全ての仮面ライダーに変身したいと言ったけどガチャなんて聞いてないよ 作:けーやん
前回、精神世界で【プリミティブドラゴン】の魂と話をする事に決めたライダーくん。
果たしてライダーくんは、【プリミティブドラゴン】の魂との絆を繋げる事は出来るのだろうか。
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「……此処が」
目を覚ますと、俺は森の中に立っていた。
すると目の前に1人の少年が現れ、此方に近寄って来る。
(この子が【プリミティブドラゴン】の魂……)
民族衣装の様な服を身に纏い、裸足で歩いてくる少年に、俺も近づいて腰を落とし、少年と目線を合わせる。
「初めまして、だよね?」
俺が声を掛けると、少年はジッと俺の方を見る。
「会うのが遅くなってごめんね。俺は佳面来太、よろしく───」
俺が手を差し出そうとすると、少年の瞳が青白く光り、子どもの姿から骨のドラゴンへと変貌する。
そして、大きな口を開いて炎を吐き出した。
「グウゥゥゥッ!!」
炎に包まれた俺は、全身を焼かれる激痛に襲われる。
「は…なし……をきい…てッ!」
俺は焼かれながらもドラゴンへ1歩、また1歩と歩み寄る。
全身を焼かれる痛みに耐えながら、俺はドラゴンの前に辿り着き、両腕でドラゴンを抱き締める。
『……どうして?どうして僕に近づくの?痛くないの?』
ドラゴンは不思議そうに俺に訊く。
「痛いよ……凄く痛い。けどね……
俺が此処に来た理由は、【プリミティブドラゴン】と闘うためじゃない。
話がしたくて此処に来たのだ。
例え全身を焼かれようとも構わない。
「俺は君と話がしたくて此処に来たんだ」
『……』
【プリミティブドラゴン】は黙り込むと、ドラゴンの姿から先程の少年の姿に戻る。
「……ごめんなさい」
「ううん。俺の方こそごめんね、突然でビックリしたよね?」
謝る少年に、俺も謝りながら笑って少年に話し掛ける。
「改めて、俺は佳面来太。よろしくね」
「……うん」
自己紹介を終え、俺は少年と近くに倒れていた丸太に座る。
俺は少年を見るけど、少年は少し目線を落としていた。
「……人が苦手?」
「……うん」
俺は少年に訊くと、少年は俯きながら答える。
「昔はね……ドラゴンと人間は仲良く暮らしてたんだ。けど……人間が僕たちを恐れて……」
「……そっか」
ポツリポツリと語る少年に、俺はそう言う。
「仲間が居なくなってから……僕は独りぼっちなんだ。仲間を探したけど、見つからなくて……」
「……辛かったね」
仲間を無くした哀しさと孤独による寂しさに、少年の目に涙が浮かんだ。
俺はそんな少年をそっと抱き寄せ、その涙を指で拭う。
「人間中にも悪い事をする人は確かに居る。君が言っている事は間違っていないと思う……」
「だけどね──」
俺は俯く少年に、笑って言う。
「人間の中にも、独りぼっちの誰かに手を伸ばす人も居るんだ」
「え?」
少年は俯いていた顔を上げる。
「これから君に話すのは、1人の子どもが独りぼっちのドラゴンと仲良くなる物語だよ」
そうして俺は、少年の為に1つの物語を語り始めた。
〜〜〜〜〜〜
ある山の谷間に人々に嫌われていた1匹の竜が住んでいました。
その姿は目はらんらんと光り、口は耳まで割れ、火のような真っ赤な舌を覗かせていると人々が口を揃えて言いました。
"悪い子は竜に飲み込まれてしまう…"大人たちからそんな風に聞かされてどの子どもたちも皆が、"竜は怖い、恐ろしい…"と思いました。
ところが、そんな中で1人の不思議な子どもが居ました。
その子どもは竜を怖がるどころか、竜についてあれこれと大人たちに聞きたがりました。
そして子どもは大人たちにこう言いました。
"可哀想だよ。どうして誰もあの竜を可愛がってやらないの"とその子は涙を流します。
その不思議な子どもの誕生日が近づいたある日、母親がその子に誕生日に"誰を呼びましょう?"と尋ねたところ、何と子どもは"山の竜を呼んでほしい…"と言いました。
驚いて、"悪ふざけの子は大嫌い!"と母親は呆れてしまいます。
まもなく誕生日という日に子どもは1人で丘を登り、竜が住むという山に向かって出かけて行きました。
山の谷間に辿り着き、そして子どもは大声で竜を呼んでみました。
自分を呼ぶ者などこの世にいるはずがないと思っていた竜は驚き、不思議に思いましたが、"とにかく出ていってみよう…"とその長い体を洞穴から出しました。
すると、目の前には子どもがいました。
そして子どもは"自分の誕生日にはご馳走が出るから君も来なよ"、と竜を誘います。
