全ての仮面ライダーに変身したいと言ったけどガチャなんて聞いてないよ   作:けーやん

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第59話を投稿します。

今回の話で『2人の英雄』編が完結。
次回から林間合宿編に入ります。


55スレ

I・アイランドの中にある湖の傍のテラスでは、鉄板グリルの上で肉や魚介、野菜等が美味しそうに焼かれていた。

 

肉汁が溢れ出て、見てるだけでお腹が鳴りそうな光景が目の前に広がる。

 

「さあ、食べなさい!」

 

 

「「「いっただきまーす!」」」

 

 

オールマイトの声に、1年A組の皆が待ちに待って声を上げる。

 

昨夜の(ヴィラン)襲撃事件により、エキスポの一般公開が延期となった。

 

俺たちが(ヴィラン)と闘った事はI・アイランドの責任者の配慮によって、公表しない事を約束された。

 

今回はエキスポが延期になった詫びとして、オールマイトの奢りでバーベキューをする事になったのである。

 

「食べ盛りなんだ、じゃんじゃん食べなさい少年少女!」

 

「しゃー!肉だ肉!」

 

「肉汁が光り輝いてるぜ!」

 

切島と瀬呂が肉の刺さった串を両手に持ってガツガツと勢い良く頬張る。

 

「うんまー!」

 

「串気を付けなよー」

 

肉にかぶり付く芦戸さんに耳郎さんが笑って言う。

 

麗日さんと蛙吹さんも楽しそうに肉を食べている。

 

「美味しいね、梅雨ちゃん!」

 

「ええ、青空を見ながらだと、余計に美味しく感じるわ」

 

別の場所では、平らげた皿でタワーを建築する八百万さんを轟と常闇が唖然と見ていた。

 

「バーベキューなんて初めてですが、中々良いものですわね。お肉もお野菜もどれも美味しいですわ。今度家の庭でやってみようかしら」

 

「無限……」

 

「そんなに腹減ってたのか?」

 

「はい。昨夜で脂質を使い果たしましたので補給しないと……あ、このラム肉とソーセージも戴かないと!」

 

バーベキュー初体験でお嬢様の八百万さんもテンションが上がっている様だ。

 

さらに、砂藤と葉隠さんがどちらが美味しく肉を食べているか尾白に審査して貰っていた。

 

「このワイルドな肉汁が俺を獣にさせるぜ!」

 

「お肉うまー!飛び上がっちゃいそう!さあ、尾白くん!どっちが美味しそうだった!」

 

「えーと……引き分け?」

 

青山が尾白に近づく。

 

「ねえ、昨夜は僕何処に居たと思う!」

 

「何言ってんだよ、口田と3人で居ただろ?買い物してたら、青山がお腹痛くなってトイレに──むぐっ」

 

「内緒だよ☆」

 

ウィンクしながら青山は尾白の口にズッキーニを突っ込む。

 

「爆豪、ほら肉だぞ!山盛りだぜ!」

 

「飲み物はコーラで良いよな?」

 

皆から少し離れた所で1人で座っていた爆豪の下に、切島と瀬呂が肉が盛られた皿と飲み物を持って来る。

 

「うるせぇ!仲良しごっこなんてやってられっか」

 

「とか言いつつ、ちゃんと来てるじゃねぇか」

 

「割と律儀と言うか、オールマイトの奢りだからか?」

 

「勝手に人を分析すんじゃねぇ!」

 

悪態を吐きながらも爆豪は切島から受け取った肉を食べ始める。

 

「障子、こっちの串焼けたから持って行って良いよ」

 

「分かった。だが佳面、さっきから焼いてばかりでまだ食べてないだろ?代わるか?」

 

俺は目の前のグリルで焼き上がった串を皿に盛り付け、障子に渡す。

 

「大丈夫、自分の分は取り分けてるから。ほら、タコとかイカも焼けたから食べてみて。俺のオススメの食べ方は七味マヨネーズだよ」

 

「ああ」

 

肉の横にあったタコとイカの串焼きを障子が複製した口で食べる。

 

すると、チョンチョンと肩を叩かれたので振り返ると、串を持った波動先輩がニコニコしながら立っていた。

 

そして、

 

「来太くん、あーん!」

 

「え?あ、はい」

 

 

「「「!?」」」

 

 

俺はそのまま口元に突き付けられた肉を食べると、周りからの視線が一斉に俺と波動先輩に集まるのが分かった。

 

「美味しい?」

 

「モグ……、はい。ありがとうございます」

 

「ううん!じゃあもう1回、あーん!」

 

ニコニコしながら波動先輩は再び串を俺の口元に突き付ける。

 

その時、

 

「佳面くん!こっちのラム肉も美味しいよ!はい、あーん!」

 

「ケロ、こっちのお野菜も美味しいから食べて佳面ちゃん」

 

