ありふれた暗殺者達は世界最高   作:silika

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10 解放者の時間

目が醒めると、豪奢な宮殿の寝所みたいなところに居た。ふかふかのベッド、真っ白なシーツ、荘厳なる天蓋、となりのベッドにはカエデが可愛らしく眠っており、ユエはカエデに引っ付いていた。えーっと……なんだっけ?

「おはよー、渚。とっても寝心地がいいベッドだったね。」

「おはよう、カエデ。ここどこだっけ……」

「んぅ……」

ユエはまだ眠っている様子。まあ……いっか。事情を思い出してきたけど、ヒュドラ戦が終わってすぐ寝ちゃったから、探索がまだだ。

 

というわけで、ユエの枕元に探索する旨を書いておく。

寝室を出てすぐ。大きな太陽が目に入った。勿論太陽そのものではなくて、天井のあたりにある光源ではあるけど、その明るさや温もりは太陽そのもの。続いて気になるのは水の音。それに釣られて行くと、滝があった。扉の奥の、今いる領域はかなり広いけど、その端の辺りの天井から、壁に沿って水が流れ落ち、全体を通ってから奥の洞窟へと繋がる川を作っている。川には、多分普通に食べられる魚なども泳いでいた。

そっから外れると、大きな畑があったり、豪華な台所やリビングに、お風呂などがある建物を見つけたりした。その建物の三階には、とても大きく、細かく書き込まれた魔法陣と、骸骨化した魔法使いっぽい人の亡骸があった。

「二階は行けるところがなかったし……何かあるなら、ここ?」

「多分?」

「ん」

『えーと、地上には無いくらい精密な魔法陣ですね。何が起きるか、予想が付きません』

どうしよっか、うん。多分、ここで行かなきゃ手掛りは無いと思うんだけど……。カエデと顔を見合わせる。どっちが魔法陣の中に行こうかの相談も含めて。

 

 

結局、住処にそんな酷い罠も仕込んでないだろう、ということで、僕が先の形で魔法陣の中に入った。その結果、僕たちは、少々、いやかなり困る話を聞いてしまった。

反逆者、もとい解放者の人々の戦いの話。神々の、ろくでもない意向、というか娯楽によって引き起され続けた戦争。それらを変えるために立った人々。そして、実際に決戦するまえに、彼らが解放したかった人々によって追いつめられ、そして、その時は戦う事を諦め、次に託したこと。そうして託された次、こそがこの迷宮などの七大迷宮であること。

「君が何者で何の目的でここに辿り着いたかは分からない。君に神殺しを要求するつもりもない。ただ知っていて欲しかった。我々が何のために立ち上がったか」

そう、オルクス大迷宮を作った人にして、この住処の主人だった人、オスカー・オルクスは語った。あと、神代魔法が手に入ったけど、多分これはオマケみたいなものだろう……。

 

「どうしようか、本当に」

「どうしようね……」

「どう、する?」

『どうしましょう』

みんなで頭を抱えてしまう。この情報は、先に律に、みんなに伝えて貰う。どうするか、はみんなと話して決めよう。ただ、そのあと、オルクスさんの死体に嵌められていた指輪を持って行くと、最初に行けなかった部屋にも行けるようになっていた。捜索してみると、書斎で一つの本を見つけた。それは、オスカーさんの手記で、解放者の中の中核メンバー同士での日常が綴られていた。

そこで、他の大迷宮でも、そこを作った人の持っていた神代魔法を手に入れられるらしい。僕達をここに連れてきたのもまた、神代魔法だから、帰る手段が攻略していくことで見つかるかもしれない。

 

律もパワーアップして、ステータスプレートのスマホ化が進行した。つまり、Lineみたいな事が出来るようになった。それで相談した結果、僕たちはまだ生存を知らせない方針にすることにした。僕達を呼び出した人達全員が、神様の手先として積極的に戦争をやっている人たちかもしれなくて、しかもアウェイだから、かなり僕たちは、敵が居るとしたら、不利な状況。

でも、神様は全知全能って訳でもなくて、オスカーさんの手記によれば、態々自分で何か働き掛けをした時には、そこにしか注意を向けないでいるらしい。そうなんだとしたら、僕たちは、言わば盤外の駒、ということになって、意表を突けるはず。多分

 

そんな訳で、地上に出ることにした。僕たちは最寄りのライセンへと行く感じ。その間に、地上のみんなは、地上の国がどんな感じか詳しく調べる事になった。




えー、これで一章、オルクス大迷宮編は完結となりまーす。
このあとどうしよう……。
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