗装を終えて(すいせいはあの後更にクリアパールを噴いた)遂に組み立ての作業に入っていた。塗装したパーツが剥げないよう慎重に組み合わせていく。そして……
「おおっし!スターゲイザー…否!コメットゲイザーガンダム完成だあ♪」
「みこもニュージオン改めニューミコンガンダム完成だにぇ!」
こうして二人は自分達のガンプラを完成させそれぞれに新しい名前を付けていく。にしてもコメットゲイザーってちょっと語呂悪いな。しかもちゃっかり俺のジャンクパーツからストライクのライフルとシールド使ってるし。
「二人ともお疲れ。後はそれぞれにトップコートを噴き掛ければ終わりだな」
「「トップコート?」」
「これを噴く事で塗装剥げを防ぐんだよ。種類としては光沢、半光沢、つや消しがあるから今回はすいせいのには光沢、みこのにはつや消しを噴くか」
そうして俺は最後の仕上げのトップコートを噴き、これを乾かして本当に完成だ。
今回はこのシリーズでは初めての塗装だったのでそれぞれのガンプラを軽く紹介しよう。
『コメットゲイザーガンダム』
スターゲイザーガンダムにライトブルーとクリアパールを噴いた星街すいせいの専用機。色を明るめの青色にした事ですいせいっぽいイメージカラーを出しつつ元のスターゲイザーの良さを残している。本来は探査用のガンダムだがジャンクパーツのビームライフルとシールドを持たせる事で戦闘用として戦えるようになっているという設定だ。
『ニューミコンガンダム』
ニュージオンガンダムの濃い赤色と一部の赤色の部分をピンク色に変更した事により少し和風っぽさを感じるさくらみこの専用機。つや消しを噴いた事により落ち着いたイメージになり、これはこれで有りな作品になっている。
「こうして見るとどっちもなかなか良い感じに出来たな。て言うかこういった自分専用の塗装したのってホロメンだとこれが初めてか?」
「「!?……ふーん、そうなんだ(にぇ)」」ニヤニヤ
ん?どうしたんだ二人してニヤニヤ笑って?こういった笑い方する時のこいつ等ってロクな事しないから嫌なんだが……
―翌日事務所―
「どおーだ兎田!これがみこ専用ニューミコンガンダムだにぇ!兎田のペコダムなんて目じゃないにぇ♪」
「ぐぬぬヌヌ…ッ!」
「ほらほらフブちゃん見てみて♪玲二くんと一緒に作ったすいちゃん専用のコメットゲイザーガンダムだよぉ♪」
「ウギギギギ……ッ!」
久しぶりの出社早々事務所では何やら騒がしい様子だった。どうやらすいせいとみこの二人が昨日作ったガンプラを自慢気に皆に見せているようだ。そんな自慢するような事かそれ?
「師匠!みこ先輩達だけオリジナルなんてズルいぺこ!そんなのってねぇぺこじゃん!こうなったらぺこーらも師匠と一緒にペコダムmark-7作るぺこよ!」
「白上もすいちゃん達みたいな改造したい!だからレイくんこのジュピターヴにキツネの耳と尻尾付けてフブキングガンダムにしましょう!」
二人が自慢するから羨ましくなったのか兎の獣人『兎田ぺこら』とフブキを初めとした他のホロメン達も自分専用のガンプラが欲しいと押し寄せてくる。てかぺこら、お前の作ったペコダムって全部素組のRX-78-2(初代)ガンダムだろ。そしてフブキ、残念ながら俺にそんなパーツを作る技術はない。ホント、あいつ等余計な事してくれたな。
それから暫く俺は塗装や改造をしたいという皆に付き合わされる日々が続くのであった。
はい、という事で今回は星街すいせいとさくらみこの二人でした。正直この二人が手を組むとロクな事が起きないと思ってます(^^;
今回は初めて塗装しただけとはいえオリジナルのガンダムにしてみました、如何でしたでしょうか?
これから少しずつですがリアルも含め改造等にも手を出してみたいと思ってますのでどうぞよろしくお願いしますm(_ _)m
次回は誰にしようかなぁ?よろしければリクエストお待ちしてます。