全ての仮面ライダーに変身したいと言ったけどガチャなんて聞いてないよ 作:けーやん
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さて、今回で
キバの本当の姿が降臨!満を辞して(ジーク風)
メリッサの活躍で警備システムが再設定され、拘束から解放されたプロヒーローたちがレセプション会場の
オールマイトは残りの
携帯のディスプレイには【メリッサ】が表示されていた。
「どうした、メリッサ!」
『マイトおじさま!パパが
制御ルームのモニターには、デヴィットを連れ去る
泣きそうに切羽詰まった声で救けを求めるメリッサに、オールマイトの体から立ち昇る煙が消える。
「大丈夫、私が行く!」
オールマイトの表情は、険しい覚悟に満ちていた。
◾️◾️◾️◾️
屋上へリポートでは、手下のパイロットがウォルフラムたちを出迎えた。
しかし、へリポートに現れたのはウォルフラムと負傷したデヴィットの2人だけだった。
「ボス、他の連中は?」
「警備システムが再起動する前に出るぞ」
手下の質問にウォルフラムがそう答え、脱出の指示を出す。
「「は、はい!」」
"足手纏いは切り捨てる"。
そう察した手下たちは急いでヘリコプターの操縦席へ向かう。
「私を……殺せ……」
意識が戻ったデヴィットが吐き出す様に呟くが、ウォルフラムは歩きながら淡々と答える。
「もう少しだけ罪を重ねよう。その後で望みを叶えてやる」
ヘリが作動し、メインローターが轟音を鳴らしながら回り始める。
ウォルフラムは扉を開け、デヴィットを乱暴に降ろし自分も乗り込もうとしたその時、後ろから叫び声がした。
「待て!」
ウォルフラムが振り向くと、入り口で息を荒くしながら出久が睨んでいた。
出久はウォルフラムを鋭く睨みながら叫ぶ。
「博士を返せ!」
デヴィットは運ばれている途中で意識を取り戻しており、出久の姿を見て目を見開く。
ウォルフラムは馬鹿にするような顔を出久に向ける。
「なるほど。悪事を犯したこの男を捕えに来たのか?」
「違う!!僕は博士を救けに来たんだ!!」
出久は叫びながら、【ワン・フォー・オール】を全身に巡らせて飛び出す。
ウォルフラムも地面に手をついて"個性"を発動する。
「犯罪者を!?」
鉄柱を生み出して出久に襲い掛からせる。
出久は鉄柱を跳んで躱しながら、ウォルフラムに向かう。
「僕は皆を救ける!!ぐっ!!博士も救ける!!」
出久は間髪入れず襲って来る鉄柱をジャンプで避けながら、ウォルフラムへと駆けて行く。
「お前、何言ってんだぁ!?」
「うるせぇっ!ヒーローはそうするんだ!困ってる人を救けるんだ!」
激情のまま叫びながら、次々と襲い掛かってくる鉄柱を躱しながら破壊する出久にウォルフラムは不敵に笑って言った。
「どうやって!」
「!!」
ウォルフラムは拳銃をデヴィットに向けると、出久は目を見開く。
デヴィットは苦しげに出久に向かって叫ぶ。
「私は良い……逃げろ……!」
悔しげに鉄柱から降りて両手を握り締めてウォルフラムを睨む出久の姿に、ウォルフラムは太々しく笑う。
「全く、ヒーローってのは不自由だよなぁ!たったこれだけで身動きが取れなくなる」
そして出久の正面から鉄柱をぶつける。
正面からまともに受け止めた出久の上からも鉄柱が襲い掛かる。
出久はギリギリで躱すが、直後真下から鉄柱が飛び出し、空中に押し上げられる。
何とかジャンプして逃げようとしたが、左右から鉄柱が襲い掛かってきて挟まれる。
トドメとばかりにまた真下から鉄柱が突き上げてきて、空中に放り投げ出された。
「がはっ!」
出久は口から血を吐き出し、背中から地面に叩きつけられる。
「どっちにしろ、利口な生き方じゃない。出せ」
ウォルフラムが吐き捨てながらヘリに飛び乗る。
直後にヘリが浮き上がり、飛び立っていく。
出久はすぐさま起き上がり、遠ざかるヘリを見てハッとする。
(そうか、アイツは手で触れないと"個性"が発動しない!)
