今回は最初二人組にする予定だったんですが急にネタが降りてきたので少し路線変更しました。
楽しんで頂ければ有難いです、ではどうぞ( っ・ω・)っ
―カッカッカッカッカッカッ…―
薄暗い廃墟の街、男は何かから逃げるように走り出す。その身体は傷だらけで頭からは血も流れている。
―はぁ、はぁ、はぁ……こ、此処まで来れば大丈夫だろ…―
男は廃ビルの中に逃げ込み辺りを見回して安全を確認し一息つく。しかし……
―ベチャッ―
―?な、なんだよこれ……―
突然上から粘ついた液体が男の頭に垂れてくる。何やら生臭い匂い、それはまるで何かの体液のよう…男は恐る恐る頭上に顔を上げていくと……
―キシャアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアッ!!!―
―うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!?―
「「イヤアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!」」
「うぉッ?!急に叫ぶなよビックリするだろ!」
……現在夜の11時、俺はとあるメンバーと一緒に映画を見ていた。ジャンルはサバイバルホラーらしいが超マイナーなB級映画というのとかなり昔の作品という事でそんなに怖くはない。しかし、俺の腕にしがみついてる二人には相当怖かったらしく顔を埋めてガクガクと震えてる。
「……なあお前等、今のそんなに怖かったか?」
「怖かったよ!こんな化け物に急に襲われるなんて恐怖以外ないよ!だからラミィはこんな映画見たくないって言ったのにぃ!」
「ねねだってレイ兄ちゃんが大丈夫って言ったから見たのに、全然怖いじゃん!もうちょっとでねね漏らすとこだったよ!」
二人は埋めてた顔を上げるとわんわん泣きながら俺に文句を言ってくる。因みに今俺の左手にしがみついているのは妹分の一人であるねね、右手にしがみついているのはきらびやかな青色のロングヘアーが特徴の雪国育ちのハーフエルフ『雪花ラミィ』である。
いや、俺に文句言われても用意したの俺じゃないから困るんだが。それとねねよ、アイドルが漏らすとか平気で言うな。
「うーん、あんまりリアリティーがないな~」
「映像荒いしエイリアンも作り物っぽさが出ててなんか怖くないんだよなぁ」
そんな俺等のやり取りに目もくれず横のソファーや床に寝そべってる二人は映画に対して辛口な評価をしながらポップコーンを食べている。
ベッドで寝そべってる方は少しボサッとした白い髪の自称ギャングタウン出身のライオンの獣人『獅白ぼたん』で、床に寝そべってる方はまるでサーカスを彷彿とさせる奇抜な衣装のフェネックの獣人『尾丸ポルカ』である。
何故この四人がこんな夜中に俺の家に居るのかというと、早い話俺とこのねぽらぼの四人が一週間程の休みが取れたのでその内の三日間を俺の家で過ごす事になったのだ。まぁ当然の如く唐突だったのだがこいつ等既にリビングに布団敷いて寝泊まりする気マンマンである。更にはポルカが持ってきたこの古くさい映画を見る事になって今に至るという訳だ。
「ほら二人とももう映画止めたから落ち着けって」
「うぅ~、うぅ~!」
「ありゃ、ラミィすっかり怯えちゃってるね」
「ねねちもレイっちに顔を埋めたまま動かなくなってるし」
全く、本当にこの二人はホラー耐性が低いよな。こっちが宥めてもラミィは涙目で唸るだけだし、ねねも俺の腕に顔を埋めてグジュグジュ泣いている。頼むから服に鼻水付けんなよ。
「ほら、明日は皆でガンプラ買いに行くんだろ?だったらもう今日はそろそろ寝ないと「「ヤダッ!!」」…なんでだよ?」
「こんな怖いの見て一人じゃ寝られない!お願い玲二さんラミィと一緒に寝て!」
「ねねもレイ兄ちゃんが一緒じゃないとヤダ!一緒に寝てくれないとねね漏らしちゃうよ!」
いや、んなこと言われてもしょうがないんだが?後ねねよ、何度も言うがアイドルが漏らすとか言うなどんな脅し文句だそれ?
「あぁ二人ともそれはズルい!ポルカだって玲二さんと一緒に寝たいよ!」
「あたしもレイっちと一緒に寝たいなぁ~♪」
おいお前等何しれっと参戦してるんだ?寧ろ二人を宥めて止めてほしいんだが?