突如現れた葉隠さんと蛙吹さんが各々肉や野菜を俺に突き付けて来る。

 

「え、どうしたの?あと、2人ともいつの間にこっちに来たの?」

 

「そんな事良いから!あーんして!」

 

「そうよ、焼いてばかりじゃ皆に全部食べられちゃうわ」

 

2人は気迫を放ちながらグイグイと食べ物を俺に向ける。

 

「来太くん、こっちのソーセージも美味しそうだよ!食べて食べて!」

 

波動先輩も今度はソーセージを俺の口元に突き付けて来る。

 

 

「「「あーん!」」」

 

 

「ちょ、何、この状況?」

 

 

「佳面テメエェェェェ!何女子3人から"あーん"されてんだよぉぉぉぉ!!」

 

 

3人から謎の"あーん"をされて、俺が困惑していると血涙を流しながら峰田がこっちに走って来た。

 

軽くホラーである。

 

「いや、俺にも良く分からないんだけど。どうすれば良いかな?」

 

「それ素で言ってんならマジでブチ切れるぞ!」

 

今にも胸ぐらを掴み掛かる勢いで峰田は叫ぶ。

 

「落ち着こう。まずグリルの近くで騒ぐのは危ないから少し離れようか」

 

「何オイラがおかしいみてぇに宥めてんだよ!元凶はお前だろうが!」

 

「いや、だから」

 

「来太くん、あーん!」

 

波動先輩からソーセージを突き付けられたので、反射で食べる。

 

「モグモグ……、俺も何で3人からこんな事されてるのか分からなくて」

 

「佳面くん、あーん!」

 

次は葉隠さんからラム肉が来たので食べる。

 

「ありがとう葉隠さん。モグ……。それでどうすれば良いかなって」

 

「佳面ちゃん、お肉ばかりじゃバランス悪いわ。はい」

 

肉を飲み込んで説明しようとしたら、更に蛙吹さんからカボチャを突き付けられる。

 

「ごめん蛙吹さん。モグモグ……。うん、やっぱり火が通るとカボチャって甘いな」

 

 

「最早説明すらしてねぇじゃねぇかあぁぁぁ!ヤローブッコロシテヤー!!」

 

 

峰田が俺に飛び掛かろうとしたところを飯田が止める。

 

「落ち着くんだ峰田くん!火のある場所で暴れたら危ないんだぞ!」

 

「離しやがれ飯田!今日こそオイラはこの天然モテ男に天誅を下さなきゃ気が済まねぇんだよ!」

 

峰田は暴れるも飯田に連行され、この場から去った。

 

一先ず場が落ち着いたので、俺は再び串を焼き始める。

 

焼いてる合間に葉隠さん・蛙吹さん・波動先輩から"あーん"されながら……。

 

 

◾️◾️◾️◾️

 

 

テラス近くの公園に来た出久は、そこから見えるセントラルタワーを眺める。

 

タワーは昨夜の(ヴィラン)との戦闘で上部が崩れていた。

 

すると、出久の隣に【トゥルーフォーム】のオールマイトが立つ。

 

「オールマイト」

 

出久がオールマイトを見ると、その顔は昨夜の事で疲れたのか眼下の影が濃い様に見えた。

 

出久は少し俯きながら口を開く。

 

「僕が【ワン・フォー・オール】の後継者として、しっかりしていればあんな事には……」

 

ウォルフラムを倒した後、来太の力で負傷した全員は治療され、デヴィッドはそのまま警察の取り調べを受ける事となり、メリッサはアカデミーでデヴィッドの帰りを待つ事になった。

 

自分を責める出久に、オールマイトは言う。

 

「……緑谷少年。そんな風に自分を責めてはいけない。それに、ヒーローを続けていけば、この先色んな辛い事件に遭う事も少なくない」

 

見上げる出久を、オールマイトはじっと見据える。

 

そして、言葉は無かったが2人は互いに誓う。

 

これから先の哀しみを、少しでも減らしていく事を。

 

ヒーローとして、"ワン・フォー・オールの継承者"として。




第3のヒロイン、ねじれ爆誕
(ヴィラン)との戦闘後、ねじれが以前よりもライダーくんを意識する様になった事で、葉隠と蛙吹は突如現れたライバルに対抗意識を燃やす。
当のライダーくんは「何か先輩がいつも以上にグイグイ来るなぁ」程度の認識である。


次回から【林間合宿編】へ突入。
番外編の【SPIRITS編】が終了した前提でストーリーを描く予定です。
(違いはライダーくんの心境の変化と戦闘経験値が上がった程度です)
そして、次回登場する仮面ライダーのヒントは「ドラゴン」です。

番外編も連載中ですので、宜しければご覧ください。

今後のピックアップガチャ

  • 仮面ライダーガッチャード
  • 仮面ライダーガヴ
  • 仮面ライダーゼッツ
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