ヘリの中では"個性"が使えないと考察した出久は全力で駆け出し、空へ伸びている鉄柱を駆け昇り、ヘリに向かって思い切りジャンプした。
出久は辛うじてヘリの車輪にしがみつく。
それによってガクンと揺れたヘリの操縦席では、パイロットはたまらず操縦機器に体をぶつける。
出久は揺れるヘリに必死にしがみついて振り落とされまいとしながら、必死に腕を伸ばして後部へとよじ登る。
そして、必死に腕を伸ばして後部へとよじ登る。
「……君は……!」
デヴィットは出久の姿に目を疑うことしか出来なかった。
その頃、メリッサがヘリポートに辿り着き、ヘリにしがみつく出久の姿を見つける。
「デク君……!」
「ぐぅ……博士!」
出久は体を引き上げ、デヴィットに手を伸ばす。
「やめるんだ、ミドリヤくん逃げろ!」
「メリッサさんが……メリッサさんが待ってます!」
「……」
必死にデヴィットに呼びかける出久。
デヴィットの心の底が熱くなる。
犯した罪は消えない、それでも……。
デヴィットの瞳に光が戻ったその時、
「確かにお前はヒーローだ。馬鹿だけどな」
「「!!」」
ウォルフラムが銃を出久に向ける。
ハッとしたデヴィットが縛られた脚を振り上げて銃を蹴り、直後に発砲される。
狙いがズレた銃弾は出久の右腕のフルガントレットに当たり、弾かれるがその衝撃でヘリの外に飛ばされてしまった。
「ああ!?」
ヘリから手を放して落ちてくる出久の姿にメリッサが叫ぶ。
出久は必死に手を伸ばすも、ヘリは離れていく。
頭の中で考えるも、無情にも距離は開いて行くばかりだった。
(届かない!僕1人じゃ……だけど!)
「波動先輩!!」
出久が叫ぶのと同時に、出久の横を
再びヘリが大きく揺れる。
その正体は、出久の先輩であり、ヒーロー仮免を持つねじれだった。
出久がウォルフラムの注意を引き、ヘリに辿り着いたのである。
必死に操縦桿を握るパイロットの目には、ねじれが両手から放たれたエネルギーでヘリの動きを止めていた。
一方、出久はズドオォン!とクレーターを作る勢いで叩きつけられ、倒れ込む。
「デクくん!」
メリッサは慌てて出久の元へ駆け寄る。
「させない!」
ヘリが方向を変えようとした瞬間、ねじれはエネルギーの防壁を生み出す。
そのままヘリの周囲を飛び、ウォルフラムの姿を確認する。
ウォルフラムは顔を顰めて、銃をねじれに向けて発砲する。
間一髪、銃弾を躱したねじれだが、拘束していたエネルギーが霧散し、再びヘリが動き出してしまう。
ウォルフラムは銃口をデヴィットのこめかみに突き付け、ねじれに見せ付ける。
「……っ!」
ねじれはヘリの中で銃口を向けられたデヴィットに気付く。
そのせいで再び攻撃したくても出来なかった。
出久は座り込んで、悔し気にヘリを見上げていた。
(何も出来ないのか!僕には……博士を救ける事は出来ないのか!)
