「今日の新潟競馬場は重バ場で良くありません、
前日に置けます大雨の影響で、
あちこちがぬかるみ、ウマ娘の足を取ります、
しかし、レースは非常、
曇天に合わせるウマ娘ではありません!!
ここに(GⅢ)新潟大賞典、開幕です!!」
▽
「トレーナー。」
「なんだ?ウララ?」
「今日、蹄鉄、軽いんだよね?」
「おぅ、体重もベスト、余分な重さを追加する事も無い。」
「そう、ならいいや。」
「ウララ、正直、無理はするな、無茶はしていい。」
「え?」
「それだけの身体は出来ている筈だ、
後は『お前の勝利に貪欲な部分をモノにするだけだ』
行って来い、『ハルウララ』
元気だけが取り柄じゃない事を見せつけて来い!!」
「・・・いいの?」
「あぁ、全員倒して来い。」
「・・・キヒッ。」
▽
「相変わらず焚きつけるのが上手いなぁ。」
「タキオン、今日は家で大人しくしてろって言ったろ?」
「いや、丁度水道工事が入ってな、
今日一日は水道が使えないのだよ。」
「あり?そうだっけ?」
「ちゃんと通知も来ていたぞ?」
「そうか、悪いな、タキオン。」
「ぉ、おぅ、どうした?やけに素直だが?」
「ウララがな。」
「また他の女の話かい?」
「『笑ったんだ』」
「笑った?」
「・・・キヒッって。」
「き、き、ひ?」
「あぁ、俺達は
ハルウララの開けてはいけない扉を開いたのかもしれない。」
▽
「各ウマ娘がゲートインして・・・おっと、
幾人かのウマ娘がゲートインしません、
どうしたのでしょうか?」
▽
さてはて、
名前を知らないウマ娘がゲートインを拒否ってるけど、
まぁ、仕方が無いかな?
ハルウララ、君はこんなに『野獣』だったかい?
ま、私の筋肉には敵わないだろうけど。
▽
「ようやくゲートインが完了しました、
さぁ、大賞典、間も無く、
スタートしました!!
先頭はメジロライアン!!
なっ!?直ぐ後ろに
『ハルウララ!!ハルウララが張り付いています!!』」
▽
(なっ!?コレはヤバい!!
作戦変更!!全速力!!)
▽
「メジロライアン逃げる!!
しかし、鼻差で貼り付くハルウララ!!
先頭の二人は既に5馬身は後続を離している!!」
▽
「うわ~・・・ここまで変わってたのか。」
「お、おぅ、私もこれは誤算だ、
あのメジロライアンが追い立てられているぞ?」
▽
「後続は3コーナー、ですが
デッドヒートを繰り出す二人は既にメインストレート!!
早い!!早すぎる!!
これはもしやレコードが出るのか!!
レコードが出てしまうのかっ!?」
▽
(離れない!!冗談じゃない!!)
「負けるかぁ~っ!!」
▽
「ウララ、口が小さくなったな。」
「ん?口?」
「あぁ、普通なら息苦しくなると
口を開いて酸素を取り入れようと必死になる筈だ。」
「・・・これは。」
▽
「このぉお~っ!!」
「メジロライアン加速する!!加速する!!
しかし喰らい付くのはハルウララ!!
離れない!!ゴールまで後僅か、
勝敗はどちらになるのかっ!!」
▽
(いやだ・・・負けたくない、
負けたくないっ!!
マックイーンになんて言えば・・・)
「くそぉ。」
「出力、全開。」
「なっ!?」
「なんとハルウララが並んだ!!並んでいる!!
ライアン逃げる!!ウララが張り付く!!
いや、僅かにハルウララが早いかっ!?
ハルウララが伸びる!!加速する!!
メジロライアンも負けじと加速する!!
・・・ゴール!!
判定は・・・写真判定だぁっ!!
写真判定になります!!
おおっと!!
皆様ご覧ください!!
レコードも出ています!!
レコードです!!
1.54.7!!1分54秒07!!
56秒の壁を打ち破った~っ!!」
▽
「出ました!!
メジロライアン!!メジロライアンがギリギリ一着!!
僅差でハルウララが二着に確定しました~っ!!」
▽
(く、くるしい、え?なに?きこえない・・・)
「負けました、メジロライアン。」
「え?」
「メジロライアンが一着ですよ。」
「けほっ・・・ほ、ほん、と?」
「・・・はい、メジロライアン、ウララは僅差で負けました。」
「あはは・・・でも、ウララ、ちゃん、まだ、よゆ、そう。」
「・・・ふぅ、そう、ですね、
悔しいです、今度は負けません、メジロライアン。」
「ぁ、あはは、お、お手柔らかに。」
▽
トレーナールーム
っぐ・・・ひぐっ・・・
「よく頑張った、ハルウララ。」
・・・ぅ・・・ひぐっ・・・
「ほら、顔上げて?」
ヤダ~・・・っぐ、ひぐ、うぅ~
「元気だけじゃないって、証明したじゃないか。」
・・・マケ、チャッタ、・・・っぐ、うぅ
「勝たなきゃいけないって、俺言ったか?」
イッテ、ナイ
「無理だけはするなって言ったろ?
『ちゃんと守ってくれたじゃないか』偉いぞ?ハルウララ?」
うえぇ~ん!?
▽
「タキオン、良いんですか?」
「ライス、流石にあの中に入る無粋さは持ち合わせに無いんだが?」
「・・・常識、貴女にあったんですね?」
「心外だなぁ、ちゃんと『頭には入ってるよ?』」
「・・・タキオン。」
「おっと、『私の病気は他言無用だ』」
「なぜっ!!」
「・・・賭けなんだよ。」
「賭け?」
「あぁ、私の生涯成績『4戦4勝』
これを越えないと結果が出ないのだよ。」
「生涯、成績って、貴女はまだデビューすらしていないのに!!」
「見たんだろう?」
「屈腱炎、ウマ娘界隈での『ガン』ですよね。」
「あぁ、正直、私も『研究はしたが』結果、
予防も、完治も認められない結果を知ってしまったよ。」
「それは・・・。」
「ライスシャワー、キミにも『爆弾』がある。」
「え?」
「その小柄な身体に見合わないステイヤー能力は、
『脚の負担が私以上にのしかかる』
それをわかっていないとは言わせないよ?」
「・・・タキオン。」
「それに、『ウマ娘全体が脚に爆弾を抱えている』
それが宿命なんだよ、ライスシャワー。」
「宿命・・・ですけど!!」
「はは、いいんだ、私は『何度も諦めている』
コレが『最後になっても構わないのだよ』
黒尾君が居てくれるからね。」
ズキッ
「お、おに、トレーナーさんが?」
「ふふ、黒尾君なら受け入れてくれる筈さ、
『お兄様』と呼ぶくらい問題ないさ、『私が正室なんだから』」
「せっ!?正室ってっ!?」
「別に『ウマ娘の重婚は咎められていないし推奨もされている』」
「!?」
「おや?知らなかったのかい?
『ウマ娘に耐えられる男性は限られているからねぇ』」
「・・・そうなの?」
「・・・キミはちゃんと授業受けているのかい?」
「あ。」
「・・・補講分は教えてあげるよ。」
「お、お願いします。」