「ダメッ!二人とも別に怖くなかったんだよね?!だったら別に玲二さんと寝る必要ないじゃん!」
「そうだよ!ししろんもおまるんもさっきの映画見ても平気だったじゃん!」
「……アーソウイエバサッキノエイガコワカッタナー」
「ポルカモナンダカキュウニコワクナッテキタヨー」
なんだその分かりやすい棒読みは?そして引っ付いてくんな暑苦しい。いつも思うがなんで皆そんなに俺と寝たがるんだよ……
そんな俺を他所に四人の言い合いが始まり、結局は勝手にじゃんけんで勝った二人が一緒に寝る事となった。
―就寝時間―
「すぅ、すぅ……Zzz」
「……結局こうなるのか」
あの後じゃんけんで寝床を決めた後、俺達は明日の為にそのまま寝る事にした。俺の右側にはラミィが俺に抱きつきながら可愛らしい寝息を立てすやすやと寝ている、とてもさっきまで怯えてたとは思えない落ち着き様だ。
「……レイっち、ごめんね」
「ん?どうしたんだぼたん」
そんな中俺の左側にいるぼたんが突然俺に謝ってきた。どうしたんだ急に?
「レイっちも折角の休みなのにあたし等の我が儘に付き合ってくれてさ。この休暇だって本当は一人でゆっくり過ごしたかった筈なのに……」
「なんだそんな事か。確かに何も無かったら一人で過ごしてたかもしれないが、皆が遊びたいって言うなら断る理由はないさ」
「でも……」
「そんなの一々気にするなって、いつもマイペースな獅白ぼたんらしくないぞ?それになんだかんだで俺が楽しんでいるんだからそれで良いじゃねぇか。さぁ今日はもう寝るぞ、明日は皆でガンプラ買いに行くんだから」
……なんか自分で言ってて少し恥ずかしくなってきた。でもなんだかんだでホロライブの皆と一緒にいて楽しいのし、こんな俺を慕ってくれてると思うと嬉しいのは確かだ。まぁ、たまに喧しい奴もいるけどな。
「……えへへ、やっぱりレイっちは優しいなぁ~(皆が好きになるのも当然だよね///)」ギュッ
ぼたんはそう言うとなんだか嬉しそうに笑い俺に引っ付いてきて、その数分後に寝息を立てていた。寝るの早いなこいつ……
さて、俺もそろそろ寝るか……今思うと色んなホロメンと一緒に寝てたせいかこの状態に慣れてしまっている自分が怖い。
(……負けないもん、ししろんにも皆にも。玲二さんはラミィの運命の人だもん)
そんな玲二とぼたんのやり取りをこっそり聞いていたラミィ。その目にはハイライトが消えており黒く濁っていた……
「うぅ~、レイ兄ちゃぁん……Zzz」ギュウゥゥッ
「うぐおぉぉぉぉぉ…?!」ミシミシミシミシッ
そんな中リビングの布団では先程の映画のせいで怖くて震えながら寝ているねねとそのねねに思いっきりしがみつかれて苦しそうに寝るポルカがいた。
―翌日―
朝起きて朝食を済ませた俺達は今日のガンプラを買いに少し遠くにあるB○○K○FF(おい伏せ字仕事しろ)へとやって来ていた。ラミィとねねはすっかり元気になってたがポルカは逆に元気がなかった、どうしたんだ?
「へぇ、こんな所にもガンプラって売ってるんだね~」
「此処は量販店と違って中古のガンプラが多いから最新のは少ないけどたまに激レアな物が出てくるんだよ。今日は此処で皆で作るガンプラを探すか」
「「「おぉー♪」」」
「おぉ~……」
ホント大丈夫かポルカ?昨日の夜何があったんだよ?
それから……
「お、この武者丸懐かしいなぁ。こっちの新し目の劉備ユニコーンも良いけど、こうした昔の武者頑駄無もやっぱり良いよなぁ。まぁ、今回はパスだけどな」
「どうしようかなーっと……お、この子あたしにぴったりじゃん♪これにしよーっと」
「な、に、に、し、よ、う、か、な~っと?あ!これねねっぽい色してるしこれにしよう!」
「何か皆をあっ!と言わせるようなガンダムが良いなぁ~…ん?おぉッ!これなんて面白そう♪」
「えーと、あのガンダムは……あ、あった!ラミィは最初からこの子って決めてました♪」
俺達は皆思い思いのガンプラを選び購入し店を後にする。さて、皆何を買ったんだろうか?
―一時間後、帰宅―
「んじゃ皆早速買ってきたガンプラを出しますか」
「ふっふーん!ねねのガンダム見てビックリすんなよー?」
「ポルカもこれは良い物手に入れたと思うよ」
「あたしもあたしっぽさが出てるガンダム見つけたからね」
「それじゃあ皆で一斉に出しましょう♪それじゃあ……」
「「「「「せーの、はい!」」」」」バンッ!