「くっそおおおおぉぉ!!!」
理不尽な
その時──
「こういう時こそ笑え!緑谷少年!」
世界で一番頼りになる声。
聞くだけで安心感が湧き上がってくる声が聞こえた。
直後、タワーの中腹から何かが飛び出してきて、タワーの壁を捲り上げながら弾丸のように急上昇してヘリの上空で止まる。
「わっ!?」
衝撃波が吹き荒れ、ねじれは"個性"を解除する。
そして、
「もう大丈夫。何故って!?」
筋骨隆々とした巨体で、威風堂々としたNo.1ヒーローが現れた。
「私が来たぁ!!!」
ようやく駆けつけたNo.1ヒーロー、オールマイトの姿に出久やねじれ、メリッサは自然と笑みが浮かぶ。
その横に里琴が降り立ち、無表情でオールマイトを見上げる。
オールマイトは体が落ちるのを感じて、体を丸めて力を籠める。
「親友を返して貰うぞ!
叫びながら体を大の字に開くと、後ろに衝撃波が飛び、その勢いでヘリに向かって飛び出す。
オールマイトは拳を突き出しながらヘリを猛スピードで貫通する。
直後、ヘリが爆発して火に包まれる。
炎上しながら墜落を始め、更に大爆発を起こす。
出久とメリッサが唖然と炎を見つめていると、炎の中からデヴィットを抱えたオールマイトが降り立った。
オールマイトはデヴィットをゆっくりヘリポートの床に降ろし、手足の拘束を壊していく。
メリッサはデヴィットに駆け寄り、声を掛ける。
「パパ……パパ……!」
「う……メリッ……サ……」
デヴィットは出血と痛みで顔を歪ませながらもメリッサの呼びかけに答えようとする。
それにオールマイトは笑みを浮かべて力強くメリッサに言う。
「もう大丈夫だ」
その言葉にメリッサは微笑み、出久は左肩を押さえながら近づき、ホッとする。
「オール……マイト」
「デイヴ……すまない。私が──」
オールマイトがデヴィットに声を掛けようとして口を開こうとした時、炎の中から1本の鉄柱が飛び出してきて、オールマイトを吹き飛ばした。
オールマイトは吹き飛ばされる直前にデヴィットを放り出した事でデヴィットはなんとか無事で済んだ。
「オールマイト!!!」
転がっていくオールマイトを見て、出久が叫ぶ。
すると、地面から鉄のコードが飛び出してデヴィットの体に巻きついて行く。そして、炎に向かって吸い寄せるように引っ張っていく。
「がぁっ!」
「パパ!」
「博士!」
メリッサと出久が叫び、ねじれはデヴィットを追う。
しかし、更に地面が割れて鉄板や鉄パイプ、鉄の瓦礫が浮かび上がり、ねじれを阻害してくる。
鉄柱も出現し、ねじれはデヴィットを追いかける事が出来なくなった。
「あれは……!」
ねじれは先ほどまでのウォルフラムの力と比べ物にならないことを訝しむ。
先ほどまでは触れている金属だけを操っていた。
しかし、今は明らかに空中に浮いている金属までも操っているし、その量も異常なほど多い。
浮かび上がった金属は炎の中に飛び込んでいき、凄まじい勢いで山のように大きくなっていく。それによって炎も掻き消される。
デヴィットも山の中に呑み込まれて姿が見えなくなる。
そして、その金属の怪物とも言える山の頂点にいたのは、ウォルフラムだった。
「サムめ……。オールマイトは"個性"が減退して、往年の力はなくなったとか言ってたくせに……!」
ウォルフラムの顔から仮面が外れており、頭にはフックのような機械が取り付けられている。
更に目つきもまるで何かに憑かれた様になっていた。
出久はその姿を見て、歯軋りをする。
「あいつ、博士の……!」
ウォルフラムはオールマイトの姿を確認してすぐにデヴィットの発明した装置を身に着けたのだ。
出久はウォルフラムを睨みつける。
オールマイトは咳込みながら立ち上がる。口元を押さえた手の甲には血が付いていた。
更にオールマイトの体から蒸気が立ち上がる。
(……Shit!時間が……!)
