ありふれた暗殺者達は世界最高   作:silika

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04 オルクス大迷宮の時間 二限目

一瞬の浮遊感の後、体が地面に着いた感触がする。空気は少しひんやりとして、殺せんせーの手の入ってなかった部分の沖縄の洞窟に似た雰囲気がしている。でも、大きく違うのは、僕たちが、人工っぽい石畳の上に居ること、魔方陣が展開されていること、そして、魔方陣から出てきた、剣を持った沢山の骸骨と、ゲームっぽいアレンジのされたトリケラトプスみたいな化け物から、強烈な殺意を受けていること。

『みんな、意識を切り替えろよ? さっきまでの魔物とは訳が違いそうだ』

磯貝君が声を掛ける。

 

「……まさか……ベヒモス……なのか……」

団長さんが何事かを呟いているけど、気にしている余裕はない。烏間先生から指示が飛ぶ、上階への階段っぽい物への撤収だ。でも、そちらには骸骨の戦士が山程居て、道を拓くにしても、敵意に満ち溢れた仮称ベヒモスを放置するわけには行かない。

『みなさん、この石橋の下に、迷宮が続いてそうです! かなり深いですが、行った方が良いんじゃないでしょうか』

律が情報をくれる。情報が無い今では、無闇なクラスの分割は危ないけれども、今は堂々と離脱できる。

 

『危険過ぎる! 俺は君達を安全に帰す義務がある』

『でも烏間先生、このタイミングなら怪しまれずに離脱して、調査できますよ』

『渚、魔物達からも気配は隠せそう?』

『うん、大丈夫だよ、多分。意識の波長も見えてるし』

とはいえ、高さが推定で100m以上、生半可な準備じゃあ落ちた先で叩きつけられて死ぬだけだろう。でも、茅野や殺せんせー、糸成君みたいに、触手がある人ならどうとでもなる。

 

『じゃあ、渚と茅野ちゃんで良いんじゃないかな』

『連絡は律を通してで……行けるよね?』

『勿論です!』

『分かった。ベヒモスに吹っ飛ばされるフリだよね?』

話は決まった。なーんか、業と中村さんを中心に、烏間先生と茅野を除く全員がゲスい雰囲気をしている気がするけど……気にしちゃいけない。

 

「渚、スイッチ!」

「わかった!」

業君と場所を入れかえて、僕と茅野が変わりに前線に出る。茅野は、【暗殺】によって、切り札足り得る【触手】を隠蔽しているから、光属性の魔法で回復と障壁作りだけを熟して見せる。僕は僕で、躱しながら、茅野と僕とベヒモスと、他のクラスメイトの位置を都合良くして行く。

 

僕達が位置に着いたところで、狭間さんが、技能【物語】を利用して、僕と茅野に大して、見た目は派手だけどダメージはあまりこないように吹っ飛ばすよう、ベヒモスを誘導する。

狭間さんの持っている【物語】は、物を語ることによって、何かを引き起す、絵に描いたようなチート能力だった。

「道が開けた! 撤収だ、すまない、渚君、茅野さん」

烏間先生が率先して僕達以外の人に真相を悟られないように演技する。流石な演技の上手さで、とyても申し分けなさそうに、そして切羽詰まったように見せかけている

 

僕はと言えば……茅野に、いわゆるお姫様抱っこという奴をされていた。まあ、仕方無い話ではある。まず茅野と僕の大きさは、少し見ない間にかなり大きくなっていたこともあって、ほぼ同じ。そして、下に行く手段が、殆ど全部茅野の触手頼りで、根本的に一人で移動するための物だから、茅野が僕を抱えていくしかない。

理解はできるけど、あんまり納得はいってない。

 

 

 

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