「…え?」
俺は皆の買ってきたガンプラを見て思わず唖然としてしまった。俺が買ってきたのはMGガンダム(オリジン版)だったがこれはまあいい。問題なのが四人が買ってきたガンプラ…なんとまさかの同シリーズ、しかも被り無しときた。それが……
「…まさかのソレスタルビーイング全員集合、しかも1/100とはな」
そう、機動戦士ガンダムOOの第一期に活躍したメインのガンダム四機、しかもMGではない1/100スケールキットだった。
『1/100ガンダムエクシア』
『1/100ガンダムデュナメス』
『1/100ガンダムキュリオス』
『1/100ガンダムヴァーチェ』
機動戦士ガンダムOOの主人公達が所属している組織『ソレスタルビーイング』が保有する四機のガンダム。それぞれが接近戦がメインのエクシア、精密射撃のデュナメス、空中戦闘のキュリオス、そして他のガンダムより一回りゴツく巨大なビーム砲を持つヴァーチェとなっている。因みに俺は初期設定ぐらいしかOOは知らない。
「……まさかお前等打ち合わせでもした?」
「してないよ?ねねはこの子オレンジ色だから良いなぁって思ったから決めたんだよ」
「ポルカもこのヴァーチェのギミックがビックリ要素っぽかったからこれにした」
「あたしはもうデュナメスに一目惚れしちゃった♪このスナイパーライフルカッコいいし」
「ラミィはOOを見て作るならこのエクシアって決めてたんです」
……成る程、みんなの好みが偶々こういった形で一致したのか。凄い偶然だな、しかも全員1/100スケールだし。HGとかなかったのか?
「しかしまぁよくこれらが一緒にあったな結構古いガンプラなのに」
「まぁいいじゃんそんなの。それよりレイ兄ちゃん早く作ろ!」
「…それもそうか。んじゃ早速作っていくか」
「「「「おぉー♪」」」」
ねねの言う通り、もうこの際細かい事は気にしないで、今はこいつ等のガンプラを仕上げていくとしますか。
―尺の都合上パーツ処理シーンはカット―
「よし、今回は塗装とプチ改造って事だったけど、改造はラミィとぼたんだけで残りは塗装だけでいいんだな?」
「はい、このエクシアをもう少しオリジナル感を出したいのでお願いします♪」
「あたしは改造と言うより武装追加がしたいから何かあったのがあれば使いたいな」
「ん、ならこの段ボールにジャンクパーツとか入ってるから好きなの使っていいぞ」
そう言って俺は部屋の隅に置いていた二人にジャンクパーツが入った段ボールを渡す。この中には作る際に使わないパーツや昔作って破損してしまったガンプラ達がいる。こういうのは改造や修繕する時に役立つから壊れたからと言って捨てたりせず取っとくと良いぞ。そして二人は中に入ってるパーツを思い思いに漁り出す。
「ねぇ玲二さーん」
「ん?どうしたポルカ?」
俺が庭で塗装の準備をしているとポルカが突然声をかけてきた。その手には赤と青のスプレー缶が握られている。
「パーツをポルカっぽく二色で塗装したいんだけど、一つのパーツに赤と青のツートーンにするのってどうすればいいの?」
「成る程な、それならマスキングテープを使うといい。一色目を塗ってトップコートを噴いて乾いたらテープを塗りたくない部分に貼って残りを塗った後に乾いたら後はテープを剥がせばツートーンに出来るぞ」
「そうなんだ、じゃあやってみる!」
そう言ってポルカは一足早くサフを噴き始める。すると今度は入れ替わりでねねがやって来る。
「ねぇねぇレイ兄ちゃん。ねねね、このオレンジの部分をキラキラさせたいの!どうすればキラキラさせる事が出来るの?」
「キラキラ?そうだなぁ…ならまずこのゴールドで塗って、その後にクリアオレンジを塗るとちょっと光沢のあるオレンジになるぞ。この時にクリアオレンジを噴きすぎると暗いオレンジ色になってしまうから気持ち薄く噴いた方がキレイに出来ると思う」
「わかった!ねねやってみる!」
ねねも早速塗装する為にまずはサフで下地付けを始める。こうして各自思い思いのガンプラ塗装&改造を施すのであった。
―完成まで大幅カット!!―
お泊まり会最終日、四人はそれぞれ完成させたガンプラの御披露目会をする事になった。皆納得の出来る仕上がりになったのか嬉しそうな笑顔を浮かべている。
「それじゃあまずはラミィから見せて貰おうかな?」
「はい、ラミィのこれが自信作『フリージングガンダムエクシア』です!」
そう言ってラミィはテーブルに自分の作ったガンダムを展示する。どれどれ……
『フリージングガンダムエクシア』
雪花ラミィが作り上げたガンダムエクシアの改造機。青かった装甲は薄い水色になっており右肩のアーマーには前と後ろにそれぞれ『ビギニング30ガンダム』のifs(イフス)ユニットが一枚ずつ付けられており、更にその右肩のアーマーの後ろ部分から半透明の水色のレースがマントのように装着されている。そして驚いたのがシールドの白い部分に薄い水色で雪の結晶が描かれていた事だ。どうやらポルカからマスキングテープを拝借して自分なりにテーピングしたらしい。かなりビックリだ。
「次はあたしだね。あたしのは『陸戦型ガンダムデュナメス』だよ」
次に見せてきたのはぼたん。一体どんな風に仕上げたんだ?