オールマイトには【マッスルフォーム】で闘える時間が殆ど残されていない。
「往生際が悪いな!」
オールマイトは
「テキサススマーッシュ!!」
気迫を込めて、渾身の力で拳を振り抜くオールマイト。
しかし、その拳はウォルフラムに届くことはなく、一瞬で鉄壁が出現して防がれてしまう。
しかも鉄壁は壊れる事なく、小さいクレーターが出来るだけでオールマイトの攻撃を受け止めてしまった。
「なに!?」
驚き、目を見開くオールマイト。
出久たちも目を見開いて驚く。
鉄壁は特別なもののようには見えない。
オールマイトのパワーなら簡単に砕けるはずだ。
しかし、それが出来なかった。
「なんだぁそりゃ!?」
ウォルフラムは鼻で笑いながら手を振る。
鉄壁のクレーターから鉄柱が突き出し、オールマイトを押し飛ばす。
吹き飛ばされたオールマイトは、ヘリポートの床に叩きつけられて、床が砕けてタワー上部の壁に亀裂が入る。
すると、砕けた瓦礫を吸収し鉄板をめくり上げられ、ウォルフラムの元へ取り込まれていく。
ウォルフラムがいる金属の塊の下から青い静脈のようなものがタワー上部に広がっていく。
風力発電のプロペラや壁の鉄板、停止していた警備マシン達も吸い上げていく。ドンドンとウォルフラムの金属の塊が大きくなっていく。
「流石、デヴィット・シールドの発明。"個性"が活性化していくのが分かる。ははは!いいぞ、これは!良い装置だ!」
ウォルフラムは満足げに笑いながら、次々と金属を取り込んでいく。
その様子を体から蒸気を出しながら立ち上がったオールマイトは、唖然と見上げている。
「これがデイヴの……」
「パパが作った装置の力……」
「さぁて、装置の価値を吊り上げるためにも、オールマイトをブッ倒すデモンストレーションといこうか!」
ウォルフラムは高慢に言い放ちながら手を振り、金属を操り始める。
勢いよく飛び出して、オールマイトに襲い掛かる鉄塊やプロペラ。
それを紙一重で躱しながら、オールマイトはウォルフラムに飛び掛かる。
ウォルフラムは笑みを浮かべたまま軽く手を振る。
直後、高速で鉄柱がウォルフラムの根元から飛び出して真正面から出現する。
オールマイトは両腕で受け止めるも圧し負けて、床に叩きつけられる。
それでも鉄柱は止まらずに圧し続ける。
その衝撃で周囲の床も割れて波のように隆起していく。
メリッサや出久たちの所までにも襲い掛かり、ねじれは2人の手を掴んでその場から離脱する。
出久はオールマイトを振り返る。
オールマイトは両腕で必死に鉄柱を押さえ込んでいた。
その体からは蒸気が上がっており、顔を伏せて咳込んでいた。
(オールマイト……!やっぱりそうだ……活動限界なんだ!)