子どもは竜にこう言いました。
"僕はね、おまえさんを虐めはしない。また誰か君を虐めようとしたって、僕が庇ってあげる"。
勿論、そんな事など1度も無かった竜は驚き、そして優しい子どもの心に、竜の鋭い目の中に優しい光がちらつき、やがてそれは涙となって流れ出しました。
止めどなく流れ続ける竜の涙は川になり、背中に子どもを乗せた竜はまるで船のように浮かび町に向かって進みました。
子どもの住む町が近づいてくると、竜の体に変化がおこり、それは本当の船のような姿になりました。
町の皆は嬉しそうに手を振る不思議な子どもと立派な黒い船を見て、びっくりしたのでした。
〜〜〜〜〜〜
「この物語に出てきた子どもは、大人たちから竜は恐ろしい生き物だと言われても、自分の思いを曲げずに竜に寄り添った……。ただ純粋な優しさと勇気で竜と友だちになったんだ……」
物語を語り終え、俺は少年に優しく話す。
「人間の中には、物語の子どもの様に誰かに寄り添える人たちも居る。俺は……それを君に教えたかったんだ」
「……お兄ちゃんも?」
少年は俺を見て言い、俺は頷く。
「うん。俺も君は本当は優しいドラゴンだと思ってる。だから、こうやって君と会って話がしたかった」
俺は少年の頭に手を置いて、クシャッと優しく撫でる。
「それにね、この世界には君以外にもドラゴンは居るんだよ」
「え?」
少年は不思議そうに見る。
俺は撫でていた手を、今度は少年の手を包み込む様に握る。
「俺の中には色んなドラゴンが居る……。君が探していた仲間とは違うけど……君は独りぼっちなんかじゃないんだ」
ドラグブラッカー
キャッスルドラン
シュードラン
タツロット
ウィザードラゴン
ドラゴナイトハンターZ
クローズドラゴン
ブレイブドラゴン
ジャアクドラゴン
ジャオウドラゴン
ルーンブライトドラゴン
ルーンディムドラゴン
そして、エレメンタルドラゴン
俺の中に宿る全てのドラゴンの力を、少年は俺の手を通じて感じ取る。
「……本当だ。お兄ちゃんの中にドラゴンがいっぱい居る」
「うん。そして俺の中のドラゴンたちは……君を独りにしない。これからも……ずっと君と一緒に居てくれるよ」
俺が笑ってそう言うと、少年の顔に笑みが浮かぶ。
「皆、友だち?」
「そうだよ。皆、君の友だちになってくれる」
俺は改めて、少年に手を差し伸ばす。
「俺も……君の友だちになっても良いかな?」
「……うん!」
俺の問い掛けに、少年は差し伸ばした手をじっと見て、俺に向かって笑顔で頷いて握手を組み交わす。
その瞬間、辺りが強い光に包まれた。
◾️◾️◾️◾️
意識が戻り、変身が解除されていた俺の手には、【プリミティブドラゴンワンダーライドブック】と【エレメンタルドラゴンワンダーライドブック】が握られていた。
「……これから、よろしくね」
俺は握られた2冊の【ワンダーライドブック】を見てそう言った。
そして地面に突き刺していた暗黒剣を引き抜き、周囲を覆っていた結界を解く。
すると、空はいつの間にかオレンジ色に染まっており、既に夕方である事に気がいてスマホのディスプレイを見ると、特訓の終了時間ギリギリである事を知った。
「マズイ、急いで皆の所に行かないとッ」
俺は少し慌てながら皆の元へ走るのだった。
ライダーくん、【プリミティブドラゴン】にとあるドラゴンの物語を語り始める。
【プリミティブドラゴン】にドラゴンの物語を語り始めるライダーくん。そして、ライダーくんの持つ全てのドラゴンの力がライダーくんと【プリミティブドラゴン】との間に絆を生み出し、ライダーくんと【プリミティブドラゴン】は共に世界を守る仲間となり、そして友だちとなる。
※ライダーくんが【プリミティブドラゴン】に語ったのは【りゅうの目のなみだ】と言う童話です(同著者の作品には【泣いた赤鬼】があります)。
今回の話を作る中で「何かドラゴンが出てくる童話とかないかな」とネット等を漁ってみたら、あらすじ読んで「これにしよう!」と思いました。
次回 A組&B組による女子会、そしてライダーくんと葉隠透が初めて出逢った回想のお話です。
今後のピックアップガチャ
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仮面ライダーガッチャード
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仮面ライダーガヴ
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仮面ライダーゼッツ