『陸戦型ガンダムデュナメス』
獅白ぼたんが作り上げたガンダムデュナメスの改造機。緑の装甲はつや消しの黒に変わっていて背中にはその名前が指す通り『MG陸戦型ガンダム』のバックパックが装着されている。ぼたん曰くビームも実弾も使えるマルチタイプの武装という設定らしい。
「お次はポルカだぁー!ポルカのはこちら、『トリッキーガンダムヴァーチェ』だ!」
次はポルカか。ツートーンにしたいと言ってたが果たしてどうだ?
『トリッキーガンダムヴァーチェ』
尾丸ポルカが作り上げたガンダムヴァーチェのリカラー。主に赤と青のツートーンに仕上がっていて、まるでサーカスの衣装のようである。色の境目にもキレイに仕上がっていて、初めての塗装にしてはかなり上手くいってると思う。しかもこのガンダム実は装甲の中に『ナドレ』というガンダムが隠されているのだが其処もしっかりサーカス風に塗装されている。あまりガチャガチャやると塗装剥げするからあまり見れないけどな。
「最後はねねの自信作!『ガンダムキュリオス ハイパーねねちVr.』だよ!」
いよいよ最後、ねねの番か。ちゃんと言った通りに塗れたのか?
『ガンダムキュリオス ハイパーねねちVr.』
桃鈴ねねが作り上げたガンダムキュリオスのリカラー。オレンジ色の部分をゴールドとクリアオレンジで仕上げた光沢感のある機体になっている。ただ、やっぱり所々にクリアオレンジのムラがあり少し色が暗くなっているのが残念だが、まあ初めてにしては上出来だな。
「皆お疲れさん、どれもキレイに仕上がっているな。ねねのは少しムラが出来てしまってるけど、初めての塗装にしては皆良く出来てるぞ」
「本当ですか?やったぁ♪」
「うん、今回この子を上手く作れて良かったよ」
「ねねはちょっと塗装失敗したから、次こそは絶対上手く塗ってみたい!」
「ポルカも今回のお泊まり会凄く楽しかった!また皆でこうやってガンプラ作りたいね♪」
今回のガンプラ作りも無事終わる事が出来たな。やっぱり皆が楽しくガンプラを作ってくれるのは俺も嬉しくなるな。
「ねえ玲二さん、今回頑張ったご褒美が欲しいんですけど」
「ん、ご褒美?まあ、可能な限りならあげてもいいが」
「なら此処にサインと判子をしてもろて……」
「だからそれはやらねぇって」
こいつ本当に隙あらば婚姻届出してくるな。なんだ、常に持ち歩いてるのかそれ?
「あぁ!ラミィちゃんズルい!ねねもレイ兄ちゃんと結婚したいのに!」
「ラミィ抜け駆け禁止って言ったじゃん!ポルカだって玲二さんと一緒になりたいのに!」
「あたしは愛してもらえれば愛人でもいいけどね♪」
いや、ダメだろぼたん。お前等も俺何かよりもっと良い人探せって。全く最後の最後まで騒がしい事で…
こうして御披露目も終えて楽しい中終えたお泊まり会だった。
……だが、この時は誰も知るよしもなかった……
この日の一週間後、あんな出来事が起こるとは………
はい、というわけでねぽらぼの四人組でした。さすがに四人いっぺんは無謀でしたね( ; ゚Д゚)
でも書いている時は楽しかったので良かったです。
次回ものんびり書いていくので気長にお待ち頂けたらなと思います。それではまた( ≧∀≦)ノ