出久はオールマイトの様子に焦るが、周囲の状況から中々手が出せそうになかった。
しかも、鉄柱が出久たちにも襲い掛かり始める。
「緑谷くん、メリッサさんをお願い!」
「え?わっ!?」
「きゃっ!」
充分距離を離したねじれは出久とメリッサを降ろし、突然の事に2人は驚きの声を上げる。
そのままねじれはオールマイトに襲い掛かっている鉄柱をエネルギー攻撃で破壊する。
しかし鉄壁が何枚も出現、重なる事によってエネルギー攻撃が途中で途切れてしまう。
「むぅ!」
ねじれは連続でエネルギーを放つが、それも防がれてしまう。
さらに鉄のチューブや鉄柱がねじれに向かって襲い掛かる。
襲って来る鉄柱を回避しながら、オールマイトを救ける隙を狙うねじれだが、周囲から次々と鉄柱や鉄骨が飛び出してくる。
「近づけない……!」
ねじれは悔しさに顔を顰め、最早攻撃を避けるのが手一杯の状態となる。
「波動先輩!」
「マイトおじさま……!」
出久はメリッサを抱えたまま鉄柱を躱しながら叫ぶ。
メリッサは今も必死に鉄柱を耐えているオールマイトを見つめている。
「ぐっ……がはっ!」
オールマイトは血を吐きながらも必死に耐え続ける。
それに苛立ちを覚えたウォルフラムはトドメを刺そうと大量の鉄柱を出現させて、オールマイトに向ける。
「さっさと潰れちまえ!!」
そして勢いよく飛び出し、オールマイトへと向かう。
「オールマイト!!」
「マイトおじさま!!」
出久やメリッサが叫ぶ。
その時、空気が妙に冷たくなったのを感じた。
直後、オールマイトに向かっていた鉄柱が一気に凍り付く。
「なに……!?」
突然の氷結に目をウォルフラムは見開く。
ヘリポートの入り口に目を向けると、体におりた霜を炎で溶かしている轟が、肩で息をしながら立っていた。
轟も既に体温調節をしても限界が近かった。
「オールマイト……!今のうちに……
その後ろから飯田たちも駆けつける。
「轟くん!みんな!」
緑谷は頼もしい仲間の登場に顔を輝かせる。
その横で切島と飯田が前に出る。
「金属の塊は俺たちが引き受けます!」
「八百万くん!此処を頼む!」
「はい!」
両腕を硬化した切島とエンジンを吹かした飯田が駆け出し、伸びてくる鉄柱を砕く。
轟も氷結を放って、鉄柱を砕いていく。
その限界を超えても戦おうとする生徒達の姿にオールマイトは再び体に喝を入れる。
「教え子達にこうも発破をかけられては、限界だのなんだの言ってられないな。限界を超えて、さらに向こうへ……!」
オールマイトの体から立ち昇る蒸気が消え、筋肉が再び膨れ上がる。
オールマイトを押さえ込んでいた鉄柱に大きな亀裂が入る。
そして力強く踏み込むと、鉄柱は容易く砕けてウォルフラムに向かって飛び出す。
「そう!プルスウルトラだ!!!」
ウォルフラムは手を振り、更に鉄柱を出現させ、さらに凍り付いていた鉄柱も氷を砕いてオールマイトに向かわせる。
それをまとめて砕き、次々と襲い掛かってくる鉄柱を砕きながらオールマイトは猛烈な勢いで突き進む。
どれだけ押し飛ばされても、回り込んで砕きながら、鉄柱を足場にしながらウォルフラムに迫っていく。
ウォルフラムは腕を振り、3方向から鉄柱を伸ばして襲い掛かる。
オールマイトは両腕をクロスさせて力を溜めて、当たる直前で開放する。
「カロライナスマーッシュ!!」
激しい音と衝撃波が飛んで鉄柱が砕け、爆風が吹き荒れる。
「観念しろ!
勢い衰えずウォルフラムに突撃するオールマイト。
しかし、拳を振り上げて殴りかかろうとした瞬間、周囲から金属のワイヤーが伸びてきてオールマイトの四肢を拘束してウォルフラムの目の前で止まってしまう。
「この程度……!」
オールマイトは直ぐにワイヤーを振り解こうとするが、その前にウォルフラムの左手がオールマイトの首を掴む。
するとウォルフラムの腕が服を破って膨れ上がる。
熱を帯びたように肌が赤くなり、更に力が増す。
「観念しろ!?そりゃお前だ、オールマイト」
不敵に不気味に笑みを浮かべるウォルフラム。
(なんだ……このパワーは……!?)
