旅館(民宿)の裏に続くバイパスには、
ハイキングコースがあり、
近くの河原に繋がっている
「なぁ?黒尾君?」
「なんだ?」
「これではトレーニングと同じ運動量では無いか?」
「そうか~?」
全員に着替えとテント用具、食器等々を背負い歩っている
「ね~、まだ着かないの~?」
「トウカイテイオー、喋ると余計に疲れるぞ~。」
「ぼく、お腹空いた~!!お腹空いたよ~!!」
確かにお天道様は大分上だが、
時間はまだ10時を過ぎたばかりだ
ほんと、短距離、中距離型なんだな、トウカイテイオー
「そんなに食べると、スペシャルウィークと同じ、
『減量メニュー』になっちまうぞ~。」
「ぐぬぬぬ・・・。」
▽
小休止を挟みつつ河原に辿り着く
「沖野トレーナー、はい、これ。」
「は?ハンマー?」
「着替え用のテントを建てるんですよ、
彼女達に外で着替えろとでも?アンタのもぎますヨ?」
「はい!!すぐさま設営させて貰います!!」
「・・・はぁ、お腹空いた。」
「ほれ、トウカイテイオー、こっち来い。」
「なんだよ~。」
「良いから、良いから。」
(頼んだぞ?タキオン)
(任せろ、誰かがそっちに行ったら、
直ぐにメールが届く)
▽
少し離れた場所
「ちょ、ちょっと、なんか怖いよ?」
「ほれ、栄養ゼリー、食材はこれから確保するから
腹入れとけ。」
「わ~い♪これ甘くて冷たいんだよね~♪」
「テイオー。」
「ん~?な~に~?」
「お前は『走る事を楽しいと思っているか?』」
「え?それは勿論!!カイチョーが目標だからね!!
『無敗の三冠馬』も目指してるし、
僕ならきっとできるっしょ♪」
「え?なんで、そんな顔するの?」
「・・・沖野トレーナーに言っても、
お前には言わないだろうからな、直接伝えておこうと思ってな。」
「な、なにを?」
「・・・お前の『脚』は、柔らかすぎる。」
「そうだよ?誰も持って無い柔軟性が僕の売りだからね!
あれ~?もしかしてスカウト~?
でも、僕はスピカに入っているよ~?残念でした~。」
「・・・この間の健康診断の『レントゲンだ』」
「え?」
「俺は言ったな、『柔らかすぎる』と。」
「そ、それが何だってのさ?」
「柔らかすぎる、コレが仇となるんだ。」
「な、それってウマ娘に言う事じゃないよね!!怒るよ!!」
「・・・この間、練習場のレコードを更新したそうだな?」
「今更なに?ボクには、何も聞こえませ~ん。」
「それ以上では走るな、俺から言える事はそれしかない。」
「なにそれ?つまり、ボクに負けろって言う事?」
「はっきり言おう。」
「な、なんだよ。」
折れる
ボクは、その後、何を注意されたのか
何を気を付けるのか覚えていられなかった
「すまん、コレが俺の心配事なんだ、
お前もどちらかと言えば『小柄な体躯』だ、
ライスシャワーと同じように、
『脚の負担は倍以上にのしかかる』
これを沖野トレーナーに伝えたところで、
あの人は言わないだろうからな、
これからも、『あれ以上に早く走るなら、覚悟を決めろ』
・・・俺だって伝えない方が良かったのかわからない、
だが、少しでも長く走れるなら、
それに懸けて欲しいと思ったからだ。」
「・・・ごめん、ひとりにさせて。」
「ダメだ、お前、『走って帰る気だろ?』」
「はなしてよ。」
「駄目だ。」
「離してっ!!」
「おっと、そうはさせない。」
「くっ、アグネスタキオンっ!!」
「トウカイテイオー、君を待っている仲間が探しているぞ?
食材は準備できたし、何時でも出来る、
それでも『待っているんだ』わかるね?」
「・・・この、人でなし。」
「だろうな、だが、伝えたぞ?」
「・・・サイテー。」
「ふっ、軽い軽い、
私はとうに『外道だぞ?』」
ゴッメ~ン!オマタセ~!!
「タキオン、ありがとう。」
「構わんよ、共に地獄巡りも面白そうだ。」
▽
そんな事無い!!ぼくの脚は大丈夫なんだから!!
▽
「あれ?」
「スペちゃん?どうしたの?」
「い、いえ、テイオーさん、
一瞬、なんか辛そうに見えたんですけど、
気のせいでしょうか?」
「ん~、見る限りそうは見えないけど・・・。」
「あ、それと、今朝はすみませんでした。」
「はぅ///い、いいのよ!?
あぁああれがなかったら、
私も歯止めが効かなかっただろうし。」
「そ、そうですよね!」
(あのまま私が乱入しなかったら、
何してたんだろ?ま、いいか。)
「スペちゃん?でも部屋に入る時はちゃんとノックしてね?
私も着替えたりするのだから。」
(ほんと、私も『学生』の立場を忘れて、
なにをしようとしたのかしら?)
「は~い。」
▽
「・・・。」
「ゴールドシップ?いかがされましたか?」
「え?いや、なんでもねぇよ。」
「いえ、貴女がそう考える時はチームスピカにとって、有益な事、
教えて下さいますか?」
「・・・いや、コレは言えない。」
「あら?珍しい。」
「そんな事より、
ほれマスタードかけた方が美味いだろう?
ほれほれ!!遠慮するなよ!」
ぶじゅう
「ふっ、甘いですわ!!」
お皿を上空に投げ、
別の紙皿で受け取り、顔面へシューッ!!
「ぎゃ~っ!?」
「ふっ、日頃の行いのせいですわ。」
べしゃ
「ちょ、何やってんだよマックイーンww」
「タイシン~、貴女ねぇ~。」
「え?ちょ、待て待て!?
なんでゴルシも一緒に『デスソース持ってんだよっ!?』」
二人「貴様も(貴女も)道連れだぁ~っ(よ~)!!」
「ぎゃ~っ!?こっちくんな~っ!!」
▽
「河原で飲むコーヒーも良いモノね。」
「私は紅茶かな~。」お砂糖追加
「ちょ、セイウンスカイ君?お砂糖はコッチを使い給え。」
「え?これも『砂糖でしょ?』」
二人「それ、塩。」
「ふみゃ~っ!?しょっぱい~っ!?」
「むむ?占いの出番ですかな?」
「いや、お砂糖を渡してあげれば済むんじゃ・・・。」
「みんな~!!またお魚捕まえたよ~!」
「でかしたウララ!!」
(さてはて、どうなるのやら、
黒尾君、君はバタフライ効果の引き金を引き切った、
ま、私もその煽りを受ける、
一緒に、『その先を見に行こう』
何時か、君が帰るその時まで・・・)