ありふれた暗殺者達は世界最高   作:silika

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03 オルクス大迷宮の時間 一限目

 【オルクス大迷宮】

 それは全百階層で構成されているとされる迷宮。世界七大迷宮迷宮の一つとされ、階層が深くなるほど強力な魔物が生息する。魔物ーー魔力を持ち、魔法を使えるように変質した動物ーーは魔石を核としているらしいのだけど、それの需要は高い。だから、この迷宮は階層で敵の強さを測りやすく、迷宮外の魔物の魔石より質が良いこともあって、冒険者・傭兵の稼ぎ場として名高く、兵卒の訓練場所としても人気、らしい。

 

 ちなみに、良質な魔石を持つ魔物ほど強大であるのが基本らしい。身体能力や、固有魔法が恐ろしく強大になる、らしい。固有魔法は、その魔物が生まれつき持つもので、本来魔法の発動に必要な魔法陣をなんらかの形で描く必要も、詠唱の必要もなく発動する。それが魔物の脅威を跳ね上げてるそうだ。(座学でこの話が出てきた時、竹林君はありがちとか言ってたケド、気にしないことにする。

 

 まだ日も昇って間もない頃、僕たちは迷宮最寄り町【ホルアド】を出てオルクス大迷宮に入っていった。迷宮と言っても、入口はステータスプレートを利用して出入りを管理していて、お祭りのような露店とセットで、なんというか、あまり迷宮というよりは、遊園地とかの入り口みたいだった。

 

 メルドさんにくっついて、中に入ると外の喧騒は消え去り、いかにも迷宮らしい洞窟になった。縦横5mほどの洞窟は、緑光石という鉱石によって緑色に薄く光っており、灯りを持たなくても探索できるようになっている。

 みんなでゾロゾロと列に連なって進む。暫く進むと、天井が高くなり、広間に出た。壁の隙間から茶色い毛玉のようなものが沢山出て来る。

 「悠馬たちは前に出ろ、他は下がれ! 交代で前に出て貰うからな、準備しておけ! あれはラットマンという魔物だ。すばしっこいが、大した敵じゃない。冷静に行け!」

 

 灰色の体毛に赤黒い目が不気味に光る。ラットマンという名称に相応しく、外見はネズミっぽいが、二足歩行で上半身がムキムキで、ありていにいって、気持ち悪い。だけども、それだけだ。走り込んできた3体のラットマンを、前に出てる4人がそれぞれすれ違い様に歯を首に滑らせ、一刀で切り捨てる。

 ナイフと長剣じゃあ扱い結構違うけど、割と出来る。

 

 その後も、みんな急所に一撃を入れて仕留めていく。僕たちにとって、大した敵では無い。何故か触手を取り戻している茅野とイトナ君にとっては余計に。

 順調に階層を降りて行き、20階層に到達する。20層で活動できるかどうか、が現在の戦士の1流ラインらしく、40層ともなると、超一流ということになるらしい。そんなわけで、軽々と20層に来れた僕たちは、最低限戦力にカウントできる 一流 のラインは超えてるっぽい。

 

 未知の場所を探索する上で怖いのは、トラップ。最後の登校の時、僕たちがプロ集団を相手取れたのも、奇襲と罠で相手が気付く前に仕留めれたからだから。ホウジョウとか、全力を出されたら間違いなく僕たちが負けていた。

 それは、このなんとも言えず人造っぽい迷宮でも同じらしく、トラップ対策としてフェアスコープなるものが持ち出された。これは、魔力の流れを見れるものらしく、迷宮のトラップの8割は魔力を用いたもののため見つけることが出来るらしい。問題点は索敵範囲が低いこと。だから先にあたりをつけてから使うんで無いと著しく進行速度が落ちる。

 

 因みに、律、僕、神崎さん、不破さん、千葉君、速水さんは肉眼でも魔力の流れが見える、っぽい。騎士団団員さんがトラップであると判断したところの魔力の流れは見つけられている。

 「よし、お前達。ここから先は一種類の魔物だけではなく複数種類の魔物が混在したり連携を組んで襲ってくる。今までが楽勝だからと言ってくれぐれも油断するなよ! 今日はこの二十階層で訓練して終了だ、気合入れろ!」

 

 二十階層を探索する。迷宮の各階層は数キロ四方に及び、未知の階層の全てをマッピングするには数十人規模で一ヶ月は掛かるというのが普通らしい。現在、四十七階層まではマッピングされており、トラップに引っ掛かる心配もないはず。

 

 ……フラグだったらしい。

「団長、トラップです!」

フェアスコープを持った騎士の人が確認する直前、別の騎士の人が不用意に、ほんの僅かに、罠らしきものの魔力に触れてしまった。それだけで充分だったらしく、あたりに魔方陣が浮かびあがる。

『全員注意! 何がくるか分からないから、気をつけろよ!』

磯貝君が、みんなに気を引き締めるように声を掛ける。魔方陣からはさっさと逃げるつもりだったのだけど、そう上手くも行かず、召喚された時のように、光に視界が覆われてしまった。

 

 

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