ウォルフラムは空いている右手でオールマイトの左脇腹を掴む。
オールマイトの古傷があるそこを、ウォルフラムは的確に抉る。
「ぐっ……!ぐぐ……がああああああ!!!」
オールマイトは吐血しながら叫び、体から再び蒸気が上がり始める。
「オールマイト……!グゥッ……!」
それに出久が駆け出すが、左肩の激痛で膝をついてしまう。
轟たちもオールマイトの状況には気づいたが、鉄柱の対処で精一杯だった。
まるで生き物のように襲ってくる鉄柱に、限界になり始める轟たちは悔しさに顔を歪ませることしか出来なかった。
オールマイトは後ろで激しくなる戦闘音を、激痛と首を絞められた苦しさで意識が遠のきそうな中で聞いていた。
(この力は【筋力増強】……"個性"の複数持ち……!)
金属を操る"個性"と力を増す"個性"。
複合型としても絶対に噛み合わない"個性"だった。
首を絞められ、古傷を抉られる事で意識が朦朧とするなか、オールマイトは胸騒ぎを感じた。
「ま、まさか……!」
「ああ……この計画を練っている時、あの方から連絡が来た。是非とも協力したいと言った。何故かと聞いたら、あの方はこう言ったよ」
『オールマイトの親友が悪に手を染めるというのなら、是が非でもそれを手伝いたい。その事実を知ったオールマイトの苦痛に歪んだ顔を見られないのが残念だけどね……』
ウォルフラム、そしてオールマイトの頭に、穏やかだが不気味な声が響く。
オールマイトの、【ワン・フォー・オール】の宿敵の言葉に、オールマイトは愕然とする。
「オール・フォー・ワン……!」
「ようやくニヤケ面がとれたか」
「Nooooooooooo!!」
怒りと苦しみに叫び、ワイヤーを引き千切ろうとするオールマイト。
ウォルフラムはそれを愉快そうに見下ろしながら手を放して、正面から鉄柱を叩き込む。
ワイヤーに四肢を引っ張られてもがくオールマイトの左右から、四角い大きな鉄の塊が勢いよく挟み込む。
「……!!」
出久とメリッサが愕然と目を見開く。
さらにウォルフラムが鉄の塊を生み出し、それらは磁石のようにオールマイトを挟み込んだ鉄の塊に次々と勢いよく突っ込む。
八百万が皆を守る為に作った盾の向こうから、お茶子たちがその光景にハッとする。
「オールマイト!!」
お茶子たちも目を見開いて叫ぶ。
「さらばだ!オールマイトォ!」
ウォルフラムが叫びながら腕を振り上げる。
床から先が尖った鉄柱が何本も飛び出し、オールマイトが閉じ込められた鉄の塊を貫く。
「マイトおじさまぁ!!!」
メリッサが悲痛に叫んだ直後、鉄の塊に向かって1つの影が飛び出した。
出久である。
出久は【ワン・フォー・オール】の力を全身に漲らせて、オールマイトを救けたい一心で鉄の塊に拳を向ける。
(デトロイト……スマアアアッシュ!!)
限りある力を振り絞った拳が鉄の塊を砕く。
閉じ込められていたオールマイトが外へと飛び出し、鉄片にぶつかりなが落下する緑谷を抱き抱える。
「緑谷少年!そんな体で……なんて無茶を!」
心配するオールマイトに、出久は顔を歪ませながら体を起こし、当然の様に言った。
「だって、困ってる人を救けるのがヒーローたがら……」
出久はぎこちない笑みをオールマイトに向ける。
そんな出久の姿に、オールマイトの胸に熱が込み上がった。
その時──
グサッ!!
何かが突き刺さる音がその場に響いた。
すると、出久の口から
「……え?」
出久は徐ろに口元を拭うと、腕には真っ赤な血がこびれ付いていた。
出久は自分の背中に感じる熱に気付く。
「ゴフッ!!」
「緑谷少年!!」
膝から崩れ落ちる出久をオールマイトが支える。
その瞬間、オールマイトの背中にも次々と鉄柱が突き刺さった。
「グゥッ!!」
オールマイトは出久に鉄柱が当たらない様、自分の懐に抱き寄せる様に庇う。
オールマイトの背中には何本もの鉄柱が突き刺さり、最早その場から一歩も動けない程の傷を負ってしまった。
「哀れだな、オールマイト。ガキを守らなければ、自分も怪我する事なかったのになぁ」
ウォルフラムはニヤつきながらオールマイトに言った。
「じゃあな、そのガキと一緒にあの世に行け!」
ウォルフラムは鉄の塊を動かなくなった出久とオールマイトに向けて放つ。
オールマイトは背中を向けて出久を庇う。
鉄の塊が2人に激突する直前、ねじれが割り込んで鉄の塊に向けてエネルギーを放出し続ける。
「波動少女、逃げるんだ!」
「駄目!目の前で先生と後輩がピンチなのに逃げるなんて、私出来ない!」
オールマイトの言葉を鉄の塊を抑えながらねじれは叫ぶ。
「ならオールマイトとガキ諸共、死んじまいな!」
更に鉄の塊の勢いを増し、徐々に押され始めるも、ねじれは持てる力を振り絞る様にエネルギーを放ち続ける。
「くたばりやがれぇぇぇぇぇ!!」
遂にエネルギーの出力が弱り、鉄の塊がねじれを襲おうとした。
その時──
「ウェイクアップ!」
何者かの声と、笛の音色が空間に響き渡る。
すると、その場に赤い霧が立ち昇り、空に浮かんでいた筈の満月が欠け、三日月へと変わる。
そして、
「ハアァァッ!!」
影は急降下し、鉄の塊に激突する。
影と激突した鉄の塊は粉々に砕かれ、ヘリポートには何かの紋章が刻まれる。
ねじれの前に突如現れたその影の正体は、右脚に赤い翼が生えた蝙蝠の鎧だった。
その鎧の正体を、ねじれは知っている。
「……来太くん?」
「すいません、遅くなりました。波動先輩」
蝙蝠の鎧からよく知る少年の声が聞こえた。
それは、仮面ライダーキバに変身した来太だった。
「交代です。後は任せて下さい」
来太はねじれたちを守る様にウォルフラムへ体を向け、構える。
◾️◾️◾️◾️
【ダークネスムーンブレイク】で鉄の塊を破壊した俺は、波動先輩たちを守る為に
「何だお前?まだ仲間が居たのか」
「ああ。今度は俺が相手だよ、
「ハハハハハッ!この状況を見て解らないか!?オールマイトを超える力を持つ俺に何が出来る!」
そんな
「勝てるさ。借り物の力を使わないとマトモに闘えない貴方に、負ける気がしない」
「……何?」
俺の言葉に、
「悪いけど、友だちと先輩、先生にその友人がピンチなんだ。直ぐに終わらせる」
「タツロット!」
「ビュンビューン!漸く私の出番です!テンションフォルテッシモ!!」
俺の呼び掛けと共にタツロットが飛んで駆け付ける。
「行きますよーっ!」
タツロットは俺の両肩に施された
「変身!」
振り上げた左腕に装着したタツロットの掛け声と共に、放たれた黄金の蝙蝠たちはキバへと集結する。
キバの右脚【ヘルズゲート】が解放される。
次の瞬間に両脚は黄金に包まれ、更に腕に、胸にと黄金の蝙蝠が集い、【ブラッティラング】は魔皇力を効率良く巡らせる【ヘルズブレスト】へと変化し、右脚に封印されていた魔皇石が鎧の中央に移動する。
そしてキバの鎧が黄金の鎧【インペリアルアーマー】となり、キバットの赤い瞳が虹色に輝き、そして仮面【キバ・ペルソナ】が【エンペラー・ペルソナ】へと変貌する。
最後に熱い炎と共に真紅のマントが出現し、全ての封印を解放したキバの鎧は本来の姿となる。
【仮面ライダーキバ エンペラーフォーム】──。
これが仮面ライダーキバの本当の姿であり、全ての力が解放され、ファンガイアの王としての本来の姿である。
「姿が変わったからどうしたーーー!!」
「ハッ!」
俺は【ルシファーズナイフ】が装着された踵で横一線に蹴り抜く。
すると、残像を残す程のスピードの蹴りから鎌鼬が発生し、鉄柱が横に真っ二つに両断される。
「さっさと潰れろ!」
湧き上がる怒りに叫びながら
小さな破片が無数の塊となり、一斉に襲い掛かった。
「フッ!ハアッ!」
俺は連続で蹴り続け、鎌鼬と風圧で鉄の塊を霧散させる。
まるで宙に舞う埃を払うかの様に、
「クソがあぁぁぁぁぁ!!!
激昂した
同時に無数にあった鉄片が高速で一箇所に集約する。
途轍もなく巨大な金属の集合体が、
その大きさは人が蟻に見える程であった。
「タワーごと潰れちまえ!!」
巨大な鉄の塊が此方に向かって堕ちて行く。
俺はタツロットの頭部【ホーントリガー】を引き、回転盤【インペリアルスロット】を回転させる。
【インペリアルスロット】が止まり、絵柄が赤いキバの紋章となる。
「ウェイクアップフィーバー!」
タツロットの掛け声と共に、俺の身体から紅いオーラが放出される。
全身から立ち昇るオーラの中で、俺はクロスさせた腕をゆっくり広げながら腰を低く落とし、構える。
「ハッ!」
そして堕ちて来る巨大な鉄の塊に向かって飛翔する。
「ハアァァァァ!!」
全身の魔皇力を注ぎ足裏に移動させる事によって、両脚から一対の赤い翼の刃が出現する。
必殺技【エンペラームーンブレイク】が巨大な鉄の塊と激突し、赤い翼の刃が左右から高速で切り裂き、粉砕する。
「ぐ……ぐぐ……ガハッ!」
「行けえぇぇ!!」
麗日さんの必死の応援が聞こえる。
「佳面!」
「佳面さん!」
耳郎さんと八百万さんの声が、
「「佳面!」」
「佳面くん!」
切島と峰田、飯田の声が、
「ぶちかませえぇぇぇ!!」
轟の声が、
「佳面くん!」
「佳面少年!」
重症を負った筈の緑谷とオールマイトの声が、
「来太くん!」
そして波動先輩の声が届く。
皆の応援に応えるかの様に魔皇力が増幅し、同時に赤い翼の刃が巨大化する。
「キバれえぇぇぇぇ!!」
「ハアァァァァァァ!!」
迫る攻撃に、
凄まじい威力に、装置が爆発する。
主を失った金属の塔は一瞬で崩れて行く。
俺は鉄屑の山に着地し、皆を見る。
「やったのか……」
飯田が呆然と呟く。
「やったんだ……
峰田が後ろで拳を振り上げる。
じんわりと勝利を感じた皆に笑顔が戻る。
俺は変身を解除し、鉄屑の山から降りる。
すると、
「来太くん!」
波動先輩が俺に飛び込んで来る。
俺は両手で波動先輩を受け止める。
「おっと……無事で良かったです。先輩」
「うん!ありがとう!ありがとう、来太くん!」
波動先輩は力一杯で俺を抱き締める。
俺はそんな波動先輩の背中を優しく叩いた。
こうして、I・アイランドで起きた
キバの本来の姿【エンペラーフォーム】降臨
博士が開発した"個性"を大幅に増幅する装置によってパワーアップしたウォルフラムに苦戦するオールマイトと緑谷たち。
重症を負った2人を庇うねじれのピンチに【ダークネスムーンブレイク】で助かるライダーくん。
そしてタツロットの力を借りる事で、キバ本来の姿【エンペラーフォーム】を解放し、ウォルフラムとの決着を着ける。
資格者の力次第で国を滅せる程の力を秘めた鎧を纏い、ウォルフラムを圧倒。トドメの必殺技【エンペラームーンブレイク】が炸裂し、ウォルフラムを撃破する。
次回で劇場版1作目、最終回です。
今後のピックアップガチャ
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仮面ライダーゼッツ